東方外来録 博麗の神主の幻想入り    作:ロッド

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鈴奈庵に到着した霊夢は中に入る。本の整理をしていた小鈴は出迎えると、お茶を出して数冊の本を霊夢に渡した。

 

「まさか…増えてるの?」

 

「何故か…増えちゃって。調べてくれないかな。」

 

申し訳なさそうにしている小鈴に、霊夢は本を受け取ると手を翳して調べ始めた。調べ終えたようで「この本は危険度は皆無。小鈴が処分したいなら、僕が処分しとくよ?」と言って、小鈴に返した。

 

「毎度、本の検分ありがとう…霊夢君。」

 

「小鈴が悪い訳じゃないんだけど…何で、毎回増えるの?」

 

「あはは……」

 

苦笑している小鈴に「笑って誤魔化さない。」と入ってきた阿求が言った。

 

「霊夢も、毎度大変ね。」

 

「こればかりは、仕方ないよ。小鈴が集めてるんじゃないし。」

 

貸本屋【鈴奈庵】の店番を任されている小鈴は、本集め…主に外来本を集めるのを趣味としている。たまにだが、妖怪が書いた本…妖魔本を集めてしまう時がある。

 

基本、妖魔本は人間には、絶対に理解できない妖怪文字で書かれいて、危険な妖怪の存在を封じ込めている本もある。そういった妖魔本は、妖怪文字を読めてしまうだけで解放される。 

 

「小鈴の能力…ある意味厄介よね?」

 

「そうだね…【ありとあらゆる文字を読む程度の能力】普通は人間には読めない、妖怪や未知な文字を読むことができる能力。」

 

「それだけなら、危険な能力だけど…妖気を感じ取れるだけマシだね。」

 

小鈴には能力の他にも、妖怪の妖気を感じ取れる特異体質を持っている。その精度は、僅かな妖気だろうが感じ取れるのだが、紙や本に限定される。

 

「危険度は見抜けないからね。怪しい本は調べないとダメだね。」

 

定期的に妖魔本を調べに、霊夢は鈴奈庵に訪れるのである。小鈴からお茶を出されるとソファーに座る霊夢。

 

「先週借りていた本を返しとくね。」

 

「確かに、返してもらったよ。阿求の何用なの?」

 

「小鈴…用事がなかったら、遊びに来ちゃダメなの?」

 

阿求に睨まれている小鈴は「そんなことないわ」と首を振っている。

 

「全く…それより霊夢。人里がやけに涼しくなってるけど…何で?」

 

「人里に結界を張ったんだ。なんか、夏の暑さで倒れる人が多いみたいだし。長期間慣れすぎると危険だから、2週間限定でね。一応、猛暑日が続くようなら、継続するけど。」

 

冷たいお茶をゆっくり飲んでいる霊夢。阿求は本棚から本を取り出して、借りる本を選んでいる。

 

「それだと、霊夢に負担ではないの?人里の結界も、維持してるのよね?」

 

「今は大丈夫だよ。それよりも、阿求姉ちゃんの体調はどうなの?数日間は、風邪引いてなかった?」

 

「スッカリ、良くなったわ。紫さん経由で、お粥頂いたし。」

 

阿求が笑みを浮かべながら、霊夢を見ている。

 

「何かな…その…何が言いたいの?」

 

「お粥ありがとね…霊夢。体調が良くなったわ。」

 

「………………あの隙間妖怪…内緒にする約束したのに……話しやがったな。」

 

紫に復讐心を抱く霊夢は、小鈴からお茶のおかわりをもらい、一気の飲みをした。

 

「恥ずかしがらなくても…」

 

「小鈴に言われると、なんかムカつく。」

 

「何よそれ!それに、阿求はお姉ちゃん呼びなのに、私には呼び捨てなの!?」

 

「………………なんとなく。お姉ちゃんになって、ほしいとしたら…阿求姉ちゃんかな。」

 

霊夢の言葉に、小鈴が少し落ち込み気味である。それを見た霊夢は、外に出る際に「………また来るね……小鈴姉ちゃん。」と言って、顔を赤くして出ていった。

 

「よかったわね。小鈴…」

 

「…………うん。」

 

小鈴は嬉しそうな笑みを浮かべるのだった。

 

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