東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
紅霧異変を解決した霊夢だが、フランの狂気を消すために、大量に血を使いすぎたため、1週間の間は紅魔館で療養することになった。
今は体調が良くなったので、気分転換に廊下内を歩いている。3日間は部屋で寝たきり状態だったせいか、少し鈍くなっている。
(霊力はまだ不安定だし、激しい運動はできないから、暇だよ…)
歩き疲れたようなので、部屋に戻ってみるとフランが椅子に座っていた。遊びに来たようだ。
「霊夢!遊びに来たよ。」
「お菓子だそうか?神社から持ってきたのがあるから…」
「お願い。」
霊夢は木箱の蓋を開けると、手を突っ込んで探している。フランはその行動に目を見開いている。
「……その木箱は何?」
「紫が持ってきたものだよ。境界を操って、広くしてあるみたい………饅頭の詰め合わせだね。」
詰め合わせの箱から饅頭を取り出す。フランは始めてのようで、興味津々である。一口食べると、目を輝かせている。
「甘くて美味しい…」
「それはよかったよ。」
すると、テーブルにティーセットが出現した。マグカップには紅茶。皿には苺のショートケーキが用意されていた。
「……………………」
「咲夜だね。これ用意したの…饅頭食べてたんだけど…いつもは完璧なんだけど。」
「残りの饅頭は、後にしようか?よくみたら、この饅頭の詰め合わせ…10個入りだし。」
霊夢とフランがケーキを食べている頃。魔理沙は図書館で、パチュリーから魔法を教えてもらっていた。ノートに魔法の基礎を書き込んでいる。
「魔理沙は理解力が早いわね。ある程度の基礎はできてるのね。」
「これでも、まだまだだぜ。師匠とパチュリーには勝てないしな。」
「私も魔法使いとしてのプライドはあるわ。簡単に勝たれたら、困るわよ。」
魔導書を閉じて、本棚にしまうパチュリー。一旦休憩するようで、小悪魔に紅茶を頼んだ。
「畏まりました…パチュリー樣。」
「それと、ケーキ出しといて。結界内に保存していたから。」
「すぐに持ってきます!」
小悪魔はパチュリーの部屋にいった。魔理沙は参考書を読むのに集中しているのか、パチュリーの呼び掛けに気づいていない。諦めたのか、小悪魔が戻ってくるまで、魔理沙の好きにさせた。
(物凄い集中力ね。少しずつだけど、魔法を上達すれば、来年には魔法使いになれそうね。)
魔理沙を感心しつつ、本棚の整理をしていくパチュリーだが、ケーキを持って戻ってきた小悪魔に「私がしますから、パチュリー樣は寛いでください!」と、言われてしまった。
「魔理沙、ケーキどうする?」
「……休憩するぜ!」
魔理沙とパチュリーはチーズケーキを食べながら、魔法関連の会話をしている。パチュリーが魔法使いになった方法を聞いて、ノートに書き込んでいる。
「その魔法はまた今度教えてあげるわ。それよりも、魔理沙が魔法使いになりたい理由は?種族としての魔法使いを目指しているみたいだから、人里に住んでいないのは、わかったけど…」
「………パチュリーには話してもいいかな。私の親は…小さい頃に、妖怪に殺されたんだぜ。その直後に、師匠に拾われたぜ…」
チーズケーキを食べ終えている魔理沙は、紅茶を飲んで、続きを話した。
「私は…強くなりたい。どんな妖怪よりも…だから、師匠に魔法を教わったんだぜ…」
暗くなっている魔理沙に、パチュリーは頭を撫でると、抱きついてきた。一瞬、驚いたが笑みを浮かべて、魔理沙の好きにさせた。
「魔理沙の師匠に会えないかしら?」
「なら、今度師匠に会わせるぜ!二人いるけどな。」
「二人?」
「一人は旅に出ていて、いないぜ…」
「そう…」
休憩を終えた魔理沙とパチュリーは、魔法の研究を始めたのだった。