TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
子ウサギ公園
ズダダダダダダ!!
「のわっ!?銃弾!?」
「ここ、間違いなく死角だよな…?どこから飛んでくるんだ?」
カサカサッ…
「…甘いな」
ガチャ…
「サーマルカメラも知らないのか、隠れても無駄だってのに」
子ウサギ公園ではSRTの生徒を制圧するべくヴァルキューレ警察学校の公安局が戦闘を繰り広げていた。アユムの報告通り公安局はSRTの生徒に手こずっており、劣勢を強いられていた。そんな彼女らの姿を嘲笑うかの如く、騒動を起こしたSRT生徒の空井サキはサーマルカメラを使ってその様子を眺めていた。
「モエ、足止め完了!早く爆撃を!座標、VK4-0-4-5!やれ!」
“くひひ、待ちくたびれたよ!”
ポチッ…!!
ブロロロロ…!!ズドドドドォン!!
「ドローンだ!?」
「真っすぐこっちに来る、逃げろ!!」
ボカァァァァァァァァァン!!
公安局の生徒を足止めしたサキは、仲間の風倉モエに通信で合図を送る。サキの合図を受け取ったモエは笑いながらスイッチを押すと、公安局の生徒の前にドローンが飛び出し爆撃を開始した。
子ウサギ公園・入り口
ボカァァァァァァァァァン!!
「今の爆発は何だ!」
ガチャ!!
「アルファ分隊、応答しろ!」
「ご覧いただけてますでしょうか?公安局、防戦一方です!」
「警備局に続き、公安局までやられてしまいそうです!もうヴァルキューレで動ける部隊といえば、生活安全局くらいでしょうか…!?」
公安局とSRTが戦っている所から少し離れた場所で指揮を執っている公安局局長尾刃カンナは、爆発が起きた場所にいるアルファ分隊に確認を取ろうとする。そしてその様子をクロノススクールのシノンとマイが、キヴォトスに向けて中継をしていた。
「デモを行っているのはSRT特殊学園の生徒とのことでしたが、それでも圧倒的なまでに押されてしまってます。果たしてこの後、どうなっていくのでしょうか…!」
「そうですね、何かヴァルキューレ側に秘策はあるのでしょうか!?」
「ああもう、うるさい!誰の許可で撮影している!さっさとカメラを止めろ!」
「おっと、マズいですね!」
「怒られる前に距離を取るとしましょうか!」
シノンとマイがヴァルキューレ側を煽るかのような実況をしていると、痺れを切らしたカンナがカメラを止めるよう彼女たちの元へ迫って来る。それを察知した2人はそそくさとカンナから距離を取るのであった。
「邪魔するな!早くどけ!くそっ、クロノスか…相変わらずうるさい…!」
「まぁまぁ~、そうかっかしなさんなよ。キレてたって状況は変わらないんだからさぁ」
「誰だお前は!!市民は危険だから近づくなと言っているだろう!!」
「えぇー!!いいじゃんかよー」
「チッ…!!怪我しても責任は取らんからな!!」
怒りながらクロノスを追い出したカンナを見て、ネズミ姿の市民が茶々を入れる。彼はどうやら野次馬に来たようだが緊張感が無いためカンナに注意されていた。だが自分に文句を言う彼に、カンナは構っていられず放置することに決めた。
「とはいえ、確かにもう人員が…生活安全局のバカ共は使えないし…」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…ガチャ
“何だかすごい状況だね…”
「また野次馬かっ!!今は戦闘中だ。部外者はさっさと出ていけ!!」
「兄ちゃぁん、ひ弱そうだけど大丈夫?流れ弾が飛んでくるかもよ?」
「お前もさっさと帰ってくれよ!!」
カンナが公安局がやられて困っていると、ビーに乗った先生が子ウサギ公園へと現れる。彼女はまた野次馬がやって来たと思って先生を出て行かせようとする。一方ネズミ市民は先生のことをひ弱と感じて、心配するような素振りを見せた。
“実は…”
「これは、行政官の紹介状…?防衛室の代わりに…“シャーレ”だと!?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!“シャーレ”の先生ぃぃぃぃ!!」
(まぁ…知ってたけどね。昔会ったことあるから)
「…こ、これは大変失礼いたしました。実際にお会いするのは初めてかと」
追い出されそうになった先生は、カンナにリンから手渡された紹介状を見せる。紹介状を読んだカンナは、彼がシャーレの先生であることに驚く。ネズミ市民はカンナの話を聞いて驚く素振りを見せるが、実際は顔を知っているようで演技をしているようだ。
「今回の作戦において、現場の責任者を担当しています。ヴァルキューレ警察学校の公安局長、カンナです」
“うん、初めまして。状況はどんな感じ?”
「そうですね、見ての通りと言いますか…」
「警備局も公安局も全ッ然ダメダメ!!みんなやられて、士気もガッタガタ!!」
「五月蠅い!!黙らないと公務執行妨害で逮捕するぞ!!」
先生と初対面のカンナは、自身の所属を自己紹介する。先生はカンナに状況を聞くと、彼女は気まずそうに現状を話そうとする。しかしそこをネズミ市民に茶化すように説明され、カンナは、手錠を手に掛けて彼を脅した。
「当初は数で制圧するつもりでしたが、SRTの火力はでたらめで…もう残りの人員も…」
「お待たせしました、生活安全局のキリノです!もう今すぐ出動しても良いですか!?」
「…もう終わってるっぽくない?これ、もはや私たちの出番じゃないでしょ」
「この“生活安全局”だけです。クソッ…!!こんなことになるなら意地など張らずにバリケードを動員していれば良かった…!!」
そして警備局と公安局の人員がやられてしまった今、残されているのはキリノとフブキが所属する生活安全局のみのようである。カンナは公安局としてのプライドからトランスフォーマーであるバリケードを動員しなかったことを後悔していた。
「あ、先生!奇遇ですね、ヴァルキューレの支援に来てくださったのですか?」
「こんな現場にまで来るなんて、相変わらず大変だねえ」
「先生の指揮さえあれば、もう作戦は成功したも同然ですね!さあ、このまま放っておくわけにはいきません!早速出動しましょう!」
「待て、勝手に動くな。お前らが出て行って何になる?警備局も公安局も、ほとんどやられたんだぞ。お前たちが相手になると思っているのか?」
生活安全局の2人は先生の姿を見ると、各々性格通りの反応をする。先生に出動をせがむキリノに対し、カンナは彼女たちだけでSRTの特殊部隊の相手が務まるとは信じていないようである。
「そもそも、ろくな武器だって持っていないだろうに…何を根拠に勝てると?自分の腕前くらい、分かってるものだと思ったがな?」
「で、ですが、市民の方々も怖がっていますし…このまま見ているだけ、というわけには…」
「…意欲は買おう。しかし気合だけではどうにもならない。我々が他の方法を見つけるまで、とにかくここで待機していろ」
「は、はい…」
「ラッキー。ま、言ってることはその通りだしね」
カンナは生活安全局の貧弱な武器では、SRTのような強力な武器に太刀打ちできないと考えている。それに対しキリノは市民が怖がっているといって食い下がるが、カンナは気合だけではどうにもならないと言って彼女を退かせた。
「やぁ、ビー君おひさ!!元気してたぁ?」
「『あの時は』『ありがとう』」
「気にしないでよ。あれはたまたまオイラに仕事の依頼が回ってきただけさ」
「『君がいなければ』『私は』『先生』『会えなかった』」
「いやぁ~まさか、オイラに車を売った相手が例の失踪した連邦生徒会長だとはあの時思わなかったね」
先生がヴァルキューレの生徒たちと話している間、ビーとネズミ市民は密かに会話を交わしていた。ネズミ市民は先生にビーを売った中古車販売店の店員であり、彼がトランスフォーマーであるとことを知っていたようである。
「『ここに来たのは偶然か?』」
「いや、実はオイラたちにもあれから色々あってさ。今困ってんだ」
「『仲間が』『いたのか?』」
「そうなんだけど、散り散りになっちゃってさぁ~。ホント、困ったもんだよ。だから手伝ってくんなぁい?」
「『任せて欲しい』」
ビーがネズミ市民に何故ここに来たのか尋ねると、彼は仲間とはぐれてしまったようで困っていたようである。彼はビー、ひいては先生に助けを求めてここへやって来たのである。それを聞いたビーは一度助けられた義理もあるので、快く彼に協力すると述べた。
「いやぁ~やっぱり持つべきものは同胞ってね」
「『??』『お前は』『キヴォトス』『住人』『じゃないのか』」
「あれっ!?言ってなかったっけ?」
「『聞いてない』『知らない』『誰だ!?』」
「まぁオイラたちがどこから来たのか、そもそも何者なのかは助けてくれたら教えてあげるよ」
その後のネズミ市民の同胞という言葉を聞いたビーは、彼が自分と同じトランスフォーマーであるという事実に衝撃を受ける。一方のネズミ市民は割と軽めのノリのため、ビーをさらに困惑させた。
“ここを占拠してる生徒たちについて、何か情報とかある?”
「はい、“SRT特殊学園”所属の1年生チーム…“RABBIT小隊”です。本来ならSRTの閉校によって、ヴァルキューレの警備局に転校する予定だったのですが…。何があったのか、急にこうして公園を占拠。“閉校を取り消せ”とデモを始めた、という経緯です」
“う、うん…”
「数は少ないものの、その装備は最先端のものです。主にそれが理由で、ここまで手こずってしまい…」
ビーがネズミ市民のことに驚いている間に先生は、カンナに公園を占拠している生徒たちについて尋ねる。公園を占拠しているのはSRT特殊学園の1年生であるRABBIT小隊という小隊のようで、SRT閉校の取り消しを訴えていた。
“なるほど。見ても良い範囲で、他に詳細な情報とかある?”
デスデースデスデース…
「ああ、顔ならあれを見た方が速いかもしれません。不本意ですが、クロノスの中継ドローンが中に入ったようなので」
ピッ…!!
子ウサギ公園・中央
「…ん?おい、何見てるんだ。MANPADS(携帯式防空ミサイルシステム)でも喰らいたいのか?」
「くひひ…まあ、そこまで神経質になるなって。どうせもう戦況は覆らない。今さら撮られたって、何の問題も無いでしょ。どうせなら、連邦生徒会の愚かさについて喧伝でもしてあげたら良いじゃん」
デスデースデスデース…
「ってわけで…連邦生徒会、見てる~?お前らの考えが間違えだったって、そろそろ分かったんじゃないか?」
「私たちがここにいる限り、SRT特殊学園は終わらない!」
子ウサギ公園の中央に陣取っているのは、先ほどカンナが説明したRABBIT小隊の隊員たちであった。モエとサキはドローンに映っているにも関わらず、余裕たっぷりに挑発を繰り返していた。
「トランスフォーマーを動員してくれたっていいんだよ。こっちには対トランスフォーマー用の火器だってあるんだからね」
「そうだ!!そうだ!!オートボットだろうがディセプティコンだろうが、かかって来い!!」
「サキ、モエ。余計な挑発は慎んでください。私たちに必要なのは、戦闘を通じて交渉に有利な立場を手に入れること。それ以外の何かを今行う必要はありません。本当にトランスフォーマーが出てきたらどうするんですか?1体程度ならまだしも徒党を組まれたら勝ち目が無いのは理解できるでしょう?」
「つまんないなぁ…ミヤコはいっつも真面目なんだから」
さらにサキとモエはトランスフォーマーだろうと相手になってやると言って挑発を続ける。そんな彼女たちの行動を注意したのは、RABBIT小隊の小隊長である月雪ミヤコである。彼女たちの目的は交渉を有利に進めることであり余計な戦闘をするべきではないと言うが、それを聞いたモエは真面目でつまらないと彼女に言い放った。
デスデースデスデース…
「…ドローンの駆動音、耳障りだな。そろそろ消し飛ばすとしよう」
「何でデスデス言ってるんだろうね、アレ?」
「さぁ?弾薬も結構余ってるし…テストも兼ねて、何発かババっと撃ってみるか?」
「サキ~、何か面白そうなこと考えてるじゃん?やっちゃう?ド派手にやっちゃう?どうせなら弾薬全部使って、打ち上げ花火みたいにしない?いやぁ、綺麗だろうなぁ…はあ、はぁ…」
ミヤコに注意されたところでサキはドローンが鬱陶しくなってきたようで、撃ち落とそうとする。それを聞いたモエは何やら興奮して、ド派手にぶっ放そうと彼女に提案した。
「それは良いんだけど…何か忘れているような気が…」
“も、もしかしてそれ、私のこと…?爆撃、私のいるところは巻き込まないでね…?”
「…あ」
「わ、分かってる!忘れたわけじゃないから、心配するな!」
“そ、そっか…”
爆撃をしようとする前に何かを忘れている気がすると言うと、霞沢ミユが通話で会話に入ってくる。どうやらサキが忘れていたのはミユのようで、2人は気まずい感じになってしまった。
“ところで私、もう帰っても良いかな…?相手もいなくなったし…。何だかこの辺り…湿っぽいし、虫も多いし…。何だかその、ひとりじゃ怖くって…”
「ミユ。SRTのエリートが、たかが虫のせいで泣き言を言うな。いつまでもそんなことを言うなら、今からでもヴァルキューレに行けばいいだろ。不快なことも少ない毎日で、安穏と交通整理でもしてればいい」
“そ、それは、その…”
「それよりミユ、ドローンは見えてるな?高度が測定できたら教えてくれ、すぐに撃墜する」
“りょ、了解…少し待ってて…”
公園の何処かに隠れているミユはサキに、相手がいなくなったので帰っていいかと尋ねる。しかしサキは虫程度の理由で泣き言を言うならヴァルキューレに戻れと言って、それを許さなかった。そしてサキはミユにドローンの高度を測定するよう命じた。
「サキ、待ってください。不要な射撃は推奨しません。今は補給も期待できない状況なので、周囲を警戒しつつ…」
「うるさい!どうしてお前が私に命令する!?」
「ま、もともと全員同じ1年生だしねぇ。連邦生徒会長もいないし、柵も無くなったことだし、確かにもう命令を聞く必要も無いかなぁ」
「で、ですが…」
しかし、それを聞いていたミヤコがサキに射撃を止めるよう言うと、彼女は命令するなと反抗する。さらにはモエもSRTが無くなり連邦生徒会長がいない今、隊長だからといってミヤコの命令に従う必要は無いと言われ、彼女はたじろいでしまった。
“…サキ、座標を確認したよ。高度900m、距離2500m、方位0-3-0…”
「よし、ターゲットロックオン」
ガチャ…
「モエ、発射は任せた」
「いやぁ、こういう瞬間は興奮するねぇ…さ~て、ファイアー!!」
バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!ドカドカドカァァァァァン!!
デシター…!!
そうしているとミユからドローンの位置を示す通信が入り、サキはドローン用の対空ミサイルをセットする。そして発射をモエに任せ、彼女は興奮しながらドローンを吹っ飛ばすのであった。
子ウサギ公園・入り口
「…中継ドローン、ロストしました」
「ヴァルキューレの物じゃないとは分かっているだろうに、それでも攻撃するか…」
「雑な連中だね。あんなんでどうやってSRTに入学できたんだか…」
“元気な子たちだね”
「…ご冗談を、“バカ”の間違いでしょう」
RABBIT小隊がドローンを攻撃したのを見て、カンナはヴァルキューレの物ではないと分かった上で攻撃する彼女たちに呆れていた。ネズミ市民も同様に呆れる中、先生は彼女たちのことを元気な子と評し、カンナに驚かれていた。
「単なるバカならまだしも、やたらと力を持ったバカです。会話もしにくく、厄介なことこの上無い。こうなったら、各自治区の風紀委員会かオートボットに支援を要請した方が…」
「このご時世だし、オートボットに助けてもらうのはよくないんじゃないか?」
「そうだな…。トランスフォーマーがキヴォトスの住民と戦闘を繰り広げている様を見せるのはよくない…」
“流石に私もビーに生徒に銃を向けさせるのは反対だな”
「とりあえず、ゲヘナの風紀委員会に連絡を…」
バカな上に厄介なRABBIT小隊に対処するべく、カンナは各自治区の風紀委員会かオートボットに支援を要請しようとする。だがそこでネズミ市民が待ったをかけた。今はトリニティの惨劇が起きた後であり、その首謀者であるセンチネル・プライムが見つかっていないのである。そんななかでキヴォトスの住民相手にトランスフォーマーが戦闘を起こしたとあっては、事態が大きくなるのは必須であった。
“…任せて、多分大丈夫。何とかなるかも”
「…はい?動ける人員が5人にも満たない、この状況で…?」
“キリノ、フブキ、RABBIT小隊のみんなを止めに行こう”
「はい! …はいっ!?」 「じょ、冗談でしょ…?」
そんな中でも先生はキリノとフブキを連れてRABBIT小隊を止めに行こうとする。そして先生に呼ばれたヴァルキューレの2人とカンナは先生のその判断に驚いていた。
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁ!!」
「「「!?」」」
「オイラも戦いに加えてもらおうか!!」
「は…?何を言っているんだ貴様は?貴様はただの市民だろう?気でも触れたか?」
“そ、そうだよ…警察でも学校所属の生徒でもPMCとかの兵士でもない人を戦場に出すわけには…”
先生がキリノとフブキを連れて子ウサギ公園の中央に向かおうとした時、ネズミ市民が自分も戦うと言い始める。それを聞いたカンナはネズミ市民が頭がおかしくなったと思い、先生ですら困惑していた。
「じゃあ戦えるようにすればいいんだな?みてろよぉ~」
「何だ?SRTを一瞬で倒せるような超強力な武器でも持って来るとでも…」
「ラットル!!変ッ身!!でやー!!」
ギゴガゴゴ!!
「「「「えぇーーー!!!!」」」」
「どお?カッコいいィ?」
カンナに頭のおかしいヤツ扱いされたネズミ市民は気合を入れると、自身の名前を叫んで変身する。そしてその変身はまるでトランスフォーマーのようであり、その場にいた一同はとても驚いていた。
「と、と、と、トランスフォーマー!!」
ギゴガゴゴ!!
「『知らない』『誰だ!!』」
“ビーも知らないの…?じゃあ君は一体何者…”
「しかしちっさいねぇ。本当にあっちの黄色いヤツと同種なの?」
「・・・」
ネズミ市民改めラットルが変身したのを見て、キリノは腰を抜かしビーもトランスフォームして彼のことを知らないと驚く。先生ですら初めて見る種類のトランスフォーマーに戸惑い、フブキはその小ささ故にビーたちと同種なのかと疑っていた。そんな中、カンナだけは彼のことをただ静かに見つめていた。
「まぁ、オイラのことについては、先生がオイラのことを助けてくれたら教えてあげるよ」
“わ、分かったよ…後で教えてね”
「…すみませんが、先生」
“あっ…そう、そうだね、SRTの生徒の話だったね”
「はい…」
だが自身の正体を知りたがる先生に対し、ラットルは自分のことを助けてくれたら教えるという条件を提示し彼はそれを承諾する。そしてその横でカンナが気まずそうにしていることに気付き、彼らは自分たちのやるべき事へと戻る。
「ですがこのドブネズミを一匹加えたところで、彼女たちは基本的に戦闘員ではなく、平和ボケした生活安全局の所属です」
「ドブネズミとは何だ!!この美しいボディが見えないのか!?」
「警備局でも、公安局でも太刀打ちできなかったんです。彼女たちだけで、制圧できるとお思いですか?」
「オーイ、聞いてんの?」
「先生の噂は聞いていますが、こんな寄せ集めでは…」
気を取り直して、カンナは生活安全局だけではラットルを加えたところで結果は変わらないと考えているようである。警備局と公安局でも歯が立たなかった相手に、先生の力を借りた程度で勝てるとは思っていないのである。
「エリートとそうでない生徒の間には、到底埋められない隙間があるんですよ」
「落ちこぼれでも、必死に努力すりゃエリートだって越えることがあるかもよ?」
「今はそういう議論をしているんじゃない!!」
“私からしたら、みんな「生徒」に変わりは無いよ”
「…そうですか」
公安局やSRTと言ったエリートと生活安全局の差は到底埋められないと言うカンナだが、先生は誰であろうと「生徒」であることに変わりはないと答える。真面目にそう述べた先生を、カンナは否定することができなかった。
「責任はシャーレが負うということですし…まあ、無理に止めはしません」
ガチャ…!!
「まだ戦闘可能な者たちに告ぐ。これよりシャーレの先生の指示に従い、生活安全局の生徒をサポートせよ!」
「ちょっ、ちょっと待った!マジで!?マジで言ってる!?噓でしょ、絶対すぐやられるって!先生、正気!?」
“正気正気。大丈夫、きっとできるよ”
そしてカンナは先生のことを止められないと悟り、無線を使って残っている人員に先生のサポートをするよう指示する。それを聞いたフブキは不安そうに先生に正気か尋ねるが、先生は大丈夫だと言って笑っていた。
「フブキ、大丈夫です!先生の指揮があるなら、何とかなります!多分!!そもそも、市民の安全を守るため…この状況、放っておくわけにはいきません!」
「あーもう、計算が狂った…こんなことなら、仮病でも使っておけば…」
「まあまあ。これで作戦が成功させたら、特別休暇とか貰えるかもしれませんし。それに、警備局への転科のチャンスだって頂けるかもしれません!」
「後者はどうでも良いけど、まあ仕方ない…ちょっとだけ、試しにやってみよっか?」
「生活安全局、出動します!」
出動を渋るフブキに対し、キリノは先生がいるからと言ってやる気十分である。そして彼女はフブキの特別休暇があるかもと告げると、フブキは少しだけやる気になった。
「『先生』『頼む』」
「合点承知の助ぇ!!このラットル君に任せておきなよ」
“それじゃあ行こうか”
「ラットル、行きまーす!!」
ラットル、出撃!!
Bメガ「ダイノボットはキャラ立ってるから出られるがお前ら2人はモチーフが被りだし、人数合わせのためにクビだ」
スコルポス・テラザウラー「「そんな~」」
シルバーボルト「あのデスデスドローンは僕とは無関係デース」