東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
人里で、情報収集をしているレイは、以前住んでいた幻想郷とほぼ同じだとわかったようだ。そのため、一旦調べるのを中断すると、持っている小袋にあるお金を確認する。
(お金は同じなのかな?もし違うのなら、仕事を探すなりして、稼がないとダメだよね。)
レイは仕事探しをするために、人里内にある案内板から仕事を探す。この幻想郷には、多くはないが外の世界から来た人間もいる。
(………何でも屋、妖精、妖怪の遊び相手の仕事、寺子屋の手伝い…僕に出来そうな仕事はあるかな?)
すると、寺子屋の教師兼人里の守護者である上白沢慧音が、案内板を見ているレイを見掛ける。
(人里では、見掛けない人間だな。外から来た人間か。妖怪として、誕生したかのどちらだが…少なくとも、妖力の気配はしない。ならば、人間か魔法使いのどちらかだな。)
慧音はレイに、声をかけるべきかどうかを考えると、その気配に気づいたようで、後ろを向いてきた。
「……僕に何か?」(この幻想郷にも、慧音先生はいるのか。僕に何か用事かな?)
「質問するが、君は人里の人間か?」
慧音は少しだけ警戒しながら、レイに人里の人間かどうかの質問をした。その意味を理解して、人里の人間ではないと答えてから、外から来たといった。
「そうか。失礼だと思うが…最後に聞く。君は妖怪か?」
「僕は人間です。証明する方法は、巫女に聞いたらわかりますよ。」
「巫女…霊夢のことか?」
慧音に聞かれたため、小さく頷いた。暫く考える素振りをする慧音。だが、レイが嘘を言っている可能性はないと判断した。
(さて、少年は働く意思はある。どうしたものか…)
「少年の名前を教えてくれないか?私は上白沢慧音だ。」
「………レイです。一応、外来人です。」
「仕事を探しているんだったな。レイさえ、良ければ…当分の間は、私の手伝いをしてくれないか?私は寺子屋の教師で、資料整理の手伝いをしてもらいたい。」
「資料整理…」
慧音からの頼みに、レイは頼む手間が省けたようだ。だが、慧音のレイは初対面である。少しばかり、疑問に思うのは無理はない。
(この幻想郷では、慧音先生とは初対面。いくらなんでも、見ず知らずの人間に警戒しないのかな?)
その頃、博麗神社の境内の掃除をしている霊夢は、守矢神社の祝風…東風谷早苗から手土産の饅頭を貰っていた。
「すみません…霊夢さん。朝から来てしまって…」
「別にいいわよ。朝から朝食を集りに来る魔理沙と萃香とは、違うし…」
「そうですか?」(そう言いながら、嬉しそうな表情をしていますね。霊夢さんは…)
そう思っても、霊夢には言わないで、風呂敷から饅頭の箱を出す早苗。お茶の準備している最中に、隙間から紫が顔を出した。
「紫…来るなら一言いったら?」
「ごめんなさいね。さっきまで、結界の点検をしていたのよ。」
「お茶を出すから、隙間から出なさいよ。」
「わかったわ。」
隙間から出た紫は、別の隙間を開いて、何かを探している。それが気になった早苗は何を探しているのかを聞いた。
「……あったわ…外の世界に行ったときのお土産。」
紫が取り出したのは、一升瓶の酒三本である。
「お酒ですか?」
「幻想郷じゃあ、問題ないからね。」
「外だと、完全にアウトですから。」
霊夢が戻ってくると、早苗と紫にお茶を出した。饅頭を食べると、早苗から人里に関する話を聞いた。
「そう言えば、博麗神社に向かっている最中なんですが、文さんから人里に関する話を…」
「どんな話を聞いたのよ?」
「人里で、少年を見掛けたらしいです。少なくとも、人里の子供では見覚えのない少年らしいです。」
霊夢と紫は黙ってしまった。早苗が射命丸から教えられた少年の情報は、レイのことだとわかったからだ。
「霊夢さんと紫さんは、気になりませんか?」
「……そうね。」
「……………」
霊夢は曖昧に言ったが、紫は無言になりお茶を飲み干して、饅頭を食べ始めている。早苗は首を傾げた。
「…………さて、私は鈴奈庵に借りていた本を返さないと行けないから…帰るわね。」
紫は隙間に入ると、姿を消す。霊夢はお茶と饅頭を堪能し終える。早苗にゆっくりさせて、境内の掃除をしたのだった。