東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
霊夢が咲夜との戦闘に勝利した頃、魔理沙は薄暗い地下廊下の階段を下りていた。所々、魔力の気配を感じ取っている魔理沙は、警戒を強める。
(この廊下だけ、不自然だぜ。魔力の気配が強いぜ…)
壁には血の臭いが微かに漂っていた。魔理沙は地下室に到着すると、扉には強力な魔法結界が施されていた。
(怪しいぜ…)
魔法結界に触れようとしたが、嫌な予感を感じたため、触れずにその場を立ち去った。部屋から微かに笑い声がしたが、魔理沙は気づかなかった。
紅魔館2階にいる霊夢は、周囲を警戒しながら、進んでいくと強い気配を感じ取った。少し怯んでしまったが意識を保った。
(行かなきゃ…)
薄暗い廊下を進むと、奥に扉があるのが見えたが、それだけではない。猛烈な妖気が漂ってきている。
(あの扉の奥に…)
霊夢は扉の前までいくと、扉が勝手に開いた。警戒を解かずに侵入すると、勝手に扉が閉まった。室内は広くて先が見えない。
(魔法で、空間でも広げたのかな?いろいろと、罠とかありそう…)
しゃがんで床を調べていると、遠くから弾幕が飛んできて、霊夢に命中するが結界で弾いた。
「………あの弾幕を防げるのね。」
部屋の奥からゆっくりと、レミリアが歩いてくる来た。霊夢は近づかずに札の準備をする。
「私は紅魔館の主、レミリア・スカーレット。ボウヤの名前は?」
紅い瞳を鋭くしているが、笑みを浮かべているレミリアに、霊夢は名前を聞かれた。
「僕は博麗霊夢。お姉さんが異変の黒幕?」
「………正解よ。」(ふむ。私をお姉さん呼びしたわね。この子供のことは、八雲紫から聞いてたけど、敵対していても、冷静に行動が出来ている。)
レミリアは霊夢に内心感心すると、霊夢は何枚かお札を取り出して、霊力を流し込む。
「一応…聞くけど、あの霧を消す気はある?」
「無いわ。吸血鬼は太陽に弱いの…消すわけにはいかないわね。」
レミリアは妖力を右手に集中させると、霊夢に向けて放ったら、衝撃波が発生して室内の床に亀裂が走った。
「……危ないな…【夢想結界】」
懐から10枚の結界符を取り出し、結界を構築して結界を張る。衝撃波を結界で防ぐのだが、強度が足りないようで、結界に亀裂が…
(……防げない…)
霊夢は結界が破壊される前に、結界の移動術を使い、その場から消えた。レミリアは霊夢がいなくなったのを察知して、妖力を消した。
「逃げたか……それとも、何かを企んでいる?」
レミリアは部屋から出ると、霊夢を追った。
魔理沙は図書館に入り、読書をしていたパチュリーに地下室の魔法結界のことを聞いた。読書を中断したパチュリーは暗い表情をしている。
「あの地下室には…秘密だわ。知りたかったら、異変の黒幕を倒すことね。魔理沙の仲間である少年は中にいるわ。探して、合流することね。」
「………わかった。」
魔理沙は霊夢を探しに向かった。パチュリーは小さく溜め息をすると、本の整理をしていた使い魔、小悪魔のこあが出てきた。
「パチュリー様…紅茶です。」
「ありがとう…」
魔法結界で封印されている地下室。その室内にいる宝石の付いた羽を持つ少女は、狂気染みた笑い声をしながら、扉を見ている。
「オネエサマハ…ワタシヲトジコメタ…ゼッタイニユルサナイ…」
炎の大剣を左手に出現させると、扉を斬うとして振るのだが、扉が少し燃えただけで、出られなかった。
「ヤッパリ…ハカイシタホウガハヤイネ。」
右手を壁に向け、ゆっくりと開いていた手のひらを握ると、壁が粉々に破壊された。
「オネエサマヲ…サガシニイコウ。」
少女は地下室から出ていった。