東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
博麗神社の留守を霊夢から任されているレイは、暇なので境内の掃き掃除をしていた。まだ、暑い夏の日が続くので、熱中症で倒れないように、常にお茶を氷結結界で冷やしている。
(夏の日は便利なんだけど…戦闘では使えなくなったし。)
掃き掃除を終わらせると、冷やしているお茶を飲んでどうするか考える。こんな暑い日に来る参拝客はいない。来るとしたら、マリサか魔理沙くらいだろう。
(掃き掃除終わらせちゃったから暇だよ。どうしようかな。)
霊夢は人里から妖怪退治の依頼で、夜まで帰ってこない。朝食の準備をするため、台所に行こうとしたら空からレイを呼ぶ声がした。
「妖夢さん…朝からどうしたの?」
境内に降り立つ妖夢が持っている包みは、手土産のようだ。
「幽々子様から1日休みを命じられたから、暇なので来たんだけど…霊夢はいないの?」
「妖怪退治の依頼でいないよ。」
「レイ君の予定は?」
「神社の留守を任されているから、それ以外の予定はないよ。」
台所で朝食の準備をすることを話したら「何か、私も手伝おうか?」と言ったら、野菜切るのを手伝ってと頼まれた。
「何作るの?」
「簡単に野菜炒めかな。」
料理を開始して数分後、野菜炒めが完成した。レイは少食なので皿に少しだけ盛る。妖夢は普通に盛ると食べ始める。
「………レイ君少なすぎない?」
「朝は少食だから…沢山は食べれない。」
白米も、茶碗に少しだけ持っている。明らかに少なすぎるため、妖夢は心配になった。
「ごちそうさま…」
食器を持って流しに置いて水をつける。すぐには洗えないため、後で洗うようだ。妖夢は早く食べ終えようとする。だかレイから「ゆっくり食べたら。今日は休みでしょ?」言われたため、ゆっくり食べている、
「僕は境内にいるから…食べ終えたら、流しに置いてね。」
境内に出るレイを見届ける妖夢は、朝食を食べ終えると流しに置いて境内に向かう。
(……レイくんは何をしてるんだろう?)
境内にいるレイは、博麗神社の敷地内にある侵入防止結界の点検をしていた。悪意のある者が近づくと弾かれる結界である。遠目から見ている妖夢に気づいたレイは、結界の点検を中断する。
「どうしたの?」
「レイ君は何をしてるのかな……て。」
「結界の点検…そろそろ10時になるし、参拝客来る頃かな。」
「参拝客?」(そういえば、最近博麗神社に参拝客が来るようになったと……幽々子様が言ってたような。)
博麗神社に参拝客がやって来る。レイはキンキンに冷えたお茶を振る舞いながら、話し掛けている。
「レイ坊…お守りはあるかい?」
「ありますよ。」
人里から来た老人はレイからお守りを貰う。
「霊夢はいないようだね?」
「用事で出てるよ。」
「そうかい。あのやんちゃな霊夢が…博麗の巫女に…それじゃあ、私は帰るよ。」
老人はお茶を飲み終えると帰っていった。その後も、参拝客の話し相手にもなっているレイ。寺子屋に通う子供にも、人気のようだ。
「レイ兄ちゃん…慧音先生、怒ると怖いよ。」
「宿題を忘れたのかな?」
「それもあるけど、チルノが怒られてる…」
「そうなの?」(……来週辺り、寺子屋の掃除を頼まれたから、何か手土産買ってこようかな。)
レイは子供にお菓子をあげると、喜んで帰っていった。参拝客が全員帰ったので、お茶を飲んで一息つく。
「レイ君は、誰からも慕われているの?」
「ん?おばあさんは人間だけど…さっきの子供は妖怪だよ。」
「妖怪!?」
「うん。子狐の子供…鈴奈庵の常連客みたい。」
境内の掃き掃除をしながら、妖夢に話している。レイが妖怪の参拝客を受け入れているのに、吃驚しているが…
「今更だと思うよ。霊夢も、拒んではいないし。」
「でも、毎回人間の参拝客…とか言ってたけど。」
「霊夢は博麗の巫女だから、人里の一部の人間しか話し掛けられないけど、妖怪も受け入れるよ霊夢は…異変さえ、起こさなかったら。」
「霊夢のこと、わかるんだ?」
妖夢が少し、面白くなさそうな表情をしている。レイは笑みを浮かべながら言った。
「僕も、霊夢と同じ経験してるから…霊夢みたいに、ひねくれてないけどね。」
レイは掃き掃除を終えたのだった。