東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
博麗神社に帰った霊夢は、夕食の準備をする。ルーミアが夜に来るため、少し多めに作るつもりだ。
「ルーミアは、肉が好きだからね。大量に用意しないと…」
ルーミア用の料理をしている最中に、少しだけ気分が悪くなったが、なんとか持ち直して料理を作り続けた。
(肉が終わったね。紫に今度、外から調達してもらわないとダメだね…)
料理を結界で保存した後で、料理に使えない残骸を処分する。そして、片付け終えるとすぐに森に移動した。
(やっぱり…この作業は慣れない。でも、妖怪が人里の人間を守る方法は…これしかない。)
冷や汗を流した霊夢は暫くして、気分がよくなるとふらつきながら戻る。
「ルーミアが来るのを待たないとね。」
夜になるとルーミアが遊びに来て、手土産としてお菓子を持ってきた。紫から貰ったようだ。
「霊夢…遊びに来たのだー」
「今日は泊まるんだよね?」
「そうなのだー」
霊夢が料理を運んでくるとルーミアの目の前に並べて、目を輝かせているルーミア。
「ちょっと、作りすぎちゃって…」
「食べてもいいのかー!」
「食べていいよ。」
ルーミアは箸を持って、料理を食べ始めた。霊夢は白米と魚を食べつつ、料理を頬張っているルーミアを見ている。
「どうしたのだー?」
「何でもないよ…ルーミア。ゆっくりで良いから、食べなよ。」
ルーミアは気にしないようで、料理を食べ進めていく。霊夢はお茶を飲みつつ、ルーミアに「ご飯盛ろうか?」と聞いたら、お椀を出してきた。
「沢山食べてね。」
「食べるのだー」
夕食を食べ終えた霊夢とルーミアは、井戸から水を汲んでくると食器を洗い始める。
「お腹一杯なのだー」
「良く沢山食べれたね。」
「…………霊夢。」
ルーミアが妖気を纒ながら、霊夢を見つめてくる。勘のいい霊夢は、ルーミアの雰囲気がいつもと違うことに気づいた。
「いま、神社には私と霊夢以外いないから聞くけど。あの料理に何を入れたの?」
「…………ルーミアは、わかるんじゃないかな?」
「…………妖怪達には、御馳走だけど。宴会の時にも、入れてたわよね?」
ルーミアの瞳が赤く染まり、霊夢を掴んでいる力が強くなった。
「美味しくなかった?ルーミアは、妖怪達の中で、古参だから。」
「……………あれは、誰が仕入れてるの?」
「紫だよ。外の世界からね…妖怪達が、人里の人間を襲わない手段だよ。」
「ふーん…霊夢。私の封印…解放してくれない?」
霊夢は神社の敷地内全体に、強力な結界を張るとルーミアの髪に結ばれているお札を取った。
子供姿のルーミアは大人の姿になって、霊夢の目線に合わせるように、しゃがんでいる。
「ルーミアの大人バージョン。やっぱり、綺麗だね。」
「この私の姿を見て、怖がらない人間は…やっぱり霊夢だけだな。久し振りに、この姿を霊夢に見せるのは。」
「僕が、5歳の頃だよね?」
「あの頃は、霊夢を食べようかと思ってたけどね。」
ルーミアは思い出しながら、霊夢の頭を撫でている。
「………千代様に拾われてなかったら、妖怪化して、殺されてたね……僕。」
ルーミアに抱きついて、頭を擦り付けている。普段の霊夢ではありえない行動である。
「甘えたいのか?」
「久し振りに…ダメかな。やっぱり、人里の人達には…甘えれないし。」
「人里の人間の中で、唯一霊夢は…妖怪に好かれる異端なんだよな。」
「………余り、思い出したくない。」
「悪かったな…霊夢。」
ルーミアは霊夢の頭を撫で続けると、霊夢は静かに涙を流している。
「誰にも言わないから、今のうちに甘えなよ。」(守護者でも…霊夢は10歳だからな。)
霊夢は泣き続けて、そのまま眠ったのだった。