反省点は山盛り
でも、お陰でまた一歩足を踏み出す事ができた
目指そう、二級術師を
音弥たちに置いていかれないようにするんだ
私が胸を張って生きていけるように、力と地位を掴むんだ
「はい、では今回の交流会はここまでだ。全員、礼」
「「「ありがとうございました」」」
「帰るぞ、乗れー」
翌日。私たちは京都校の皆んなと別れの挨拶をして、バスで帰路に着く。
バスの中では団体戦や個人戦の感想を言ったり、これからの抱負を話し合っている。私もそう。
「帰ったらもっと私の使い方を研究してみるつもり」
「俺に手伝えそうなことあったら言ってね、協力するよ〜!」
「はは、ありがと。とりあえずは〜〜〜、液体を片っ端から取り込んでみるかなぁ」
「りんごちゃんとの戦いは反省点多かったからね、備えなきゃ」
「いや……りんごちゃんと戦って五体満足な時点で誇っていいと思うんだけど……」
「白夜ちゃん、大丈夫?」
「なんとかね……」
「前に身体弄った事があるせいか回復力が上がってるから傷はいいんけど……」
「全身が痛い…………」
「お、お大事に」
「ありがとう……」
かわいそうに。でも白夜ちゃんからも学べるものはあった。
武器の生成とまではいかなくても、形状を整えて即席の武器や道具を作るのはかなり良いアイデアを貰った。
「白夜ちゃん、傷治ってからでいいんだけど、武器とか道具を作る事のアドバイス貰えない?」
「りんごちゃんと戦ってる時に見ててさ。術式が絡むなら無理には言わないんだけど、私も似た事やってみようと思ってさ」
「あはは、いいよ。アドバイスだけなら完治しなくてもいくらでも出来るしね」
「ありがとーーー!」
「えー、俺は俺は〜?」
「音弥は白夜ちゃんアドバイス後の私と模擬戦付き合ってほしいかな〜」
「ガチガチに対策立ててくるでしょ? 私も本気で自分と向き合うからさ。それなら音弥が一番いい」
「分かった。静香の事研究して、準備しとく!」
「へへ、ありがとね」
早速アドバイスを貰ったり、あの時はこうした方が。いやこれはどうだ。あーでもない、こーでもない。議論が白熱して。
気がついたら皆んな寝てて、目が覚めたら東京だった。
キーンコーンカーンコーン。
「今日の授業は終わりだー、お疲れさん」
「起立、礼。ありがとうございました」
交流会、交流会戦から数日。一日の授業が終わる。
九月もそろそろ終わりを迎える頃、授業は基本的な呪力操作から結界術の基礎、武器に呪力を流す方法と、扱う範囲がどんどん増えて来た。
しかも座学ではなく、大半が実習や半分近く占めているからかなり楽しくて、正直私よりも強くはないと思っていた降花ちゃんたちが、私よりも結界術に詳しいし扱える事にはびっくりした。
なんでも、三人揃って入った流派で先に教わっていたらしい。縛りで簡易化しているわけではないから大変だったって言うけど、実際授業を聞いててその努力を痛感させられた。油断も慢心も敵だね、これは。
全員の呪力操作、呪力の出力上限、呪力量。どれも入学時と比べて成長していて、実習中に呪力切れを起こす事は全員無くなってた。
後はそう。全員、任務に出る回数が増えていった。既に二級の春ちゃんと音弥はもちろんのこと、私も、香くん、甦生くん、降花ちゃんも増えた。安藤はまだ任務には出ていないっぽいけど……
香くんたちは交流会戦のあと、昇級申請を出したらしい。今は四級だから、三級へ。毎日授業を受けては流派の道場に通って稽古して、夜遅くに帰って寝る。そんな生活で大変らしいけど、三人とも楽しそうに笑ってる。
かくいう私も、二級への申請をそろそろ行おうと思ってる。
申請するのは今取り込んでる液体の扱い方を完全に理解してから。まぉもちろん本当に完全は無理だから、切り替え、分離を確実に出来るってところかな。性質上、他の術師や民間人に当たったら拙いから気をつけてる。
それでも事故で体内に入ってしまった時のために、液体を摘出する練習を提案したのは白夜ちゃんだった。呪詛師狩り活動をしていた時に、毒液を摘出する事があって、その時の冷や汗は今思い出しても出てくるって言ってた。
そうして二ヶ月くらいは余裕で過ぎていって、11月。
申請は通り、私は二級術師になった。
私は心に刻む。
私は、一人前の"呪術師"だ。
化け物、人間、そんなものは関係ない。
だから、私は胸を張って生きる。
遠いソラの背中を追って。
・水上静香 二級術師
[評価]
呪力出力の最大出力値に若干の不安を残すが、安定した精神と知識、臨機応変な思考能力を有する。特異体質と術式を活用することによる戦闘能力とその潜在能力は未知数。
メンタルケアの面でも交流会からかなり良好の兆しがあり、安心して活動を見送れる。