TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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コトリ「説明しましょう!!悪党とは、一般に悪人を意味する言葉です。この場合の悪とは、概ね人道に外れた行いや、それに関連する有害なものを指す概念になります。また鎌倉時代末期において、支配層や体制に反抗し、騒乱を起こした者や集団のことも指します。代表的な悪党と言えば楠木正成ですね!!」

キュー「色々設定とか大丈夫なのかね?」

ウタハ「名古屋めしとか和牛とか、三本の矢の逸話とか出てくるからそこら辺多少変でも問題ないさ」

チータス「コンバンワ、豊臣秀吉デス」


悪党

連邦生徒会・レセプションルーム

 

「…何ですか、これは?」

 

“忙しいところ申し訳ないんだけど、リンに一度見てほしくて…”

 

「“浸水被害に遭った『子ウサギ公園』における設備補修の提案書”ですか…」

 

“うん”

 

大雨の後シャーレに戻った先生は、急いでリンの元へと赴く。その目的は先の大雨で被害を受けた子ウサギ公園を修復するべく、彼女に提案書を提出するためであった。

 

「…市民が使う公園を補修すること、それ自体には何も異論はありませんが。これは、シャーレの活動に必要なことなのですか?」

 

“そうではないんだけど…”

 

「ならば…SRTの生徒たちとサイバトロンたちにとって必要、ということですか?」

 

“・・・”

 

「…沈黙は正解ですよ」

 

提案書を出してきた先生に対し、リンはシャーレの活動に必要なことなのかと尋ねる。自身の問いかけにお茶を濁した先生を見て、彼女はRABBIT小隊たちとサイバトロンたちのために提案書を提出したことを察した。

 

「カヤからお話は聞きました。ヴァルキューレへの編入を拒否した、SRT特殊学園の生徒たち…彼女たちが公園で野宿しており、先生がそれを陰ながらサポートしていると」

 

“はい…”

 

「それについて、何か言おうというのではありません。そもそもシャーレは自由な組織ですし…」

 

“じゃ、じゃあ…!!”

 

「ただ私の立場から言わせていただきますと、彼女たちが公園にい続けるのを是とすることはできません」

 

そして先生がRABBIT小隊たちのことを気にかけていることは、カヤを通じてリンの耳にも入っているようで、彼女はその行為自体を否定したいわけではないと述べる。だがしかし、連邦生徒会の首席行政官の立場からすると、RABBIT小隊たちをずっと公園に住まわせることはできないと答えた。

 

“市民のみんなで使うはずの公園を、占拠してるから?”

 

「いえ。あの公園はほとんど訪れる人もいない、もともと辺鄙な場所に位置する公園です。そもそも実のところ、近いうちに撤去する予定だった公園なのです」

 

“えっ、そうなの…?”

 

「ただ、それとは関係なく…」

 

カツカツ…

 

「…確かにSRTは連邦生徒会長から特権を与えられた、迅速に犯罪者を制圧するための特殊な組織です。しかしそのような特権は、正しい目的と正しい運用方法によって価値を発揮します。そうでなければ、ただ危険を招くだけです」

 

リンの回答に対し先生は不当に占拠していることが理由と考えていたが、彼女は子ウサギ公園は近いうちに撤去する予定だと答える。リンはSRT特殊学園のその特権を野放しにしていることを、危険視しているのである。

 

「先生もご存じの通り、連邦生徒会内部にはSRTの武力を恐れているメンバーも少なくありません。それに加えトランスフォーマーの亜種と手を組んだという言説も飛び交っております」

 

“まぁ事実ではあるけど…”

 

「そんな中、彼女たちを支援するような動きをした場合…行政委員会から強い反発が挙がるでしょう」

 

“リンが説得してくれたりは…?”

 

「しません」

 

リンは先生に連邦生徒会にはSRTの力を恐れてそれを封じ込めようとする人間が多くいると説明する。そして、サイバトロン戦士とつるんでいることでさらにその疑惑が高まっているようである。先生はリンに説得を期待したようだが、彼女はしないと即答してしまった。

 

その後、助けを求めるために他のメンバーに会ってみたものの、ほとんど取り付く島もなかった。

 

 

 

 

 

防衛室・オフィス

 

「…なるほど、それでこちらへお越しになったと」

 

カツカツ…

 

「とにかくお疲れ様でした、お茶でもいかがですか?」

 

“いや…”

 

「…ふふっ。どうやらそんな余裕も無さそうですね」

 

“なんかごめんね…”

 

そして先生は最後の頼みの綱とばかりに防衛室のカヤの元へと赴く。先生はカヤにお茶を薦められるものの、本人にはそんな余裕はなさそうである。

 

「いえ、シャーレがお忙しいのは存じておりますから…本来なら、もっとゆっくりお話ししたいところなのですが」

 

カツカツ…

 

「結論から申し上げますと…申し訳ないのですが、私の方もお手伝いはできそうにありません。公的な扱いとして、SRT特殊学園はすでに閉鎖された学園…。名目はさておき、実体としては“存在しない学園の生徒たちのために、連邦生徒会が直接支援する”という形になってしまいます。これは難しいでしょう」

 

“そっかー”

 

「その公園を、という名目でどうにかならないか…それも考えてみましたが、やはり難しそうです。あの地域は元々、再開発予定区域ということもあり…。私にできることといえば、以前お伝えした通り、彼女たちの学籍データをそのまま維持することくらいで…お役に立てず、申し訳ございません」

 

“ううん。こちらこそ、忙しい中ごめんね。それだけでも助かるよ、ありがとう”

 

だが先生が頼りにしたのも虚しく、カヤもSRTを連邦生徒会が支援することはできないと述べる。さらには公園を補修することも、再開発予定ということで難しいようである。

 

「…先生。彼女たちと過ごす日々は、楽しいですか?」

 

“うん”

 

「それは何よりです」

 

カツカツ…

 

「では引き続き、RABBIT小隊をよろしくお願いいたしますね」

 

その後先生は防衛室を後にした。

 

 

 

 

 

廊下にて

 

「あっ…」

 

“久しぶり”

 

「…またお会いするとは、奇遇ですね。先生も、防衛室長にご用が?」

 

“うん、カンナの方は?”

 

「私は、その…個人的な用事、とでも言いましょうか…」

 

先生が防衛室からシャーレに帰ろうとしていると、廊下でカンナとばったり出会う。カンナは先生を見て気まずそうな顔をしながら、彼と会話していた。

 

「足を止めてしまって申し訳ありません、ではまた」

 

そう言ってカンナは足早にその場を後にした。

 

 

 

 

 

防衛室・オフィス

 

「お疲れ様です、お待ちしてましたよ」

 

「・・・」

 

「カンナ、そんなに緊張しないでください。何をあなたを虐めたくて呼んだわけではありません。ただの進捗確認ですよ」

 

先生と入れ替わりでカヤの部屋に入ったカンナは、彼女の前に緊張した面持ちで立っていた。そんな彼女の様子を見てカヤは緊張しなくていいと笑いかける。

 

「それで、“子ウサギタウン”の建設についてはいかがですか?」

 

「それが、付近で野宿している者たちが多く…。建物の撤去作業が、少々遅れており…」

 

「…はい?」

 

ビクッ!!

 

「・・・」

 

そしてカヤは子ウサギタウンの建設についてカンナに尋ねると、彼女は浮浪者のせいで撤去作業が遅れていると答える。それを聞いたカヤは信じられないと言ったような風に、目を見開きカンナを怯えさせる。

 

「それはつまり、こういうことでしょうか?キヴォトスの治安を担うヴァルキューレ警察学校…その精鋭である公安局が、浮浪者たちの立ち退きに苦労していると?」

 

「で、ですがその、どうやら普通では有り得ないような銃火器で武装しておりまして…!こちらの武器では、なかなか対抗しきれず…。それに加えて、あのSRTの生徒たちも公園に残り続けているため…」

 

「あら、つまり私のせいだと?」

 

「し、失礼しました!そのようなことは決して…!」

 

カヤはヴァルキューレ警察学校の公安局が浮浪者の立ち退きに苦労しているのかと聞き返す。するとカンナは浮浪者が強力な武装を所持していることと、RABBIT小隊たちが未だ子ウサギ公園を占拠していることを説明する。しかしそれを聞いたカヤは、自分のせいかと意地悪な返しをしてカンナを困らせていた。

 

“まぁまぁ、イジメてやるのもそこまでしてやりなさい”

 

「あ、貴方は…」

 

「おやおや、お忙しいでしょうにわざわざご連絡くださりありがとうございます。“カイザーの大株主さん”」

 

“いやいや、私としても子ウサギタウンの開発は注目度の高い案件なのでね。常に最新の進捗情報を知りたいのだよ。といってもあまり進捗は芳しくないようだがね”

 

「うっ…」

 

そんな2人の前に通信越しで現れたのは、カイザーコーポレーションの大株主というもう一つの顔を持つメガトロンである。彼は優し気にカンナを追い詰めるのはよしなさいと言うが、子ウサギタウン建設の進捗が芳しくないことにがっかりといった態度を取っていた。

 

「カンナ、私は責任感のある方が大好きです。私は私の、あなたはあなたの責任をそれぞれ果たしましょう。万が一、その責任を放棄されてしまうと…」

 

“君も公園で野宿する子ウサギちゃんたちみたいになるかも知れないねぇ”

 

「・・・」

 

「ふふっ、では私から一つアドバイスを差し上げましょう」

 

そしてカヤはカンナに、各々の責任を果たそうと説く。それと同時に、その責任を放棄した場合、彼女がどうなってしまうかもチラつかせ、カンナは背筋を凍らせた。

 

「カンナは“三本の矢”についてご存じですか?一本の矢では簡単に折れてしまいます。しかしそれが複数集まれば、そうそう簡単には折れません」

 

“公安局だけでは難しいというのなら、「利害関係が一致する者たち」を呼ぶというのはどうかね?”

 

「それは、つまり…」

 

「あら、そういうのは最後まで言わない方が“粋”ですよ」

 

「は、はい…」

 

カヤはカンナに三本の矢の例えを使って、他の利害関係が一致する人間と協力することを持ちかける。カンナはその内容をカヤに確認しようとするが、カヤに“粋”ではないと止められるのであった。

 

「それでは、次回はもっと良いお知らせを期待してますね」

 

「はい…」

 

タッタッタッ…

 

「はぁ…全く、しっかり動いてくれる人が少なくて寂しいです。どうも人に恵まれませんねぇ…」

 

「…役に立てていなかったら申し訳ない」

 

「いえいえ、あなたのことではありません。むしろあなたは、私にとって最高のパートナーですよ♡」

 

カヤはカンナが自分のオフィスから出ていくのを見送った後、人に恵まれないことを嘆く。そんな中、この場にカヤ以外いないはずのオフィスから、1人の少女が現れる。どうやら彼女はカヤにとって最高のパートナーのようである。

 

“しかし、RABBIT小隊とシャーレの先生が、あれほど接近するのは厄介だねぇ”

 

「そうですね…お互いに傷を作って、自然と離れると思っていたのですが…。しかも余計な動物まで飼い始めてしまったようで…」

 

“「専門家」の君はこの状況をどう見るかね?”

 

「予想からはズレてるけど…驚くようなことじゃないはず」

 

「ふふっ…いつも通りつまらなくて、あなたらしい回答ですね」

 

だが大株主とカヤにとってRABBIT小隊が先生やサイバトロンと結びつくことは予想外だったようである。だが、カヤのパートナーはその状況を、驚くことじゃないと答え、カヤからはあなたらしいと言われる。

 

「…もう少し、近くで見てみないと」

 

 

 

 

 

子ウサギタウン

 

“最近まではぽつぽつとお店があったのに…今は全然ないな”

 

「『どうした』『廃墟だ』」

 

“お腹空いたから何か食べようと思ったのに…コンビニすらないよ”

 

「『何が起こっているんだ!!』」

 

先生は連邦生徒会のビルから子ウサギタウンに向かう途中でお腹が空いたので、途中でお店を探していた。しかし、最近までそれなりにあった店舗が全て消えており、先生とビーは困惑していた。

 

「美味しい美味しい、“おいなりさん”はいかがですか~?」

 

“ん…?”

 

「あ、そこのお客様!もしも食事がまだでしたら、こちらはいかがです?」

 

“おいなりさんだ!!”

 

「はい!!今日は何と言っても、会心の出来でして!それに今なら出来立てです!今が一番美味しいですよー!」

 

そんな中どこからともなくおいなりさんを売る店員の声が聞こえたため、先生とビーはそちらの方へと近づいて行く。2人の辿り着いた先にはピンク髪の狐耳の少女が、お店の制服を着ておいなりさんを売っていた。

 

“せっかくだからいただこうかな”

 

「毎度ありです!」

 

「『俺も』『人間の』『食べ物』『食べたい』」

 

“元は彼らと同じなわけだから、ビーたちも進化すれば食べれるようになるかも知れないね”

 

先生はちょうどお腹が空いていたところにおいなりさんを薦められたため、彼女が作ったおいなりさんを購入する。それを見たビーはサイバトロンたちが人間と同じ物を摂取してエネルギーを補給していることを羨ましく感じていた。

 

「いやー、今日は全然お客さんが来なくて落ち込んでたんですよー。もしかして一つも売れないんじゃないかと思って、胃が痛かったです。せっかく作ったのに、それじゃもったいないですし」

 

“そういえば人もいないし、全然お店も開いてないね”

 

「そうですねー。実はこの辺、もうすぐ再開発が始まるんですよ。多分そのせいだと思います」

 

“『再開発?』”

 

「あれ、もしかしてご存じなかった感じですか?」

 

店員の少女は今日はお客が全然来ないことを先生に嘆くと、子ウサギタウンの再開発の話を彼らに告げる。再開発の話を初めて知った先生とビーは呆気に取られていた。

 

「どうやら噂によると、この辺に新しい地下鉄を開通させる予定だそうで」

 

“へぇ~地下鉄をねぇ”

 

「この辺の商店街やら何やらを崩した上で、地下鉄工事をして、そこに新しいショッピングタウンを建てるんだとか。何でしたっけ、たしかタコさんみたいなマークの会社がそれを…」

 

“…カイザーグループ?”

 

「あ、そうですそうです!そのグループの、“カイザーコンストラクション”という会社だったかと! それはもう社運を賭けるレベルで、おっきな再開発をする予定なんだとか」

 

店員は再開発の話を知らない先生のために、その詳細を教えてくれた。どうやらカイザーグループがこの再開発を主導しているらしく、新しい地下鉄を開通させそこにショッピングタウンを建てるつもりのようである。

 

「それによってお店は閉店を余儀なくされ、住民の方の追い出しなんかも進んでいるようなのですが…」

 

“大変だね…”

 

「まあ私みたいにアルバイト生活の生徒には、もう雲の上のお話ですね。ふふっ…」

 

“とりあえず、もう一つもらうね”

 

そしてその再開発の影響で強制的なお店の閉店や立ち退きが行われているようである。とはいっても目の前の少女はただのアルバイトであり、あまり自分には関係ないと言った口ぶりであった。

 

「あら、お口に合いました?」

 

“うん”

 

「それは何よりです。自分で言うのも何ですが、特にこの“おいなりさん”については腕に自身がありまして。同僚…友人や後輩たちも、いつも喜んでくれました」

 

“うん、とってもおいしいよ”

 

先生は彼女の作ったおいなりさんを気に入ったようで、もう一つ購入する。どうやら彼女の作ったおいなりさんは彼女たちの知り合いにも好評のようで、彼女は先生が美味しそうに食べているのを見て喜んでいた。

 

「…ああ、話が逸れてしまいましたね。そうですねぇ…せっかく沢山買ってくれたことですし、もう一つ良い情報を教えちゃいます」

 

「『良い情報…?』」

 

「先ほどの“カイザーコンストラクション”による再開発のお話なのですが…どうやら、取り消されるという噂もあるようです」

 

“それはまた、どうして?”

 

「実はこの辺には、放浪者さんの集団がいまして。結構な銃火器で武装しているのですが、“カイザーコンストラクション”の方々が来るたびに騒ぎを起こしていて…工事がどんどん遅延しているんだとか」

 

店員はおいなりさんを美味しく食べてくれる先生を見て気分が良くなったのか、また彼らに情報を教える。どうやらコンボイのいた例の浮浪者集団が騒ぎを起こしているため、再開発の計画が取り消されそうなのだという。

 

「さらに近くの公園でも、武装したどこかの生徒たちが公園を占拠したとかで、ヴァルキューレも色々と手を焼いているようですし。こんな状況では、“カイザーコンストラクション”も困ってしまっている…という感じでしょうか?」

 

“公園の生徒たちって…”

 

「あらっ、もしかしてお知り合いですか?そちらの黄色いトランスフォーマーも?」

 

「『・・・』」 “・・・”

 

さらに所確幸だけでなく子ウサギ公園で絶賛キャンプ生活中もRABBIT小隊たちも、カイザーからは問題視されているようである。それを聞いた先生とビーが気まずそうな顔をしたため、店員は知り合いなのかと尋ねた。

 

「そろそろお分かりかもしれませんが、私おしゃべりが大好きなんですよ」

 

タッタッ…

 

「もう一つおいなりさんを差し上げますので、もし何かご存じでしたら教えていただけません?」

 

“特に教えられるようなことは無いかな…。ごめんね、私もあまりよく知らなくて”

 

「…そうですか。それは残念です」

 

すると突然目の前の店員の雰囲気が変わり、談笑から尋問のような雰囲気に変わる。彼女は先生に何か知らないかと問うが、先生は何も知らないと彼女のことをいなす。

 

「これもまた、あくまで噂ですが…その公園の生徒たちはどうやら、どこかのエリート学校の生徒なんだとか。それに、珍しい種類のトランスフォーマーとつるんでいるとも…」

 

「『・・・』」 “・・・”

 

「それが本当なら相当な威力の火器を持っているでしょうし、ヴァルキューレが手を焼くのも当然かもしれませんね」

 

“そうだね…”

 

そして目の前の店員はさらに先生を追い詰めるべく、RABBIT小隊たちとサイバトロンの話をする。だが彼女の雰囲気が変化したことで2人とも警戒しており、RABBIT小隊とサイバトロンのことを話す素振りを見せることは無かった。

 

「とはいえ何故そんなエリートの生徒たちが、公園を占拠して生活しているのか…」

 

“どうしてだろうね”

 

「これは推測でしかありませんが、何かを偽装しようとしてるのかもしれませんし、取り返しのつかない失敗でそうせざるを得ないのかもしれません。あるいは…夢を見ているのかもしれませんね」

 

「『夢』」

 

「温室育ちの花が見るような…淡くて優しい、叶わない夢を」

 

さらに店員はRABBIT小隊たちが何故公園を占拠しているのかについて推測し、夢を見ているのかもと答える。2人には彼女の語る言葉が、何かしらの含みがあるように聞こえた。

 

「そんな夢に浸かった生徒たちを導く立場にいる方は、それはもう大変でしょうね」

 

“そんなこと無いんじゃないかな”

 

「…なるほど?それはどうしてですか?」

 

“生徒たちの夢を応援するのは、導く側の義務だから”

 

「…変な人ですね」

 

そして店員は暗にRABBIT小隊と一緒にいる先生は大変だろうという意味を含んだ言葉を彼に投げかける。しかし、先生は生徒たちの夢を導くのは生徒の義務と答え、店員に変人扱いされた。

 

「まあ、そういうお考えもあるかもしれません」

 

スタスタ…

 

「さて、今日はそろそろ店じまいとしましょうか。お買い上げ、ありがとうございました!」

 

スッ…

 

“…これは?”

 

「売れ残りです。私だけでは食べきれませんし…おまけということで、差し上げます」

 

店員は先生の言葉を聞いて満足したのか、客が来ない店の閉店作業をし始める。さらにサービスとばかりに先生に売れ残りを手渡すのであった。

 

「もしよろしければ、お腹が空いている子にでもあげてください。それでは、今日はお会いできて嬉しかったです。また機会があればお会いしましょうね、先生」

 

タッタッタッ…

 

 

 

 

 

子ウサギ公園

 

ガチャ!!

 

「と、止まってください!変な動きをしたら、う、撃ちます…!」

 

「…ミユ、警戒する時はまず相手を見てからにしな?ほら、先生とバンブルビー君だよ」

 

「あっ…す、すみません!」

 

“・・・” 「『悲しい…』」

 

先生とビーは子ウサギ公園に来て早々周囲を警戒していたミユに銃を向けられる。モエはミユに先生とビーに銃を向けていることを指摘すると、ミユは即座に謝る。多少は仲良くなったと思っていた2人は、彼女に銃を向けられたことにしょんぼりしていた。

 

「なんだ、先生か。変な動きしてるから、犬か何かかと思った」

 

“そっかぁ…”

 

「それより、どうしてここに?呼んだ覚えはないけど」

 

「まだそのキャラやってんの?そろそろ辞め時じゃないのぉ?」

 

「う、うるさい!!黙れ!!」

 

ボコボコ!!

 

サキは先生がミユの銃に怯えている様子を犬に例えると、先生は再びショックを受ける。そして、相変わらず呼んだ覚えは無いと言い続けているので、ラットルに揶揄われていた。

 

「ん、この匂いは…」

 

“おいなりさんだよ。来る途中に売れ残りだからって貰ったんだ”

 

「うおっ、いなり寿司じゃん!美味しそう!」

 

「食べるの久しぶりだな…SRTの頃を思い出す…」

 

サキは先生の傍から何か匂いがすることを指摘すると、先生は先ほど貰ったいなり寿司を取り出す。それを見たRABBIT小隊の3人は興奮した様子でいなり寿司を眺める。

 

「も、もしかして、私たちのために…?」

 

“うん、良かったら食べて”

 

「うーん…。ラットル、とりあえず食べてみて。何か入ってるかもだし」

 

「オイ!!オイラは毒味役かよ!?」

 

“だ、大丈夫!私もさっき食べたから!”

 

いなり寿司を食べれると期待するミユを見て、先生は彼女たちにいなり寿司を差し出す。しかし、まだ何か入っているかもと警戒しているのか、モエはラットルを毒味役に指名する。それを聞いて先生は彼女たちを安心させるべく、自分も食べたと主張していた。

 

「あれ、この匂いは…?懐かしいですね…ああ、えっと、SRTに先輩がいたんです。おいなりさんが、すごく好きな先輩が。先輩たち、今頃どこに…」

 

“食べる…?”

 

「…とりあえず、いただきましょうか」

 

「『・・・』」

 

ギゴガゴゴ…

 

ミヤコが先生からいなり寿司を貰ったのを皮切りに、他のみんなも先生からいなり寿司を貰いはじめるのであった。そしてミヤコのSRTの先輩という発言を聞いたビーは何かに気付いたのかロボットモードに変形し、コンボイを探しに行った。

 

 

 

 

 

 

その後、先生は先ほど店員から聞いた話をみんなに伝える。

 

「…なるほど。連邦生徒会の支援は期待できない上に、再開発による企業からのプレッシャーも予想されると」

 

「連邦生徒会のほうはいいとして、そのカイザーなんちゃらも注意しなきゃいけないってことかよ?分が悪いジャン…」

 

「前回の大雨で装備も結構ダメになっちゃったんダナ…」

 

「厳しい状況が続くなぁ~」

 

先生の説明を聞いて、ミヤコは今後の自分たちの行動を考え始める。現状は連邦生徒会の支援は期待できず、カイザーコンストラクションとの抗争も始まるかもしれず、装備も心もとないという芳しくない状況であった。

 

「これくらいの困難、予想外でも何でもない。銃弾が無いなら、素手でだって戦ってやる!」

 

「やっぱりこうなるんだ…。物資は無くなって、支援も来なくて、攻撃は続いて…。最後にはいつか…。ブラックマーケットとかに連れていかれて、酷い目に…」

 

「流石に、そこまでの状況にはならないと思いますが…先生もいることですし」

 

「だがやはり火力が心配だな。ここまで敵となりうる相手が多くては我々でどうにかなるか分からんぞ」

 

「そうですね、少なくとも公園に配置するための機関銃とターレットの補修だけでも…」

 

色々今後のことを心配しているミヤコとサイバトロンに対し、サキは素手でも戦うと息巻く。反対にミユは他のみんなよりもっと心配してナーバスになるっているのを、ミヤコに先生がいるから大丈夫と宥められていた。そして何やらビーと話していたコンボイもミヤコたちの元へ帰ってきたようで、敵が増え武器が減っていることを心配する素振りを見せていた。

 

「くひひ…みんな、もしかして私のことを忘れてない?」

 

「「「「????」」」」

 

「補給のことなら、私に任せておきなって!」

 

「何だよ、いきなり自身満々に」

 

「くひひ…私にいい考えがある!!ってね」

 

皆が現状を打開しようと色々と思考を巡らせている中、ここでモエが自信ありげに皆の前に立つ。そして、某リーダーの口癖をマネて、自分の考えを話そうとしていた。

 

 

 

 

 

少し前

 

「『ちょっといいかな』」

 

「どうしたんだバンブルビー。君1人で来るだなんて珍しいな」

 

「『話したい』『ことがある』」

 

「聞かせてもらおう」

 

サキやミヤコがSRTの話をしているのを聞いたビーは、すぐさまコンボイの元を訪れる。コンボイはビーが1人で自分の元へ来たことに多少驚きつつ、真剣そうな眼差しを見てすぐに彼の話を聞くことにした。

 

「『私たち』『周りを嗅ぎ回っている奴らがいる』」

 

「まぁ、我々はちょっとした有名人だからな。それで?」

 

「『その相手のことだが』『ウサギちゃん』『先輩』『かもしれない』」

 

「何故そう思った?」

 

「『いなり寿司』『貰った』『女の子』『ちょうど』『ウサギちゃん』『同年代』『それに…』『私たち』『よく知っていた』『まるで』『良く調べていた』『みたいに』」

 

ビーはコンボイに自分たちのことを嗅ぎ回っている人物がいると伝え、それがミヤコたちの先輩かもしれないと述べる。コンボイはビーに理由を尋ねると、彼は先ほどの店員の特徴と、彼女たちが自分たちのことを良く知っていたことを伝えた。

 

「なるほどな。ミヤコもその先輩とやらの動向を気にしていたが、もしかすると我々に敵対するかも知れないということか…」

 

「『そうなれば』『厄介』」

 

「あぁ、その通りだ。できれば敵対などして欲しくはないが覚悟はしておいたほうがいいだろう」

 

「『気を付ける』」

 

RABBIT小隊とサイバトロンはこの苦境を無事乗り越えられるのか…




Bメガトロンはこうやってじわじわ追い詰めていく方法も取れるから本物メガトロンとは悪役としてのタイプが違うよねやっぱ。
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