ランポスに転生した   作:megro

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どうもモンスター種の天敵に勝利し、漁夫の利を得た男ランポスです。俺は戦利品を洞窟に持ち帰っている最中だ。雑魚姉貴と通行ガノトトスネキから逃げきり、ハンターを手玉に取り、労せず大量の獲物を得る。自分の有能さが恨めしいわ。

 

「ガアアアアア!」

 

はっはっは。遠くで聞こえる雑魚姉貴の咆哮も今は心地いいぜ。

 

意気揚々と帰っていくが、天は俺にもっと獲物を与えてくれるようだ。俺の目の前にボロボロに傷ついたケルビが現れる。逃げてきたのか?そんなボロボロの状態で撒いてくるとは運のいいやつだ。でも自分を憐れむんじゃないぞ。お前は運のいいやつだが、俺の運は青天井だ。それじゃ...なんでケルビなのに白いんだ?ドスケルビではない普通のケルビだがその体毛は白一色だ。これはまさかアルビノか?よく見ると傷の多くは血が出ておらず、もう治っているようだ。動物の群れは自分たちとは明らかに違う奴がいた場合は迫害して群れを追放することもあると聞く。こいつもそうなのか...

 

ケルビはこちらを視認すると逃げようとするが、足取りは悪くすぐに追いつけるほどだ。俺はケルビを組み敷き動きを封じる。ケルビは必死になって逃げようともがくが、その抵抗は弱弱しく、もはや無抵抗と同義だ。俺はハンターポーチから回復薬を取り出しケルビに飲ませる。

 

抵抗できずに得体の知れない液体を飲まされるときの目は諦観に染まっていたが、すぐに傷跡がなくなり始め、体に活力が戻ったようだ。どうなってんだ回復薬。えげつねえ副作用とかないんだろうな不安になるわ。

 

ケルビを離してやると軽く体を動かして感覚を確かめている。俺はついでに薬草を渡してやる。目の前に出すと、それも食べてもらえた。そしてこっちをじっと見つめてくる。

 

「ギャアギャア」

(行くところがないなら一緒に来ないか?)

 

伝わったかどうかはわからない。ただ、歩き出すとその後ろをついてくる。よかった。今日からお前は俺の家族だ。絶対に見捨てたりしないからな。

 

ランポスとケルビ。片方は様々なものを持ち運び、片方は見慣れない体色をしている。おかしな2匹は洞窟を目指す。

 

はい!というわけで戻ってきました洞窟です!中に入るとモスが出迎えてくれます。モスがケルビを見ると少々驚いたような表情をする。俺はすかさずモスに向かってスライディング土下座をかます!お父さん!娘さんを私にくださブベアアア!必ず幸せにグボア!僕は絶対に諦めブホオ!

 

俺がモスに吹っ飛ばされているとケルビが間に入ってモスを威嚇する。恵!大丈夫だよ!俺は絶対に結婚を認めてもらボハア!

ケルビにも吹っ飛ばされた。

 

 

 

はい!それでは皆さんお待ちかね!戦利品を確認していきましょう!まずは回復薬!おなじみですね。どうな傷でもたちどころに治してしまう摩訶不思議なお薬です。薬事法に違反していないか心配になりますね。では次、ハチミツ!これは回復薬グレートを調合するのに必要ですね。回復薬グレートは回復薬よりも効果が高い薬です。世が世ならご禁制の薬になっているかもしれませんね。では次に...おい、お前ら何食ってやがる?

 

「ギャアアア!」

(ふざけんな!それは調合に使うんだよ!)

 

「フゴオフゴオ!」

「キュイキュイ!」

 

俺の説得も届かず、ハチミツは食いつくされ、あまつさえ威嚇までされる。はあああん!?教育か!?教育が必要かお前らは!?いい度胸だ!鬼の忘八先生と呼ばれたこの俺の肉体的指導でお前らに礼儀作法をアアアアア!

 

き、気を取り直して次にいこう。えーとアオキノ、スタァァァップ!モス!お前は今罪を犯そうとしている。いいか?選択肢が二つある。俺から奪うか、後で分け与えられるかだ。そうだ。大人しくしてアアアア!!!ガード!ガード!いないだと!?いつもすぐリスポーンしてくるだろうが!なんでいないんだ!?税金払ってないから?チクショオオオ!

 

ほ、他には...砥石と肉焼きセットだ。これは嬉しい。火種や火打ち石ぽいのが同梱されている。そして、なんかピンクの丸い球。多分ペイントボールだろう。ゲームでは必須のアイテムだが、現実ではいらないかな?一応持っておこう。あとはめぼしいものはないな。

 

 

 

傾注!これよりランポス教授のマル秘教育講座座談会を始める!モス君!ケルビ君!心して聞くように!まずは尊敬について教えていこう。尊敬とは英語でリスペクトである。アルファベットで書くと...書くと...そんなことより!君たちには私に対して尊敬の念が足りていないと思われる!まず第一に、これらのアオキノコをとってきたのはどこの誰か?そう!この私だ!次に、これらの薬草を採ってきたのはどこの誰か?そう!この私だ!あー...モス君、言いたいことはおととい言え。今は黙って聞くように。私がいなければ君たちはこれらの物資にありつけていないのだよ!それらに関するレェスペクゥトゥはあってもいいんじゃないかな?私がいない=君たち餓死。ドゥユーお分かりアンダスタン?とにかく私が言いたいのはただ一つ!俺って凄いだろ?以上!質疑応答に移る!ブゴ、ガハ、ゲバア!

 

質疑応答(フルボッコ)タイムでモスとケルビにボロボロにされた俺は回復薬を飲み傷を回復させる。ここで気づいたことがある。ハンターの持っていた回復薬、不味くない。薬っぽい味はするが、飲むと気絶するような破滅的ハーモニーはない。こんなに違うなら隊商や村を襲って贈り物を貰うことを想定した方がよさそうだ。

 

次の日、俺は1人で雑魚姉貴に会うために川の近くまで来た。しかしなかなか見つからない。速く、もっと速く動け!見つけるんだ!はやく、はやく雑魚姉貴に会いたい!

 

願いは空しくなかなか見つけることはできない。諦めかけていたその時、水中から雑魚姉貴が飛び出してきた。

 

ざ、雑魚姉貴!逢いたかったぜ!ほらほら、歓迎のブレスはどうしたー?雑魚姉貴はブレスを...撃たない。

 

嘘だろ?お、おい雑魚姉貴!俺だよ俺!ランポスだよ!あ!変な名前で呼んでるから無視することにしたのか?なんだぁお前?そんなに俺に名前呼んでほしいのか?ごめんなぁお前の気持ちに気づけなくて。さ、遠慮なく名前を教えてくれ雑魚姉貴!

 

雑魚姉貴はこっちを流し目で見るとそのまま無視してどこかへ行った。俺はその目に浮かんだ言葉を見逃さなかった...見逃せなかった。"誰だお前?"

 

俺は茫然として雑魚姉貴を見送ることしか出来なかった

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