TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
これから4章かけてお前をバラバラにしてやるから覚悟しろよ
ユニクロンが以前キヴォトスに襲来したという設定はクズノハが色彩のことをよく知ってたから、色彩を見たことあるのだと判断して決めました。
白昼夢の中
「「・・・」」
「貴女は…いや、此処は…?」
「待ちやれ、其方の身体…」
「?」
「“色彩”と遭遇したか」
「!?」
これはミカが監獄を脱走し、アリウススクワッドを追っていた頃セイアが見た白昼夢の話である。彼女の前には狐耳で煙管を携えた少女が佇んでおり、色彩つまりユニクロンと接触したことを指摘し、セイアを驚かせる。
「しかし妙じゃのう…色彩と遭遇した者が、これほど意識を保てているとは」
「色彩…?」
「キヴォトスの外から到来する、曠古の災禍を引き起こす存在じゃ。其れそのものが人格や意志を持っており、時空を自由に移動する力があるようじゃ。肝要なのは、このキヴォトスの民にとって、アレは致死量の毒足り得るという点じゃな」
「毒…?」
「色彩に露出された者の肉体は捻じれ…精神も蝕まれていく。キヴォトスの民であれば、その程度で死に至る事はない…じゃが、個が捻じ曲げられ、異物となり果てるじゃろう…果たして、それが同一存在と呼べるのかは、別の話じゃな」
狐耳の少女はセイアが色彩に触れているにも関わらず、意識を保っていることに驚いていた。彼女が言うには色彩は接触したものの肉体を捻じり精神を蝕む特徴があるようである。
「じゃが、色彩がキヴォトスを見つけることは不可能に等しい。この宇宙で我々以外の生命体を見つける事と同義…触れてしまったのであれば、まこと数奇なめぐり合わせとも言える」
「・・・?」
「しかし…其方の身体、色彩と直に接触したわけではなさそうじゃが…して、何があった?申してみよ」
「それは…」
「ふむ…妾が診ようか」
だが彼女は色彩がここキヴォトスを見つけるのは不可能に近いため、セイアが色彩に触れたことを不思議がっていた。その場でただ戸惑って彼女の話を聞いているセイアを慮り、彼女はセイアの身体を診てみることにした。
「失礼」
ギュ…
“あなたは「儀式」に巻き込まれましたからね。キヴォトスの外部に通じる窓に顔を出したも同然です。ええ…あなたの存在はまるで暗闇に浮かぶ灯火のように目立った事でしょう”
“…「アレ」によって、ね”
“「アレ」に露出されたあなたの神秘は恐怖に反転され…裏面の原理があなたを支配し始めたのです”
「成程…色彩を利用し、身体を変化させようとした者が居たのか。愚かな…」
狐耳の少女はセイアの身体を掴むと、彼女の記憶を読み取る。そして彼女はセイアの記憶からベアトリーチェが行っていた儀式を読み取り、彼女のことを愚かと評した。
「色彩を呼び寄せる儀式を行ったものの…幸いにして、儀式そのものが途絶した、と。…そうか。其方は色彩と直接遭遇したのではないのじゃな。“白昼夢”を通し、“儀式”という窓からアレを垣間見た…だから、こうして無事でいられたのじゃな」
「・・・」
「しかし、それも長くは保たぬじゃろう。其方の精神は此処に在るが、肉体は崩壊の一途を辿っておる」
「そんな…私は、今倒れるわけには…」
どうやらセイアは色彩に直接触れなかったため無事だったようだが、このままでは彼女は崩壊してしまうと狐耳の少女は告げる。それを聞いたセイアはミカのこともあり、ここで倒れるわけにはいかないと慌てていた。
「…どうにか留める方法は無いのか?」
「無い」
「!!」
「…本来ならば、な」
セイアは狐耳の彼女に自身の肉体の崩壊をとどめる方法を尋ねる。しかし彼女ははっきりと無いと言ってセイアを驚かせるが、すぐに本来ならという言葉を付け足した。
「しかし、其方は一つの幸運と巡り会えた。この妾…百鬼夜行の預言者、クズノハと見まえる事ができたのじゃ」
「…クズノハ」
「妾が其方を導いてやろう。しかし、其れには代償が伴う」
「代償…?」
「其方を構成する本質を一つ手放せなばならぬ。此の場合。“未来視”じゃろうな」
そう、セイアは幸運なことに狐耳の少女クズノハと会うことができたのである。クズノハはセイアの本質である“未来視”を手放すことで助かることができると答えた。
「色彩は、我らの本質を歪曲する。より正確に言うのであれば…根源を反転させると言うべきかのう。いずれにせよ、今の自分ではなくなることに変わりはない。じゃが、代償さえ支払えば、其方は色彩の浸食から抜け出す事ができよう。さあ、如何する?トリニティの預言者よ」
「他に選択肢は無いのだろう?」
「ふむ、迷いなく断じるとは…友のためかのう…?お見事」
ブワァァァァァァァ…
「…では、此れにてさらばしゃ、セイア。現世に戻っても妾を探そうとするなよ?妾はもう、其処には居らぬからの」
「…!?」
クズノハは未来視を代償にすることを提案すると、セイアは未来視を捧げると即答する。クズノハはセイアのその判断を満足そうに見届けると、自身を探すなと忠告してその場から消えるのであった。
「嗚呼、そうじゃ。最後に、本質を喪う過程で最後の予知が発動するかもしれぬ。其れは必要な痛みじゃ…我慢せい」
「っあああああああ…!!」
ゲマトリア・会議室
「失礼、少々遅れました」
「「「・・・」」」
「…皆さん、お集りのようで。それでは会議を始めましょうか」
「「「・・・」」」
ここはゲマトリアの秘密の施設にある会議室である。会議室に遅れて到着した黒服は、マエストロ、ゴルコンダ、デカルコマニー、そしてスカージによって連れ去られたはずのベアトリーチェに謝ると、早速会議を始めた。
「少々前の事ですが、“無名の司祭”の遺産が観測されました」
「・・・」
「不勉強で申し訳ないのですが、“無名の司祭”とは具体的に何を意味するのでしょうか?」
「・・・」
「ベアトリーチェが保有する、ロイヤルブラッドを保護する技術。そして、古聖堂を破壊した巡航ミサイル…これらが無名の司祭による技術だとわたくしは解釈しております。トランスフォーマーたちとは違った既存技術を凌駕する超科学…その類のものという認識で合っていますか?」
黒服は最初に“無名の司祭”の遺産が観測されたと報告する。ゴルコンダは“無名の司祭”の遺産について詳しくないようで、他のメンバーにその詳細を尋ねた。
「そうだな…彼らは端的に言うなら、キヴォトス以前に存在していたこの世界の主のことだ」
「ふむ…?」
「“名もなき神”とそれを崇拝する“無名の司祭”…彼らはキヴォトスの神秘の下へ堆積し、痕跡だけが残るはずだった存在…。“名もなき神”…それは大地、海原、天災といった…所謂、太古の昔より存在する“神秘”や“恐怖”…とでも申しましょうか。彼らは自然を模った形で顕現するとされております」
「なるほど」
マエストロはゴルコンダに無名の司祭を、キヴォトス以前に存在していた世界の主だと説明する。そしてそれに黒服は名もなき神が太古より存在する神秘や恐怖といった、自然を模った存在であると補足した。
「そして、それらを崇拝する“無名の司祭”。彼らが何のために巡航ミサイルなどのオーパーツを生み出したのかは定かではありませんが…淘汰されし旧き人は、現在のキヴォトスに対して友好的ではなかったのでしょう。。彼らは何処かへと姿を消しましたが、その技術はまだこの地に残されておりまして。そう…そして私は…彼らの遺産に大変興味があるのです。なにせ、高い値段で取引されているのでね。クックックッ…」
「・・・」
「ですが、観測されたのはそんな凡庸なものではありません」
「“箱舟”が観測されたのです。一瞬ではありましたが」
さらに黒服は無名の司祭が消えた後その遺産が高値で取引されていることを語り、顔のないゴルコンダは不服そうな目で彼を見ていた。そして今回観測されたものは、そんな無名の司祭の遺産の中でも一線を画す箱舟という物体のようである。
「…“観測”?それは知覚される概念なのか?物体ではなく、現象であると?」
「それは…」
「興味深い質問ですね。私も“箱舟”は実在する物質であると考えておりましたが…どうやら、そうではないようで。カイザーグループにアビドス砂漠を調査させておりましたが…全て無駄骨でした…私は、勘違いをしていたのです」
「勘違い…?」
「“箱舟”が、全ての神秘を併せ持つ抽象的な概念であるのならば…いえ、これでは論点がずれてしまいますね。本題へ戻りましょう」
黒服が箱舟が観測されたと言ったことにマエストロは疑問に思ったようで、彼は黒服に箱舟は物体ではないのかと問いかえす。黒服も以前は箱舟のことをその名の通り船のような実体だと思っていたようだが、何やら違うようである。
「消え行くはずの“無名の司祭”の兵、そして遺産が再び観測された事…これらはたしかに、我々の想定を上回りました。シャーレの出現、キヴォトス最高の神秘の確保失敗。唯一残されたアリウス領の剥奪、デカグラマトンの死…そして、“無名の司祭”の遺産である“箱舟”の観測。計画通りであれば、起こり得る事がなかった事態。遠い未来でさえ到達することが…いえ、訪れることすらない現象だったかもしれません」
「金属の惑星からの金属生命体の襲来、堕ちたプライムの復讐、スペースブリッジによる先代プライムの凶行、そして別世界の超生命体の暗躍…トランスフォーマー、彼らの存在も我々の計画を乱す元凶…」
「制御不能の変数によって、私たちが迎えた現在は…元の計画からあまりにも逸脱してしまいました。それだけではありません…」
「“色彩”がここを発見してしまった。ベアトリーチェ、貴下が行った儀式のせいでな」
「・・・」
黒服は先生が来てからここまでのゲマトリアの活動を悉く先生たちに阻止されたことで、計画外の事態が起きてしまったと嘆く。さらにはトランスフォーマーたちの襲来により、ゲマトリアの計画はもはやあらぬ方向へと逸脱してしまった。さらにマエストロはベアトリーチェのせいで、色彩がキヴォトスを発見してしまったこと指摘する。
「儀式は“色彩”と接触するためのものだった。アレが招く狂乱は分かっていたはずだろう?」
「正確に言えば接触ではなく、力を利用するためのものだったかと。マダムはアレを呼び寄せるつもりではありませんでした」
「ああ、そうだとも!“色彩”の力を利用し、自分を偉大なる者に仕立て上げようとした…そんな低俗な目的の為に、アレを…!」
「口の利き方に気を付けなさい、木偶」
「「「・・・」」」
マエストロたちは色彩を利用して力を得ようとしたベアトリーチェを非難する。しかし彼女はそんな連中のことなど気にもせず、口の利き方に気を付けろと凄んで会議室の空気は最悪になる。
「芸術家というのは、己の作品は偉大である事を願うというのに、他者の願望は見下すのですね。嗚呼…そのような傲慢さこそが、本質なのでしょうか?」
「マダム、落ち着いてください」
「デカルコマニー、あなたも同じですよ」
「・・・」
「あなたのその虚像と非在の隠喩…絵画なんぞに喋らせることで表現しているとでも?私から見れば、サーカスにいる道化師と何ら変わりないように思うのですが」
「そういうこったぁ!!」
ベアトリーチェはマエストロのことを傲慢と述べ、ゴルコンダに止められる。しかし今度はゴルコンダとデカルコマニーに矛先が行き、デカルコマニーお得意の言葉が飛び出した。
「…デカルコマニーも、そうカリカリせずに。わたくし達は彼女が受けた侮辱を理解しなくてはなりません」
「皆さん、大人になりましょう。ベアトリーチェは色彩を利用しようとしていただけであって、キヴォトスに呼び寄せる予定ではなかったはずです。まだ色彩がこちらを発見したとは断定できません。私の知る限り、夢の中で起きた出来事ですから」
「ええ。全てはシャーレの先生が現われてから起こった事。あの存在が全ての元凶であるというのは、皆さんもよく存じているでしょう?」
「・・・」 「・・・」 「マダム…」
だがベアトリーチェに侮辱されてもゴルコンダはデカルコマニーを冷静に宥めていた。そして黒服は話に戻るために一同を落ち着かせ、ベアトリーチェは悪気が無かったと述べた。彼らは色彩の正体をある程度掴んでいるようだが、色彩の正体であるユニクロンがテラーコンたちによってこちらに近づいていることはベアトリーチェ以外まだ知らないようである。
「何度も申し上げた通り、あの者は一刻も早く始末すべきでした」
「…ここが学園都市という概念で存在する限り、先生の存在はわたくし達の存在を凌駕して当然です。それはコミックのヒーローや子供たちが遊ぶ玩具のような彼らよりも強い力を持つ。それこそが、この物語のジャンル…つまり、この世界のルールです。わたくし達がこの世界に留まる限り、ルールに逆らう事など…」
「物語の作法など、どうでも良いでしょうに!!」
「・・・」
そしてベアトリーチェは先生をさっさと始末できなかったことを悔やむ。だが、ゴルコンダはここが学園都市である以上、先生とう役割を持っている彼は、トランスフォーマーたちよりも強い力を持つため始末するのはルールに逆らうことだと言って、ベアトリーチェをさらにイラつかせる。
「分かりました。私が、皆さんに解を示して差し上げます。“無名の司祭”も、“シャーレ”も、“箱舟”も“トランスフォーマー”も…全て一度に解決する事ができる、究極の解を」
「ふむ…?」
「“色彩”は既に此処を発見しております」
「…!?」 「!?」 「!!」
「ええ、より正確に申し上げるのであれば、私が伝えました。“偉大なるユニクロン様”は今、キヴォトスに向かっております」
一同の煮え切らない態度にしびれを切らしたベアトリーチェは、自分たちに降りかかる問題を全て一度に解決する解を彼らに述べる。彼女は彼らに色彩がキヴォトスを見つけていることを明かし、色彩の真名であるユニクロンの名さえも口に出した。
「“色彩”がこちらに向かっている…?」
「ええ。そうしたら“シャーレ”も“名もなき神”も、“箱舟”も“トランスフォーマー”も全て消え失せる。いかがでしょうか?これが最も確実な方法かと」
「その場合、“色彩”はこのキヴォトスをも消し去るだろうな。彼らすらも恐れる災厄だ。それだけの力が“ソレ”にはある」
「…マダムは、わたくし達の探求を台無しにするおつもりで?」
ベアトリーチェの言葉を聞いて一同は絶句する。確かに色彩を呼び寄せれば今起きている問題を一挙に解決できるのは間違いないが、それはキヴォトスが消滅するのと同義である。
「ええ、探求など、どうなっても構いません。私が本当に求めていたものは、別のものだということに気が付いたのです」
「「「・・・」」」
「一部ではありましたが、儀式を通じて“ユニクロン様”と接触した際に、私が本当に求めているものを悟ったのです。為すべきこと…それは、くだらない実験や探求ではない。そう…偉大なる存在になるためには…世界の滅亡と、創成の権限を所有しなくては…そう、“破壊”し、“創造”する絶対者になるのです。ああ、そう…それこそが、あの先生を消し去る方法…」
「何という体たらく。“色彩”の真名を述べるとは、理性を失ったかベアトリーチェ」
「…そうですか、マダム。あなたは自分の憎悪に飲み込まれてしまったのですね。…とても残念です」
ベアトリーチェは色彩に接触したことにより真理を悟ったと言って、このキヴォトスの全てを破壊し、先生を消し去るという野望述べる。彼女が変わってしまったのを見て、マエストロと黒服はその変化を嘆くのであった。
「ゲマトリアは探求者であり、求道者…狂気こそ、我々が打破すべき宿敵なのですが…ベアトリーチェ、あなたはゲマトリアの資格を失いました」
「口を慎みなさい…私には、“偉大なるユニクロン様”の力が宿っているのですよ?あなた方があれほど恐れていた、狂気の力が…」
「そのようですね。ゴルコンダ、彼女を送り届けてください」
「はい。楽しい時間でしたよ、マダム」
ベアトリーチェが色彩の力を手にしたことに、黒服は残念そうにゲマトリアの資格の剥奪を通達する。そして黒服はゴルコンダに彼女を送り届けるよう指示すると、会議室の空間が歪み始める。
バキッ!!バキバキバキィィィィィィィィ!!!!
「…!?」
ヒュィィィィィィィィィン…
「…くっ、ぐあぁぁああ…!?」
「ふむ、ヘイロー破壊の爆弾より確実なようですね」
「ええ、神秘は解析ができないからこそ“神秘”ですが、彼女は分かりやすい存在ですので」
そしてベアトリーチェはゴルコンダによって発動した空間の歪に飲み込まれ始める。為すすべのない彼女を見て、黒服とマエストロは興味深そうに彼女の変化を観察していた。
ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…
「ああぁぁぁああああっ!!!」
「我々に“色彩”への対抗手段が無いと思っていたのですか?あなたが“色彩”と接触したと聞いた時から準備しておりましたよ」
「そういうこったぁ!!」
「貴下とは異なる世界観を持っているがゆえに、何かと衝突が多かったな。だが、貴下の野望には敬意を表そう、ベアトリーチェ」
キキキキ…シュン!!
黒服たちはベアトリーチェが色彩と接触していたことを察知して、事前にその対策を取っていたのである。消えていく彼女を見てマエストロは、彼女の野望に敬意を表すと述べた。
「残念です。神たらんと声をあげるエキストラは、いずれこうなる運命にあることを知らなかったのでしょうか?嗚呼、彼女に詩歌への造詣があったのなら…」
「狂気に染まった彼女が、果たしてどのような怪物へと変貌を遂げるのか気になっていたが…このままではさらなる厄災に転じていただろう」
「また席が空いてしまいましたね。次の人員については、後ほど議論するといたしましょう」
カツカツ…
「それでは次の議題を…」
「「・・・」」
先生の夢の中
「・・・」
パァン!!パァン!!パァン!!
シロコが大人になったような存在が、自分に向かって銃を撃ち込む姿を見た。
「お前が死ぬか、私が死ぬかだメガトロン!!」
「そんなに命を捨てたいのか、この馬鹿者めが!!」
「さあ捨てるのはどっちか、雌雄を決しようではないか!!」
「良かろう。貴様如きは素手で捻り潰してくれるわ!!」
自分が撃たれた後の出来事なのだろうか…オプティマスとメガトロンが互いに殺し合いをしている…。
「…先生?」
ユサユサ…
「先生?大丈夫ですか?どうされました?もしかして…またあの夢を見たんですか?」
アロナに揺すられて先生は目を覚ます。どうやら先生は先ほどと同じ夢を何回か見ているようで、アロナに心配されるのであった。
“アロナ…怪我はない?”
「あ、あれ…?なっ、何ですか?身体検査ですか?あわ、あわわわ…?」
“夢で銃で撃たれてたから…”
「えっ?銃で撃たれ…?私がですか?あ、アロナは平気です!何も起きていませんよ!大丈夫ですよ、先生!私は元気ですからね!すっごく、すっごく!元気ですから!」
“…うん、そうだね。アロナが怪我をしてなくて、良かった”
先生は夢でシッテムの箱が謎の少女に撃たれ穴が開いていたことを思い出し、アロナに怪我がないか確認する。彼女は先生に身体検査されて恥ずかしがりながらも元気だと答えた。
「先生、心配しないでください。私は元気です。ただの悪い夢です。だから、大丈夫です」
ティーパーティー・テラス
「全ての色が抜け落ちた世界。そんな、モノクロの世界で…歪なヘイローの少女が、先生に銃を向けていた」
“うん…”
「私の視界は不明瞭だったけれど…ただ一つ確かなのは、先生はそこで生を終える」
“・・・。恐ろしい話だね”
「その後にオプティマス・プライムとメガトロンが殺し合っていたのは…先生が亡くなってしまったことにより、2人を繋げる存在がいなくなり元の形に戻ったのだろうね」
最近不思議な夢をよく見る先生は、同じく不思議な夢をよく見るセイアの元へと訪れる。どうやらセイアも先生と同じ夢を見ていたようで、セイアはそこで先生は死ぬと答えた。
「何故、先生が私と同じ予知夢を視たのかは判然としないが…先生は、私の夢の中で何度も邂逅を果たしている…もしかしたら、その影響が及んでいるのかもしれない」
“あの未来がいつ起こるのか、分かる?”
「いや。私の未来視は既に喪われている。今は断片的な幻が見えるだけで…」
“そう…”
セイアは先生と同じ夢を見たのは、エデン条約の際に何度も夢の中で先生と会っていたことが原因だと推測する。先生は彼女にその未来がいつ起こるのか尋ねるが、セイアは現世に戻るために未来視を手放したため、いつ起こるのか分からないと答えた。
「だが、以前告げた“キヴォトスの終焉”と関係しているのは確かだ」
“終焉…”
「天から巨大な塔が飛来し、虚空が緋色に染められ…不吉な塔は、まるで悲鳴を上げるように鳴動し…この世界を少しずつ削り取って…そうして、悪魔のような巨大な球体が天から舞い降り…世界を捕食していく…」
「心配しないでください先生。何があっても、アロナが先生を守りますから!」
“そうだね…。いつもありがとう、アロナ”
「ふふん…もっと、もーっと感謝してくださってもいいんですよ!」
“ふふふ…”
先生はセイアと話したことをアロナに述べると、彼女は何があっても先生を守ると息巻く。そんな彼女を先生は褒めると、アロナはもっと感謝してもいいと舞い上がっていた。
「あっ、先生。今日はどんなお仕事をされる予定ですか?」
“今日はリンに会う予定かな”
「…連邦生徒会のリンさんに、ですか?」
“うん、この話をリンに伝えようと思って”
話は変わり、アロナはサポートAIらしく先生の今日の予定を尋ねる。先生は今日はリンに先ほどまでの話を伝えに、連邦生徒会まで赴くようである。
「で、でも…リンさんがこのお話を信じてくださるでしょうか?」
“うん、リンなら信じてくれるよ。だってリンちゃんは真面目だから”
「…分かりました。先生がそう仰るのなら。リンさんはちょっと怖いですが…私、応援していますね、先生!」
連邦生徒会庁舎
「ふぅ…」
ピロン!!ピロン!!
「・・・。フフッ…」
執務室で仕事をしていたリンは、先生から話をしたいというメッセージを受け取る。他愛のない会話であるが、リンは先生からのメッセージに笑っていた。
連邦生徒会・レセプションルーム
「・・・」
“ってなわけなんだけど…”
「“終焉”…ですか?」
“全然信じてないよね!?”
連邦生徒会に着いた先生は早速自分やセイアが見た夢をリンに話す。しかしリンの反応はそこまでだったため、先生はショックを受けていた。
「ですから…予知夢、ということですよね?」
“そ、そうです…”
「先生が見た、夢のお話なのですね。なるほど…キヴォトスが終焉を迎える…。確かに例のユニクロンとやらが近づいているそうですが…。本当にそれがユニクロンなのでしょうか?」
“わ、分かりません…”
リンは先生の予知夢をユニクロンとの関連性も考えて、ある程度は理解しているようである。だがリンは先生の予知夢がユニクロンの襲来を指すとは限らないと答え、先生はしょぼんとしてしまった。
“でもリンちゃんには知らせておいた方がいいかなと思って…”
「…誰が“リンちゃん”ですか」
“ご、ごめんなさい”
「・・・。分かりました、先生。オートボットと協力しこちらも色々と調べてみましょう」
“えっ…!?”
先生はリンには伝えたかったと言って、彼女にその予知夢について訴える。それを見てリンは自分たちでも調べると答え、先生を驚かせた。
「百鬼夜行自治区の名簿にも目を通してみます。あちらのデータベースはあまり精度が高くありませんが、少しでも手がかりが掴めれば御の字でしょう」
“この話を、信じてくれるの?”
「ユニクロンの襲来が取りざたされているなか、できる備えはするべきでしょう」
“ありがとう、リンちゃん!”
「では私は次の仕事があるのでこれで…」
さらにリンはセイアが会ったというクズノハという人物も百鬼夜行の名簿を使って調べるようである。リンとしても噂されているユニクロンの襲来を無視できないため、できるだけの備えはしたいと考えているようである。
「チッ…!!人形が一匹使い物にならなくなったか…」
ブォン…
“スカージよ、首尾はどうか?”
「はっ!!例の人形が連中のせいで使い物にならなくなりましたが、キヴォトスへの転移は既に整っております」
“そうか…余は腹が減っておる。早急に馳走を差し出せ”
「ははぁー!!」
謎の空間にてベアトリーチェを見ていたスカージは、彼女が異次元へボッシュートされたことに舌打ちする。すると、彼の影からユニクロンが現れて計画の首尾を尋ねて来る。スカージがユニクロンに転移の準備は整っていると答えると、ユニクロンは彼に急ぐように命じる。
“マトリクスの捜索はどうなっておるか?”
「手に入れた情報によりますと、砂になって消えたとのことですが…」
“スカージよ、油断してはならぬぞ。マトリクスは砂になろうと必ず蘇ってくるのだ。忌々しいプライムのパワーによってな…!!”
ゴゴゴゴゴ…
「おぉぉぉぉぉ!!我が主よ、気をお鎮めください…!!」
次にユニクロンはスカージにマトリクスのことを聞くと、彼はアビドスで砂になった事をユニクロンに報告する。しかし、ユニクロン曰く、マトリクスはプライムのパワーがあれば一度砂になろうと蘇るらしく、その事にユニクロンは怒りを発してスカージを恐れさせる。
“マトリクスも、それを持つ忌々しいプライムも、必ず破壊するのだ!!”
「ははぁー!!」
“我が名はユニクロン!!この宇宙を統べる破壊神である!!余の破道を妨げる者、その悉くを撃ち滅ぼしてくれるぞ!!”
今回のベアおばは完全にユニクロンに取り込まれて操られており、自我はありません。ゾンビです。
ユニクロン1回目の襲来の詳細
①スカージとクインテッサ星人が接触。
②クインテッサ星人がスペースブリッジを使ってユニクロンをキヴォトスにワープ
③クインテッサ星人がアーサーたちに敗北
④ストームレインたちがスペースブリッジを破壊したため、ユニクロン完全顕現せず。
つまり1度目の襲来は主体的なものではないので本人も大して覚えてはいない。そん時はマトリクスがキヴォトスにあったなんて知らなかったし。
ただ今回はマトリクスの件もあり本気でぶっ殺しに来ます。