ランポスに転生した   作:megro

2 / 13
2

どうもモスのねぐらに突入し、居候となった男ランポスです。よし、周辺の探索に行くか。外の方を見てみる。草木が豊富にあり、植物に困ることはなさそうだが、そのせいで視界が悪い。とりあえず、手ごろな木から大きめの葉をいくつかとり、それらを重ね合わせて折り、肩さげカバンを作ってみる。

 

葉っぱは難なく採取できたが折るのが難しい。なぜかというと中指である。この中指の爪が長すぎる。邪魔だ。滅茶苦茶邪魔。フー...落ちつけ俺。着実に折れてる。順調とは言えないが完成には近づいている。冷静な心で物事に取り組むのだ。冷静に...冷静に...

 

<ブチ!>

 

アアアァ!中指!中指アアアァ!爪のせいで葉っぱがちぎれた!ふざけんなよ!石やすりでお前の存在消してやろうか!?短くて丸くてきれいな爪にしてやろうかぁ!?葉っぱを取り直してもう一度作成する。

とりあえず不細工だが軽いものなら入れられるか?と思えるようなものができた。こいつを俺の首にかけて、いざ出発。洞窟に響くほら貝の音はモスの鳴き声で代用する。こういうのは気持ちが大事なんだ。わくわくが大切なんだ。というわけで探索に出かける。待ってろよモス!お前にうまい肉を食わせてやるからな!(嫌がらせ)

 

洞窟から出て森を探索する。とりあえず、湖や川を探そう。そこに行けば餌となる草食動物がいるはずだ。もちろん外敵もいる可能性が大いにあるので警戒は怠らないようにしよう。匂いや音を探りながら歩いていく。

 

 

しばらく歩いていると足元に何かが接触した感覚があった。下を向いてみると何やら青いキノコが群生していた。植物の判別技能は持っていないが、おそらくアオキノコだと当たりをつける。アオキノコは青いキノコだ。回復薬という即効性体力回復薬の原料になる。以上説明終わり!ここで見つけることができたのは幸運だ。なんせ今の俺はソロランポス。怪我でもしようものなら生存可能性が一気に下がる。そこにきての回復薬。ゲームでは速攻でHPが回復するというありきたりな効果だが、これが現実ならどうなるのか。怪我が即時修復されるのか、それとも塗り薬などのように傷の治りを若干早めたり殺菌したりする程度の効果かはわからないが試してみるべきだろう。

 

爪を使ってキノコを採取し、葉っぱカバンに入れていく。2,3本程度持っていくか?とんでもない、全部だ。俺は周囲のすべてのキノコを切り取ってカバンの中に入れる。モンハン世界は植物にあふれているからすぐに生えてくるだろう。森林の中に火を使うモンスターが何種類かいるが、そいつらがいても森はなくなっていないどころか、欝蒼と生い茂っているのだから半端な生命力ではないだろう。そしてこのキノコが毒かもしれないが、今の俺には可食判定員であるモスがいる。よくわからん植物はこいつに食わせてみればいい。苦しむなら毒だから食わずに置いておけばいいだろう。

 

また森を進んでいく。歩くのは問題ない。長い時間動いているが、あまり疲れていない。明らかに人間の時よりも体力がある。しかし、周囲の景色が変わらない。これがなかなかつらい。方向感覚は失われるし、同じ風景を見続けるのは飽きる。目印になるようなものもないので、木に爪で目印を刻みながら進んでいる。強化された視覚はその目印を遠くからでもとらえられているので、今のところは帰り道が分からないということはない。

 

瞬間、鼻にあたる嗅ぎなれた匂い、生臭くそれでいてあまり匂わない香り...こ、これは水の匂いだ!ハッハー!若干臭えぜ!こりゃ魚もいそうだな!俺はその方向に向かって走り出す。目印をつけることも忘れない。

 

徐々に強くなっていく、水の匂いと生臭い匂い、そして血の匂いを少々...は?血?

 

俺は立ち止まり姿勢を低くして慎重に進んでいく。血の匂いがするということはまず間違いなく肉食モンスターがいるということだ。小型モンスターならまだましだが、大型モンスターがいたら不味い。俺はランポスになってから戦闘をしていない。ゲームで考えてみてほしい。ランポスを倒したこともないやつがイャンクックやブルファンゴを狩れるか?まず無理だろう。回復薬なし、残機なし、罠無し、ナシナシ尽くめだ。俺はアプトノスやポポを狩って生きるんだよ!小型モンスターでも戦いたくねぇよ。怖いし。

 

急に視界が開けたと思うと川が見えた。どうやらこのあたりは石が多く、草木があまり生えていないので川周辺は視界が良好のようだ。他には数匹のアプトノスとアプトノスを襲っている1体のガノトトスが見える。しかもこっちを見ている。餌を横取りに来たとでも思われているのか?だが安心してほしい。わたし、こう見えてコミュニケーションは一家言あります。ははは、高々獣のご機嫌取りなんて赤子の手をドリル回転させるよりも簡単さ。まぁ見ててくれ。

 

 

 

「ギャア、ギャア!」

(兄貴!こいつしめちまいやしょう!)

 

「ガアアアアア!」

 

帰ってきた返答はブレスだった。なあんでええええ!?く、流石はモンスター。ご機嫌取りの難易度もモンスター級ってか?上等じゃねえか奇形ニジマスが!お前なんて爪の間に残った魚肉にしてやるからな!未来の俺がな!そうと決まれば話は早い。じゃあなガノトトス。俺以外に殺されるんじゃねぇぞ。

 

え、ちょ!なんで追いかけてきて...イヤアアアア!!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。