TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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黒服ゥ!!お前書くの疲れるんじゃ!!

何かセイアちゃんがいますが、単に自分のガバなのでスルーしてください。

何でかよくわからないけどホシノとシロコをよく書き間違える。


宣戦布告

対策委員会たちがカイザーと戦っている最中、ホシノと黒服はカイザーの例の施設にいた。

 

「な、何で…何をしている!?どうして、どうしてアビドスを、街を攻撃するんだ!!」

 

「どうしてと言われましても…。何もおかしなことはありませんよ、ホシノさん」

 

ホシノはカイザーが街を攻撃していることが信じられないようで、悲鳴に近い声を上げて叫ぶ。それに対して黒服は特に表情を変えることもなく淡々と答えた。

 

「あの借金はきちんと無効にさせていただきますとも。それに彼女…エアレイザーもすでに解放しました。それが、私たちの間に交わされた約束ですから。ですが、それはそれとして、あなたが退学したことにより正式なアビドス高等学校のメンバーがいなくなってしまいました。それでは学校として成り立たないですからね」

 

「…!!」

 

ホシノは黒服の説明によって、今更ながら自分の犯した過ちに気付く。だが気付いたところでもう遅かった。

 

「ですが、そんなことはどうでもいいことです。私たちが何故、あんなくだらない詐欺紛いの行為をやるような企業を支援していたのだと思いますか?」

 

「…っ!!」

 

そういって黒服はホシノの顔を覗き込む。ホシノは黒服のそのこの世のものとは思えない顔を見て、恐怖からのけぞってしまった。

 

「あなたですよ、ホシノさん。本当はあなたのことを解析したかったのですがね…。でもそれより興味深いものが見られるのですから、それで良しとします」

 

「どういうことだ?」

 

「あなたはこのキヴォトスの空に浮かぶ太陽が消えたらどうなると思いますか?私は見たいのですよ、世界が滅亡する様を。ホシノさん、あなたはその太陽を破壊する装置の核に必要な存在なのです」

 

「は?えっ!?」

 

黒服の目的を知ったホシノは彼の言っている意味が理解できず、ただただ驚くしかない。

 

「だから結局、カイザーだとかアビドスだとかいうのはどうでもいいんですよ、ホシノさん。何故ならキヴォトスの太陽が破壊されればそんなことは全て無意味なのですから」

 

「・・・」

 

ホシノはもはや黒服の言葉に返すことすらできず、ただただ彼に連行されていく。そしてスターハーベストの中心部に辿り着くと、ホシノは拘束され、核としてエネルギーが充填されるのを待つばかりとなった。

 

「・・・。そっか…。私はまた…悪い大人に騙されたんだ」

 

自分のせいでアビドスどころかキヴォトス全体を滅ぼしてしまうという事実がホシノにのしかかってくる。その事実はあまりに重く、彼女はただ絶望することしかできなかった。

 

 

 

 

 

「じゃーん!!ホシノちゃん見て見てー!アビドス砂祭りの昔のポスター!やっと手に入れたよー!」

 

それはホシノの在りし日の記憶。まだ彼女が1年生の頃で、最後のアビドス生徒会長がまだアビドスにいた時期である。

 

「この時はまだ、オアシスが湖みたいに広がってたんだよねー。あ、このポスターは記念にあげる!えへへ、すっごく素敵でしょー?もし何か奇跡が起きたら、またこの頃みたいに人がたくさん集まって…」

 

「奇跡なんて起きっこないですよ、先輩」

 

ホシノの先輩にあたる生徒会長の話をホシノは冷めた口調で否定する。

 

「そんなもの、あるわけないじゃないですか。それよりも現実を見てください!」

 

「は、はう…」

 

「こんな砂漠のド真ん中に、もう大勢の人なんて来るはずがないでしょう!?夢物語もいい加減にしてください!」

 

ホシノは生徒会長の夢物語に強い口調で言い返す。生徒会長はホシノに強く当たられ情けない声を出してしまう。そんな彼女のことなど気にせずホシノはアビドスの現状を当たり散らす。

 

「うえぇ、だってホシノちゃーん…ご、ごめんね?」

 

「そうやってふわふわと、奇跡だの幸せだの何だの…。もっとしっかりしてください!あなたはアビドスの生徒会長なんですよ!?もう少し、その肩に乗った責任を自覚したらどうなんですか!」

 

ビリビリッ!!

 

ホシノは手渡されたポスターをビリビリに破いてしまった。その時の生徒会長の顔はとても悲しそうな顔をしていたが、その時のホシノにはそんな余裕はまったくなかった。

 

「言い過ぎよ、ホシノ。彼女に当たったてどうしようもないわ」

 

「エアレイザー!あなたもいつもユメ先輩を庇わないでよ!」

 

先輩の名前はユメ。このときはまだエアレイザーもいた。だがそれも過去の話である。

 

 

 

 

 

「ごめん、みんな。私のせいで、全部…、それどころかこのキヴォトスまで…」

 

ホシノの青い記憶の夢想は終わる。現在のホシノは救いたかったアビドスどころかキヴォトスさえも結果的に滅ぼしてしまうスターハーベストの核となっている。

 

「シロコちゃん、ノノミちゃん、セリカちゃん、アヤネちゃん…ミラージュ」

 

ホシノは今の現状にただ下を向いてうわ言のようにただ後輩たちとミラージュの名前を呟く。

 

「ユメ先輩、エアレイザー…ごめん」

 

そして最後に大好きだった先輩とエアレイザーの名を呼んだ。そんな絶望に打ちひしがれているホシノだが、その時あることを思い出す。

 

“必ず助けに行くから!!だから待ってて!!”

 

それはみんなと別れる前に先生がホシノに対して放った言葉である。ホシノは初めて会ったときは頼りなく、彼を信用していなかった。だが今になって彼女は思う。先生は信頼できる大人であるということを。

 

「先生…」

 

最後にホシノは奥から絞り出すようなか細い声を出して先生の名を呼び、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリニティ総合学園 ティーパーティー

 

「そうですか…。アビドスで監視を行っていた情報部員からの連絡が途絶えたと」

 

「はい。その後調査隊を向かわせたところ、どうやらアビドス外部からの通信を阻害するバリアのようなものが張られていたそうです。アビドス内部での通信で情報部員の無事は確認できましたが…」

 

「アビドス内部では恐ろしい事態が起こっていたと…」

 

ティーパーティーの現ホストである桐藤ナギサは彼女の部下からアビドスで起こっている子細の報告を聞いていた。

 

「ふぅ…」

 

「ナギサ様、お注ぎ致します」

 

「ありがとう、コグマン」

 

ナギサは部下の報告を聞いて、心を落ち着かせるため紅茶を口にする。そしてその彼女の側に侍っている人と同じサイズの機械生命体のコグマンがティーカップに再び紅茶を注ぐ。彼はヘッドマスターという珍しい種族のトランスフォーマーである。

 

「ヒフミさんからアビドスの件は耳にしていましたが、これほど重大な事態になっていたとは…。さて、どうしたものか…」

 

ナギサは想定外の事態に思案する。本当ならばトリニティの全戦力を持ってザ・フォールンの野望を阻止したいところだが、現実は学校の立場や他の学校との関係を考慮しなければならないのだ。

 

「ナギちゃん、おっは~☆あれ、どうしたの?」

 

「やれやれ…ミカ、君は本当に…」

 

「ミカさん…セイアさん…」

 

ナギサがトリニティとしてどのように動くべきか考えていると、同じくティーパーティーのメンバーの聖園ミカと百合園セイアが現れる。ナギサは来た2人対し、アビドスの現状を伝えた。

 

「えぇ~!?そんなことになってんの!?ヤバいじゃん、キヴォトスの危機じゃん」

 

「これは我々も動く必要のある案件だな…だがしかし…」

 

ミカとセイアはアビドスで起きている非常事態にそれぞれ驚きの声をあげる。

 

「えぇ、セイアさんの言う通り、全軍を持ってアビドスに進軍したいところですが、慎重に動かなければなりません」

 

「えぇー、考えすぎじゃない?アビドスちゃんたちがミスったらそれどころじゃないよ?」

 

「まったく君は…全て終わった後にゲヘナや他の学校に他校の敷地内での軍事行動を糾弾されたらどうするつもりだ」

 

ミカもセイアも言っていることは部分的には正しい。アビドスが負けてしまえばトリニティどころではないし、解決後に他校から糾弾される隙を見せるわけにもいかないのだ。

 

「現在アビドスにはシャーレの先生もいるようですよ」

 

「シャーレの先生って誰?」

 

「はぁ…ミカさんは少しは外のことにも興味を持ってください」

 

方針を決めかねている3人に対し、コグマンはシャーレの先生の話題を出す。シャーレの先生のことを知らないミカに対しナギサは呆れてため息をついた。

 

「先日シャーレの先生を手に入れるためにゲヘナ学園の風紀委員会がアビドスに進軍してきたという情報も入ってきています。シャーレの先生というのはキヴォトスにとってそれほど重要な人物なのです。わかりましたか、ミカさん?」

 

「わかったって…。で、どうするの?どうにかしないとマズいでしょ?」

 

ナギサの説明に対し、ミカはうざそうにあしらう。それと同時にミカはナギサに方針の決定を迫った。

 

「そうですね…ここは一つ訓練ということで、砲撃隊をトリニティとアビドスの境界付近へ派遣いたしましょう」

 

「まぁ今はナギちゃんがホストだし、それでいいんじゃない?」

 

「まぁ、それがいい落としどころだろうな」

 

結局トリニティの対応としては、訓練と称してアビドスへ砲撃隊を派遣し、アビドスへ砲撃支援を行うことで決着が付いた。

 

「それではコグマン、ミカさんとセイアさんに紅茶とロールケーキを」

 

「かしこまりました、ナギサ様」

 

ナギサに頼まれて、コグマンは後ろに下がり紅茶とロールケーキを用意する。

 

「ナギちゃ~ん、今回もロールケーキなの?」

 

「まったく、君は…せっかくナギサの手作りなんだから、有難く頂戴するのが礼儀というものだろう。まぁ、バリエーションが欲しいのは事実だが」

 

「ほらぁ~、セイアちゃんだってそう思ってるんじゃん!!」

 

「はぁ…まったく、そんなに言うなら無理矢理口にブチ込んでもよろしいのですよ?ふ・た・り・と・も?」

 

重要な議案が終わり3人はいつものようにお茶会をしようとしている。少々刺々しい言葉が飛び交うがいつものことである。

 

「御三方とも、言い争うのはおやめ下さい!!さぁ落ち着く音楽でも聴いて!!」

 

このように3人が会話を続けていると紅茶とロールケーキを持ったコグマンが興奮した様子で部屋にやって来る。彼は彼女たちを落ち着かせるため、自分の身体の中にあるスピーカで音楽をかけ始めた。

 

♪軽快な音楽

 

「「「…はぁ」」」

 

3人はコグマンの思惑通り会話を止める。だがそれは落ち着いたわけでは断じてなくこのお茶会の雰囲気にあまりにも合ってない音楽をかけたコグマンに対し呆れたからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キヴォトス某所

 

先生はオプティマスと共に、黒服なる人物から呼び出され、彼のいる場所へ呼び出されていた。

 

「先生、気を付けろ。黒服はホシノを手に入れ、ザ・フォールンと手を組んでいた張本人だ。何をされるかわからんぞ」

 

“ありがとうオプティマス。でも黒服とは話を付けなきゃいけないから”

 

「そうか…危険だと判断したらすぐ私を呼んでくれ」

 

“うん、わかった”

 

「それと最後に…」

 

オプティマスは最後に先生に何かを伝えて、彼が黒服のいる建物に入っていった。

 

「お待ちしておりました、先生。あなたとはこうして顔を合わせてお話してみたかったのですよ」

 

建物に入りエレベーターで上層に登って扉が開くと、オフィスのような場所に黒服が佇んでいた。先生は初めて見る彼の姿に緊張感が高まるのを感じつつ、彼のほうへ近付いた。

 

“私もあなたとは一度話してみたかったよ、黒服”

 

「クックックッ…」

 

今、大人同士の戦いが始まろうとしていた。

 

「あなたのことは知っています、連邦生徒会長が呼び出した不可解な存在。あのオーパーツ“シッテムの箱”の主であり、連邦捜査部“シャーレ”の先生」

 

“・・・”

 

「あなたのことを過小評価する者もいるようですが、我々は違います」

 

黒服の語りに対し先生はただ黙って彼の言う事を聴いている。ただ、いつも大体朗らかな先生であるが、この時ばかりは真剣な表情である。

 

「まず、はっきりさせておきましょう。我々はあなたと敵対するつもりはありません。むしろ協力したいと考えています。あなたは私たちの最大の障害になりうるゆえ、敵対は避けたいのです」

 

“あなたたちは、一体何者?”

 

先生と協力したいと申し出る黒服に対し、先生は彼らの正体を問う。先生も黒服という名前は知っているが、それ以外のことについては何も知らないのだ。

 

「おっと、そういえば自己紹介をしていませんでしたか?私たちはあなたと同じ、キヴォトスの外部の者ですが、あなたとはまた違った領域の存在です。私たちのことは“ゲマトリア”、とお呼びください。私たちは、観察者であり、探求者であり、研究者です」

 

黒服は自分たちはゲマトリアという存在であり、先生と同じくキヴォトスの外から来たことを示唆する。そして先生に対し手を差し伸べる。

 

「一応お聞きしますが、ゲマトリアと協力するつもりはありませんか?」

 

“断る”

 

「…左様ですか」

 

黒服の誘いに対し、先生は即答で拒否する。それを聞いた黒服は何やら悲しそうに口角を下げたような顔をした。

 

“ホシノを返してもらうよ。たとえ力づくでも”

 

「クックックッ…それを私に言ったところで意味のないことなど、先生にはわかっているはずでは?」

 

先生は黒服に対し、力強くそう言い切る。だが、ホシノの身柄は現在ザ・フォールンのものであり、黒服に言ったところでどうにかなるわけではないのである。

 

「それにホシノは自らの判断でアビドスを退学し、こちらに下ったのを確認されていないのですか?」

 

“…まだだよ。まだ顧問である私が、サインしてない。だからまだアビドスの…私の生徒の1人だよ”

 

「なるほど、あなたが“先生”である以上、担当生徒の去就にはあなたのサインが必要…そういうことですか」

 

先生は黒服の言葉に対し、顧問の承認がなされていないという理由で、ホシノをまだ生徒として扱うことを告げた。それを聞いた黒服は面白そうな様子であった。

 

“それで黒服、君の目的は一体何なんだ。何故キヴォトスを滅亡に追いやるマネをする?”

 

「クックックッ…先ほども言った通り私はキヴォトスの外から来た存在であり、観察者です。この土地に思い入れがあるわけではありません。私の目的ですか?見たいのですよ、世界が滅亡する様を、そのときの人間たちの行動を」

 

“そのためなら、キヴォトスがどうなってもいいと?”

 

「えぇ」

 

先生の質問に対し、黒服はただただ淀みなく答えた。そこに何の迷いも躊躇もない様子であった。

 

“君と話せてよかった。これで君たちとは相いれないことがはっきりしたよ”

 

「なぜです?先生何故そうまでして彼女たちを助けようとするのです?あなたには戦う力もないというのに!!」

 

黒服にそう言われると、先生はポケットから“大人のカード”を取り出す。

 

“それが、大人のやるべきことだから”

 

そして決意の籠った言葉で黒服にそう言い返した。

 

「なるほど、それがあなたの答えですか…。交渉は決裂ですね」

 

“あと最後に”

 

先生はその場を立ち去ろうとしたが、何か思い出したようで黒服のほうへ振り返る。

 

“ザ・フォールンに会ったら伝えといてくれる?うちのオプティマス・プライムから伝言だよ。「貴様の野望は必ず粉砕する。だから首を洗って待っていろ」ってさ”

 

「異星からやってきた機械生命体、オートボットのリーダー、最後のプライム。彼とも機会があれば是非お話したいのですがね。トランスフォーマーたちにも、彼自身にもとても興味がありますので」

 

“止めておいたほうがいいと思うよ。彼、怒らせるととても怖いから”

 

先生はオプティマスからの宣戦布告を黒服へと伝え、その場を立ち去っていった。

 

「クックックッ、楽しみにしていますよ先生。私は観察したいのです。世界が滅亡する様を。ですがそれと同じくらいに世界を救うためにあなたがどのような行動をするのかを。本当に楽しみにしてますよ…先生」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒服との会合が終わった後、先生とオプティマスは援軍を募るため、ゲヘナ学園へと向かっていた。

 

「いくら、時間が無くて行ける場所がゲヘナ学園しかないとはいえ、わざわざ危険を冒してまで行く必要はないのではないか、先生?」

 

“そうはいかないよ、オプティマス。ザ・フォールンを倒すにはまだ戦力が必要なんだ”

 

オプティマスの言う通り、ゲヘナ学園はオートボットと敵対するディセプティコンが支配する場所である。だが、彼らに何度か危険な目にあわされたにもかかわらず、先生とオプティマスは2人でゲヘナ学園に乗り込んでいた。

 

“やぁ、イオリ”

 

「なっ!?何でここに先生がいるんだよ!しかもあのトレーラーはオプティマス・プライムじゃないか!!」

 

“実はヒナと話がしたいんだけど…”

 

先生はイオリを見つけると駆け寄って話しかける。イオリは先生と一応は敵のリーダーであるオプティマスがいることに驚く。

 

「はぁ?風紀委員長に会いたい?ゲヘナの風紀委員長に、そんなに容易く会えるとでも思っているのか?」

 

“そっかー。じゃあどうしたら会えるかなぁ”

 

「そうだな、じゃあ土下座して私の足でも舐めたら…」

 

イオリが冗談めかしにそう言うと先生はすかさず体勢を崩し、地面に這いつくばる。そして顔をイオリの足に近づけて…

 

「ひゃんっ!?」

 

イオリの足を舐めた。

 

「せ、先生…!!君がそれほどの覚悟を持ってここに来たというのなら、私も覚悟を決めよう…!!」

 

オプティマスは先生が援軍を頼むために、どのような恥辱も受ける覚悟があるのだと受け取ったらしい。彼は先生の勇姿を見て感動していた。

 

「ちょっ、まだ話の途中…んっ!ちょっと!?」

 

“あっ、遠慮しなくていいよ。このままでいいから話を続けて”

 

「いいわけないだろ!!」

 

イオリが頭を抑えて、足から引き剥がそうとしているにもかかわらず、先生はイオリの足を舐めるのを止めない。そしてその後ろで先生に感動するオプティマスという異様な光景がゲヘナ学園に広がっていた。

 

「んっ、あぁもう!!大人としてのプライドとか、人としての迷いとかは無いのか!?」

 

“そんなものは無い”

 

「おかしい!ヘンタイ!歪んでる!」

 

イオリの質問に対し、先生は曇りなき眼でそう答える。無論彼女の足を舐めながらである。イオリの指摘も最もであった。

 

「こんなヘンタイに…」

 

「何だか楽しそうね?」

 

「「「あっ…」」」

 

イオリと先生が楽しそうにじゃれていると、それを見つけたヒナがこちらに向かってきた。ヒナの登場に3人の声が重なった。

 

「ひ、ヒナ委員長…」

 

「自分の望みのために膝をつく姿なら、これまで何度も見てきた。でも、生徒のために跪く先生を見たのは初めて。顔を上げてちょうだい、先生。言ってみて、私に何をしてほしい?」

 

ヒナは先生がイオリ相手に膝をついてお願いしていると見えたようで、先生の行動に敬意を表し、彼の要望を聞こうとする。だが彼女は気づいていない。目の前のこの男、跪いているのではなくイオリの足を舐めているのである。しかも若干楽しそうである。

 

「いや、その、委員長…先生は跪いているんじゃなくて、その、足を、舐め…」

 

“えぇー?イオリが舐めろって言ったんじゃないかぁー”

 

「!!!!???」

 

普段あまり表情を崩さない空崎ヒナが、とてつもなく驚愕と羞恥に染まった表情になった瞬間であった。

 

 

 

 

 

無事ヒナに会えた先生とオプティマスは学園の実質的な支配者であるメガトロンの了承と取り付けるべく、ディセプティコンの基地へ向かっていた。

 

「ここからは私の戦いだ先生。メガトロンは好きにしろと言った。ならば先生の命の元風紀委員会をアビドスに派遣することに文句はないはずだ」

 

“うん。それにザ・フォールンについての疑問もあるしね”

 

「確かに、メガトロンはこの計画のことを知っていてザ・フォールンに従うわけでもなく、阻止するわけでもなく静観の立場を貫いている。その理由も問いたださなねば」

 

「さぁ、ここよ」

 

ヒナに案内され、一行はメガトロンがいる部屋へと通される。そこはゲヘナ学園最奥にある彼だけの場所であった。

 

「よく来たなオプティマス・プライム。貴様と先生で乗り込んできたことには驚いたぞ」

 

「こちらはご存じの通り、それどころではないのでな」

 

「フッ、そうだろうな」

 

メガトロンはオプティマスとアビドス以来2度目の対峙となる。互いにリーダーだけあって部屋には物々しい空気が漂っていた。

 

「貴様、ザ・フォールンのことを知っていたな?」

 

「あぁ、それがどうした?」

 

「ならば何故協力するなり阻止するなり動かんのだ?それとも大量のエネルゴンを手に入れた後、サイバトロン星に帰るつもりか!?」

 

オプティマスはメガトロンに対し直球に言いたいことを述べる。それに対しメガトロンも特に悪びれた様子もなく答えた。

 

「確かに俺はザ・フォールンから直接計画のことを知らされていた。だが断った」

 

「何故だ!!」

 

「ヤツは俺に配下になれと言ってきやがった。たとえザ・フォールンがディセプティコンの創始者であろうとも、今のディセプティコンのリーダーは俺だ。あの時代遅れな老害ではない」

 

「では何故計画の阻止に動かない?」

 

「だが俺にも名を賜り、ディセプティコンの先達としてのヤツに対する敬意はある。故に今回我々ディセプティコンは動かん。それだけだ」

 

メガトロンは自分を手下として仲間に加えるというザ・フォールンの傲慢な態度に怒りつつも、ディセプティコンのリーダーとしての矜持から、そのような行動を取っているということを彼らに示した。

 

“じゃあ私のお願いで風紀委員会がアビドスで戦うのはいいよね?”

 

「あぁ、好きにしろ。ゲヘナ学園の生徒はディセプティコンではない。お前には彼女たちを動かす権限がある」

 

“ありがとう、メガトロン”

 

「やめろ、気色の悪い」

 

風紀委員会の動員に対するお礼を先生にされ、メガトロンは顔を引きつらせる。

 

「ヒナ、あの老いぼれの鼻っ柱をへし折ってこい!!」

 

「はぁ~わかったわ」

 

彼の矜持として手は出さないとは言ったものの、どうやらザ・フォールンの態度には相当ムカついていたようで、彼はヒナに力強くそう命じる。対するヒナは面倒くさそうに返事を返す。

 

「礼を言うぞメガトロン」

 

「五月蠅い!!黙れ!!」

 

(本当は仲がいいのかしら?)

 

(ツンデレかな?)

 

オプティマスに礼を言われたメガトロンの反応を見て、ヒナと先生はそれぞれそう思うのであった。

 

これによりゲヘナ学園風紀委員会が戦力として加わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アビドス砂漠 スターハーベストから数キロの地点

 

「あっ、来ました!」

 

「ん、先生が援軍を連れて戻ってきた」

 

スターハーベストの発射が数時間後に迫るなか先生がゲヘナの風紀委員会を連れて戻ってくる。

 

「ひ、ひぇぇぇぇぇ!!?」

 

「風紀委員会!!」

 

風紀委員会に絶賛指名手配中の便利屋は、その風紀委員会がこちらに迫ってくるのを見て必死になって逃げようとする。

 

「大丈夫ですよ~☆私たちがそうはさせませんから」

 

「そうよ、風紀委員会はあくまで助っ人。今回は関係ないわ」

 

逃げようとする便利屋をノノミとセリカは制止する。いくら風紀委員会に彼女たちの逮捕権があるとは言え今回は別の目的でここに来たのだ。それ以外のことはさせないという意志を彼女たちに伝えた。

 

“お待たせみんな”

 

「ゲヘナの風紀委員会を連れてきてくださりありがとうございます先生。これでホシノ先輩の救出に希望が持てます!!」

 

“うん、みんなでホシノを連れ戻そう!そして「ただいま」って言わせて、みんなで「おかえり」って言おうね!“

 

「「「「はい!!」」」」

 

「うぉい!!俺は!?」

 

“あっ、ごめん”

 

対策委員会のメンバーはホシノを取り戻すために一致団結し、戦う意志を今一度確認する。だが、その輪に入れなかったミラージュがツッコミを入れ、先生はそれに気づいて謝る。そこにはいつもの対策委員会の日常が広がっていた。

 

「安心して。今回はあなたたちのことは不問にするわ。というか、キヴォトスが終わったらそれどころじゃないし」

 

「わわわわわ、わかってるわよ!!いいいい、一時休戦といこうじゃない!!」

 

「えぇ、よろしく」

 

ガシャ!!グシャ!!ガリガリ!!バリバリ!!

 

「う~ん、これオイシイ」

 

いつも通りの落ち着いたヒナの態度に対し、アルはビビりまくりながらヒナに張り合おうとする。彼女の背後ではヒナに頑張って張り合う姿を温かい目で見守る便利屋とカイザーが捨てて逃げた戦車などを貪り食うダイナボットたちがいた。

 

「あなたちわかっているわね?私たちが負ければキヴォトスが滅ぶ。覚悟を決めなさい」

 

「「「「はっ!!」」」」

 

ヒナの言葉に風紀委員一同は気合の入った返事をする。以前の時とは違いみな士気が上がっていた。

 

「先生、あのスターハーベストにはビナーだけでなく大量のスコルポノックが徘徊しています。恐らく、ザ・フォールンがハッキングして操っているのだと思います」

 

“ありがとうアヤネ”

 

「私たちは先生の指示に従います」

 

“うん”

 

決戦を前にアヤネとアコと先生は作戦の概要を話し合う。先生も大規模な軍隊を率いるのは初めてであり、アコからそのコツを教わりながら作戦を詰めていった。

 

 

 

 

 

“じゃあトランスフォーマーとヒナはビナーを、それ以外の生徒たちはスコルポノックを担当するよ。私たちがそいつらを抑えるからその間にオプティマスがザ・フォールンを倒すってことで”

 

「あぁ、了解した」

 

「えぇ」

 

先生は決まった作戦をそれぞれのリーダーに伝える。2人とも作戦を聞いて問題ないと判断した。

 

“じゃあ始めよう”

 

「あぁ」

 

作戦開始に際し、先生とオプティマスは今一度トランスフォーマーたちと生徒たちのほうへ向き直る。

 

「この場に集った同胞たち、そしてこのキヴォトスに住まう者たちよ、ザ・フォールンの野望を打ち砕き、この星の未来を掴むぞ!!!」

 

「「「「おぉー!!!!!」」」」

 

「全軍出動!!!!」

 

オプティマス・プライムの熱き号令と共に、今世界を救う決戦が始まる。

 

さぁ戦いだ!!!!

 




次回最終決戦
司令官とフォールンのタイマンに持ち込むために(洗脳されて)手下になったビナー君には頑張ってもらいます。
軽快な音楽はブルアカのBGMの中で一番有名な便利屋のアレ


シスターサクラコ、ナギサが最推しなのでティーパーティーの出番を盛ったことを懺悔致します...
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