東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
阿求と小鈴はレイから、別次元の幻想郷から来た博麗霊夢だと教えられていた。黙っていた理由を聞かれたが、「言える程の状態ではなかったと」言った。
霊夢とレイを見比べている阿求だが「似ていると言えるのかしら?」と少し、考えながら言っている。
「目元は似てるかな?」
「それにしても、レイさんが別次元の幻想郷から来た人だとは、思いませんでした。」
「隠すつもりは、無かったけどね。聞かれたら言うつもりだったよ。」
霊夢が4つの湯呑みにお茶を淹れると、三人に出して、茶菓子も用意した。出されたお茶を飲んで一服する。
「この幻想郷にいるのは……帰れなくなったから?」
小鈴の鋭い一言に、霊夢と阿求は空気を読まない小鈴に呆れている。
「霊夢、阿求さん…大丈夫だから。そんな感じだよ。」
すると、阿求から頼みことがあるようで…
「さん付けで呼ぶのは、やめたらどうですか。」
「……でも、一歳上だし。」
「さっきは呼び捨てでしたよね?私も、レイ君と呼ばせてもらいますから。」
レイは“君”呼びされるのは別に構わないのだが、この幻想郷の阿求を呼び捨てにするのは、抵抗があった。さっきは呼び捨てにしてしまったが。
「それとも、お姉ちゃんでも構いませんよ。レイ君が一番年齢が下ですし。」
「私のことは、呼び捨てにしてるから阿求も、呼び捨てにしたら。」
霊夢に言われてしまい諦めた。お茶を飲み終えると、小鈴は持ってきていた本を取り出すと、読書を始める。
(さて、危機は乗り越えたから良いけど。バレるかと思った。)
レイは修行をするために、神社の裏手にある森に向かうのだが、小鈴が気になるようで、読書を中断している。
「気になる?」
「うん。」
「神社の裏手にある森に向かう。小鈴は危ないから、部屋にいなよ。」
「…………ダメ?」
小鈴が首を傾げて言ってくるが、溜め息をしているレイは、小鈴の頭をポンポンと撫でながら言った。
「かわいい顔して言っても、ダメだからね。霊夢と阿求、小鈴が外に出ないように監視してよ。」
「良いわよ。小鈴ちゃんは、危険なことに興味持ちすぎ。」
「監視してるから、行ってきても大丈夫よ。」
レイが部屋からいなくなると、小鈴は頭を撫でられたためか、顔を赤くしている。阿求と霊夢はニヤニヤしながら見ている。
「何ですかその笑みは!?」
「気にしなくても良いわよ。」
「……霊夢さんと阿求だって、レイ君が好きなくせに!」
その言葉に、霊夢と阿求が固まった。その頃、森に到着したレイは、準備体操をしていた。
(さて、結界の強度を更に上げないとね。)
森で瞑想を続けながら、周囲に複数の結界を張り、それを維持させる修行を続ける。すると、小鈴が森の中に来ていて、レイに声をかけていた。
(何で森にいるんだ!?)
レイが動揺しているとは知らずに、小鈴が近づいてくると、流石のレイですら頭に来て怒った。
「何で森に来たの?危険だと言ったよ。小鈴…」
「…えーと。」
「いくら、博麗神社の敷地内だとはいえ、危険な妖怪だって出るんだ。」
「………ごめんなさい。」
小鈴はレイに謝る。流石に言い過ぎたレイは、小鈴を抱き締めて、頭を撫でている。その行動に、吃驚して、戸惑っている小鈴。
「れ、レイ君!?」
「余り、心配かけさせないでね。」
「…………うん。」
レイは小鈴から離れると、一緒に神社に戻るのだが、小鈴はレイの右腕の方から妖気の気配を感じていた。
(レイ君の右腕から?右目の眼帯は紫さんから聞いていたけど、何で…右腕から妖気の気配がするの?)
疑問に思いながら、神社に戻ったのだった。