東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
人里を襲っていた猪妖怪を退治した後で、結界で封じ込める。それをしなくては、妖怪を退治したとしても、妖気が漏れだして、人里に被害が及ぶ危険性があるからだ。
処理を終えたレイは、結界で使用した針を回収すると、慧音から質問された。
「レイは何者なんだ?」
「外から来た外来人だよ。簡単な結界術式しか使えない只の人間だよ。慧音さん…」
笑みを浮かべたレイは、妖気が完全に消滅した猪妖怪を持ち上げると、人里を出ていく。森に埋めて、供養するためだ。
「また今度ね。小鈴さんに阿求さん。」
人里を出ていくレイの姿を見届ける小鈴と阿求だが、もう日が暮れているため、急いで帰っていくのだった。
森に来ているレイは猪妖怪を埋めて、結界で封印を施す。1週間結界を維持すれば問題は解決する。
(これで、結界を維持するだけ…早く帰らないと……)
森を出ようとしたら、空を飛んでいる霊夢の姿を見た。レイの目の前に下りてくる。
「レイ…遅いから迎えに来たわ。」
「心配かけて、ごめん。」
「人里を調べて、何かわかったの?」
「初日だから…まだわからない。」
霊夢はレイの施している結界の力を感じ取り、森の方を見て、何を封印しているのかを聞いた。
「猪妖怪の供養ね…」
「1週間結界維持したら解決するけど…」
「人里で暴れているんだ妖怪退治は、人里の住人でもやる人はいるからいいとして、妖怪の封印は巫女の仕事よ。勝手なことはしないで…」
「…ごめん。」
レイの落ち込みように、少し言い過ぎた霊夢は、結界を確認してみることに。
(私の結界よりは弱い。けど、強度は確りしてるのね。針を媒体とした結界術式ね。それにしても、初級の結界術式で…)
レイの結界に感心している霊夢は、一緒に帰るのだが、問題が1つだけあった。
「………レイは空が飛べないの!?」
「うん…殆どの移動は走って移動してたから、身体能力が人間より、少し高めになったかな。武器はこれだし。」
懐から針を取り出した。霊夢が針を調べると、霊力の他に、別の力も施されている。
「御札は使わないの?」
「針の方が…使いやすいから。」
針を返してもらうと、地面に何かを仕掛けている。霊力を細くして、針を形成したのである。
「これで、完了だ。」
「何をしてるの?」
「結界を使った移動術の仕込み。空が飛べないから、仕込んどかないと…」
「帰るわよ。」
「大丈夫だよ。帰る準備はできたし…」
言っている意味がわからなかった霊夢だが、突如、レイと霊夢を囲むように結界が発生した。
「………神社に仕込んだわね?」
「説教なら帰ってから受けるよ。」
「………わかったわ。」
レイは霊夢の手を握ると、結界が光だして、その場から姿が消えると、博麗神社の境内に出現した。
「結界から他の結界に移動した移動術ね。」
「こうでもしないと、もしもの時に大変だから。」
「夕飯の準備をするから手伝って…」
「わかった。」
真夜中の紅魔館では、ワインを飲んでいる吸血鬼の少女、レミリア・スカーレットが退屈そうにしていた。何か面白いことがないか、考えていると、何かの存在を感じ取った。
「………面白い存在が来たわね。迎え入れる準備でもしましょうか。」
「どうしましたか…お嬢様?」
「咲夜。幻想郷に面白い存在が来たから、招待状を…」
レミリアの専属メイドである十六夜咲夜は、招待状の紙が入った封筒を預かる。
「届ける場所は?」
「博麗神社よ。それと、小鈴にも出して来なさい。パチェが解読できない本があるらしいから…明日の朝9時頃に。」
「畏まりました…お嬢様。」
咲夜が姿を消すと、ワインを飲み終えたレミリアは、ベットに寝転がると、明日が楽しみなのか眠れないのである。
「………全然眠れないわね。ヤバイわ…」
次第に眠気が来て、眠ったのだった。