東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
異変解決に動き出した霊夢は、情報を集めようにも、手掛かりが見つからないため、妖気の気配を辿るように移動していた。
(この辺は気配が薄い。妖怪の仕業だと思うんだけど…妖力か魔力なのかがわからない)
霊夢は妖力と魔力の違いが余り理解出来ていなく、気配はわかるが同じ力だと、誤認して感じてしまうのだ。
(少なくとも、この場所にはいないね。別の場所を探さないと…)
森から出ると、黄色の髪に、リボンをつけている少女…ルーミアを見かけた霊夢だが、様子がおかしい。
「ルーミア…」
「いただきます!」
ルーミアが襲い掛かってくると、霊夢が針を取り出して、霊力を込めて投げた。
「効かないよ。」
黒い剣を二本出現させると、霊力を込めた針を斬ると、霊夢に接近してきた。だが、咄嗟に距離を取り霊力弾を放った。
(あの霧が原因…ルーミアが赤い!?)
避けられて、ルーミアの瞳が赤くなっているのに、気づいた霊夢は気絶させるために、近づいて氷の札を取り出した。
「【氷弾】」
至近距離で、氷の弾丸を放ったと同時に黒い剣で腕を斬られたが、氷の弾丸が命中して、ルーミアは気を失った。
「……ルーミアはあの霧で、暴走した。」
少し疲れたようで、ルーミアが目を覚ますまで休憩することに。暫くすると、目を覚ましたようだ。
「ルーミア大丈夫?」
「霊夢なのかー」
霊夢はルーミアを起き上がらせると、正気に戻っているのを確認して安心する。
「う……」
「どうしたの?」
「ごめんなのかー霊夢、怪我…」
斬られた右腕を見て、ルーミアは泣きそうにしているが、霊夢は痛みを堪えて笑っている。
「大丈夫…少し休憩すれば治るから。」
「う………わかったのだー…」
ルーミアの頭を撫でると泣き止んで、霊夢の右腕を甘噛みしている。怪我しているため、止血するためなのだろうが…
「ルーミアもう大丈夫。血は止まったよ…」
右腕に結界を張り、血の流れを塞き止めて誤魔化す。ルーミアは持っていたハンカチを霊夢に渡した。
(このハンカチに妖気…血の臭いも少しある。人間食べたのか?人里の人間だったら、討伐だけど…)
「このハンカチはどうしたの?」
「森に迷い混んだ人間から……人里の人間では無いのだー」
ルーミアはハンカチ以外にも、ボールペンを霊夢に見せる。幻想郷にプラスチック製品は存在しないため、外から来た人間を食べたのだろうと、推測する霊夢。
「………わかった。このハンカチとボールペンは僕が預かる。案内してくれない?」
「わかったのだー」
「それと、紫も見てるんなら…見逃してよ。今回は異変での事故だから…ルーミアに過失はないよ。人里の人間を襲ってもいないから…」
霊夢はルーミアに結界符を張り付けると、見えなくなった。これ以降、紅霧の影響を受けることはない。
霊夢を観察していた紫は、隙間から妖力弾をルーミアに向けようと思ったが、やめたようだ。
(確かに、事故なのよね。霊夢は怪我をしたけれど、ルーミアを許しているし…今回は霊夢に免じて、許しますわ。)
紫からの殺気が消えたので、霊夢は安心した。ルーミアに案内されると、人間の死体にボールペンとハンカチを置いて、結界を張ると手を合わせた。
(異変が終わったら、あの人に供養を頼まないと…)
霊夢は異変解決に向けて歩き出した。その頃、魔理沙は箒で空を飛びながら、紅霧の発生場所を探していた。
(あの紅霧は魔法の森にも流れていて、魔力を含んでいるが、魔力気配が薄かった。なら、魔力気配が濃い場所を探し出せば…)
霧の泉上空を通りすぎると、魔力気配が最も濃い場所を発見した。
(あの館から魔力気配が強い…発生地点はあの館で間違いないぜ!)
魔理沙は紅魔館を見つめるのだった。