東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
寺子屋に到着したレイは資料室に入るのだが、室内は歴史本や教材が山積みになっていたのである。慧音は苦笑するのだが、少し落ち込み気味である。
「……どの様に、片付けますか?」
「種類別に分けしてくれたら、私が片付ける。何なら、読書も許可する。持ち出しは禁止だか。」
「わかりました。」
慧音とレイは片付け作業を開始する。本棚の本を取り出すと、種類別の本をしまっていく。
「………慧音さん。生徒さんの答案用紙が…」
「ありがとう。歴史本に挟まっていたか…」
暫く片付け作業をしていると、慧音から休憩するように言われて、資料室から出る。レイは疲れてはいないのだが、休憩をすることにした。
「半分は片付きましたね。」
「1日では終わらないがな。」
時間的に昼過ぎになったので、昼食に団子屋に行くことになった。慧音の話だと、兎妖怪がやっている団子屋だそうだ。
(兎妖怪?前では、てゐが率いている兎妖怪しかいなかったし。この幻想郷では、誰がいるのかな?)
団子屋に到着すると、小さな白衣姿の妖怪兎達が、団子を作っていた。指示を出しているのはてゐである。店内は満席状態で、忙しそうである。
「店内で、食べようと思ったが…」
「外の方が…良さそうだね。」
団子を持ち帰りで、注文しようとする。だが、兎の店員が相席は大丈夫か聞いてきた。慧音とレイは別に大丈夫だと伝えると、席を案内する。
「小鈴と阿求じゃないか。」
案内された席は、稗田阿求と本居小鈴がいたのである。慧音とレイは席に座ると、みたらし団子と三色団子を注文する。
「慧音先生…隣の男の子は誰ですか?人里では、見掛けないですよね。」
「この子は外から来た外来人らしい。」
「僕の名前はレイです。名前を聞いても?」
「私は稗田阿求です。幻想郷縁起の書物を書いてるわ。」
レイは知ってはいるけれど、知らない振りをして質問した。阿求は簡単に説明する。
「幻想郷に住む妖怪についての書物よ。機会があったら、読んでみるといいわ。」
「私は本居小鈴です。貸本屋鈴奈庵を任されてます。本の貸出、販売をやってるから…来てくださいね!」
「機会があったら…」(阿求と小鈴もいるね。僕のいた幻想郷と変わらない…けど、違うんだよね。)
少し悲しみの笑みを浮かべそうになるが、表情には出さずに、お茶を飲んだ。小鈴と慧音には気づかれていない。だが、阿求は違和感を感じた。
(………気のせいかしら?)
「そうだ。レイの年齢を聞いてもいいか?」
「僕の年ですか…13歳になります。」
「私と同じだね。阿求は14歳だよ…」
「そうなると、阿求さんが年長者になるんだね。」
レイの言葉に、阿求は気分を良くして、お茶を飲む。すると、注文していた団子が来たので、会話を中断して食べ始める。
「この団子美味しい。」
「結構いけるわね。」
「……レイ君は何処に住んでるの?」
「………当分の間は、博麗神社に居候だよ。幻想郷に来たばかりだし…」
小鈴、阿求、慧音が、目を見開いている。博麗神社は、人里から結構離れているため、徒歩での移動は、妖怪に襲われる危険があり、人里の人間は滅多に博麗神社に来ないのである。因みにレイは、空を飛べないため、徒歩で人里に来たのだ。
「妖怪に襲われてないよね!?」
「大丈夫か?」
「妖怪に関して、色々と教えるわよ?」
「大丈夫だよ。」(僕…何かやらかしたかな?)
団子屋を出ると、食後に人里内をいろいろと案内されるレイは微かだが、妖怪の気配を感じ取った。すると、目の前に猪の妖怪が現れた。
「慧音先生!?」
「小鈴、阿求、レイは下がってなさい。私が追っ払う。」
慧音が前に出ると、右手から妖力の玉を出現させる。
(弾幕ごっこ用の力じゃないと、周囲に被害が…)
猪の妖怪が突進してくると、慧音は玉を放って、命中させるが倒れなかった。それどころか、攻撃を受けた猪妖怪は、興奮気味になり、慧音に威嚇している。
(威力が足りないか…)
すると、慧音の真横を何かが通り過ぎて、猪妖怪の頭に針が突き刺さっているが、それだけではない。猪妖怪を囲うように、4本の針が地面に突き刺さって、結界が張られた。
「猪妖怪が…結界内に閉じ込められた!?」
「後は、退治するだけだね。」
レイは1本の針を取り出すと、結界内に閉じ込められている猪妖怪に突き刺すと、その場で倒れて、退治されたのだった。