ヤンデレな モンストキャラに 愛されて 作:Jack11@ハーメルン
勉強が忙しくてすまない。
今回は長ったらしい過去描写をカットして短く纏めてみました。
「こんにちは!あるびぃだよ〜!」
画面の前にいる皆へご挨拶。ソケットに線が繋がっているのを確認して、私は自身満々に声を上げた。
「さて…今日は雑談配信!キラ星の皆とお話しながら、事前に集めた質問に答えていくよ〜っ!」
別口でお題箱に繋げて、カーソルを合わせる。
「ではでは〜、最初の質問は…これ!
……普段と変化のない配信。
それでも、皆とお話するのはとても楽しいから、どんどんと時間は過ぎていく。
ーー
「……それじゃ、今日のあるびぃLIVEはここまで!キラ星の皆〜、またね〜!」
配信を切り、マイクを外し、ソケットを確認して電源を落とす。
『お疲れ、アルビレオ。水、ここにおいておくぞ』
「はーい、〇〇もお疲れ様〜♪」
〇〇ーーあるびぃのアシスタントさん。この事務所に入ってから二人三脚でお仕事をやってきた。今もこうして比較的良好な関係を築けてる。
『それじゃ…今日はこれて終わりか。あとは…俺は事務仕事しておくから何かあったら電話で呼んでくれ』
「はーい」
控室から〇〇が出ていったのを確認して、扉に耳を当てる。
ひんやりする疑似体験はもう済ませた。だからこれは…
…うん、だれもいない」
今からは、間接キスの疑似体験。
ジョロジョロと水をこぼさないように注いでいく。
「それで…たしか、口をつけて飲むんだよね…」
興味と、ワクワク。
口の中に流れ込んできた水は、喉を通って。
少し甘い気がするのは、〇〇が飲んだあとだからかもしれない。
「うへへ…♡」
お水を飲みきった私は、このペットボトルをカバンに仕舞った。
ーーーーーー
「……ふぅ。」
作成していた資料が一段落したので、保存してパソコンを閉じる。
「コーヒーコーヒー…って切れてたか」
何時の間にか飲みきってしまったのだろう。机の上には空になったマグカップだけが置かれていた。
「汲みにいかなきゃな」
そうやって席を立ったときだった。
「あれ?アシスタントさん?こんなとこで奇遇だね〜♪」
見知った声がして後ろを振り向くと、完全オフのアルビレオがニコニコしながら立っていた。
「アルビレオ…どうしてここに?」
「どうしてって…今度歌う歌の練習!」
「ん…そうか、頑張れ。応援してる」
「うん!アシスタントさんのためにもあるびぃ頑張るよ!」
「…あ、折角だしレッスン見て欲しいな♪」
「そうか。んじゃ部屋の方に…って引っ張らなくてもいいぞ?」
「いいじゃんいいじゃん♪」
(にしても…アルビレオがこんなとこに来るなんてな)
案外家が近いのかもしれない。そう思いながら俺はアルビレオについていった。
ーーーーー
何度も伝ったこの
程なくして画面上に現れたのは、見慣れた〇〇の画面。
「エージェントアルビィ、ミッションコンプリート。……よし♪〇〇の今週の予定は〜…」
慣れた手つきで画面を操り、〇〇がいつも利用しているアプリを開く。
丁寧に区切られた予定表に感心しつつ、〇〇の行動を自分の所にコピー&ペースト。
「ふふっ、〇〇も防犯意識が低いなぁ〜。まぁその方が私も守りやすいしありがたいけど」
これでいつでも〇〇に会える。〇〇が変な人と会っててもすぐ気付けるし。
「でもまさか普段使いしてるとこが会員制だとは思わなかったなぁ…もう少しで入れ違いになるところだったし」
そんなことをボヤきながら私はパソコンから落ちようとして…
「……あれ?」
そこに見えた一文。
私はそれが気になってしまった。
『13:00 星霜さんとの顔合わせ』
「星霜…あぁ、あの子かぁ」
確か…最近勢いのある個人Vの子なはず。
でも…なんで急に?
「少し調べてみようかな…」
そうして私はルーターに
ーーー
「…単刀直入に言うとね、君に新しい子を担当してもらいたい」
「えっと…俺がですか?」
「最近配信が軌道にのっている星霜という子が私達の事務所に入ってくる。そこで担当を決めなきゃいけないんだが…あるびぃ君を育てた君ならアシスタントとしても十分実力があると思ってね。」
「なるほど…ですが、アルビレオの方は…」
「彼女の方は新しいアシスタントをつけるつもりだ。暫くは君が新しいアシスタントに色々教えて欲しい」
「…そうですか」
「それで、やってくれるかね?」
「…一先ず、顔合わせだけしてみます」
「そうか。期待しているよ」
ーーーー
「……は?」
なにを言ってるんだろう。
脳が理解してくれない。理解を拒んでる。
「…離れちゃう」
そんな頭で理解できたのは、〇〇が私だけのアシスタントじゃなくなるということ。
「そんなの…」
「許せない」
私もびっくりする程に低い声で。
「…嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
キーボードを力強く押す。
「私のアシスタントは〇〇じゃなきゃダメ。他の人になんか奪わせない」
GPSを起動させて、居場所を確認して。
「ここが、〇〇の家」
にんまりと笑みがこぼれる。
ここに、大切な人がいる。
私から離れようとする人がいる。
じゃあ……
「今から会いにいっちゃお♪」
最低限の荷物を背負って、私は家の扉を開いた。
ーーーーーー
「…そろそろ、話さないと」
まとめ終えた予定表の一文を見ながら、溜息をつく。
まだ確定したわけではないが、どのような形であれ彼女のアシスタントを務めることになるかもしれない。
「…明日、伝えるか」
そうして部屋の電気を消そうとしたときだった。
呼び鈴。
「こんな時間に誰だ…?」
ドアスコープ越しに覗き込むと、そこには…
「おーい…〇〇、いるんでしょ?」
「…アルビレオ…?」
…開けないと。
そう思ってドアノブに手を掛けて───
「ひっ」
彼女の眼に光がないことに気付いた。
「ねぇ…なんで開けてくれないの?あるびぃ、悲しくなっちゃう」
「そ、それよりも、なんでここにいるんだ」
震える背筋をどうにか堪えて扉から離れる。
一応電子ロックは掛けてあるし入られることはないだろうけど…
「……なんでって、少しお話したいことがあるだけだよ?星霜ちゃんのこと、あるびぃ知ってるからね?」
怖い。
なぜ知ってる。
まだ部長も伝えてないはずだ。
そこまで言って、喉が潰れたのか声がでていないことに気付いた。
「……だんまり?」
「あ、明日話すから…今日の所は帰ってくれないか…?」
一先ず、考えるだけの時間が欲しかった。
その思考から発せられた声は、苦肉の策でしかなくて。
「へぇ……まぁ、もう遅いけどね」
ガチャリ。
オートロックが解除される音で、全てを悟った。
ーーー
「ねぇ…どうして?どうしてあの子の方に行っちゃうの?」
玄関のドアが開いた音を聞いて、隠れられそうなところを探すために頭を振った。
「あるびぃのアシスタントをしていいのは〇〇だけなんだよ」
怖くなって、腰が抜けそうになるのをどうにか堪える。
「それなのに…会社も、あの子も…許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
一歩一歩と近づいてくる。
「聞いてる?返事してくれないと…あるびぃ悲しくなっちゃうよ?」
そして、首根っこを掴まれたとき、全てが終わったことを悟った。
「会社…会社が!やってくれ…って…!」
「…ふぅん。そうなんだ。」
なにも考えられなかった。ただ、恐ろしかった。
「それじゃ…〇〇のこと、あるびぃが直接雇ってあげる」
「それなら会社なんて気にしなくていいし、あるびぃもお仕事でちゃんとお金稼いでるからお給料だって支払えるし。〇〇は何も心配しなくていいんだよ?」
決定権はない。
そういうように彼女は俺のことを担ぎあげる。
「それじゃ…まずは、お互いの事務所にお話を通さないとね?」
狂った笑みを浮かべながら、彼女は俺に何かを押し付けた。
ーーーー
「…おはよう〇〇。気分は大丈夫?」
──『デネブ』。裏社会で名のある組織群。
私にとってここは生まれ育った実家のようなものだった。
「そっか…まぁ、スタンガンで無理やり気絶させたわけだし仕方ないよね。」
「でも、逃げようとした〇〇が悪いんだよ。ここから逃げたって仕事もない。口座も私にかかれば直ぐに止められる。それなのに……」
「まぁ、いっか。朝ご飯出来てるから一緒に食べよ?」
私特製のご飯を食べさせながら今日の予定を確認する。その時間が、私にとってとても大切な時間だった。
「今日は午前中はフリーなんだよね。きら星のみんなからお勧めされた漫画を読んでもいいんだけど…」
そういえば、と。
ベテルギウスが日用品についてぼやいていたことを思い出す。
時間もあるし、ここに匿ってもらってるからなにかしらした方がいいよね。
「…折角だしお買い物にいこうよ。この組織の日用品とかも買わなきゃだし」
「あと、最近流行ってるあの飲み物!あれも飲みに行きたい!」
〇〇とならなにをやっても楽しい。〇〇といる時間が、私はにとっての最高の時間。
「…そうだ、〇〇は何かは必要なものある?言ってくれれば、あるびぃがなんでも買ってあげる」
「もちろんゴムとかでも…あはは、冗談だと思う?」
まぁ、いまは任務もあるしすぐには産めないけど…。
ちゃんと任務を遂行したら、それで…。
あはは。
「…っと、〇〇はなにも持たなくていいよ。お金は私が支払うから。」
「スマホとか持たれて、邪魔がきちゃったらお買い物出来なくなっちゃうじゃん。〇〇は、私とずっと一緒にいなきゃだめなの」
「だって…分かるよね?〇〇はどんな形であれデネブの一員になっちゃったんだから…それに、私が頼み込んでコンビにしてもらったからね」
黙りこくる彼の手を握る。抱きついたら、流石に反応を返してくれた。
「それじゃ…いこっか」
私は、彼の手を引っ張った。
ーーーー
お買い物はつつがなく終わり、日用品と彼の洋服とゴムを押し切って1箱だけ買ってきて。
全てを整理し終わると、既に時間は配信間近。
私は配信用のパソコンを立ち上げる。
「っと、その前に…」
流るように配信準備をしながら、もう一台の仕事用デスクトップPCを立ち上げる。いつもの手順を踏めば、簡単に彼の様子が画面に映った。
(これで〇〇が何かおかしなことをしててもすぐ気づける。あとは…一応、スマホの連絡関係だけ接続を外して…チャットとかしそうになったら外せるように準備だけしておいて…)
よし。これで彼が誰かに助けを求めることは出来ない。
両方の画面を確認して。
「こんにちは!あるびぃだよ〜!」
画面の前にいる皆へご挨拶。ソケットに線が繋がっているのを確認して、私は自身満々に声を上げた。