東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
翌朝。霊夢は二日酔いで頭痛が酷かった。昨晩にあれだけの酒を飲んだので当然だが。橙は酒に強かったようで、二日酔いにはなっていない。人間と妖怪の違いだろう。
「橙……」
「ふん。霊夢何て知らない!」
朝から霊夢は、機嫌が悪い橙から睨まれていた。酒に酔っていた霊夢にアレをされてしかも、全く覚えていないらしい。それが原因で、橙の機嫌が悪くなっている。
「橙…ごめん…」
「う……でも…」
落ち込み気味の霊夢に、橙は少し罪悪感が渦巻く。酒を飲んで酔っていた霊夢が原因だが、この事態の発端は橙にもある。霊夢が全て悪いとは言えない。
「許して…」
「……なら、条件があるよ…酒を飲まないこと!」
「それは別に良いけど…」
「もし、飲みたいなら…私の時だけね!」
余りよくわからない橙からの条件だったが、許してもらうために頷いて、橙と約束した。
「約束だからね!」
「うん……今日はどうするの?」
「夕方には帰るから、それまでは暇だよ。」
「そろそろ、朝食の準備するね。」
霊夢は立ち上がると橙が近づいてきた。どうやら、一緒に準備したいようだ。「ダメかな?」橙が聞いてきたので、一緒に朝食の準備をすることに。
「霊夢の予定は?」
「太陽の畑に用事があるかな。」
「太陽の畑!?」
橙が目を見開いて叫んでいる。霊夢は何で、橙が叫んでいるのかわからないでいる。
「風見幽香に会いに行くの!?」
「う、うん。幽香お姉ちゃん…花を育ててるんだけど。ハーブディーを趣味で、作ってるから…」
「風見幽香にお姉ちゃん呼び……」
風見幽香の名を聞いただけで、怯えている橙。霊夢は怯えている理由がわからない。
風見幽香は太陽の畑に住んでいる妖怪で、花、植物をこよなく愛す妖怪でもある。一部の人間、妖怪、妖精に怯えられているが、太陽の畑を荒らしたりする者に、死なない程度に制裁をしているからである。妖怪、妖精なら、命はない。
(太陽の畑に張っている結界の点検も、依頼されてた。予備の結界符準備しとかないと…)
霊夢は花、植物を荒らしたりはしないので、幽香のそういった一面を知らない。戦闘狂の事実さえも……
「暇なら、太陽の畑に一緒に行く?幽香お姉ちゃん…歓迎してくれると思うけど。」
「………………遠慮するね。暑いの苦手だし…」
「残念…朝食食べようか。」
朝食を食べ終えた霊夢は予備の結界符を持って、太陽の畑に向かうことにする。その前に、人里に立ち寄ってお茶菓子を買うようだ。
(何買おうかな。幽香お姉ちゃん…甘いの好きだし、悩むね。)
霊夢は甘味処に到着すると店主の男性が、店から出てきた。
「霊夢の坊主…いらっしゃい。何を買うんだ?」
「少し悩むよ。」
「これなんかどうだ?」
店主が持ってきたのは、花の形をした小さな饅頭だ。中には白餡が詰められている。
「それを一箱下さい。」
「一箱10個入りだ。毎度…」
店主に代金を支払い、饅頭の詰め合わせを受け取る。腐らないように冷気結界に収納して、太陽の畑に向かった。
魔法の森にいる魔理沙は、魔法薬の材料集めに毒キノコを取りに来ていた。
(魔法の森は毒キノコが沢山取れるから、魔法薬の研究に役立つぜ!)
ある程度の毒キノコを集めると、魔力で集めた毒キノコを浮かせて運ぶ。魔法使いとしての修行でもある。
「沢山取れたぜ!」
「魔理沙…休憩時間はもう終わったわよ。」
「あ、師匠。」
魔理沙の帰りが遅いので、迎えに来たようだ。複数の人形を連れている魔法使いの少女。
「師匠呼びはやめて、アリスで良いから。」
「名前呼びは、私が魔法使いになったらするぜ!それまでは、師匠呼びするぜ!」
「全く、幼馴染みの私に師匠呼びは変よ?」
「何がだぜ?」
魔理沙に魔法を教えている一人は、人形使いであるアリス・マーガドロイドである。
「帰ったら、魔法薬の改良をするわよ…魔理沙。」
「わかったぜ!」
アリスと魔理沙は帰ったのだった。