TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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イブキ「イブキ、お歌を歌うよ~!!」

マコト「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!イブキィィィィィィ!!!」

イブキ「行け 行け 追いつけない速度で~♪ 行け 行け インパルス加速して~♪」

スタスク「おっ、俺様の歌か?」

ブロウル「そんなわけねぇだろ!!ぶっ殺すぞ!!!!!」

スタスク「えぇ...」

オンスロート「まぁ、歌詞だけじゃスケートの歌って分からんわな...」


クローバー作戦

ヴァルキューレ警察学校・廊下

 

スッ…スッ…

 

「こちらRABBIT1、現在の時刻は2330。只今ポイントEに到着しました。哨兵の姿は無し、向かい側の廊下に監視カメラらしき多数の機器を確認」

 

“こちらキャンプRABBIT。その監視カメラは既にハッキング済みなんダナ”

 

“だから気にしなくて全然OK~”

 

“画面を見たところ、近くに警備員はいない。ポイントSまで移動するんだ”

 

公安局が子ウサギ公園に来てから数日後、ミヤコたちはヴァルキューレとカイザーのリベートの証拠を掴むべくヴァルキューレ警察学校へと潜入していた。ヴァルキューレ警察学校に潜入しているメンバーはリーダーのミヤコとサキとミユ、サイバトロン戦士は比較的小さいチータスとラットルの2人である。モエとライノックスとコンボイはサポートに周っている。

 

「モエちゃん、相変わらず早い…」

 

“くひひ、この程度のセキュリティごとき朝飯前よ”

 

“得意げになってるところ悪いが、ハッキング自体は30分程度しか持たないようだ”

 

“30分ごとに乱数コードが生成されているんダナ。ミッションの所要時間は30分以内なんダナ”

 

“内容的にまーたあのヴェリタスの副部長と例のフレンジーとかいうヤツかなー…まったく鬱陶しい“

 

モエはこの程度のセキュリティの突破は朝飯前だというが、どうやら乱数コード影響でその効果も30分しか持たないようである。彼女はこのコードをチヒロとフレンジーが作ったものだと予想し、鬱陶しいと舌打ちしていた。

 

「仮にもヴァルキューレの本館なのに、警備がいないってのはどうなんだ?」

 

“大丈夫だっての、信じてよ!”

 

「モエに言ったんじゃない、ヴァルキューレの方に対してだ。…今のは敵ながら呆れたもんだ。これだからヴァルキューレには行きたくないんだっての」

 

“公安局の取引帳簿…「クローバー」が保管されているポイントSは地下3階にある。通行量の少ない西側の階段を使うんだ”

 

“…繰り返しになるけど、時間制限30分だから。それまでによろしく”

 

一方サキはヴァルキューレの本丸だというのに、警備が少なすぎることを嘆いていた。そしてモエは再度制限時間について述べ、30分しかないことをみんなに意識させるのであった。

 

「RABBIT1、了解です」

 

「と、ところで、先生は…?」

 

「先生は体力ヘボだから潜入には無理ジャン。置いてきたジャン」

 

「万が一バレたらオイラたちここで撃ちあいするはめになるしね」

 

“役に立たなくてごめん…。裏側で応援してるね…”

 

ミユは先生のことを気にするが、チータスとラットルは危険なため置いてきたと答える。先生は自分がその場にいないことを惜しみつつ、みんなのことを応援すると述べた。

 

「まあ、ある意味いつも通りのメンバーだ」

 

「そ、そうかなぁ…」

 

「はい。私たち、だけで…」

 

「ミヤコ、何だその表情は。問題でもあるのか?」

 

「い、いえ。作戦のことを考えていただけです」

 

サキは先生がこの場にいないことに関しては全く問題視していないようである。一方のミヤコのほうは自分たちだけで、作戦を成功に導かなければいけない状況に不安を覚えていた。

 

「では、警戒しながらポイントSまで移動!」

 

ダッダッダッダッダッダッ…

 

 

 

 

 

ヴァルキューレ警察学校・地下3階

 

「この部屋に、ヴァルキューレの文書が全部…」

 

「頑丈な扉ですね。犯罪に関わる証拠ななども全てあるでしょうし、当然ではありますが」

 

「その割にはやっぱり、警備とか全然いないけどな。ま、楽なのは良いことだけど」

 

「こんなところに潜入するより、それこそ銀行を襲ったほうが効率的ジャン?俺たちみたいにこの中の情報が必要な人間なんて早々いないジャン」

 

「そーそー、文句を言う前に少しは頭使って考えなよ」

 

順調にヴァルキューレの地下3階へと進んだ一同は、大きな鉄の扉の前へとたどり着く。相変わらず警備がいないことにサキは文句を言うが、こんな場所に侵入する物好きなんていないとチータスは返すのであった。

 

「…っていうかこれ、何を待ってるんだ?さっさと中に入らないのか?」

 

「そう急ぐなよ~、この扉電子式なんだよ。今この穴に尻尾をチックンチューして解除してっからさ」

 

「…おい、まさかその時間って“30分”にカウントされるわけじゃないよな?」

 

「う~ん、楽勝だと思ったんだけどなぁ~、思ったより手ごわい…」

 

扉の前に辿り着いた彼女たちであったが、ラットルが解除に手こずっており立ち往生していた。サキは時間がないのに解除に時間がかかっている彼を見て、一抹の不安を覚えていた。

 

「ちっ、普通に扉をぶち抜くんじゃダメか?」

 

「この分厚さじゃムリジャン…」

 

“それで警報とか鳴っても責任取れないけど”

 

「おっ…そろそろ開きそうだぞ」

 

待っているのに痺れを切らしたサキは扉をぶち抜くことを提案するが、即座にチータスに無理だと言われる。そんなことをやっているとラットルの解除作業が終わりに近づき始めたようである。

 

「よしっ、クリア!!」

 

ガシャン!!ゴォォォォン…

 

「…3分か、結構かかったな」

 

「これでも相当急いんだんだぞ!!この難しさ、分かって言ってんのか!?」

 

“君たち!!時間が無いんだ、今は喧嘩している場合では無いぞ”

 

そしてようやくラットルによる解除作業が終わり、その大きくて重い扉が開かれる。だがサキは解除に3分もかかったことを指摘してラットルと喧嘩になりそうになり、コンボイに止められた。

 

「例のリベートに関する証拠を探してください」

 

「じゃあ、私は右の本棚から」

 

「じゃあオイラは左」

 

「俺は正面から行くジャン」

 

「うぅ、暗い…」

 

金庫の中に入った一同はそれぞれ、リベートに関する証拠を探すために本棚を漁っていく。その姿はさながら某アビドスの対策委員会と一緒に行動したときと同じであったと、後に先生は語っている。

 

ペラ…ペラ…

 

「えーっと、公安局、公安局…」

 

スタスタ…

 

「“カイザーインダストリー”、記録は1週間前…」

 

ガサッ!!

 

「これだ!」

 

「ナイスです、サキ。見せてもらえますか?」

 

「割かし早めに見つけられたジャン…」

 

RABBIT小隊たちが手分けして書類を探したおかげで、公安局がカイザーインダストリーと取引した記録をサキが見つける。ミヤコは見つかった書類をさっそく閲覧することにした。

 

「…なるほど。“クローバー”…“カイザーインダストリー”と公安局との間における、違法なリベートの証拠を確保しました」

 

“そうか”

 

「先生が言っていた通りですね、やはり“子ウサギタウンの再開発”の件が間に挟まっていたようです」

 

“ヴィーコン軍団については何か書いてあったか?”

 

「カイザーが公安局に売った武器の一覧にヴィーコンらしきものの名前が見えます。恐らく、デストロンとカイザーが繋がっていることもこれで証明できるでしょう」

 

ミヤコは書類を見終わると、コンボイたちにカイザーと公安局の取引の証拠を確保したと報告する。さらに、カイザーがヴィーコン軍団を公安局に売ったことも判明したため、カイザーがデストロンと繋がっていることも確定したのである。

 

“そっか、やっぱり…。とりあえず、みんなお疲れ様”

 

「この資料さえあれば、彼女たちの動きを止められそうです」

 

「公安局のやつらに一泡吹かせられるな」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「何だ、今の音?」

 

「嫌な予感がするジャン…」

 

リベートの決定的な証拠を見つけたことで、ミヤコとサキは公安局のことを止められると息巻く、だがその時彼女たちの後ろから大きな音がして、チータスとラットルは嫌な予感がしていた。

 

「ん、何してるんだ、ミユ?」

 

「と、扉、閉めちゃって…」

 

「閉めたなら開ければ良いだろ」

 

「で、でもこの扉…ドアノブとか、無いタイプで…開けられない、かも」

 

「うそ~ん…」

 

大きな音がしたと思って振り向くと、ミユが泣きそうになりながら閉まった扉に佇んでいた。どうやらこの扉は内側にドアノブが無いため、内側から開けることはできないようである。

 

ギュゥゥゥゥ…!!

 

「くっ、ぐぅっ…!ダメだ、開く気がしない」

 

”で、証拠も確保したのに何やってるわけ?もう時間無いけど、さっさと出たら?”

 

「聞こえてなかったのか?扉が開かないんだよ」

 

”…は?そもそもどうして閉めたのさ?金庫の扉なんか普通オートロックに決まってるじゃん!”

 

「あ、開けておいたら、誰かに見つかっちゃうかなって…」

 

”私がその辺はちゃんと見てるってのに…なーんでそこで不安がるかなぁ?”

 

サキは取ってのない扉を何とかして開けようとするが、施錠されている扉はビクともしなかった。そして扉を誤って閉めてしまったミユは、サキとモエが言い争っているのを見て針の筵であった。

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「せめてドアストッパー的なものでも挟んでおけば良かったものを…」

 

「うう、ううう…やっぱり私なんかが、SRTに入るべきじゃなかったんだ…」

 

「オイオイ…今は言い争ってる場合でも、落ち込んでる場合でもないジャン。早く脱出する方法を見つけないと…」

 

「怖がってばかりで、みんなの足を引っ張って…私なんかが、生まれてこなければ…」

 

扉を誤って閉めてしまったミユはサキとモエに呆れられたことによって、どんどん卑屈になりネガティブな言葉を吐き始める。チータスはそんなことをしている場合じゃないと言うが、ミユには彼の言葉など届いてはいなかった。

 

「ミユ、そんなことを言わないでください。狙撃手が屋内行動に慣れていないのは仕方ありません。むしろそれを考慮できていなかった私の落ち度です」

 

「…本当にそうか?誤魔化すなよ、ミユのミスには違い無いだろ」

 

「オイ、もうやめろバカ。言い争ってる場合じゃないんだっての」

 

「じゃあどうしろって言うんだ!!さっき私が言ったように、無理矢理ブチ抜くか?というかさっきみたいにお前がハッキングすればいいんじゃないのか?」

 

「電子ロック外しただけじゃ意味無いだろ!?物理的に扉が開かないんだからさぁ!!」

 

そんなミユを見てミヤコがすかさずフォローに回るものの、サキはミユのミスだろうと不満を漏らす。そんな文句ばかり言う彼女にラットルは止めろと注意するが、売り言葉に買い言葉で今度はラットルとサキが言い争いを始めてしまった。

 

「うぅ、死にたい…逃げたい…」

 

“落ち着くんだ、お前たち”

 

“ミヤコ、何かいい方法無いの?もう5分も残ってないよ?”

 

「仮にもリーダーなんだから、良い考えの1つくらい出すもんだろ」

 

「ミヤコちゃん…」

 

もはや収集がつかなくなりパニックになりかけている一同を、コンボイが何とか宥めようとするが誰も彼の言葉を聞こうとはしない。そして、RABBIT小隊たちは一様にリーダーであるミヤコに指示を仰ぐために彼女の元へ迫るのであった。

 

「わ、私は…」

 

“早く決めて、ミヤコ。時間が無い!”

 

「ミヤコ!」 「ミヤコちゃん…」

 

「・・・」

 

「オイバカ!!ミヤコばっかりに負担をかけるなよ!!」

 

隊員に迫られたミヤコは、すぐさま判断を下すことができず狼狽える。ラットルはミヤコに負担をかけ過ぎるなと注意するが、彼よりもコンボイよりも、彼女たちはミヤコに指示を仰いでいた。

 

(…思えばSRTを離れて以来、私が指揮をした作戦は全部上手くいっていない…。公園の時も、キャンプが浸水した時も…)

 

(…私には先生みたいな戦略眼も、統率力も無い。サイバトロンのみんなのような自分の正義を貫ける強さも無い…)

 

(この絶体絶命の状況で…私に一体、何が…?)

 

“ミヤコ、落ち着いて。まだ終わってないよ”

 

「…先生」

 

隊員に指示を迫られ、ミヤコは思い悩んでいた。彼女は先生やサイバトロン戦士たちと比べて、自分は劣っておりそんな自分には何ができるのだろと悩んでいた。だが、そんなミヤコに先生はまだ終わっていないと声をかけた。

 

「この状況…私には、どうにもできません。先生がここにいたら、どうにかできたかもしれませんが…。私は、先生とは違います。サイバトロンの皆さんとも違います。そんな力はありません」

 

“ミヤコ!!今はそんなことを言っている場合ではないぞ!!”

 

「たとえあったとしても、今はもう何も分からないんです…!私だけじゃ、何もできません!私は、私自身を信じられない…!」

 

“全部をひとりで背負わなくても大丈夫”

 

“先生の言う通りだ。周りを見るんだ。サキ、ミユ、ラットルにチータス。そしてバックアップにはモエ、ライノックス、先生、そして私。みんなミヤコの仲間だ。みんなを信じるんだ”

 

だが先生の呼びかけにも関わらず、ミヤコは自分は先生やサイバトロン戦士たちとは違うと言って感情を爆発させる。そんな彼女に対し先生とコンボイは、自分だけで背負おうとせず仲間を信じるように諭すのであった。

 

「お前がやるんだろ。教範にこんなシチュエーション載ってないんだから、私には無理」

 

「任務はいつも、怖い事ばかりだけど…。でも、ミヤコちゃんがいるから…」

 

“っていうか私にはもう何もできないし。オペレーションだけで手いっぱい”

 

「「「だから…」」」

 

“よろしく、ミヤコ”

 

先生とコンボイの言葉を聞いたミヤコは、改めてRABBIT小隊の仲間の顔を見る。3人はそれぞれ自分にはできないといいつつも、ミヤコの隊長としての指揮能力を信じているようであった。

 

「…はい、了解です」

 

“ようやく持ち直したんダナ”

 

「あらためて、作戦を開始します。この先、指示に気になる点も出てくるかもしれませんが、どうか迷わず従ってください」

 

「やっと隊長らしくなってきたジャン」

 

RABBIT小隊の仲間たちに命運を託されたミヤコは、自分の役目を思い出しキリっとした表情に戻る。ようやく隊長らしくなってきた彼女を見て、サイバトロンの一同は安心するのであった。

 

「状況はよくありません、この先いくつも困難があるでしょう。それでも…どうにかこの“クローバー”を持って…私たちの居場所へ戻りましょう。良いですね?」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 

 

 

 

それから五分後

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

「警報だ!!」

 

「監視カメラには何も映ってないけど?チーターとか、ネズミとかじゃないの?」

 

「保管庫の警報だぞ、どうやってネズミやらチーターやらが入り込むんだ」

 

「穴でも掘ったんじゃないの?」

 

「穴を掘れるなら、ゴリラとかサイとかじゃないのかよ」

 

モエたちが設定していた制限時間が過ぎ、保安庫の警報が鳴ってヴァルキューレの生徒たちが様子を見に来る。彼女たちは監視カメラには何も映っていなかったので、警報が誤作動したと思っており気が抜けていた。

 

ピッピッピッピッ…ポロン!!

 

「よいしょっと…」

 

ドォォォォォォォォォォォン…

 

「さぁチーターちゃ~ん、出ておいでー。ネズミはちょっとあれだけど~…」

 

スタッ…

 

「…え?」

 

ゴンッ!!バタッ…

 

「なぁ~にがちょっとアレだ…!!ネズミだっていいでしょーが!!」

 

ヴァルキューレの生徒は不用心に扉を開けて保管庫の中に入ってくる。そんな彼女の背後にラットルは忍び寄り、当て身を当てて昏睡させた。

 

「異変が生じた時には、最悪の場合を想定するのが基本。そんな心構えだから、キヴォトスにトラブルが絶えないんだ」

 

「し、侵入者だ!!」

 

「おっと、もう一人いたジャン」

 

ズダダダダダダダダダダダ!!

 

「チーター…まさか本当にいるとは…」

 

バタン…

 

あっさりやられたヴァルキューレの生徒を見て、サキはヴァルキューレのだらしなさを嘆く。そしてその後ろにいたもう一人の生徒は、チータスにさっさと始末されるのであった。

 

「わざと警報機を鳴らすとか…教範には無い、ミヤコらしい戦略だな。向こうに扉を開けされるわけか。にしても、一緒にキヴォトスの治安を担う部隊がこの練度とか…幸いのような、落ち込むような…」

 

「こ、これ、本当に大丈夫…?警報、ずっと鳴ってるけど…」

 

「はい、他の生徒たちも次々に集まって来るでしょう。視界が開けたところでは遭遇しないように。基本的に接敵する際はこちら側から、意表を突く形で。遮蔽物が多い、東側の廊下を使いましょう」

 

「おぉ~冴えてるぅ~」

 

「待ち伏せに注意しつつ、ORPまで移動します!」

 

タッタッタッタッ…

 

ミヤコたちはわざと警報を鳴らすことによって、人を呼び込み扉を開けさせるという方法で保管庫から脱出する。そして脱出してすぐに彼女は次の指示を出し、一同は早々に保管庫を後にした。

 

 

 

 

 

ヴァルキューレ本館・某所

 

ズダダダダダダダ!!ダァン!!ズドォォォォォォォォォン!!

 

「T3、ダウン!」

 

「確認しました、RABBIT2は次の遮蔽物まで前進を!」

 

「了解!」

 

「それ以外の隊員は、5秒間現在地で!」

 

ヴァルキューレ本館から脱出するべく、ミヤコたちは迫りくるヴァルキューレの生徒たちを倒しながら前に進んでいく。時には遮蔽物を使って身を隠し、彼女たちは前へ前へと進んでいくのであった。

 

ズダダダダダダダダダダダ!!

 

「3…2…1…ラットル、今です!」

 

「了解!くらえオイラ特性の閃光弾!!」

 

シュィィィィィィィィィィィィィン!!!!

 

「ミユ、5時の方向にスナイパーです!」

 

「あ、了解…!ごめん、その前にリロードする…!了解です。チータス、援護射撃を!」

 

「任せろジャン!!撃つべし!!撃つべし!!」

 

ピュゥゥゥン!!ピュゥゥゥン!!

 

前に迫って来るヴァルキューレの生徒にラットルは閃光弾を放ち、視界を塞いで無力化する。さらにチータスはミヤコの指示に従って、ミユのリロードの時間を稼ぐためビームライフルを敵に撃ち込んでいた。

 

ズダダダダダダダ!!バァァァァァン!!ドカァァァァァァァァン!!

 

「あいつら何者!?くそっ、この数で圧倒できないって…どういう状況なわけ!?」

 

「こっちのホームで押されてるとか、意味が分からない…!このままじゃエントランスまで押される!」

 

「大丈夫、もうすぐ警備局の増援が来るはず!到着し次第、波状攻撃で押し出すよ!」

 

「というか、あの動物とロボもミックスしたようなトンチキ生物は一体何なんだよ!?」

 

一方RABBIT小隊の激しい攻撃に晒されているヴァルキューレの警備局の生徒たちは、彼女たちのその強さに狼狽えていた。そして何も知らされていない警備局の生徒たちはロボットモードになっているチータスとラットルの姿を見て、驚くのであった。

 

「…西側から多数の足音を確認。モエ、ライノックス、ヴァルキューレの室温感知器はハッキングできますか?」

 

“セキュリティ全体ならともかく、それくらいなら問題無し!”

 

「数値を操作してください、誤作動を誘発させます」

 

“何度にする?”

 

「摂氏900度で」

 

“了解なんダナ!”

 

ミヤコは多数の足音を確認すると、それが警備局の援軍であると察知する。そして彼女は援軍が自分たちの元へ辿り着くことを防ぐため、モエとライノックスに室温感知器をハッキングするよう指示を出すのであった。

 

シャァァァァァァァァァァァァァァァァァ…

 

「なっ、水…!?」

 

「スプリンクラーが故障!?」

 

「ってことは…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「まずい、防火扉が…!」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

ミヤコの目的は室温感知器を誤作動させることによって、防火扉と連動させることであった。防火扉によって、警備局の生徒たちは分断されミヤコたちの元へ向かうことができなくなっていた。

 

「自分たちの学校に閉じ込められるとか…これじゃ警備局も合流できないじゃん」

 

「あ、でもこれは手動で開けられるんじゃ?よし、じゃあさっさと…」

 

ガチャ…

 

「何これ?あいつらの忘れ物?」

 

「C4じゃない?何かリチウムバッテリーみたいのが付いてるけど」

 

「…待って、リチウム?ってことは水に触れたら…」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!!!

 

ヴァルキューレ警備局 再起不能

 

 

 

 

 

生活安全局・オフィス

 

「ふぁ、ねっむ…。全くこんな夜中に騒ぎとか…。警察学校の本館に侵入するとか、大胆なやつもいたもんだ…」

 

ガサゴソ…

 

「でもどうして私たちまで…警備局の方で何とかしてくれれば良いのに…」

 

ゴソゴソ…

 

「てきとうにパトロールっぽい動きでもして、さっさと帰ろっと…」

 

ヴァルキューレ警察学校が総力を挙げてRABBIT小隊を追うなか、生活安全局のフブキは自分のオフィスでやる気の無さそうな動きをしていた。

 

ガタン…

 

「何アレ?」

 

ピッピッ…ピッピッ…

 

「…え、バカにされてる?」

 

ピッピッ…ピッピッ…

 

「にしても、何て悪質な罠…」

 

そしてフブキがその場で暇を潰していると、何故か時限爆弾の上にドーナッツが乗っているという謎のシチュエーションに遭遇する。これを見た彼女は、流石のドーナッツ好きの自分でもバカにされていると感じるのであった。

 

「相当なバカじゃない限り、こんなのに引っ掛かるやつは…」

 

「それ、“マスタードーナッツ”の限定ドーナッツ。しかもマシュマロ入り」

 

「…マジで?」

 

ピュゥゥゥゥゥン!!

 

「いっただっきま…」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「だよね~!?」

 

流石に引っ掛からないと言っていたフブキであったが、サキがそれが限定ドーナッツだという情報を囁くと一目散にドーナッツへと飛び込む。だが案の定彼女が飛び込んだところで爆弾が起爆して、彼女は悔しそうに倒れてしまった。

 

「…まさか本当に行けるとはな」

 

「オイラもどうかと思ったけど、ミヤコが言うから…」

 

「…でも、成功だね」

 

「まあ、私としても賭けでしたが…」

 

「運も向いてきてるみたいジャン」

 

フブキが倒れた後を見たRABBIT小隊一同は、作戦が成功することに驚いていた。どうやらミヤコとしても賭けだったようで、本人としても信じられないようである。

 

「こうしてどうにかなってるのも、みんなのおかげです。恐らく私以外の誰かが指揮を執っても、結果は同じだったと思いますが…」

 

「だから誤魔化すなっての」

 

「えっ、と…すみません…?」

 

「そうじゃない、これは明らかにミヤコが出した結果だ。他の誰かとかじゃない、誤魔化すな!」

 

ミヤコは作戦が成功したことをみんなのおかげだと謙遜するが、サキがそれに待ったをかける。作戦を考えたのはミヤコであり、これはミヤコが出した結果だと彼女は訴えるのであった。

 

「最適解を出したのはお前だ、それは間違いないだろ?」

 

「ミヤコちゃんのことを、信じたからこそだよ」

 

“そうだ、ミヤコ。みんなは君の言う通り動いたから、この作戦は成功したのだ。だから、そう自分を卑下するものじゃないぞ”

 

「まあ、今まで色々言ったのはその…悪かったよ。でも少なくとも今のお前は隊長だ、それは保障する」

 

「…そうでしたか」

 

そしてサキの言葉を皮切りに、ミユとコンボイも彼女のおかげだとミヤコを褒める。さらにサキは自分がミヤコに対し、今まで色々言ったことを謝罪するのであった。

 

「ですが、やはり私だけの功績ではありません。みんなで動いているからこそ、ですから」

 

「ほんっと話の通じないや~つ、どっかのゴリラとそんな所まで似なくてもいいのにさぁ」

 

“ま、いつも通りでしょ”

 

“え゛!?私ってそんなに話通じないのか!?”

 

「自覚ないのかよこのムチャゴリラはよぉ!?」

 

だがみんながミヤコの功績だと言っているのにもかかわらず、彼女は頑なにみんなのお陰だと主張する。そんな彼女を見てラットルはコンボイと同じで話が通じないと述べ、自覚の無いかれはショックを受けていた。

 

「話が長くなってしまいましたね…先を急ぎましょう!」

 

「止まってください!」

 

「「「「「あ」」」」」

 

「まさかとは思いましたが…侵入者とは、あなたたちのことでしたか!」

 

気を取り直してミヤコは先を急ぐために移動しようとした瞬間、その場にフブキと同じく生活安全局のキリノが現れる。彼女はRABBIT小隊がこのような暴挙に出たことに、激しく憤っていた。

 

「あなたは、確か…」

 

「先日はお世話になりました。生活安全局のエース、キリノです!こんな夜中に校舎への不法侵入など、本官は許しませんよ!」

 

「…熱血っぽいのが来たジャン」

 

「ミヤコ、どうすんだぁ?」

 

キリノを見たミヤコは、彼女たちが最初に会った戦闘のことを思い出す。そしてどうやらその戦闘の効果で、キリのは自分のことを生活安全局のエースだと思い込んでいるようであった。

 

(先日は撃たれましたが…たしか情報だと、この方の射撃は…)

 

「無視します。引き続き前進」

 

タッタッタッタッ…

 

「え、えっ?ちょっ、どういうことですか!?ほ、本当に撃ちますよ!?撃たないといけないんですけど!?」

 

ガチャ…

 

「え、えぇいっ…!」

 

パァン!!パァン!!パァン!!パァン!!

 

「全弾命中せず、かぁ…」

 

「うぅ…この間はカッコよく当てられたのに…。目の前まで来た相手を、みすみす逃がしてしまうだなんて…」

 

キリノに止まれと言われているにもかかわらず、ミヤコはそのまま前進の指示を出す。そんな彼女たちの動きを見て、キリノは銃を構えて彼女たちを撃つが一発も命中せず彼女たちを取り逃がしてしまった。ミヤコは以前の対決から、キリノの銃の腕前を知っていたのである。

 

「…ところでフブキは、どうしてそこで段ボールを被ったまま倒れてたんです?」

 

「まあ、めんどくさくてって言うかなんて言うか…あんまり記憶に無い」

 

ガサゴソ…

 

「とりあえずキリノ、これ食べる?」

 

生活安全局 再起不能

 

 

 

 

 

「さて…どうやらヴァルキューレに兎共が押し入ったようだな…。俺様もそろそろ、奴らに姿を見せるのには良いタイミングだろう」

 

ギゴガゴゴ!!

 

「メガトロン、変身!!」

 

ガシャァァァァァァァァァン!!

 

「しかし、こんな夜中に事を起こすのは止めて欲しいなぁ」

 

バシュゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

「寝不足で目がトロ~ン」




ショックウェーブ「見なよ...俺のメガトロン様を...」

サウンドウェーブ「お前のじゃねぇだろ。何言ってんだコイツ...」

スタスク「キッショ...」
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