東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
レミリアの部屋を出たレイは、館内を歩き回り、暇を潰していると、レミリアの妹であるフランドール・スカーレットが大量の本を抱えていた。
(この世界のフランは…読書家?でも、レミリアは前と同じだし…それより、手伝うかな?)
「本運ぶの手伝おうか?」
「……貴方は誰?私はフランドール・スカーレット。」
「僕はレイだよ…よろしくね。フランドールさん…」
「フランでいいよ。」
フランが抱えていた本を半分持つと、図書館に向かうようで、着いていく。すると、悪魔の少女である小悪魔こと、こあがやって来た。
「フランさーん!手伝いに……貴方は?」
「レイだよ。レミリアさんに招待されて…」
「そうなんですね。私は小悪魔のこあといいます。私も、手伝わせてください!」
フラン、レイ、こあの三人が図書館に本を持ってくる。ソファーで、本を読んでいる魔法使いの少女…パチュリー・ノーレッジは、こあから本を受け取ると、魔法陣が刻まれたテーブルに置いた。
「…妹様は読みたい本はある?」
「今はないよ。また後でね!」
フランが図書館から出ていくと、欠伸をしながら小鈴が紙の束を持って、パチュリーに渡している。
「パチュリーさん…頼まれた古代魔術書の解読終えたよ。」
「助かったわ。妖魔本じゃないから、問題はないハズよ。」
「大丈夫です。少し休んでますね。レイ君も、図書館に来たんだ?霊夢さんは咲夜さんと、お茶会してましたよ。」
「わかった。後で、探してみるよ。」
「帰るとき教えてくださいね。少し寝ます…」
小鈴がソファに寝転がると、そのまま眠ってしまった。パチュリーはレイに視線を向けると、話し掛けてきた。
「私はこの図書館の主、パチュリー・ノーレッジ。わかると思うけど、魔法使いよ。」
「僕はレイ。よろしくね…パチュリーさん。」
「………美鈴が、警戒している理由がわかったわ。」
パチュリーのその発言に、笑みを浮かべていたレイの表情が、一瞬だけ変わり、霊力の針を右手に出現させる。
「何を聞きましたか?」
「物騒なのは出さないで、安心していいわよ。貴方が霊夢と同じとしか、言ってないわ。その霊力の感じからして、納得したわ。」
パチュリーがこあに紅茶を準備させると、レイに椅子に座るように言って、目の前にソファーを出現させた。
「貴方が外来人だと聞いてるわ。美鈴の発言からして、別の幻想郷から来た博麗霊夢か、現代から来た同名の人物だと思ったけど…どちらかしら?」
出された紅茶を飲んで、落ち着かせると、別の幻想郷から来た博麗霊夢だと、パチュリーに言った。納得したようで、紅茶を飲み進めている。
「隠しているつもりはないけど…美鈴さんには、警戒されちゃったか。」
「霊夢と双子だとしても、気配が同じなのはあり得ない。それと、貴方の右腕の包帯…見えてるわよ。隠す気があるなら、ちゃんと隠しなさい。」
レイは右腕に巻かれている包帯を気づかれて、咄嗟に袖を下ろして隠す。パチュリーは近づいて、腕に巻かれている包帯に触れる。
「何かを封印してるわね。」
「……僕じゃ、倒せないから結界で、封印してるんだ。紫の能力もあるから…封印は破られない。」
「その封印…魔力も感じるわね…私の魔力と同じだわ。」
「それで、正解だよ。」
包帯を袖で隠して、右腕に霊力を流し込み、封印を強化する。レイの額から少なからず、汗が流れる。
「辛そうね?」
「…………解放させるわけには、いかないからね。紫でも、倒せないよ。生物の心の闇の集合体を倒す方法は…」
レイの右腕に封印されている存在は、波打ったような鼓動をしたのだった。