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どうも雑魚姉貴に忘れ去られた男ランポスです。俺は雑魚姉貴と会った後、洞窟へ帰り少々引き籠った。正直なところ、転生したから俺の特殊能力消えないかなと期待していた部分があるのだが、それがものの見事に間違いだったと気づかされた。久しぶりに凹んだ。
だがしかしBut!他人から忘れ去られるなどこの俺にとっては慣れたものよ!そう、忘れ去られたのならもう一度覚えてもらえばいい!あいつの行動範囲、嗜好、行動ルーチンを調査し、俺が好きな時に好きなだけ会えるようにすればいいだけだ!待ってろよ雑魚姉貴!お前の親友(予定)が会いに行くからな!
そして俺は絶賛ドスファンゴに追いかけられている。ところでf=maという公式を知ってるか?そうfear(恐怖)=mass(質量)×agile(敏捷)だ。何が言いたいかというと...滅茶苦茶怖えええええ!!!
雑魚姉貴を探すため、小川へと向かっていたんだが、途中でドスファンゴと遭遇し、追いかけられている。
ドスファンゴ、猪突猛進を地で行くファンゴ達のボスだ。縄張り意識が強いらしいので、おそらく知らないうちにあいつの縄張りを犯していたんだろう。まぁファンゴ武者やらファンゴは急に止まれないといった言葉があるように、ただただ前に向かって突進を繰り返すだけの奴だ。この俺を追跡しようなどと傲慢不遜なことを考えているようだが、現実というものを突き付けてやろう。
えー、というわけでですね、あのドスファンゴですが...まったく振りきれん!こいつカーブ!カーブしやがったんだよ!それだけじゃなくて小刻みにステップ刻みながらジグザグ走行とかもしてるんだよ!ふざけんなよ!お前ファンゴだろうが!まっすぐだけ突進してろよ!ファンゴの面汚しめ!だからそんな不細工なんだよ!曲がるとか、お前誇りはねえのかよ誇りはよ!ブルファンゴを思い出せよ!まっすぐ!ただひたすらまっすぐ!障害物、罠、モンスター、それらを越えて走り抜けるあの気高さがお前にはわからねえのかよ!思い出せよあの頃を!俺とお前でただひたすら走り合ったじゃねえか!かけっこではお前に一度も勝てたことなかったよな。わかるか?憧れてたんだよお前によ...だからさ...見逃してグボアアア!!!
今の見逃す流れだろ!壁に頭打ちすぎて物すら考えられんくなったか!?大体なんだよ!突進だけじゃなくて牙でも攻撃してくるだと!?自分の突進に自信がないのかよ!もっと自分に自信持てよ!大丈夫!お前の突進は世界一だ!俺が保証する!お前だってそう思うだろ?自分が1番だって。自分の突進を遮るものなど何一つないって思ってるだろ!?それを世界に、証明しよう!あそこに岩崖がある!お前の突進であの崖を突き崩すんだ!そして咆哮をあげよう!お前こそがドスファンゴだブベラァ!!!
く、あの手この手で自滅させようとするが悉く失敗する。嘘だろ、まさかこいつ、持っているのか!?知性を!?嘘だ!ファンゴと知性なんて水と油、決して交わることのないものではないのか!?だが現実としてこいつの行動からはかぐわしいインテリジェンススメルが醸し出されている。ならばこいつは高級生肉ではない、敵だ。戦うにあたって注意点をあげていこう。まずは突進だ。速度、破壊力、追尾能力の3拍子揃っている。ファンゴと比べると頭3つ分くらい飛びぬけている。やっぱこいつ頭でけえな。次に太くて長い牙だ。刺突武器兼鈍器になる。ゲームのドスファンゴの2、3倍くらいでかい。もはやでかすぎて取り回しづらいだろと思うが、有り余るパワーで障害物を強引にねじ伏せて振り回してくる。そんな力があるならなおさらもっと小さくていいとは思うが、おそらく牙を伸ばせば伸ばすほどカッコイイと思っている勘違い系ナルシスト野郎なのだろう。きっと流行本に騙されたに違いない。哀れな奴だ。この俺が本当のカッコよさというものを後で教えてやろう。
岩崖を背に、俺はドスファンゴに向き直る。恵まれた体格から放たれる威圧感。2本の太牙は獲物を捕らえようと白く、怪しい光を放ち、黄色の目は俺を真っすぐに見据え、一挙手一投足すら見逃すまいという気概が感じられる。こいつは強い。俺をランポスと侮って何も考えずに突進するというような愚は犯さない。突進と見せかけて牙で攻撃するなどのフェイントも交えてくる。知恵ある相手は総じて戦いにくい。CPU戦よりも対人戦の方が難しいのと同じだ。いくら知識持たざる獣とはいえ、生存のための知恵は獲得する。さらにはモンスターという一般的な獣とは違う種別。こいつが俺よりも賢い可能性もある。俺より頭が回らない場合でも身体的優越性では明確にあいつが勝っている。気を抜ける要素はない。
突進!牙が空気を切り裂き、俺へと迫る!大地の悲鳴が徐々に大きくなる。獣が、山が俺へと迫ってくる。そう錯覚させるほどの圧迫感、絡め取らんとする濃密な殺意は唸りをあげる獣性の調べと共に...
飛び掛かるランポス、駆けるドスファンゴ
交差
一瞬一度一即の攻防。軍配を上げるは...ランポス。
飛び掛かりにより牙と突進を回避し、奴の体に爪を立てる。伝わるドスファンゴの感触。柔軟、しかし強靭。爪の一撃は脂肪に阻まれ、体毛と皮膚を軽く切り裂くだけに留まる。軽傷ではない、被害と言えない、傷と呼ぶことすら烏滸がましい。実感した。俺の爪は奴を仕留めるには攻撃力不足だ。おそらく全力で攻撃すれば爪が突き刺さりはする。しかし、先ほど引掻いたときは爪の抜けが悪かった。おそらく脂肪のせいで引き抜きづらくなっているのだろう。こいつ相手に爪を武器とするなら致命的な隙を晒しかねない。ならば、こちらを使おう。俺はハンターから奪った太刀を抜く。
対するドスファンゴ、自身の防御力を実感してなお油断はしない。攻撃を避け、こちらに反撃する。それができる相手に慢心を覚えるなら、長生きはできない。単純な攻撃力だけでなく、麻痺、毒、睡眠などに代表される状態異常、罠、爆弾などのアイテム。こちらを害する手段などいくらでもある。あの二本足で立つ動物との幾度もの死闘から、それを実感した。そして目の前の敵はそいつらとよく似た武器を持っている。爪の攻撃力はわかった。そのうえであの武器を使うのならば、あの武器の方が攻撃力が高いのだろう。ならば
二度目の突進、土埃なんて微小なものではない、後ろ足で地面を掻き上げながらひき潰さんとランポスへと迫る。
ランポスは剣を携え、ドスファンゴを鋭い目で見つめる。奴の速度は凄まじい。だからこそ、剣を当てればおそらく奴の防御を突破できるだろう。見誤れば蹂躙されるのは自分だ。慎重に距離をはかっ!?
今回の勝者はドスファンゴ。ランポスは近づいてくるドスファンゴとの間合いを正確に測っていた。衝突まであと5歩、4歩、3歩、その時にドスファンゴは前へと飛んだ。一時的に加速するドスファンゴ、残りの距離を一飛で抜き去る。それに対応する時間はランポスにはなかった。
ドスファンゴは牙を振る。それはランポスの体に当たる。鈍器の如き牙に突進の速度が掛けられる。その威力はモンスターの体躯すら容易く破壊する。プチプチと悲鳴を上げる筋繊維、体が物理的に引き延ばされ、吹き飛ばされる。錐もみ回転で吹き飛ばされるランポス。剣を持つことすら困難になり、手放してしまう。そして受け身すら取れずに、慣性力に地面を引きずられる。
ドスファンゴは剣に近づき、柄本を踏み潰す。柄と刀身が破断され、振り回すことの難しい鉄塊へと変貌した。これで奴の武器は破壊した。だが、まだ奴のすべてが分かったわけではない。速攻か、様子見か。奴はまだ地面に倒れている。速攻だ!奴が何かする前に速度でひき潰す!
地面へ倒れているランポスへ向かって突進を行う。今回は牙の攻撃ではなく、速度の乗った踏み潰しでけりをつける。刻々と距離を詰めるドスファンゴ。ランポスは地面から起き上がり、ドスファンゴへ飛び掛かる。
地面から起き上がると、こちらへ突進してくるドスファンゴが目に入る。今にも踏み潰さんという気迫を感じさせる。俺はそれにビビり、奴の眼前に飛び掛かってしまった。大の字で飛び掛かり、奴の顔へ爪を突き立てる。衝撃と激震。突進の威力で内臓が振動し、口からは血が混じった吐瀉物が出る。その引き換えに俺は奴の顔にへばりつくことができた。体が奴の視界を塞いでおり、爪が脂肪のせいで引き抜けづらくなっているため、振り回されても目隠しをしたままでいられる。奴は顔の前付近の目がついていることも俺の目隠しに一役買っていた。
視界を塞がれたドスファンゴは顔を振り回し、ランポスを払おうとする。しかし、一向に振り落とされる気配はない。仕方なくがむしゃらに走り回り、速度も加味して再度振り落とそうとするが、ランポスは依然として視界を塞いだままだ。とにかくランポスを振り払い、視界を開こうすると、衝撃がドスファンゴを襲う。
岩崖に牙が突き刺さる。ドスファンゴは何かに牙が引っ掛かったと判断すると必死に足を動かして牙を抜こうとしているが抜ける様子はないどころか頭すら動かせないようだ。やった!ついに行動を封じた!今回は運がよかった。体は硬いなら狙うべきところはおのずと限られてくる。俺は爪を引き抜き、頭の上へ移動する。というわけで今から眼球摘出手術を行います!麻酔はありません!痛かったら頭を動かして教えてくださいね~。というわけで瞼を持ち上げて<ドス>。頭動いてないので大丈夫ですね~。もう片方も行きますよ~。<ドス!>手術完了!追撃する?俺はそこまで無謀じぇねえ!こいつが動けないうちにさっさと逃げるぜ!じゃあな盲目牡丹肉!俺を見かけても追いかけてくるんじゃねえぞ!おっと、盲目野郎に言っても仕方ないな。失敗失敗。バァ~イ♪
俺はドスファンゴから逃げ出してくる。もうあいつは俺の脅威になることはないだろう。おそらく群れも追い出されて行くところもなくなるに違いない。最高だぜ!よし!あいつのあだ名は"無視覚浮浪者"だな。でも使うことはないだろう。だってどうせすぐに死ぬだろうからな!はっはっはざまあねえぜ!どうせ俺のこと忘れるだろうしな!あーはっはっはっは!
まぁ1日たてば傷なんてなくなってるんだろうけどな...マジで自分の能力捨ててえ...
アンケート回答ありがとうございました。基本的には今までとあまり変わらないと思います。
あと、作者の知識はMHP2GとMHP3、MHW:IBなのでこれらに登場するモンスター以外は登場しません。というか書けません。
モンスターハンターのモンスターを操作して生き抜いていくゲームしたい。