東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
河童のぬいぐるみを撃ち落としたレイだが、にとりは信じられないのか、現実を見ようとしない。
(えー!?撃ち落としたの!河童のぬいぐるみ取られたから、商売できないよ。)
にとりは頭を抱えつつ、レイに河童のぬいぐるみを渡した。そして、にとりに近づいて呟いた。
「霊夢には黙っとくよ。」
「アハハハ……」
そう言って、河童のぬいぐるみを小鈴にあげると、「ありがとう」と言って、受け取った。
暫く散策していると夜になり、花火大会の時間になって、レイと小鈴は人通りの少ない場所で花火を眺めている。彩りの花火が空に打ち上げられていく。
「お祭り楽しかったよ!」
「そうだね…小鈴。」
「そろそろ、帰ろっか。」
レイは小鈴の手を握ると鈴奈庵まで送るのだが、急に小鈴が立ち止まった。
「小鈴?」
「……私はレイ君が…好きです!」
「え……!?」
小鈴からの告白に動揺しているレイだが、小鈴は何も言わずに後ろを向いている。
「………返事は、今は…要らないかな。レイ君大変そうだし。霊夢さん達に怒られるかな?」
「…………」
「家近いし…帰るね!」
小鈴は走っていってしまった。レイは正気に戻ったが、何故か苦しそうにしている。精神的のようだ。
(今更…死にたくないと思っても、遅いのに…今更後悔しても…)
翌日、4時に起きているレイは神社の境内に出て、霊力の修行をしている。お札を使った修行である。
(この幻想郷に来てから、針しか使ってないから。使わないとね。)
大量のお札を取り出すと、霊力を流して馴染ませる。流し終えたお札を持って投げると、結界が出現した。
(ちょっと薄いかな?前はこんなに薄くなかったのにな…)
修行を終えると、昨日の小鈴の告白が頭に過ったが、今は余裕がなくそれどころではない。
(もう、封印された妖怪がいないから…寿命を削る心配は消えた。でも…20歳まで生きれないんだよね。体がボロボロだし…)
レイの体は既に、限界近くまで達しているが、封印されていた妖怪がいなくなっているため、寿命を削る心配は消えた。それでも、いつ死んでもおかしくない状況である。
(さて、どうするかな。)
境内の掃き掃除をしていると、人形を連れた少女がやって来た。レイはそれに気づいたようだが、掃除を続ける。
「ちょっと良いかしら?」
「なんですか?」
少女は霊夢に用事があるらしいが、居候がいることは知らなかったようで、警戒されている。
「僕はレイと言います。1カ月と少し前くらいに、居候しています。」
「霊夢がね…?私はアリス・マーガドロイドよ。隣にいるのは、上海よ。」
「シャンハーイ!」
上海は小さく御辞儀をしていると、レイは握手の代わりだが、人差し指で上海と交わした。
(アリス…もう、驚かない。)
「霊夢を呼ぶ?もうすぐ、起きると思うけど…」
「そうね。縁側で待たせてもらうわ。」
レイは掃除を終わらせると同時に、霊夢が境内に出て来た。アリスが来たことを伝えると、縁側に行っている。
(今日は予定ないし、どうするかな?)
欠伸をしていると、上海がレイに近づいてきて肩に乗った。アリスと霊夢が会話をしているため、暇のようだ。
「上海も暇なの?」
「シャンハーイ」
何度も小さく頷いている。暇潰しになることを考えていると、藍が隙間から現れた。レイに用事があるらしい。
「どうしたんですか?」
「紫様が隙間を使って、いろいろと情報を集めていてな。偶然、保護した人間が幻想郷のことを知っているらしくて、教えに来た。」
「僕に関係がある話ですか?」
「その人間は、私達が知っている人物と…瓜二つなんだ。紫様から聞いたから、私もその人物の顔を見ていないがな。」
「………もしそうなら…連れていってくれませんか?」
藍に頼み込むと「頼まれたら、連れてきなさいと…」と、紫に指示されていたようで、レイは隙間の中に入り、姿を消した。