東方外来録 博麗の神主の幻想入り    作:ロッド

56 / 79
55

食堂での宴会が真夜中まで続けられるなか、霊夢は料理を食べながら、隣で酒を飲み続けている魔理沙を心配する。

 

「魔理沙…飲み過ぎだよ。そろそろ、お酒やめないと…」

 

「飲まないと、やってられないぜ。」

 

見ていられなくなったのか、魔理沙から無理矢理でも、酒瓶を取ってお酒をやめさせるが、霊夢を睨んでいる。

 

「返せよ!」

 

「お酒の飲み過ぎはダメ。」

 

魔理沙は完全に酔っているので、ガラスコップに入った水を出すと、嫌そうにするが大人しく水を飲んだ。

 

「水が冷たいぜ!」

 

水を飲んで、酔いが覚めたようだが、お酒を飲み過ぎているので、気分が少し悪いようだが…

 

「お酒の飲み過ぎ…もう遅いから寝よ。」

 

「わかったぜ…」

 

「咲夜さん…片付けの手伝いは?」

 

「大丈夫、霊夢はもう寝なさい。明日には帰るんでしょ。」

 

「そうだね…夕方には帰るから。妖精メイドとの約束を果たしたら…」

 

霊夢は食堂を出て、一人で部屋に戻っている最中に吐き気を感じて、洗面所に駆け込むと血を吐いてしまった。

 

霊夢は目を見開くが、血は止まらない。暫くすると、落ち着いたようで血を吐かなくなった。

 

(…………どうしよう。明日…紫だけには、相談しよう。)

 

霊夢が洗面台から出ると、足取りが重いなか部屋に戻ると、ベットに倒れて眠ってしまった。暫くすると、フランが霊夢の部屋に入ってきて、魘されている霊夢を目撃する。

 

フランは目を見開いて、急いで霊夢を起こし始める。何度か声をかけると、霊夢が目を覚ましたが、大量に汗をかいている。

 

「…フラン…?」

 

「霊夢…魘されてたよ。大丈夫?」

 

「………魘されてた……?」

 

フランが霊夢のおでこを手で触れると、熱があるようだ。

 

「風邪引いた?パチュリーから薬、貰って来る?」

 

「大丈夫…フランの手…冷たいね。」

 

「霊夢が眠るまで、一緒にいる?」

 

「……………お願いできるかな。」

 

フランは頷くと、霊夢は安心してそのまま眠った。その様子を見ていたレミリアは、静かに部屋を後にした。

 

 

翌朝、霊夢が目を覚ました。まだ、眠気が残っていたようで、目を擦っている。

 

(………さて、散歩……なんで、フランが隣で寝てるの!?)

 

霊夢が隣を見たら、フランが寝ていたのである。看病しているうちに眠ってしまったようだ。しかも、手を握られているため、その場から動けない。

 

(………無理に起こすのは、罪悪感があるし…)

 

どうしようか、霊夢が悩んでいると、眠っていたフランが目を覚ましたようだ。霊夢が声をかけると「おはよう…霊夢」と言って、目を擦っている。

 

「ふわぁ…まだ眠い……………あれ?」

 

眠そうだったフランは、自らの右手が霊夢の左手を握っているのに気づいたフランは、一気に眠気が覚めて、顔を赤くした。

 

「……………部屋に戻ってるね。」

 

「ん…わかった。」

 

フランは手を離すと、部屋を出ていった。霊夢は寝巻きから紅白の袴に着替えて、魔理沙を起こしに向かった。

 

 

 

 

 

魔理沙は夢を見ていた。まだ、魔法使いを目指していない子供…5歳の頃の夢である。この頃は両親が生きており、魔理沙は人里に住んでいた。

 

「魔理沙。朝食食べたら寺子屋に行きなさい…」

 

「わかりました。母樣…」

 

「慧音先生に、この包みを渡しておきなさい。依頼された玩具が入ってるから…」

 

魔理沙は母親から包みを受け取ると、寺子屋に出掛けていった。

 

「さて、開店準備をしないとね…その前に、父ちゃんを起こさないとね。」

 

 

 

寺子屋から家に帰っている最中に、人里の住人が騒ぎ始めた。何があったらしい…

 

「魔理沙ちゃん!よかった…無事だったか。」

 

「何かあったのか?」

 

魔理沙の隣の家に住んでいる男性が声をかけてきた。明らかに普段とは不自然な感じがしたので、何があったのかを聞いた。

 

「実は…人里に妖怪が…」

 

「妖怪!?」

 

「今、博麗の巫女が妖怪退治をしている最中だから、安全な場所に避難するように、お達しがあったんだ。」

 

「避難……母ちゃんと父ちゃんは!?」

 

「…………避難しているはずだ。魔理沙ちゃんも、避難場所に急ぐんだ!」

 

男性が魔理沙を行かせようとするが、男性の視線が泳いでいるのか、違和感を感じ取った魔理沙は、避難場所に向かわないで、急いで家まで走った。

 

家に到着すると、博麗の巫女が無数の目玉がある妖怪と戦闘していた。妖怪の近くには、血溜まりがあって、大人の男女二人が倒れていた。

 

「まさか…母樣…と、父様じゃ…」

 

体は血塗れだが、魔理沙が近づいた瞬間に巫女に止められた。

 

「危ないわ。貴女は逃げなさい…」

 

「父様と母樣…も、逃げないと…」

 

巫女は魔理沙の腕を掴んた。その隙を見計らって、妖怪が巫女に風の刃で攻撃してきた。気づくのが遅かった巫女の腕が、切り飛ばされた。

 

「く…」

 

「巫女樣!?」

 

「ミコヲクラッタラ…キサマノバンダ…」

 

魔理沙は妖怪に恐怖して、その場から動けないでいた。だが、両親を殺した妖怪を睨み付けた。

 

(父樣と母樣を殺したあの妖怪を…殺したい…今だけは…力が欲しい…)

 

魔理沙から黒い何かが発生すると、巫女が立ち上がると、目を見開いた。

 

「あれは……魔力…!?」

 

「殺してやる。」

 

魔理沙の黒い魔力が、妖怪を捕らえた。苦しみだした妖怪だが、魔理沙は憎しみ限り、妖怪を魔力で絞め殺した。

 

「………敵は打てたぜ!ハハハ」

 

その場面で、視界が真っ黒に染まった。

 

 

 

 

 

目を覚ました魔理沙は、大量の汗をかいているのに気づくと、部屋にある鏡を見てた。顔色が酷く悪いのか、見るからに健康とは思えない。

 

(あの頃の夢とか…嫌なことを思い出したぜ…師匠に拾われなかったら、危なかったな。)

 

魔理沙は持っていた小袋から、幾つかの液体の入った小瓶を取り出すと、飲み始めた。

 

「………ケホ、やっぱり…不味いぜ…」

 

飲み終えた魔理沙は、ノートを取り出して何かを書き込むのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。