TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
センチネルはONE時代の若プライムモードです。
キヴォトス某所
「これは…」
「空が赤く染まってやがるぜぇ…不吉だな」
「…先生からメッセージが届いたよ。手伝いが必要みたい」
「マジかよ、結構緊急事態だったりするのか?」
「やっぱり…例のユニクロンが本当に来たんでしょうか…?」
キヴォトス各地を人目を避けて放浪しているアリウススクワッドにも、空が赤く染まっている様子は当然見えていた。さらには先生から手伝って欲しいというメッセージまで届いたため、彼女たちは大変なことが起きているということを理解した。
「で、でも…私たちが行って助けになるのでしょうか?追われてる身なのに…むしろ、先生に迷惑をかけるんじゃ…」
「そんなことないよ、きっと大丈夫。なんとか手伝えないか、方法を探そう」
「とは言ってもなぁ…」
ガサガサガサ…
「…そこにいるのは誰?」
「ま、まさか追手が!?」
しかしヒヨリはお尋ね者の自分たちが先生を手伝っては迷惑ではないかと心配する。だが、アツコはそうは思っていないようで、何とか先生の役に立とうと方法を考えていた。そんな中、近くの茂みが揺れて誰かが近づくのを感じた、一同は一気に警戒を強める。
「やっと見つけた。ここにいたのか…」
「「「・・・」」」
「なんだコイツ」 「怪しすぎる」 「それ以前にクソダサ」
スチャ…パァン!!パァン!!パァン!!
「み、ミサキさん!?いきなりそんな…」
そして彼女たちの前に出て来たのはヘルメットを被った不審者であった。それを見たディセプティコンの3人は、口々にその恰好を罵倒する。極めつけはミサキに銃弾を撃ち込まれる始末であった。
「誰?あんた」 「凄く怪しい人…」
「ま、待て。私は…!ああ、そうか。このヘルメットはアルバイトで…」
「…なんてね。おはよう、サッちゃん。自分探しはお休み中?」
ガサッ…
「…ああ」
「まったく…だから普通に出ればいいつったのによぉ」
ヘルメット姿の少女は自分がこのような扱いを受けているとは思わなかったのか、必死に自分は怪しい者ではないとアピールする。ヘルメットの正体はサオリであり、アツコはそれに気づいていながら一度無視しており、彼女を揶揄っていたのである。そしてその様子を見たモホークに呆れられていた。
「自分探しだなんて、良く言うよ。ただの家出でしょ」
「リーダー…」
「すまない…積もる話もしたいところだが、今は時間が無い。先生を助けなくては」
「うん。私たちにも連絡来たよ」
「は、はい!そうなんです!」
ミサキは勝手に出て行ったサオリに拗ねているようで、彼女に悪態をつく。だがサオリは先生を助けに行こうと言って、みんなで一緒に虚妄のサンクトゥムが建っている場所へと向かおうとしていた。
「元気そうでよかった、リーダー」
「…ああ」
「じゃ、行こうか」
「「「「トランスフォーム!!」」」」
一同は先生を助けに向かうのであった。
カタコンベ内バシリカ
“第4サンクトゥム作戦担当、浦和ハナコです♡みなさん、準備はできましたか?”
「…はい。シスターフッド部隊、サンクトゥムのカタコンベ前で待機中です」
「ところで…サクラコ様は一体、どちらに…」
「何か準備があると言って、どこかに行ってしまったよ」
第4サンクトゥムの作戦担当であるハナコは、攻略メンバーに開始の準備ができているか確認する。シスターフッドのヒナタとマリーはカタコンベの前で準備完了しているようだが、サクラコが居ないことを心配していた。
「救護騎士団、作戦地点にて待機しております」
「よ、よろしくお願いします!」
「はい!頑張ります!」
「私も久しぶりに本気で戦うとしようかな」
シスターフッドと共に攻略担当に選ばれた救護騎士団も、スタンバイ完了していた。
ヴェリタス・部室
“第5サンクトゥムはいかがですか?報告をお願いします”
「…こっちは少し問題発生中」
“あら、どうされました?”
「“ホド”が要塞都市の地下に潜った。現在位置を確認してるけど…」
「要塞都市エリドゥの地下は、リオ会長が作った暗号で保護されています。ハッキングも、振動も、音の感知も不可能でした」
第5サンクトゥムに現れたホドを倒すべく調査をしていたヴェリタスだったが、ここでチヒロは問題が発生したとノアに告げる。どうやらホドはリオの作った要塞都市エリドゥに潜ったようで、コタマをもってしても感知することはできずにいた。
“…リオ会長の?ですが、会長はいま…”
「そう。だから、今暗号を解読するために演算を進めているところ。幸い、暗号はそこまで難しくないと思う…でも、時間がかなりかかってしまうのが問題」
「はぁ…このままだと作戦時間に間に合わないかも…」
“えっ、一大事じゃん!でも、こっちはサンクトゥムの分析をやってるから手伝えないし…”
要塞都市エリドゥの製作者であるリオがいないため、ヴェリタスたちは自力で暗号を解読しなければならず時間がかかってしまうのである。ハレはこのままでは作戦時間に間に合わないと不安を滲ませ、それを聞いたマキは自分が手伝えないことを嘆いていた。
“マキさんは今まで通り第1サンクトゥムに集中を。エンジニア部の皆さん、余力はありますか?”
エンジニア部・部室
「いや、こちらも各エリアのインベントピラーを破壊しようとしてるけど…こっちも難航してるところでね」
「はぁ…答えが見つからない…近づくことすらできないよ」
「サンクトゥムの素材の分析も並行して行っているので、体力的にも限界だ。申し訳ないが、これ以上の稼働は難しい」
「もっと睡眠を~…いえ、カフェイン摂取で…妖怪MAXを…」
ノアは手の離せないマキに第1サンクトゥムに集中するよう指示すると、エンジニア部に助力を求める。だがエンジニア部もインベントピラーの破壊とサンクトゥムの分析を同時に行っているため、これ以上はキャパオーバーのようである。
「やっぱ、普段からもうちょっと運動して体力つけておけば良かった…」
「いま言っても仕方ないさ」
ヴェリタス・部室
“困りましたね…あちらも余力は無さそうです”
“流石はビッグシスター…いなくなってなお、問題の種を生むだなんて…”
「ヒマリ!」
“ヒマリ先輩…丁度いいところに”
“ふふん♪清楚系超天才美少女ハッカーはタイミングも完璧なのです”
ノアが途方に暮れていると、丁度いいタイミングでヒマリが通信に入ってくる。チヒロとノアは彼女が来てくれたことに、心強さを感じていた。
“以前、ミレニアムの債権が偽造されたことがありましたよね?債権発行のセキュリティシステムも、リオが構築したものですが…あの時はどのように解決したのですか?”
「ん?あれはヒマリの仕業じゃないの?私たちは倫理に背くようなことはしないよ」
“あら、心外ですね。私だってしません。あの時は忙しくて、そんなイタズラをする暇もありませんでしたので…”
「…じゃあ、あれは一体誰の仕業なの?」
“・・・”
ヒマリは以前リオが作った債権発行のセキュリティシステムを悪用して、債権が偽造された事件を思い出す。ヒマリとチヒロはそれぞれお互いがやったことだと思っていたようだが、予想が外れる。そしてそれを聞いていたノアには何か心当たりがあるようであった。
“…ユウカちゃん、聞いてましたか?”
“はぁ…聞いてるわよ。ノア、今から反省部屋の前に来て!”
“はい。…それでは後ほど”
何かに気付いたユウカとノアは、反省部屋へと向かった。
エンジニア部・部室
「…インベンドピラーの攻略は…これが限界、かも」
「…ピラー周辺に穴を掘って、地面から分離…そして焼き尽す…本当にこの方法しか無いのかい?」
「他の方法を模索したいところですが…現状ではこれが最善策でしょう。時間が無いのはどうしようもない…」
「だが、この規模の工事は、もはや都市開発レベルの…」
エンジニア部はどうにかインベントピラーの攻略方法を考えていたが、人手と時間が足りないため限界を迎えていた。アレを破壊するのには都市開発レベルの工事が必要なのである。
「うーん、何か別の手は無いだろうか…土木工事用のドローンを今から作るのは…」
「雷ちゃんに火炎放射器を付けるのはどうでしょう?スコップとハンマーを…」
「それだけだと少し…」
ガタガタガタガタ…
「「「「「???」」」」」
ウタハは他の手として土木工事用ドローンの増産を考え、コトリは彼女の雷ちゃんに火炎放射器を付けることを提案する。エンジニア部一同で良い考えが浮かばないか考えていると、突如部室が小刻みに揺れ始めた。
「はぁ~い!」
「あ、あなた達は一体!?」
「今日も今日とて、温泉開発日和だねー!」
「温泉…」 「開発部…!?」
「コンストラクティコンもよろしく!!」
その時である。エンジニア部の部室に見ず知らずの集団が現れ、温泉開発日和と言い出したのである。エンジニア部が面食らったのも無理はない。
「お、温泉ですか?ここにそんなものは…」
「ハーハッハッハッハ!そこに温泉があるから我々がいる!いや、たとえ温泉がなくても我々がいる!細かいことは気にするな。そこは我々が担当しよう」
「う、うん…?」
「俺たちコンストラクティコンに任せれば、こんなピラーどころかサンクトゥムタワーだって一日で解体してやるぜ」
だがエンジニア部の部室の地下に温泉が湧く見込みは当然なく、コトリはメグが発した言葉に戸惑っていた。だが、温泉開発部部長のカスミはそんなことは関係ないとばかりに高笑いし、コンストラクティコンと一緒に温泉を掘る気満々であった。
「掘って掘りまくって、建物を撤去して、全てを燃やし尽くしちゃえばいいんだよね?さあ温泉開発の時間だよ~!!」
「最終的に温泉に辿り着けば良いのだからな!難しく考える必要など無い!それに、ミレニアムの地下にはどんな温泉があるのかずっと気になっていてね。つまり、絶好の機会というわけだ!」
「「「「「ハーッハッハッハッハ!!!」」」」」
「な、なんだかすごい方がいらっしゃいましたね…」
「人手が欲しいとは言ったが、まさかディセプティコンの…コンストラクティコンたちとはね」
温泉開発部とコンストラクティコン、ミレニアムにて温泉開発開始。
ミレニアム・反省部屋
「はぁ…」
ピッピッピッピッ…
「うぇえええっ、せ、先輩方!?」
「コードネーム“白兎”…いえ、黒崎コユキ…出てきてちょうだい、釈放よ」
「へぇ~、コイツがアイアンハイドたちを手こずらせたっていうミレニアムいちの問題児か」
「『横領』『ダメ、絶対』」
ユウカとノアは反省部屋にいる人物を外に出すために、金属で作られた大きな扉の前にジャズとビーを連れて集まる。ユウカは今は彼女の力が必要なのでしょうがないとばかりにため息をつきながら、扉のロックを解除し“ミレニアムいちの問題児黒崎コユキを釈放する。
「コユキちゃん、元気でしたか?」
「わ、私ですか?釈放?い、今?何でですか?」
「時間が無いの。早く出なさい、コユキ」
「い、嫌です!いきなり先輩がやってきて釈放とか、絶対これアレですよね!ついに矯正局に送るんですよね!?そうなんですよね!?」
「「・・・」」
ノアはコユキに優しく声を掛けるが、彼女はいきなり釈放されたことに戸惑っていた。いきなりノアとユウカが自分の所へ来たので、自分を矯正局に送るつもりだと思っているようである。
「はぁ、これは無理矢理連れていくしかないわね。ビー、ジャズ、手伝ってちょうだい」
「『了解した』」
「うわああっ!?こ、来ないで!トランスフォーマー怖い!やだ!無理!暴力反対!!」
ガシィ!!
「こらっ!!大人しくしてろ!!」
広い反省部屋で逃げ回るコユキにしびれを切らしたユウカは、ビーとジャズを動員して彼女を捕まえさせる。コユキはビーに掴まれても大声で暴れ回る始末であった。
「な、なんなんですか!今まで大人しくしてたじゃないですか!問題も起こしてないし、脱出だってしてないのになんで!酷い!暴力反対!冤罪ですよ!!」
「あのねぇ…あんたがここにいるのは、自分で起こした問題のせいでしょうが!どこが冤罪だって言うのよ!?」
「まあまあ、ユウカちゃん。コユキちゃんも反省しているようですし」
「俺にはそうは見えないんだが…」
「『反省の色』『欠片もない』」
コユキは自分は反省部屋でおとなしくしてたのに、いきなり引っ張り出してきたユウカたちを非難する。だがそもそもコユキが反省部屋に入ったのは自業自得であり、反省の色も見せない彼女にユウカたちは苛立っていた。
「そうですよ!反省だなんて…まるで私が悪いかのような言い方はやめてください!あれは不可抗力だったというか、ハプニングだったというか…」
「債権の偽造が、ハプニング!?」
「そ、それに…すっごいコワモテのC&Cの先輩とトランスフォーマーのオジサンを使って私を捕まえにきたじゃないですか!もう、トラウマですよ!」
「なるほど。アイアンハイドたちはよくコイツを殺さず我慢したもんだな」
コユキは債権の偽造をハプニングだと言い張り、ユウカをさらにイラつかせる。さらにはC&Cとアイアンハイドに捕獲されたことがトラウマだと、被害面しはじめていた。
「コユキちゃん…反省、しているんですよね?」
「へ、へっ…?えっと、その…最初から杜撰な暗号システムがいけないんじゃないですか?なので…」
「コ~ユ~キ~ちゃ~ん?」
「ええっと…その…。せ、先輩…その顔、マジで怖いんでやめてください…」
反省の色を見せないコユキにノアは、反省しているのか問いかける。だが彼女はシステムが杜撰なのが問題だと言い始めたため、ノアは笑顔でコユキに近づく。顔は笑顔だが、その目は全く笑っていない。
「先輩の言う通り、私が間違ってました…」
「反省は?」
「は、はい…反省してます…」
「ふふっ、良い子ですね」
ノアに笑顔で迫られたコユキは、遂に自分の過ちを認め反省するに至った。コユキはノアの余りの怖さに、泣いていた。
「ほら、皆さん。見ての通りコユキちゃんも反省してるみたいですよ?」
「なんでノアに対しては大人しいわけ!?」
「『納得いかねーぜ!!』」
「でもノア先輩は、たまに本当に怖いってか…夢に出て来そうな感じがして…。昔の発言を何時何分だったかまで指定して“コユキちゃん、あの時と言ってることが違いますよ?”って言ってきたりするから、マジでちょっと…」
「確かにノアの記憶力は目を見張るものがあるが…」
コユキがノアに対してのみ従順なことに、ユウカとビーは納得いかないようである。その理由をコユキは、自分の発言を時間まで覚えていて、夢に出て来そうだからと答えた。
「それで…お二人が訪ねてくるなんて、一体何があったんですか…?」
「単刀直入に言うと、コユキちゃんの力が必要なんです」
「そう。あんたのその摩訶不思議な演算能力が必要なの。今すぐセミナーに復帰してちょうだい」
「い、今すぐにセミナーに、ですか?私クビになったんじゃ…」
「そんな事ないわよ。詳しいことは行きながら説明するから、急いで」
コユキはまだ自分を連れ出そうとする先輩2人を怪しいと思っているようで、2人にその理由を問う。ユウカとノアはコユキの能力が必要だからセミナーに復帰して欲しいと答えるが、本人はセミナーをクビになったと思っていたようである。
「はい。コユキちゃんの制服も持ってきたので、こちらに着替えてください」
「で、でも…この服、結構気に入って…」
「コ~ユ~キ~ちゃ~ん?」
「ひっ…わ、分かりました…」
コユキは先輩2人に第5サンクトゥムへと連行されるのであった。
「言っとくが、ノアよりもこわ~いお姉さんが同じ攻略メンバーにいるから、あまり調子に乗るんじゃないぞ」
「ひぃ!!」
ちなみにこわ~いお姉さんとは、エリータワンのことである。
シャーレ・作戦室
「残るは…D.U.の中心部にある第6サンクトゥムです」
「おーい、そっちはどう~?」
D.U.中心部
「市民の避難は完了した。サンクトゥムタワーから30km離れた場所に複数の避難所を設けている。しかし、人員が足りない。あと、食糧もな。ヴァルキューレと有志の協力者が避難所に常駐して手伝ってくれてはいるが…」
最後にして最大の第6サンクトゥムであるが、こちらは1~5のサンクトゥム破壊後に攻略を行う予定である。アユムとモモカは市民の避難を担当しているカンナに市民の避難の様子を尋ねると、人員と食糧が足りないという答えが返ってきた。
D.U.避難所
「こちらをどうぞ。フウカ先輩が作ったおかゆです。温まりますよ」
「ありがとうございます…」
「ジュリ、これも配ってもらえる?」
「はい、先輩!」
「うおりゃああああ!!」 「そりゃ!!おりゃ!!」 「ぐおぉぉぉぉぉ!!」
給食部のメンバーはD.U.の市民たちが飢えないよう、炊き出しを行っていた。まるで戦場のような雄たけびをあげているのは、給食部が誇る家電であるキッチンボットたちである。
「ふぅ…次は…」
「何かお手伝いしましょうか?先輩」
「大丈夫、炊き出しは慣れてるし、キッチンボットたちもいるから。ジュリは今まで通り配膳をお願い」
「はい、先輩!たしかにここは給食部の力が必要ですね!」
「力になれているのならいいけど…」
一息ついたフウカに、ジュリは何か手伝おうかと提案する。しかし、ジュリの能力によるトラブルを避けるため、フウカは後輩の申し出をやんわりと断った。
「でも、このままだと食材が足りなくなっちゃうかも…」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!キキィィィィィィィッ!!!
「あら?」 「ちょっと、どうしたの!?」
「ふふふっ。フウカさん、助太刀に参りました」
「到着です★」
フウカが食糧が無くなることを心配していると、避難所の中に車がドリフトしながら入ってくる。そしてその車に乗っていたのは、お馴染み美食研究会である。
「美食研究会が、どうして…!?というか、何でそんなに濡れて…!?」
「炊き出ししてるって聞いて、手伝いに来たのよ!ほら!」
「そうそう!食材持ってきたよー!」
ドッサリ!!
「あら…新鮮なお魚がこんなに…!これなら食材は足りそうですね、先輩!」
「そ、そうだね…これで汁物に揚げ物、焼き物も作れるし…栄養バランスも大丈夫そう」
美食研究会は炊き出しを行っているフウカたちのために、食材を海から取ってきたのである。大量の食材を見たフウカは、炊き出しが継続できることを喜んでいた。
「でも、何で給食部のトラックにあんた達が乗ってるのか、気になるんだけど…。まぁいいや。魚を集めるの、大変だったんじゃない?」
「すっごく大変だったんだよ!近くの水…」
バシッ!!
「ンンンッッ!?」
「ま、まあ、細かいとこは気にしないでちょうだい!」
フウカは美食研究会が給食部のトラックに乗っていることが気になりつつ、魚を集めた方法が気になったようである。それにイズミが答えようとしたが、どうやら他人には言えない方法のようでアカリとジュンコは必死に彼女を止めるのであった。
「ふふっ。私たちと給食部の仲ではありませんか。困っている時は助け合うべきです」
「いや、そんな仲じゃないけど…。まぁいいや。助けてもらったのは事実だし…ありがとね」
「ふふっ。とんでもありません」 「ま、私たちもやる時はやるのよ!」
「友情って本当に素晴らしいですよね★」 「それで、この魚はいつになったら食べていいの~?」
シャーレ・作戦室
“今のD.U.シラトリ区は誰もいない。好きに暴れるがいい”
「ありがとうございます…第6サンクトゥムの守護者はまだ確認できていませんが、6つのサンクトゥムの中では最も強力なエネルギーを持っていますので…」
「守護者が現われたら避難完了したエリアに誘導して、そこで作戦を開始するよ~」
D.U.の第6サンクトゥムにはまだ本当の守護者が現われておらず、護衛のインフェルノカスがタワーの周りをぐるぐる回っている状況である。しかし強力なエネルギーを持っているため警戒を続けなければならなかった。
D.U.外郭
「ヒフミ、私たちはD.U.の外郭を巡回し、守護者を探す…所謂、偵察部隊だ」
「あう…どうして私たちが…」
「実は操縦の腕が凄いんだろう?以前、私を置いて戦車なんかで海に行ったんだ。まったく、誘ってくれれば海くらいすぐに連れて行ったというのに…」
「あうう…あの時はどうも、申し訳ありませんでした…」
そしてD.U.に現れる守護者の探索を任されたのが、ヒフミとアズサとホットロッドとアーシーである。ヒフミは何故自分が選ばれたのかと疑問だったようだが、以前海に行こうとした時に正実相手に戦車で大立ち回りをしたその操縦技術を買われてのことであった。
「今日はペロロ様の特撮映画を観る予定だったのに…」
「うん、私も楽しみにしていた…」
「その鳥、映画が作られるくらいには人気なのね…。正直流行ってのは分からない、やれやれだわ」
「だから、この作戦が終わったら一緒に観よう、ヒフミ」
「はい、アズサちゃん。この任務…最善を尽くしましょう!」
「ああ」 「そうね」 「勿論だとも」
ヒフミは今日はペロロ様の映画を見に行く予定だったと嘆く。其れを聞いたアーシーはキヴォトスの若者の流行に困惑していた。そしてアズサはこの作戦に最善を尽くそうと述べ、一同は彼女の言葉に同意するのであった。
百鬼夜行
“準備完了かな?にゃはは”
“ニヤ!どうだった?”
“それじゃカホ、後はよろしく~”
「ふぅ…皆さん、準備はよろしいでしょうか?」
百鬼夜行ではニヤがクズノハ捜索のための準備を整えていた。ニヤは捜索班を招集したところで、カホに後を引き継いだ。
「イズナ、主殿の声を聞きつけて参りました!特別任務を遂行すべく参上!」
「と、到着しました…」
「コホン!忍術研究部の部長、千鳥ミチル見参!ここに参戦の意志を宣言するよ!」
「プロールである。エデン条約の節はお世話になったのである」
ニヤがクズノハ捜索を依頼したのは、百鬼夜行の忍者集団である忍術研究部であった。メンバーは千鳥ミチル、大野ツクヨ、久田イズナ、プロールである。
“忍術研究部…!?”
「ツクヨ、忍術研究部の参戦を知らせる場面だよ!もっと存在感アピールしてこ!」
「そ、そうなんですか…?わ、私は、今でも十分、存在感がある気が…」
「そもそも忍者とは隠密部隊のはず…存在感は必要ないはずである」
「んー、これじゃあ足りないよ!」
ミチルは忍術研究部の存在感をアピールするために、もっと工夫するようツクヨに促す。ツクヨとプロールはもう十分だと思っているようだが、ミチル的には全然足りないようである。
「ツクヨ、イズナ、プロール!」
「はい、部長!」 「は、はいっ!?」 「やれやれ…」
「“忍者流ハイパー決めポーズ”いくよっ!」
「へっ、こ、ここで、決めポーズ、ですか…!?」
「さすがです、部長!思いっきり突撃するんですね!イズナ、理解しました!」
ミチルはもっと忍術研究部を目立たせるために、“忍者流ハイパー決めポーズ”をやると言い出す。それにツクヨは困惑し、イズナはやる気満々であった。
「・・・」
“にゃははは!出ましたねぇ、あの名物決めポーズ~!”
そして忍術研究部は例の決めポーズをやり始める。
「忍者とは何なのか!そして、忍法とは何なのか!」
「忍者の、真髄…!え、えっと本当に、大丈夫でしょうか…?」
「大丈夫!!その本質を研究し、探求し、そして究明する…これでいいの!自分を信じてツクヨ!忍者の魅力を広めるために暗躍する、キュートな忍者三人組とクールなバイクが一台!」
「合わせて四人組です~!!ニンニン!」
早速ミチルは“忍者流ハイパー決めポーズ”を述べ始めるが、自身のないツクヨはこんなところでそんなことをして大丈夫かと心配していた。部長であるミチルが大丈夫だと彼女を励まし、決まったセリフを続けてイズナが合いの手を入れる。
「泣く子も笑う、百鬼夜行連合学院、最強の忍者集団!」
バッ!!
「その名も、“忍術研究部”!!」
パァァァァァァァン!!
「・・・」
パチパチパチパチ!
“にゃははは!流石皆さん。やっぱり忍者が正解だったねぇ~”
そして最後のセリフと共に、一同は決めポーズを決める。それを見ていたカホは戸惑い、ニヤは喜んでいた。
“えっと…”
「イズナ、主殿が頼み事があると伺ったのですが…何をすれば良いのでしょう?」
「ね。私たちにしかできないことって、何だろ?」
“おっほん…ふむ、忍術研究部には、これより別動隊として特別任務を遂行していただきたいのです”
「特別任務…であるか?」
決めポーズが終わったところで、忍術研究部は先生に自分たちが呼ばれた理由を尋ねる。それにニヤは別動隊として特別任務を与えると答え、プロールを困惑させた。
「…はい。今から皆さんには、百鬼夜行の最北端にある“大雪原”に向かっていただきます」
「“大雪原”ですか!?」
「そこって雪しかないところじゃん!?何で…!?」
「現在行方が分からなくなってしまった、“百花繚乱”の委員長を探していただきたいのです」
「“百花繚乱”…噂には聞いたことがあるが…。委員長が失踪していたというのは本当のようであるな」
カホは忍術研究部にこれから行く目的地を伝え、それが“大雪原”であることに彼女たちは驚く。そしてその理由が百花繚乱の委員長を探す事だと述べ、プロールはそれに興味が湧いていた。
「…!たしかに最近、百花繚乱を見かけてないね。噂通り、何か事情があるんだよね、カホ?」
「…はい、おっしゃる通りです」
「にしても人探しなら、別に私たちがやらなくてもいいんじゃ…?」
“それはですねぇ~…百花繚乱の姿を覚えている3年生、かつ信用できる方が…忍術研究部のルンルンさんしか居ないから、といいますか~?”
「誰がルンルンさんだぁっ!?」
ミチルはカホの言葉を聞いて、最近百花繚乱の人間を見ていないことを思い出し、何か事情があることを察する。つまり百花繚乱の姿を覚えている3年生であるミチルがいるため、今回の探索メンバーに選ばれたということである。
「おおっ、なんと!部長は百花繚乱の方を知っているのですね?」
「うーん、何回かすれ違ったくらい…?でも、私もちゃんと覚えてないんだよね…」
“んふふ。それだけで十分です”
(あの陰険部長、今度は一体何を企んでいるの…?)
だが覚えていると言ってもミチルは数回すれ違った程度であり、彼女はそのことを心配する。しかしニヤはそれだけで十分だと答え、ミチルはそのあっさり加減を怪しんでいた。
「なるほど。イズナ、理解しました!“クズノハ”という方の行方を調べれば良いのですね!」
「その人を知ってるのが“百花繚乱の委員長”ね…ん~了解、やってみる」
「百花繚乱の実力はどれほどなのか分かるか、ミチル?」
「百花繚乱は、エリートばかりの委員会だったからなぁ…」
「ひゃ、百花繚乱、紛争調停委員会…その…聞いたことは、あるのですが…」
そして先生とニヤは忍術研究部に“クズノハ”捜索するよう頼み、イズナはそれに元気よく返事をする。百花繚乱のことをイマイチよく知らないメンバーに対し、ミチルは百花繚乱がエリート組織であったことを教えていた。
“イズナ、ツクヨ、ミチル、プロール、よろしくね。大事な任務なんだ。その人を見つけたら「シャーレに連絡を」と伝えてほしい”
「はい、分かりました!」
「はぁ、分かったよ…先生には色々お世話になったし…」
「は、はい…が、がんばります…」
「任せるである」
先生は忍術研究部にクズノハ探索が大事な任務であることを伝える。それを聞いた一同は、この任務の重要性を理解するのであった。
“こんな未曾有の危機が訪れているのです。百花繚乱が取る行動は決まっているといいますか、推測できるといいますか…。百花繚乱の委員長は…おそらく、大雪原の「黄昏の寺院」に向かっているかと”
“黄昏の寺院”
“私の情報網を総動員して推理した結果…ほぼ確実に、百花繚乱の委員長とクズノハが邂逅するのはそこになります。なので、そこに行けば会えるかと。にゃはは~”
「…今は、ニヤ様の推理が当たることを願うばかりです」
“ひどいなぁ。それなりに自信がある結論なんですけど~”
ニヤが自身の情報網を使って調べたところ、百花繚乱の委員長とクズノハは大雪原の“黄昏の寺院”という場所にいるようである。カホはニヤの推理が当たっていることを願うと述べたが、ニヤはそれが不満のようであった。
「幸い、大雪原は“虚妄のサンクトゥム”の影響が少ないので、そこまで危険ではありませんが…現状この事態に関して何も分かっていませんので、油断は禁物です。ですからどうか…気を付けてください」
“そうねぇ。状況が状況ですし、寺院に居なかった場合はすぐに帰還してくださいな。あと、この任務は内密にお願いしますね~”
「…そうですね。まだ公にできない部分が多いので…」
「了解。誰もいなかったらすぐ戻るよ」
「な、何かあった際には、ご連絡、します…よろしく、お願いします」
大雪原は“虚妄のサンクトゥム”の影響が少ないものの、どんな危険が潜んでいるのか分からないので油断は禁物だとカホは忍術研究部に注意を促す。そしてニヤは何もなければすぐ帰るようにするのと、任務の内容は内密にするよう忍術研究部に釘を刺すのであった。
「では、百花繚乱の委員長を探しに…忍術研究部、“大雪原”にいざ出陣です!」
忍術研究部、出陣。
“さて、と…私たちは続報を待つとしましょっか”
「・・・」
「…キキキッ、なるほど。重要な情報を掴んだな。忍術研究部が、ねぇ。イロハ!どこにいるイロハ!アレを用意しろ!」
「えっ、何をですか?というか、私たちはシャーレの呼び出しに応じなくていいんですか?」
「…キキキッ、それについては心配するなイロハ。全部、既に手配は完了している」
「はい?また何を言って…」
「キキキッ、これは絶好のチャンスということだ。逃がすわけにはいくまい」
万魔殿(メガトロンに黙って)、(勝手に)出撃。
シャーレ・作戦室
「第1サンクトゥムから第6サンクトゥムまで、全エリアのスタンバイを確認。再度、“虚妄のサンクトゥム攻略戦”の作戦概要を展開します」
“お願いね”
「攻略部隊は、各守護者と護衛を攻撃できる距離まで接近してもらいます。道中、敵の防衛ラインで交戦予定となります。そうして総計6つの攻撃ルートを確保していただきます」
「また、防衛部隊は、サンクトゥムの攻略が終わるまで各自治区を守らなければなりません。攻略開始と同時に、サンクトゥムから敵が召喚され、キヴォトス全域に広がる可能性が高いです。ゲヘナ、ミレニアム、トリニティ、百鬼夜行、レッドウィンター、山海経、D.U.など…防衛部隊は全方位からの襲撃に備えてください」
全サンクトゥムの作戦スタンバイが完了したところで、リンたちから再度作戦の説明が展開される。この作戦はサンクトゥムの攻撃と自治区の防衛を同時並行で行う必要があり、そのため学園や種族、敵味方の垣根を越えて協力して取り組む必要があるのである。
「各自治区の防衛が成功して、全サンクトゥムの攻略ルートを確保できたら、守護者集中攻撃のカウントダウンを始めるよ~。カウントダウン終了と同時に、みんなで一斉に守護者を攻撃してね。タイミングが重要だよ~」
「5つのサンクトゥムを各個撃破できたら、第6サンクトゥムに全員で挑みます…!」
「以上が“虚妄のサンクトゥム攻略戦”の全貌です」
“各サンクトゥムと自治区にはオートボットとディセプティコンも配置されている。安心して彼らに任せるといい”
“お前はそこで、ディセプティコンたちの活躍をふんぞり返って見ているがいい”
モモカは自治区防衛とサンクトゥムの攻略ルートを確保したのち、各サンクトゥムに居座る守護者を攻撃するよう指示する。そして1~5のサンクトゥムの守護者を撃破したのち、未だ現れぬ第6サンクトゥムの敵を撃破するというのが、今回の作戦の概要であった。この戦いにはオートボット、ディセプティコン双方の戦士たちが多く活躍しており、彼らが各々判断して指示を出し、先生は全体の指揮を執るのに回った。
「先生から何かご質問ありますか?」
“ううん、大丈夫。リン、モモカ、アユム、準備ありがとね”
「いえ…まだ終わっていません。これからが正念場ですので」
“それじゃあ、みんな…準備はいい?”
「「「「「はい、先生!」」」」」
リンは先生に質問があるかと尋ねると、先生は大丈夫と行った後、準備をしてくれた3人に感謝を述べた。そして、最後にみんなに準備できているかを聞くと、みんなの元気な声が先生の元へと届いた。
“うん…それじゃあ、行こっか。「虚妄のサンクトゥム攻略戦」開戦だよ!”
さあ戦いだ!!
ここから虚妄のサンクトゥム攻略戦開始です。
各サンクトゥムの攻略の話のタイトルは全てトランスフォーマーシリーズの曲名になりますので、お楽しみに。