結局あれから一週間程が経過して色々と分かってきたことがある
まず一つとして俺の各種能力の成長する条件が粗方分かってきた
まず物理以外の首はそれぞれに対応する元素を持った元素生物を倒し、その一部を体内に取り込む事で強化される
逆に物理の首は元素を持たない生物を喰らうことによりその能力を上昇させるようだ
ただ元素を持たない生物となるとやっぱりヒルチャールや人間なんかが多くなってくるんだが……人間もそうだがヒルチャールは原神のゲーム本編でどういう存在なのかを知っているからこそあまりやりたくはない
まぁ無難に鶏肉とか魚肉、カニなんかを食ってはいるんだがいかんせん効率が悪い
それと俺の妖力に関しては人間の悪感情を喰らうことによって成長するようだ
だがこれもこれで問題があって味が不味い……文句を言ってられないのは分かってるんだが不味いもんは不味い
妖怪だからこそ仕方ない部分もあるんだろうがもう少しどうにかならないものだろうか
まぁそんなこんなで一週間ずっと何かを喰らい続けて来たんだが……
炎元素の首:前と変わらず
水元素の首:水道の水をホースで出すくらいの強さ
氷元素の首:前と変わらず
雷元素の首:ちょっと痛い静電気
岩元素の首:拳大くらいの石が作れるようになった
風元素の首:扇風機くらいの風が出せるようになった
草元素の首:前と変わらず
物理の首:拳大の岩くらいなら噛み砕ける力
一週間ずっと休まずフライムやらスライムを頑張って倒したり天邪鬼達に手伝って貰ってこれである。
おっっっっそい!!成長遅いって!?なんだこの成長率!?
一番食ったの雷スライムなのに強くなってもダメージすら入らないんだが!?
これじゃ大神のゲーム本編と同じ強さ……いや、弱体化した頃の強さにまで成長するまでどれだけかかることやら……
少し気になるので言えば無相シリーズのやつらを食った場合だが一応フィールドボスとして登場するような奴らだしこんなめちゃくちゃ火力低いまま挑みたくはない
「オロチ様!なにやら島の外の人間がどんどんこの島に来ているようです、如何されますか?」
俺が今までの事を振り返っていると赤い着物にロの字を書いた布……面紗を顔に張り付け大型の琵琶という楽器を持った天邪鬼が話しかけに来た
ついこの間ようやく新しく産み出せる妖怪が増え、赤天邪鬼が仲間に増えたのだ
ついでに割と性格とかは個体によってかなり差があるようで、あそこまで純粋な緑天邪鬼トリオの方が珍しい部類だったようだ
「そうか、ありがとう。
いい加減この国の情勢を知っておいた方がいいか……」
だが正直人間の街に妖怪を放って情報収集するにしても最低でも青天邪鬼や骸金魚のような飛行能力を持った妖怪が欲しいんだよなぁ……
それに加えて今の稲妻の情勢を知っておきたい
もし今の稲妻が鎖国中の状態だった場合この国の外に出ようとすれば無数の雷に撃たれて確実に死ぬのが目に見えていた
この島の雷はなんとかなるが雷神の雷となると話は全く別だ
少なくとも雷神、七神等の言葉はこの辺に住んでる宝盗団
や野伏衆といったならず者や氷の国スネージナヤから世界中に放たれているファデュイと呼ばれる組織の奴ら等の人間達から聞けた為に少なくとも魔神戦争は終結していてそこそこ時間は立っていると見るべきだろう
だがもし目狩令という単語が出ていた場合下手したら俺達は幕府に対する抵抗軍との争いに巻き込まれかねない場所にいる
「いい加減住みかを移すべきか……ここは成長とかを考えれば効率は良いんだろうがリスクが高い」
何だかんだでこの辺はならず者だらけという点だけを考えれば比較的妖怪である俺達は住みやすい地域ではある
だがリスクを考えてみると……
・戦争に巻き込まれる可能性あり
・成長がめちゃくちゃ偏る
・雷に天邪鬼が巻き込まれやすい
・下手したら雷電将軍直々に処される
うん、リスクだらけな上に普通に死に直結しかねないわ
「はてさてどの方向に住みかを移すべきか……
天邪鬼達的にはどっちのが良いとかはあるか?」
「私としましてはオロチ様のいる場所こそが至上と考えておりますのであなた様にお任せ致します」
「緑達は?」
「お任せ~!」
あー、やっぱりか
何だかんだでやたらと忠誠心が高い奴らだったから俺に任せると言ってくるか……
まず俺達が向かうとするなら二択になる
まず一つとして
こっちは抵抗軍のいる珊瑚宮への向かうルートだが一部にはオロバシを信仰する人間が未だ残っている為最悪バレてもギリギリではあるが雷電将軍によるリスクを回避できる可能性がある
ただ最大の問題としてもしバレて俺が信仰の対象にでもなった場合確実にもっとリスクが跳ね上がる事だな
うん、論外
「やはりたたら砂を通って九条陣屋を経由して海を渡り、鳴神島へと向かう必要があるか
だが何処に隠れるかを探しておきたいところだな」
一応俺の結界はかなり高い隠密性があるお陰で人間に近付き過ぎさえしなければなんとか隠れながら移動は出来る
海に関してもそもそもの移動方法が浮遊なのもあってなんとかなる
ただ…………すっごく遅い
具体的に言うと全力で移動しても走ってるヒルチャールより遅い
一応体力は無尽蔵にあるのか疲れないんだがな……
「よし、天邪鬼達は一度妖怪絵巻になって出来るだけ見つからないようにしてくれ」
「ははっ!」
「「「はーい!」」」
「東にあるたたら砂方面へと向かうがどんどん人間達が多くなっていくから見つからないようにしてくれ。
霊感だとかを持ってるような人間には普通にバレるのだけは忘れるな」
そう、実はならず者達の食糧やらを漁ったり物資を拝借してた俺達だがつい先日霊感のある奴に気配を察知されかけた事があるのだ
なんとか首根っこを噛んで俺が戻したお陰でバレずにはすんだが例外が居ると言うのがバレてないまま気付けてかなりよかった
もし気付かずに鳴神島にでも行こう物なら確実にバレていただろう
「鳴神島には神社や巫女なんかも普通にいる。
神職となればさすがに俺達妖怪もバレてもおかしくないから今まで以上に人には気を付けないとな……」
まぁ八重神子は一応は妖怪の一種である妖狐……同じ妖怪の誼で見逃してくれるかも……いや雷電将軍の友って時点でバチクソにアウトだわ
相変わらず人生ハードモードだなオレ……
しばらく移動していると名椎の浜近辺に到着した
やっぱりこの辺に来ると雷こそ無くなるがたたら砂の祟り神の影響かやたらと妙な気配がするんだよなぁ……なんなら吸収出来そうだけど確実に不味そうだからこんなもん食いたくねぇわ
しばらく移動していると何やら大量の悪感情を関知した
「ん?」
「オロチ様?」
「どうかしたの~?」
「いや、やけに大量の悪感情を関知した。
おそらく近くに人間が多くいる可能性がある」
「そういえば何やらずいぶんと多く……少々不味くありませんか?」
「あぁ……人間と出会す可能性がある。
人数が多いなら霊感のある人間が数人居てもおかしくない」
この感情は……『怒り』『恐怖』『憎悪』『殺意』『恨み』『嫌悪』
なんだコレ?恐れを感じながらも怒りを感じてる?
むしろ恐れをそれ以外の悪感情で埋め尽くしてるような……
あれ?なんかすげェ嫌な予感がしてきた
俺はとりあえず一旦上空に避難して空から状況を観察する為に一旦止まって上昇する
人が来てる方向は……ん?俺達が来た場所の方面と九条陣屋方面から?
人数は……オイちょっと待て、数百人はいるぞ
アレ?コレってまさか……
俺は思わず正面にある炎元素の首と背後にある雷元素の首を伸ばして人間の気配の方へ視線を向けていく。
九条陣屋からは……やっぱり幕府軍か……率いている将は……ん?んん?あの特徴的な赤い面の別嬪さん……九条娑羅か!
稲妻の行政に関わる三奉行の一つである天領奉行の重鎮か……確かあそこってストーリーの中では上層部がファデュイと繋がって腐敗しきってて九条娑羅は都合の良い情報だけ伝えて駒として扱われていたんだっけか……
ヤシオリ島方面は……あの服装どう見ても抵抗軍だよな……ヲイちょっと待てあの一人だけめちゃくちゃ目立ってる金髪に白い服装……そして非常sy……げふんげぶん、その隣をふわふわ浮かぶめちゃくちゃ小さな少女……女の方の主人公である蛍にパイモンがいるんだが?
さらに一番前には茶髪に犬耳…抵抗軍大将のゴローがいるんだが!?
え?ちょっと待て!?幕府軍と抵抗軍との戦いに早速巻き込まれた!?
しかも今の時代やっぱり鎖国中のしかもストーリー途中の頃じゃねぇか!?
さ……さささっさと……逃げねぇと……
一旦両軍からバレないように迂回して逃げるために俺は移動する……んだが
「…………」
「…………」
あれ?バレてね?
いや、多分姿までは分かってないだろうけどここになんか居るなぁ程度で認識されてね?
俺は試しに反対方向に移動してみる
「…………」
「…………」
やっぱり位置バレてる!?
しかも
いやまって!?九条娑羅は確か天狗の血を引いてるってのを見たことあるからまだギリギリわかる。
なんでお前までオレの結界を感知出来てるの!?
俺はとりあえず今の状況なら俺よりも抵抗軍or幕府軍の方を優先する事を祈って移動を続ける
ただ九条神屋方面は気付かれた以上アウトなのでかなり迂回して進むことになったのだった……。
なお移動速度が遅すぎて鳴神島に着くまで三日程かかったのだった
現在の主人公の能力
炎元素の首:火種程度
水元素の首:水道のホース程度
氷元素の首:冬場の吐息程度
雷元素の首:ちょっと痛い静電気程度
風元素の首:扇風機の風程度
岩元素の首:拳大の石を作れる程度
草元素の首:花が咲く程度
物理の首:万力程度
総評:スライム以上ヒルチャール未満