東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
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異次元幻想郷の博麗神社では、新しい幻想郷の守護者が任命されるための儀式が行われているのだが、先代までは少女が守護者に任命されていた。
少年も任命されたこともあるが、そんな多くない。
当代の守護者は少年が任命され、名前は博麗霊夢。今日から10年間は幻想郷の守護者…博麗の神主として、幻想郷の守護を任されることになる。
「霊夢…任命式お疲れ様。疲れてないか?」
「大丈夫だよ藍。今日から博麗神社に一人で住むんだよね。」
境内に立っている霊夢は鳥居を見ながら、藍から大事な話を聞かされる。
「それなら大丈夫だ。今日から半月までは、私も博麗神社に住むことになる。」
「え、そうなの?紫からはそんな話しなかっけど…」
霊夢は任命式の前日に「一人前として、守護者と皆に認められるためには、一人暮らしが出来ないとね」と紫から言われている。
「あれか…紫様のジョークだ。幻想郷の守護者でも、10歳の子供をいきなり一人暮らしはダメだからな。半月までは私と一緒に住むんだ。」
「紫のジョーク…本気にしか聞こえないよ。」
「それは私も困っていてな。」
藍と霊夢は笑っていると、隙間が開いて紫が機嫌悪そうな笑みを浮かべながら出てきた。
「楽しそうな話をしてるわね。霊夢と藍?」
紫の姿に冷や汗をかいている藍と霊夢に、溜め息をする。すると、隙間から橙が出てきて霊夢を見ている。
「藍…あの子は猫又だよね?」
「私の式で橙だよ。」
「藍様の式、橙です。」
「僕は博麗霊夢…よろしくね。」
橙の頭を優しく撫でる霊夢に、気持ち良さそうに目を細めていると、藍が珍しそうに見ていった。
「珍しいな。橙は普段、人間に警戒心を抱くんだ。」
「そうなの?」
「ああ。」
霊夢は橙を撫で続けると、頭を手に擦り付けている。警戒心がなく、霊夢を信頼している証拠である。
(橙は確かに妖怪だけど…悪さをしていない妖怪は、退治したくないな…)
橙は霊夢の無意識な暗い表情に気づいたのか、抱き締めてきた。
「橙?」
「…………」
藍と紫は、霊夢を橙に任せると隙間に入り姿を消すと、暫くして霊夢から離れた橙は、急にお腹の音がなったため、顔を赤くしていると「お昼何か作るね」と言って、台所に向かった。
料理ができた霊夢は境内にいる橙を呼んで、一緒にお昼を食べる。
「おにぎりと味噌汁だけど…よかったかな?一応おにぎりは鮭だけど。」
「魚は大好物です!でも、鮭は海ですよね?」
「紫が持ってきたのかな?橙と同じく魚好きだし…幻想郷に海はないからね。」
橙はおにぎりを食べると、目を輝かせて食べ続ける。喉に詰まらないか心配になってきた霊夢は、お茶を淹れている。
「橙、ゆっくり食べないと喉に詰まるよ?お茶を淹れたから。」
「……ゴックン。ありがとう……熱い!?」
「ごめん、直ぐに冷ますね。」
霊夢は【氷】と、書かれた御札を取り出すと、湯飲みを冷やして熱を冷ましていく。
「………霊夢は氷の術が…使えるんですか?」
「違うよ。僕が元々使えるのは結界だけ。氷の術は…守護者に任命された後で、発現したものだよ。紫から何かしらの力を与えられる…と教えられたけど…」
「霊夢は氷…確か、先代の巫女は…火だと、藍様から聞いてますよ。」
霊夢の前にいた先代巫女は、悪さする妖怪を火炙りにするなどの少し残虐性のある人物だが、人間に仲良くしている妖怪、妖精などには、優しい一面を見せる。
「氷…」(先代様は火…氷は難しそうかな。)
御札を懐にしまい、霊夢もおにぎりを食べる。橙はおにぎり、味噌汁を食べ終える。眠気が来てしまったようだ。
「眠いなら布団出すよ。」
「霊夢の膝で寝たいです…ダメですか?」
「良いよ。」
霊夢から許可をもらうと頭を膝に乗せて、橙は眠ったのだった。