東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
白玉楼にある一室で、幽々子からお茶を出されていた。レイに興味を持ったらしいが、その理由がわからない。
(紫さんから、別次元の幻想郷から来たことを教えてもらったのかな?)
出されたお茶を飲み終えて、そろそろ本題にはいる。
「紫さんから、他に聞かされていることはないですか?」
「別次元の幻想郷から来た者。」
やっぱり、紫から聞かされていたようだ。幽々子は笑みを浮かべながら、お茶のおかわりを淹れてレイに出した。
「どうかしら…この幻想郷には?」
「充実してます。思い出作りには…丁度良いかな。」
悲しげな笑みを浮かべるレイに、幽々子は何かを思い付いて、レイを試すことにした。
「そういえば、自己紹介がまだだったわね。私は西行寺幽々子…冥界、白玉楼の主。」
「僕は別次元の幻想郷から来た…博麗レイムです。レイと呼んでください。」
お茶を飲んで、一息するレイ。だが、幽々子に見とれているのか湯飲みを倒して、お茶を溢してしまった。
「あ、溢しちゃった…」
「火傷してない?」
結界から取り出した布巾で、卓袱台を拭くレイ。幽々子は拭き終わるまで待っている。
(私を見ていたわね…ふむ。紫の話では、レイに好意を持っている者が多い…らしいわね。)
幽々子が紫から聞いている通り、レイに好意を持っている者が多いが、その者に告白されない限り、気づかない程の鈍感である。
だが、レイの事情がわかっている者からしたら、仕方ないと思うかもしれない。
「幽々子さん…庭に行っても良いですか?少し、一人になりたいから…」
「良いわよ。妖夢には庭に行かないように、言っておくわね。」
「ありがとうございます。その前に、霊夢に書き置きしておかないと…」
メモ紙を取り出したレイは、帰りが遅くなることを書いておくと、結界で博麗神社に転送した。
「レイの結界は、紫みたいな隙間の技も、可能なのね。」
「印をしていれば、転送と移動が可能です。その印は僕しか破れません。霊夢は破れるかな…」
「落ち着いたら、この部屋に戻りなさい。長すぎはダメよ。」
「30分以内には、戻ります。」
レイは部屋から出ると、庭に向かった。幽々子はお茶を飲み、小さく呟いた。
「あの子の死期が近い…何かの目的を果たすためなら、自分を犠牲にしてでも、解決させる人間…」(紫の話では、幻想郷の敵にはならない。レイは自分自身が原因であると、紫に話していた………私は覚りじゃないけど、わかりやすい…)
庭に来ているレイは、美しい桜を見ながら、深呼吸して、気分を落ち着ける。
(冥界に桜の木…下界とは、若干違うのかな?)
庭を歩いているレイは、他の木とは違う異質を感じた木を発見した。あれは西行妖…花を咲かせてはならない危険なものであり、その地中には幽々子の生前の遺体が埋められている。
(……紫さんの結界で、封印されていて、死に誘われる能力…だっけ?僕がいた幻想郷では、そうだけど。この幻想郷では、どうなんだろう?)
暫く、西行妖を見つめていたレイだが、妖夢に呼ばれて、正気に戻った。
「………は、妖夢さん…どうしたの?」
「幽々子樣から30分経つので、呼びに行くように頼まれたよ。大丈夫?」
「……うん。大丈夫です…そろそろ、幽々子さんの部屋に戻から…」
レイが戻るのを見届ける妖夢は、西行妖を見ていたことに、危機を感じている。
(レイ君は西行妖を見ていた。嫌な予感は…気のせいだよね?)
妖夢は幽々子の部屋に戻るのだった。