東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
夕暮れの人里でお祭りが開催されている。そのため、人里には人間以外にも、妖怪、妖精などが人里に来て、お祭りを楽しんでいる。
レイは直接鈴奈庵に行き、小鈴を迎えにいくと、桜色の浴衣を着ている小鈴に、目を奪われているレイ。
「ど、どうかな?」
「似合うよ。」
「…………よかった。」
レイに感想を言われて、笑みを浮かべているが、少しだけ赤くしている小鈴。鈴奈庵を出た二人は立ち並んでいる屋台を見ながら歩いていく。
「いろいろあるよ。」
「迷っちゃうね?」
楽しそうに会話を弾みながら、散策していると小鈴が手を繋ぎたいようで、「はぐれたら嫌だし」と、理由を言ってレイを見ている。
「手…繋ごっか。」
小鈴の手を握るとお互いが顔を赤くしているが、散策を続ける。
「何食べる?」
「たこ焼きはどうかな?」
「幻想郷に海無いよね?タコをどうやって調達してるんだろ。」
「紫さんかな?」
少々疑問に思いながらも、たこ焼き屋の屋台に向かう。お客はボチボチといるようで、普通のようだ。
「おじさん、たこ焼き2つ。」
「はいよ。」
たこ焼きが出来るまで、ベンチに座って待っている二人だが、無言になってしまい、どうすれば良いのかわからない。
(何を話せば…)
(デートだよね?2人目だし…前は忙しかったから…余り良くないような…)
それぞれ、こう思っているとたこ焼きが出来たようで、店主から渡された二人だが…
「本来なら6個入りだが、デートみたいだからな。1個ずつサービスしといたぞ!」
「な!?」
「……ありがとう。おじさん…小鈴、テント内で食べよ。」
人里の広場に設営されているテントで、たこ焼きを食べる。だが、緊張しているせいなのかは、たこ焼きの味が余りしなかった。
「………次はどうする?」
「確か、花火大会が19時なんだよね。」
お祭りでは、人間以外にも妖怪が屋台を開いている場合もあるが、許可されている者か、人間に変装している妖怪である。
「何処に行こうかな。」
「あそこに射的ゲームがあるよ!」
小鈴が見つけたのは、射的ゲーム屋のテント前ににとりがいたのだ。客寄せをしているようだ。
「レイじゃないか!小鈴も久し振り。」
「にとりさんは射的ゲームですか?」
「そうだよ。銃はこれだけどね。」
にとりが取り出したのは、プラスチックと金属が組み合わさって出来ているカード式の拳銃だ。
「銃の先端に差し込み口があるから、このプラスチック製のカードを入れて、引き金を引くと…」
にとりが10メートル先の的に狙いを定めると、引き金を引いたら、カードが発射されて回転するが、空気抵抗を受けずに的に命中した。
「命中した。」
「勿論だけど、人に向けたら危ないよ。怪我するからね!」
「やってみようかな。」
にとりにお金を払うと、カード銃と5枚のカードを貰い準備する。景品には、ぬいぐるみ、お菓子などが用意されていた。
(一部は外の世界のお菓子だよね?ぬいぐるみは少し、小さめかな?河童のぬいぐるみだよね。)
「結構軽いけど…やりますか。」
カード銃の先端にカードをセットすると、狙いを定めて引き金を引いた。勢い良く発射されたカードは、河童のぬいぐるみを通り過ぎて、その後ろにあるお菓子の箱に命中した。
「一発目から当てたね!」
「レイ君、凄いよ!」
「…………」(次は当てる!)
すると、右目の眼帯を取ると妖力が右目に集中して、視力を上昇させる。
(これで、見易くなった。)
カードを発射して、河童のぬいぐるみに命中するが、少し傾いただけで落ちなかった。にとりの表情は少し、汗をかいている。
(傾いただけね。あのぬいぐるみはカード1枚では落とせないくらいの重さか、細工されているかのどちらかかな?)
にとりをチラッと見ると、笑って誤魔化している。
(何かあるな。)
レイは試しに、2回連続で河童のぬいぐるみにカードを命中させるが、傾いて落ちそうになる。流石のにとりも、慌てている。
(……さて、どうするかな。ぬいぐるみは落ちそうだけど、にとりの表情からして…取らせるつもりは、無いのかな?小さな細い糸が見えるし。僕もズルするかな。)
レイはカードに霊力を集中させると、そのまま発射して、河童のぬいぐるみの真上にある小さな細い糸に命中させると、河童のぬいぐるみが落ちたのだった。