TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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ロディマス「めげない!!」

コンボイ「ショゲない!!」

オプティマス「生かしてはおかない!!」

チータス「うわー!!ホンモノジャン!!」

先生”まぁ、確かに本物だけれども...”


コンボイを探せ!!

先生は今日も今日とてRABBIT小隊の様子を伺うべく子ウサギ公園へと向かっていた。ビーは本日オートボットとしての仕事があるため一緒におらず、1人で公園に向かっていた。

 

「…そこの君。シャーレの先生かね?」

 

“そうですけど…”

 

「君に用事があるんだ。ついて来てくれるね?」

 

プシューーーーーーーー!!

 

“(これ、麻酔…!?)”

 

バタン…!!

 

先生は謎の男に声をかけられ、後ろを振り向く。その瞬間、謎の男は麻酔スプレーを先生に噴射し、彼はその場に倒れ込んでしまった。

 

 

 

 

 

謎の場所

 

ガタッ!!

 

「おや、お目覚めですか」

 

カツカツカツ…

 

「体調はいかがです?問題無さそうで何よりです。下手なおもてなしで何かあったらどうしようかと…なにせ私たちも、キヴォトスの外の方をお迎えするのは初めてでして」

 

“…あなたは?”

 

「ご挨拶が遅れました、私の名前はデカルト。この組織、“所有せずとも確かな幸せを探す集い”…通称“所確幸”を率いるリーダーです」

 

“???しょかっこう…?”

 

麻酔スプレーの効果が切れて先生が目を覚ました場所は、廃墟のような所であった。そして先生をこの場所へ連れ去った者が現れ、自身を“所確幸”のリーダーであるデカルトと名乗った。

 

「お耳に入れたのは初めてでしょうか?清貧な人生を追い求める方であれば、一度は聞いたことがあるのではと思ったのですが…なるほど」

 

“なんか…すみませんね、どうも”

 

「まあ、そうかもしれないと思っていました。何せあなたは、部下を使って食べ物を強奪していたようですからね」

 

“えっと、何の話…?”

 

“所確幸”という名前にピンとこない先生を見て、デカルトは意外だといったような反応を見せる。そして彼は先生のことを部下を使って食べ物を強奪したと言い始め、先生を困惑させた。

 

「とぼけるのも大概にしなさい!私の仲間たちがこの目ではっきり見たのです、あなたとウサ耳の生徒と謎の動物たちが仲良くしているのを!」

 

“ウサ耳ってことは…RABBIT小隊のみんなのこと?それにサイバトロンたちかな…?”

 

「あの生徒たちや変な動物たちの呼称については、特に興味ありません」

 

“そ、そうですか…”

 

「大事なのはただ、あなた方が我々の求道を邪魔する、貪欲な者たちであるということ」

 

困惑する先生に対しデカルトは、RABBIT小隊とサイバトロンたちと一緒に仲良く行動していたことを指摘する。どうやらデカルトは先生たちやRABBIT小隊たちのことを、求道を邪魔する存在だと認識しているようである。

 

“何か邪魔をしちゃったっけ…?”

 

「…私たちは時にこう呼ばれます。“ごく潰し”、あるいは“社会の膿”と…。しかし、それはどちらも的を射ていません。私たちは何もしていないのではなく…ただ、“無所有”を実践しているだけなんです!」

 

“話の流れが見えてこない…”

 

「キヴォトスの人々は、あまりにも多くの物を所有しています。新しい戦車、高い小銃、ミサイルを防ぐためのバンカーなどなど…。こういった欲望はしかし、満たされるものではありません。より上に、より高く…それらは最終的に、人生を疲弊させるだけなのです」

 

だが当の先生にそんな認識はなく小首をかしげていると、デカルトは自分たちの実践する“無所有”について語り始める。彼はキヴォトスの人間は多くの物を所有していると言って、それは人生を疲弊させていると訴えた。

 

「真の幸せは“所有”ではなく、“無所有”から生まれるもの…。生存に必要な最低限のもの以外を全て手放し、無為自然の在り方を維持する…それでこそ、真の幸福に辿り着けるのです。そして私たちは働かず、所有せずの“無所有”を実践して生活していたのです」

 

「まだそんな事を言っているのかデカルト…。確かに多くの物を所有するべきではないという考えは理解するが、だからと言って働かないというのはだな…」

 

“き、君は…?”

 

「コンボイ、また私に小言を言いに来たのですか?まったく懲りませんね!!私たちに命を助けられたのを忘れましたか!?」

 

「うっ…!!しかしだなぁ…」

 

デカルトが自身の理想を語っていると、そこに喋るゴリラが現れる。彼こそがサイバトロンのリーダーであるコンボイであり、どうやら色々あってデカルトに助けられていたようである。

 

“こんなところにいたんだね…ラットルたちが心配していたよ”

 

「ラットル…?ラットルと言ったのか?彼は無事なのか?」

 

“うん、ラットルだけじゃない。チータスとライノックスも無事だよ。みんなRABBIT小隊と一緒にいる”

 

「そうか…上手いことキヴォトスの協力者を見つけたのか」

 

サイバトロンたちが探していたコンボイを見つけたことで、先生は安心する。一方のコンボイもラットルたちが無事だったことに安堵していた。

 

「ところがある日、ここに招かれざる客がやって来ました。ウサ耳を付けて、なにやら高価な武装を手にしたその生徒たちは、次々に廃棄弁当を手にしていきました。彼女たちが通った後、そこにはぺんぺん草も残らず…もやし弁当一つすら残っていなかったのです。ただでさえ“焼肉弁当”などは廃棄の対象になりにくいのに…それを含めて、独り占めを…!」

 

“えっ、あっ、うん…”

 

「こんな非常識な行為が、許されて良いのでしょうか!?」

 

「だから働いて“焼肉弁当”を買えばいいと、ずっと言ってるじゃないか」

 

「うるさいですよ!!」

 

先生とコンボイが再開を喜んでいるのを余所に、デカルトはRABBIT小隊たちの行動を批判し続ける。コンボイが彼に正論を述べても、取り付く島もなかった。

 

“えっと、そもそも「贅沢な嗜好品には興味が無い」って話だったのでは…?”

 

「そ、それはそうですが…」

 

「君の主張なら毎日もやし弁当でいいはずだろう」

 

「とにかく!ラビット小隊なのかサイバトロンなのか知りませんが、あの暴挙を許すわけには行きません!」

 

「それは横暴じゃないか…」

 

RABBIT小隊たちに憤るデカルトに対し、先生は彼が先ほど講釈垂れていた理想を思い出し、憤る必要は無いはずだと述べる。それにデカルトは口ごもるものの、RABBIT小隊とサイバトロンの暴挙を許さぬという姿勢を崩そうとはしなかった。

 

「そして、あなたが彼女たちのリーダーと見ました…さあ、約束してください。今後“焼肉弁当”が廃棄されていたら、それは私たち“所確幸”に譲ると!」

 

“あの子たちは、私の部下じゃないよ。あの子たちはただ、私の生徒たちであって…”

 

「部下であろうが生徒であろうが、どちらでも構いません。あなたの言うことなら聞くのでしょう?」

 

“いや…”

 

「何ですかその微妙な表情は、先生だというのに、自分の生徒たちも律することができないのですか?」

 

どうやらデカルトが先生を攫った理由は、彼が先生をRABBIT小隊のリーダーだと思っていたからのようである。リーダーを人質に取れば言うことを聞かせられると思っているデカルトに対し、先生は渋い顔をしていた。

 

「君のところも中々大変そうだな…」

 

“君の所ほどじゃないと思うよ…。君にそろそろ戻って来ないとライノックスが限界そうだし”

 

「チータスとラットルか…。RABBIT小隊の娘たちは大丈夫か?」

 

“まぁ、何だかんだ仲良くやってると思うよ”

 

先生の反応を見たコンボイはRABBIT小隊との関係性を察して同情していた。だが先生もラットルとチータスのはじけっぷりを知っているため、コンボイほどではないと返すのであった。

 

「全く、仕方ありませんね…。こうなったらスマホだけ寄越して、そこで大人しくしていてください。私が交渉するとします」

 

“多分無駄だと思うけど…”

 

「私も仲間がいるというのなら、連絡したいのだが…」

 

「ダメですっ!!チーターとサイに襲い掛かられたらどうするんですか!!来ていいのは、ネズミだけです!!」

 

「“えぇ…”」

 

痺れを切らしたデカルトは先生のスマホを奪い取り、RABBIT小隊に連絡を取ろうとする。仲間が居ると聞いたコンボイは彼らに連絡を取ろうとするものの、チータスとライノックスが怖いデカルトに拒否された。

 

「えぇっと…これですかね」

 

プルルルル…プツッ!!

 

“…何の用ですか?私たちは今、食事の準備で忙しいんですが”

 

「あぁ、あなたが“RABBIT小隊”のリーダーですか?私たちは真の幸せを追求する都市の求道者、“所有せずとも確かな幸せを探す集い”…略して“所確幸”の…」

 

プツンッ!!

 

「…き、切られた?」

 

“詐欺か何かだと思ったんだろうね…”

 

「こ、これだから真理を知らない凡人たちは…」

 

デカルトは先生のスマホを使ってRABBIT小隊に連絡を取る。着信に出たのはミヤコであったが、詐欺と思われたようで速攻で切られてしまった。

 

プルルルル…プルルルル…プツッ!!

 

「み、みなさん?どうやら“いたずら電話”か何かだと誤解されてるようですが…あなたたちの先生は捕らえました。こちらの要求に素直に応じなければ、今から先生に残酷な仕打ちを…」

 

“好きにすれば?”

 

プツンッ!!

 

「…また切れた!?」

 

「これは中々…」

 

「これはどういうことだ、あなた本当に“先生”なのか!?これっぽっちも心配されてないじゃないか!?」

 

“まあ、複雑な事情があって…”

 

何かの間違いかと思ったデカルト、再びRABBIT小隊に電話をかける。しかし今度は先生の名を出して脅してみるが、結果は同じであった。

 

「くそっ、せっかくシャーレの先生を人質にしたというのに…これでは高級弁当が…」

 

“ちょっと試しに、私が電話をしても良い?”

 

「あなたが直接交渉すると?」

 

“うん、このままじゃ埒が明かないし…”

 

「別に構いませんが、その振りをして警察に通報…などという小細工は止めた方が良いですよ。私たち“所確幸”の武装は、ヴァルキューレを軽く凌駕していますからね!」

 

二度電話を掛けた結果脅しが全く通用しないという事実に、デカルトは高級弁当が遠ざかっていくという不安が増していく。このままでは埒が明かないと感じた先生は、デカルトからスマホを取り戻し、自分から交渉すると言い出した。

 

プルルルル…プルルルル…プツンッ!!

 

“ああもう、何なの先生…こっちは夜遅くまで作業してて疲れてるってのに。大した用事じゃないならもう…”

 

“実は廃棄された和牛ステーキ弁当を見つけて…”

 

“・・・”

 

プツン…

 

「き、切ってしまったようだが…」

 

先生はモエに電話を掛けると、彼女はめんどくさそうに応答する。モエが電話を切ろうとしたところで、先生は和牛ステーキ弁当を見つけたという情報を彼女に告げた。それを聞いたモエは何も言わず、電話を切ってしまった。

 

「はははっ!あれだけ自身満々だったのに、自分だって無視されてるではないですか!はぁ、こうなったらもう他の生徒を脅して…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

 

「ん?」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!!

 

「なっ、なんだいきなり!!」

 

「SRTだ!部外者はどけ!」

 

電話を切られてしまった先生を見て、デカルトは彼を馬鹿にしつつ次の作戦を考え始める。だがその瞬間大きな砲撃の音が辺り一面に響き渡り、埃が舞う中からRABBIT小隊が現われるのであった。

 

「サキ、私たちは今SRTの任務中ではないので、名乗らない方が…」

 

「オラオラァ!!和牛ステーキ弁当を寄越すジャン!!」

 

「止めてください、チータス。これでは私たちが賊みたいじゃないですか」

 

「ごめんジャン…ってコンボイじゃん、何やってんのここで?」

 

「ち、チータス!!」

 

大声でSRTだと名乗るサキに対し、ミヤコは任務中ではないのでSRTを名乗ることを控えるよう注意する。そしてRABBIT小隊に付いてきたチータスがコンボイを見つけるが、チータスのほうは久しぶりの再会とは思えないほど軽いノリであった。

 

「そ、それよりここに、本当に最高級の和牛が…?和牛ステーキのお弁当なんて、SRTにいた頃にも食べたことなかった…」

 

「けど、この近くにデパ地下なんかあったか?デマなんじゃないの~」

 

“うん、絶対にそう言ってた。間違いない”

 

「ラットル…!!」

 

「あ、コンボイだ。ここで何やってんの?」

 

ミユはこの場所に和牛ステーキ弁当があることに期待しているようで、まだ見ぬ和牛ステーキ弁当に想いを馳せていた。だがラットルはこの近くに和牛ステーキ弁当が撃っているようなデパ地下は無いと指摘するが、モエは先生が絶対にそう言っていたと主張した。

 

“逆探知の結果から推測するに、先生はこの近くにいるはずなんダナ。僕も和牛ステーキ弁当楽しみなんダナ”

 

「お前草食だろ?」

 

「ら、ライノックスまで…!!」

 

“あれ、コンボイがどうしてこんなところに…。レーダーじゃ引っ掛からなかったのに…”

 

さらにライノックも和牛ステーキ弁当が楽しみなようで、先生のスマホの逆探知をしていたようである。自分以外のメンバーが全て揃っていることに、コンボイは驚きを隠せずにいた。

 

“いやー、優秀だ…”

 

「あっ、先生…」

 

「和牛ステーキ弁当はどこだ!?」

 

「迅速な収集は任務の基本。賞味期限が切れているとしたらその旨味は刻一刻と減ってしまうため、今すぐに確保を…と思ったのですが、お弁当はどこですか?」

 

「「わ・ぎゅ・う!!わ・ぎゅ・う!!焼肉弁当!!」」

 

和牛ステーキ弁当の名前を出してすぐに来たRABBIT小隊を見て、先生はその素早さに感心する。一方のRABBIT小隊たちは未だ和牛ステーキ弁当が見えないことに、苛立ちを覚え始めていた。

 

“えっと、それが…”

 

「はははっ!まんまと私たちの計画に騙されましたね!欲望の果て、それはあたかも存在しない虚像のようなもの…欲に負け、その虚像に魅せらてた者たちは、いつしか破滅へと足を踏み入れる他ありません」

 

「何言ってるか分からないけど…和牛ステーキ弁当は無いってことか?」

 

「勿論です。どうしてそんなものが廃棄されてると思ったのですか。どうかこれをきっかけとして“無所有”の素晴らしさに気付かれてはいかがでしょうか」

 

「あぁん?和牛ステーキ弁当が無いなら来る意味ないジャン!?」

 

和牛ステーキ弁当を探すRABBIT小隊たちに対し、デカルトはそんなものはあるはずないだろうと言って、彼女たちに無所有の素晴らしさを説き始める。だが当の本人たちは彼の言葉など微塵も聞いておらず、和牛ステーキ弁当が無いことに不満なようである。

 

「さあ、同志たちよ。彼女たちにそれを教えてあげましょう!」

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥ…!!

 

「うわっ、何だこいつら!?服はボロボロなのに、武器だけやたら最新式で…!」

 

「ほ、包囲されちゃった…」

 

「なっ…なんだこれは!!お前たちこんな物を隠し持ってたのか!?」

 

デカルトが合図を出すと、この場所のあちこちから最新鋭の武器を持った“所確幸”の仲間たちがRABBIT小隊を包囲する。そしてコンボイは彼らがこんな物を隠し持っているとは知らなかったようで、動揺していた。

 

「みなさん落ち着きましょう。基本は狭い所に誘導した上での各個撃破です、そうすればこの数でも…」

 

「まぁ、武器だけが良かったところで関係無い。私たちSRTを舐めるな!」

 

「2階にいる狙撃手は、私の方で全部どうにか…」

 

「前方は私とミユでどうにかするから、後ろはミヤコとラットルとチータスで頼む。それで良いか?」

 

「…はい、それで行きましょう」

 

慌てている仲間を見て、ミヤコ落ち着いて各個撃破するよう指示を出す。ミヤコの言葉を聞いたサキとミユは落ち着きを取り戻し、作戦を話し合っていく。話し合いによりサキとミユが前方、ミヤコとラットルとチータスが後方ということになった。

 

「閃光弾を使いますので、その合図で散開してください」

 

「オッケージャン!!」 「りょ~かい」

 

「それでは…作戦開始!!」

 

ミヤコの閃光弾の合図と共に、戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

ズダダダダダダダ!!

 

「ぐあぁっ!?」

 

「で、でたらめな強さだ…逃げろ!」

 

ダッダッダッダッダッダッ…

 

「み、みなさん!どこへ行くのですか?まだ敵は…」

 

「そもそも何もしたくないのに、戦闘なんかできるわけないだろ!?」

 

「もう帰る、こんな生活懲り懲りだ!」

 

戦闘が開始されて数分後、所確幸のメンバーたちはRABBIT小隊たちのでたらめな強さを思い知り散り散りに逃げ出していく。リーダーのデカルトの制止も聞かず、働きたくない、懲り懲りだという捨て台詞を吐いて彼らは何処かへ消えてしまった。

 

「ま、待ちなさい!!」

 

ズダダダダダダダダダダダ!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!

 

「ああ、“所確幸”のアジトが…せっかく集めた高い装飾品も、全部燃えて…」

 

「所有に執着しないんじゃなかったジャン?」

 

「うるさい!!贅沢するのは人間の本質だろう!?」

 

「うわ~さっきと逆のこと言ってるよこのオッサン…」

 

「デカルト…それが君の本性だったのか…」

 

仲間が逃げてしまっただけでなくアジトも壊されてしまったデカルトは、その有様に頭を抱えて嘆く。その発言を聞いたチータスが“所確幸”の思想と真逆だと指摘すると、デカルトは逆ギレし、コンボイはそんな彼の姿を見て嘆き悲しんでいた。

 

「あなたたちが、あなたたちさえいなければ…!」

 

 

 

 

 

その後

 

「…Aサイト、クリア。2階の狙撃手も全員無力化…」

 

「流石、ワスピーターとブラックウィドーを狙撃しただけあって優秀ジャン」

 

「Bサイトもクリア。何人か逃げられたけど、それ以外は全員制圧した」

 

「はい、お疲れ様でした。得る物はありませんでしたが、怪我などは無いようで何より…」

 

「す、凄いな…洗練された動きだ…」

 

そしてミユとサキも所確幸を撃破してミヤコの下へ戻って来る。コンボイは彼女たちのその洗練された動きに驚いていた。

 

「…ん?ミヤコ、これ缶詰じゃないか?賞味期限は切れてるけど…」

 

「燻製のサーモンにベーコン…ワァオ!!魅力的なラインナップジャン!!」

 

「オイル漬けのホタテまであるよ!!こいつは今夜はご機嫌な夕食になりそうだな!!」

 

「ま、待て、触るな!そこの高級缶詰は、後でお酒のつまみにしようと私が大事に…!」

 

「・・・」

 

サキが所確幸のアジトを漁っていると、賞味期限切れの高級缶詰が隠されていることに気付く。もはや無所有の教えなど忘れ高級缶詰に執着するデカルトを見て、コンボイはただただ悲しい眼をしていた。

 

「ミヤコちゃん、ここに寝袋と撥水加工のシートがたくさん…。雨が降るたびに困っていたけど、これさえあれば…」

 

「…なるほど、そうですね」

 

カチャ…ピッ!!

 

「モエ、今すぐ車両を手配してもらえますか?思ったより戦利品が多くなりそうです」

 

「な、何をいつの間に“戦利品”扱いしてるんだ!これは全部私のものだ!私の所有物に手を出すな!」

 

「デカルト…ちょっと怪しいと思っていたが…それでも私を助けてくれた恩人だと思っていたのに…」

 

ミユのほうは大量の寝袋と撥水シートを見つけたようで、ミヤコはそれを見てモエに車の手配を指示していた。一方のデカルトは自身の所有物を戦利品扱いされ憤っており、その姿を見たコンボイはもはや失望していた。

 

「でもこれ、ほとんど賞味期限切れかけだけど?オッサンの部下はもういなくなっちゃったし…1人じゃ食べきれないんじゃないの~?」

 

「ていうか、最初に威嚇射撃したのはそっちジャン?」

 

「というわけで、その分の損失として、全部ではないにせよ頂けないでしょうか?」

 

「うっ、くうっ…」

 

もはや抵抗する兵力も残っていない“所確幸”を見て、チータスたちはそのリーダーであるデカルトに戦利品を明け渡すようにじり寄る。彼らは先に威嚇してきたのはそっちだと主張し、その損失を求めていた。

 

「はっ!!そうだ、コンボイ!!やつらをやっつけなさい!!」

 

「て、テメェ!!ふざけんなよ!!」

 

「コンボイ!!命を救われたか何だか知らないけど、こんなロクデナシの言う事聞く必要ないからな!!」

 

「デカルト…みんな…」

 

追い詰められたデカルトは命を助けたコンボイなら命令を聞くと思い、ラットルたちをやっつけるよう命令する。それを聞いた彼らは当然怒りだし、こんなヤツの命令は聞くなとコンボイを説得し始める。

 

「コンボイ、変身!!うおぉぉぉぉぉ!!」

 

ギゴガゴゴ!!

 

「「コンボイ!!」」

 

「ハハハハハッ!!やってしまいなさい!!」

 

「・・・」

 

“何か様子が変だぞ…”

 

デカルトの命令を受け、コンボイはビーストモードからロボットモードへと変身を遂げる。まさかデカルト側に付くと思っていなかったラットルとチータスは驚くが、コンボイは変身したきりその場を動かない。

 

「何をやっているのですか!?さっさとヤツらをぶちのめしてしまいなさい!!」

 

「もう止めようこんなことは…君の負けだ。大人しく降参するんだ」

 

「お前も私を裏切るのか!?命を助けてやった恩を忘れましたか!?」

 

「違うなデカルト…先に私を裏切ったのは君だ…」

 

変形したというのにその場から動かないコンボイを見て、デカルトは痺れを切らしてぶちのめせと強い言葉で命令する。しかしコンボイはデカルトのほうに向きなおり、降参するよう説得し始めた。

 

「私は君の理想に賛同していた…。だが君は私の前で偽りの言葉を述べていたのだな…。君となら素晴らしい未来を作れると思ったのに…」

 

「お前も私の部下と同じく、私を裏切るのか!?もういい!!ここから出ていけ!!お前とはこれっきりだ!!」

 

「デカルト…こんな結末にはしたくなかった…」

 

「オイラたちは何で浮浪者のロボのおっさんとゴリラの別れ話を見せられてるんだ…?」

 

「きったねぇトランスフォーマー/ONEジャン」

 

どうやらコンボイはデカルトの掲げる“無所有”の思想に感化されていたようで、それが偽りだったことにショックを受けているようである。そして、デカルトのほうも、言う事を聞かないコンボイに対して愛想が尽きていたようである。

 

「そ、それじゃあとりあえず、こちらの戦利品は貰っていきますね」

 

「君たちに頼みがある。今後私もラットルたちと同じように君たちの目的のために協力する。だから、彼から全てを奪うのは止めてもらえないだろうか…」

 

「アッ…ハイ…」

 

「デカルト…君とはもう二度と会うことは無いだろう。だからこれが私にできる最後の手向けだ」

 

“真っすぐすぎて詐欺に引っ掛からないか凄く心配になってきた…”

 

コンボイがデカルトに悲しんでいるなか、ミヤコは戦利品を頂戴すべく彼らの間に入る。するとコンボイから全てを奪わないでくれと懇願され、ミヤコは彼の言う通りにするのであった。彼のその人を疑わない真っすぐな姿勢を見て、先生は詐欺に引っ掛からないか心配になっていた。

 

“それじゃあ…帰ろうか…”

 

「はい、そうですね…」

 

((((何だこの空気…))))

 

この場の重い空気にいたたまれなくなったのか、先生はみんなに帰ろうと声をかける。さっさとこの場から抜け出したくなっていた一同は、コンボイを連れてそそくさと逃げるように後を去った。

 

「コンボイ…」

 

“所確幸”のアジトは、先ほど騒がしかったのが嘘のように静まり返り、デカルトとただ少しの彼の“所有物”だけが残されていた。

 

 

 

 

 

子ウサギ公園

 

「というわけで、私がサイバトロンのリーダーコンボイだ。私たちを助けてくれてありがとう。リーダーとして改めて礼を言わせてくれ」

 

「何度も言うように、これはラットルと私たちが結んだ協約に基づいた行動ですので、お礼は不要です」

 

「まぁそう言わずに。実際に我々も居場所を失くした気持ちは分かっているつもりだ」

 

「そうですね…その点については同情します」

 

子ウサギ公園に帰ったRABBIT小隊たちは、サイバトロンのリーダーのコンボイを迎えた。集団のリーダーであるコンボイとミヤコは互いに膝を突き合わせて、今後のことについて話し合おうとしていた。

 

「さすが…リーダーだけあってまともそうだね」

 

「オイ、そりゃどういう意味だ?」

 

「お前らみたいなお調子者2人も抱えてそっちのリーダーは大変だよなって話だ」

 

「お調子者だって。失礼しちゃうジャン」 「ね~?」

 

「「そういうとこだよ」」

 

そんなコンボイの姿を見て、モエは他と違ってまともそうだと評価する。それを聞いたラットルがどういう意味だと問うと、サキはお調子者2人を抱えるリーダーは大変そうだと答えるのであった。

 

「我々の目的はSRT特殊学園の復活です。そのためにあなたたちには協力してもらいます」

 

「それに関して異存は無いが…私たちは具体的に何をすればいいのだ?」

 

「それは…」

 

「そういえば私たち、ここで生きていくことに精一杯で公園に居座って抗議する以上のこと考えてなかったわ…」

 

「た、確かに…」

 

ミヤコはコンボイに対し、自分たちに協力するよう促す。彼はそれについて異存はないと言って、ミヤコに何をして欲しいのか尋ねる。しかし、ミヤコはそれに答えることができなかった。

 

「そもそもSRT特殊学園とはどういう組織なのだ…?」

 

「SRT特殊学園は…Special Response Teamの略で、ヴァルキューレ…つまり通常の治安維持組織では対応できない犯罪などの案件を担うために生まれた特殊部隊です」

 

「なるほど…だから“所確幸”を襲撃した際にあれほど迅速な行動が取れたのか。君たちはいわば強大な悪に立ち向かう、正義のエリート集団というわけだな」

 

「はい!!その通りです!!」

 

とりあえずコンボイはミヤコにSRTとはどういうものなのかを説明してもらう。そして彼がSRTのことを強大な悪に立ち向かう正義の組織と言うと、ミヤコは目を輝かせて肯定した。

 

「あーあ、正義バカ同士意気投合してるよ…」

 

「仲良きことは美しきことかななんダナ」

 

「良かったね…ミヤコちゃん」

 

「良いのかこれ?」

 

「まぁ、これから協力していくんだし、仲が悪くなるよりは良いんじゃないの?」

 

ラットルはミヤコとコンボイの会話を聞いて、正義バカ同士が意気投合していると評する。ライノックスとミユは2人が仲良くしていることに喜んでいた。一方サキとモエはとりあえず、仲が悪くなるよりはいいと結論付けた。

 

「う~ん、連邦生徒会にSRTの復活を認めてもらうには、やはり君たちにしかできないことをして、SRTの有用性を認めざるおえない活躍をする他あるまい」

 

「私たちSRTにしかできないこと…ですか?」

 

「そうだ。君たちの役目が通常の治安維持組織では対処できないような凶悪な犯罪を暴いたり、危険な極悪人を逮捕することだろう?ならばそれをすればいい」

 

「それはそうですが…」

 

コンボイはSRT復活に関して色々と考え始めたミヤコに、SRTでなければできなかった活躍をして連邦生徒会にその有用性を認めさせる方法を提案する。SRTが設立された理由はヴァルキューレでは対処できない凶悪な犯罪を取り締まるのが目的であるため、コンボイはそれをすべきだと考えたのである。

 

「そうは言っても、そんな都合よく凶悪犯がポコポコ湧いてくるわけ…」

 

「いや…いるじゃん凶悪犯!!コイツらの宿敵のデストロンだよ!!」

 

「確かに…今までライノックスさんたちを拉致しようとしたり、今度は先生の側にいるビーってトランスフォーマーを捕まえようとしたり…」

 

「今だにその目的はよく分かりませんが、このキヴォトスで何か良からぬことを企んでいるのは明白ですね」

 

コンボイの話を聞いたサキはそんな都合よく凶悪犯が湧くわけないと彼の提案に否定的であったが、そこでモエがデストロンのことを思い出す。彼らは現状サイバトロンやオートボットたちに危害を加えており、凶悪犯と言って差し支えない存在である。

 

「確かにデストロンを捕まえてその悪事を白日の下に晒せば、君たちは評価されSRT復活に繋がる可能性は大いにあるだろう。だが良いのか?」

 

「・・・?何がですか?」

 

「こんなこと言うのもなんだけど…俺たちばっかり得してるジャン?君らにも目的があるのは分かるんだけど…デストロンを捕まえたところでSRTが復活するか分からないだろ?」

 

「それにデストロンの連中は危険なんだぜ?ふざけているように見えるかもしれないけど、オイラたちの故郷ではみんな名の通った凶悪犯罪者だったし」

 

「彼らとの戦いは、命を落とす可能性もあるんダナ」

 

デストロンを捕まえようと考えているRABBIT小隊に対し、コンボイたちは彼らの危険性を彼女たちに述べる。デストロンを捕まえたところで確実にSRTが復活するわけでもないのに、危険な戦いに彼女たちを巻き込んでいいのかとコンボイたちは心配しているのである。

 

「問題ありません。私たちはSRTに入学した時点で常に危険と隣り合わせの任務を遂行する覚悟はできています」

 

「そうだ。私たちはSRTを復活させるためなら何だってやる」

 

「くひひ…正直あの連中相手なら爆発のさせがいがあるしね…」

 

「正直怖いけど…みんなと一緒にいるなら…」

 

「お前たち…」

 

だがコンボイたちの心配をよそに、ミヤコたちは問題無いと答える。彼女たちもSRTに入学した時点で立派な特殊部隊の一員であり、危険だからといって怯むような者は一人もいないのである。

 

「では決まりですね。我々はデストロンの悪事を暴くために行動を共にするということで。これからよろしくお願いします、コンボイ司令官」

 

「ああ、よろしく頼む。月雪ミヤコ小隊長」

 

RABBIT小隊とサイバトロンは互いの目的のため、デストロンの悪事を暴くべく同盟を継続することとなった。




探せと銘打った割にはすぐに見つかるコンボイ。
そしてゴリラはコンボイ司令官の騙されやすい要素を受け継いでいるので、デカルトの言う理想を信じてました。
リターンズでオラクル教にハマっておかしなことになってたし...。
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