東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
1週間の療養を終えた霊夢は、帰る前に咲夜の仕事の手伝いとして、窓拭きをしていた。療養中は激しい運動が出来なかったので、リハビリも含めて、手伝いをしている。
「咲夜さん。窓拭き終わったよ!」
「ありがとう…霊夢。道具を片付けたら、お昼にするから食堂に来なさい。」
「わかりました………でも、咲夜さん。」
「どうしたのよ?」
霊夢が暫く黙ったが、恥ずかしそうにいった。
「執事服を着ないとダメだったの?」
「お嬢様からの要望よ。諦めなさい…」
着なれない服装に、霊夢は顔を下に向ける。執事服を着て、咲夜の手伝いをしていた最中は平気だったが、やっぱり恥ずかしいようだ。
「う…片付けてくるよ。」
「食堂で、待ってるわね。」
咲夜はその場から消えると、霊夢はバケツを持って、紅魔館の裏手にある倉庫に向かうと、数人の妖精メイドが仕事をせずに遊んでいた。
「何やってるの?咲夜さんに怒られるよ。」
妖精メイド達は、霊夢に集まってきて手を掴んでいる。遊んでほしいようだが、バケツを片付けないといけないので、どうするか考える。
「仕事が終わったらいいよ。咲夜さんに、怒られたら嫌だよね?」
「……………」
妖精メイド達は、霊夢に聞かれて何度も小さく頷いているが、咲夜に怒られたくないのか、涙目だが…
「泣かないでよ?後で、遊んであげるから。」
「…………!」
嬉しそうにしながら、妖精メイド達は仕事に向かった。霊夢はバケツを倉庫にしまうと、食堂に向かう。
食堂に到着した霊夢は、レミリアに出迎えられて椅子に座らされる。すると、咲夜が料理を運んできた。
「咲夜さん…これは?」
「お嬢様が、妹樣を助けてもらったお礼がしたいそうよ。」
「咲夜!?それは言わない約束よね!」
「そうでしたか?申し訳ありません…お嬢様。」
棒読みの咲夜の謝罪に、レミリアは恥ずかしそうに顔を赤くしながら、咲夜を睨んでいる。
「そうと決まれば、宴会するぜ!」
「……………宴会?」
魔理沙の言葉に、首を傾げている霊夢。すると、紫、藍、橙が姿を現した。お酒や料理を持ってきたようだ。
「何で、紫達が!?」
「霊夢の行動を観察させてもらったわ。異変は解決させたけれど、評価は今一つね。」
紫の採点に、少しだけ落ち込んでいるが、まだ続きがあった。
「でも、人里に結界を張ったり、異変の被害を受けていた妖怪を助けたのは、よかったわよ。レミリア・スカーレットの妹も、助けたようだしね。」
「え……?」
「紫樣の言う通りだ。異変解決には、時間が掛かったが、能力や行動的に評価できるぞ。」
「……………」
霊夢が黙ってしまったが、藍が手を叩いて、咲夜と異変解決の宴会準備をするのだが、持ってきている料理とお酒を用意しただけだが…
「酒だぜ!」
「魔理沙は酒を飲み過ぎないようにな。人間はアルコール中毒になるからな。」
藍の忠告を聞きなから、酒を飲んでいる魔理沙。霊夢は手伝おうとしたら、紫に「お茶でも飲んで、ゆっくりしなさい。」と言われたため、渋々出されたお茶を飲んでいる。
咲夜は肉料理、藍は大量のいなり寿司をテーブルに並べている。魔理沙は大量のいなり寿司に唖然しているが、フランは試しに1つ食べた。
「お米…少し…酸っぱい…」
「酸っぱいのは、酢飯だな。入れすぎてない筈だが…」
フランは肉料理のステーキを食べて、口直しをするのだが、なんだが首を傾げている。
「咲夜…私とお姉様のステーキは、血を忘れた?」
「そんなことはありませんが…どうしましたか?」
「どうしたのよ…何かあったの?」
フランはもう一口ステーキを食べるが、お気に召さなかったようだ。レミリアとフランのステーキには、咲夜の血が混ぜられている。普段ならありえないことだが…
「…………」
「妹樣…まさか?」
「霊夢の血が…欲しくなった訳じゃないわよね?」
レミリアに聞かれたフランは、黙ってしまった。