TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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クレイジーバックダンサーズ

自分は毎日書かないとエタるタイプっぽいです。なのでとりあえず見切り発車でいきます。


時計じかけの花のパヴァーヌ編 レトロチック・ロマン
クレイジーゲームクリエイターズ


“・・・・・・”

 

“私の声が、聞こえますか…”

 

“そこにいますか?この世界を救う―”

 

“勇者よ。あなたのことを、ずっと待ってました”

 

“今こそ、全て話しましょう。太古、天族と魔族が…”

 

「カットカット、カッーーート!」

 

謎のモノローグを見て、誰かがそれを止める声が部屋に響く。

 

「ダメダメ、ありきたりすぎ!これだと発売と同時にこけそうな感じ!私がユーザーだったら、プロローグでこのテキストが出た瞬間に“あ、やめよ”ってなるよ!」

 

どうやら声の主はこのシナリオに不満なようだ。

 

「はぁ、お姉ちゃん。普通に先生を起こそうよ」

 

「ダメだよ!私たちは“ゲーム開発部”なんだよ!!それっぽくしないと!!」

 

「普通に先生が戸惑うだけだと思うけど」

 

“う、う~ん”

 

先生はどうやら何らかの理由で気を失っていたようだ。そしてこのゲーム開発部の部室へと連れてこられたらしい。

 

「お、コイツ意識が戻ってきたぞ」

 

「死んだかと思ったぜ」

 

ベッドで寝かされている先生を囲うように2人の生徒と2人のトランスフォーマーが様子を伺っている。だが、トランスフォーマーと言ってもゲーム開発部の部室は人間用なので、通常のTFは入れない。なので、先生を覗いているTFのサイズは生徒より小さいタイプである。

 

“ここは?”

 

「あ、目覚めた!」

 

「本当に良かったです。お姉ちゃんが窓の外に投げたプライステーションが、偶然とはいえ先生の頭に命中したときは、このまま殺人事件の被害者になるかと…」

 

「お前だってコイツにプライステーションが当たったときに、先にコイツじゃなくてプライステーションの心配してたじゃねぇかよ」

 

「そうだそうだ」

 

どうやら先生はゲーム開発部の生徒が放り投げたゲーム機が頭に直撃したため意識を失っていたらしい。ゲーム開発部の生徒と思われる少女たちはそれぞれ桃色と緑色の猫耳カチューシャを付けており、“お姉ちゃん”という言動から彼女たちが双子の姉妹であることが推察できる。

 

「と、とにかく。先生は、あのシャーレから来たんですよね?」

 

「うわっ、本当に!?じゃああの手紙読んでくれたんだ!もし読んだとしても、本当に来てくれるとは思わなかったよ!!」

 

“手紙ってあの?”

 

元より先生はゲーム開発部から送られてきた手紙を読んでここに来る予定だったらしい。だが、不慮の事故でどうやら一度意識を失っていたことを彼女たちの言葉でようやく理解した。

 

 

 

 

 

数時間前 シャーレにて

 

「先生、ミレニアムサイエンススクールから要請が届きました。送り主は…ミレニアムのゲーム開発部?みたいです。読んでみますね」

 

アロナはゲーム開発部によって送られてきたメッセージを開き読みだした。

 

“ゲーム開発部は今、存続の危機に陥ってます。生徒会からの廃部命令により破滅が目前に迫っている今、助けを求められる相手はあなただけです。勇者よ、どうか私たちを助けてください!”

 

「なるほど。すごく面白いと言いますか…かなり切羽詰まっているということは、ひしひしと伝わってきますね…」

 

“そ、そうだね…”

 

アロナは個性的な文章に困惑する。そして先生のほうも結構戸惑っていた。

 

「あ、先生はミレニアムサイエンススクールについてご存じですか?」

 

“少しくらいなら…”

 

「そうですか。ミレニアムサイエンススクールはご存じの通り、トリニティ総合学園、ゲヘナ学園と合わせてキヴォトス三大学園と呼ばれる大きな学校です。ミレニアムは他のどんな学園よりも合理と技術に重きを置いています。さらにはオートボット、ディセプティコン双方から技術協力をしている関係にあるため、一番トランスフォーマーとの関わりが深い学校と言えます」

 

ミレニアムサイエンススクールについてあまり詳しくない先生のために、アロナはミレニアムの特徴について説明する。サイエンススクールなだけあって理系の生徒が多く、機械生命体であるトランスフォーマーとは相性がいいようだ。

 

「そんな学校なのですが、一体なにがあったのでしょうか…?」

 

 

 

 

 

「あらためて!!ゲーム開発部へようこそ、先生!私はゲーム開発部、シナリオライターのモモイ!」

 

「会えて嬉しいです、先生。私はミドリ。イラストレーターで、ゲームのビジュアル全般を担当しています」

 

プラステの直撃を受け昏睡していた、先生が復活したのを確認すると、ゲーム開発部の才羽モモイとミドリが自己紹介をする。部活の名前通りゲーム開発をする部活のようだ。

 

「俺は元ディセプティコンのホィーリー。お前メガトロンに狙われてるんだってな?あ、ゲーム開発部では…まぁ雑用だな、ハハハハハ!!」

 

「俺も元ディセプティコンのブレインズ。ゲーム開発部ではプログラム担当…というか俺はノートパソコンにトランスフォームできるんでな、備品かな!!ウへへへへ…」

 

“随分小さいんだね君たち…”

 

先生は普段見ないタイプのトランスフォーマーに困惑する。さらに元ディセプティコンと名乗った彼らに対し少しの警戒を見せたのだが、その気さくな態度に拍子抜けという感じであった。

 

「あと今はここにいないけど、企画周りを担当してる私たちの部長、ユズ。あとは…部員とは違うんだけど、同じレトロゲー好きの友達のトランスフォーマーが2体でよくつるんでるんだ~」

 

“へぇ~”

 

彼女たち2人以外にもう一人部長がおり、さらには2体のトランスフォーマーも一緒にいるらしい。先生はトランスフォーマーと距離感の近いミレニアムの風土にある種感心していた。

 

「よしっ!じゃあ先生も来たことだし、ツインズを誘って“廃墟”に行くとしよっか!」

 

“何でぇ!?”

 

自己紹介も終わり、本題に入ろうとしたところで、モモイが唐突に理解不能なことを言い出す。彼女の言葉を聞いて先生は素っ頓狂な声が出てしまう。

 

「はぁ…お姉ちゃん、ちゃんと説明しないと、先生が理解できてないよ」

 

「えっとね、まず私たちゲーム開発部は今までずっと、平和に16ビットのゲームとかを作ってたんだけど…。ある日、急に生徒会から襲撃されたの!!」

 

「ひでぇよなぁ!!俺たちは仲良く楽しくレトロゲーを楽しんでただけなのによぉー」

 

ミドリに催促され、モモイはこれまでの経緯を説明し始める。彼女の説明にホィーリーは合いの手を入れて、大袈裟にリアクションをした。

 

「一昨日には、生徒会四天王の一人であるユウカから最後通牒を突き付けられて」

 

“最後通牒?”

 

「それについては直接私から説明しましょうか?」

 

モモイの話を聞いていると、後ろから誰かがゲーム開発部の部室へ入ってくる。

 

「「「「こ、この声は!!」」」」

 

「・・・」

 

彼女たちの後ろにミレニアムサイエンススクールの生徒会、セミナーの会計である早瀬ユウカが立っていた。

 

 

 

 

 

「出たな、生徒会四天王の一人!“冷酷な算術使い”名を持つ生徒会の会計、ユウカ!」

 

「勝手に変な異名を付けて、人をモンスターか何かみたいに呼ばないでくれる?失礼ね」

 

モモイの変な異名にユウカは眉間に皺を寄せる。今回は随分と機嫌が悪そうに見えた。

 

「それよりも…先生」

 

“やあ、ユウカ”

 

「あっ、ユウカのやつ声色を変えたぞ」

 

「“ふとももの算術使い”様は先生の前だとあんな態度なんだな」

 

バコンッ!!バコンッ!!

 

「「あぁーーーー!!」」

 

ホィーリーとブレインズの揶揄う。それに対し、ユウカは一体ずつ彼らを軽く蹴り飛ばした。

 

「はぁ…こんな形で会うなんて」

 

「「暴力はんたーい!!」」

 

「そこ、うるさい!先生とは色々話したいこともありますが、それはまた後にするとして…モモイ」

 

ユウカはため息をつきつつ、モモイのほうへ向き直る。モモイはユウカに睨まれて、気まずそうな顔をしていた。

 

「本当に諦めが悪いわね。廃部を食い止めるために、わざわざ“シャーレ”まで巻き込むだなんて。けど、そんなことしても無意味よ。例え連邦生徒会のシャーレだとしても…いえ、あの連邦生徒会長が戻ってきたとしても!部活の運営については概ね、各学校の生徒会に委ねられているんだから」

 

「相変わらずいい太ももだな」 「あぁ、俺たちが毎度蹴られて鍛えただけのことはあるぜ」

 

ユウカは段々ヒートアップしていく。その熱気に押されてモモイはじりじりとユウカから距離を取っていった。

 

「ゲーム開発部の廃部はもう決まったことなの、これはもう誰にも覆せない」

 

「そ、そんなことはない!」

 

後退するモモイにユウカはにじり寄り、その事実を突き付けた。その事実を突き返すかのように、モモイはユウカに勇気を出して詰め寄る。

 

「言ってたでしょ、部員が規定人数に達するか、ミレニアムの部活として見合う成果を出せれば良い。もしできなかったら廃部、部費は勿論部室も没収するって。私、そこまでちゃんと言ったわよね」

 

ユウカはそんなモモイに対し、ただ淡々と廃部の理由を述べる。そして彼女の言っていることは規定である以上ゲーム開発部が従わなければならないものである。

 

「あなたたちは部員数も足りない上に、部活としての成果を証明できるようなものも無いまま、もう何か月も経ってるんだから、廃部になっても何の異議もないはずだけど?」

 

「そう言うなよユウカちゃ~ん」 「俺とアンタの仲だろぉ」

 

「うるさいわね、ディセプティコンに引き渡すわよ?」

 

「「ひぃ~い!!」」

 

すり寄ってくる、2体に対し、ユウカは鬼の形相でそう答える。彼女の怒りを受けて彼らは怯えてしまった。

 

「異議あり!すごくあり!私たちだって全力で部活動してる!だから“上場閣僚”?みたいなのがあってもいいと思う!!」

 

「それを言うなら情状酌量でしょう…」

 

「はぁ…」

 

モモイの言い間違いにユウカはただただ呆れるばかりである。隣で見ていたミドリでさえも呆れてため息をつく始末である。

 

「それより、今なんて言ったかしら?全力で活動してる?笑わせないで!」

 

ビクッ!!

 

そしてモモイの全力で活動しているという言葉に対し、ユウカの怒りのボルテージが一気に上がる。

 

「校内に変な建物を建てたと思ったら、まるでカジノみたいに装飾してギャンブル大会を始めるし、レトロゲームを探すとか言いながら古代史研究会を襲撃するし!!」

 

「いや~カジノは傑作だったな!!」 「だいぶ儲けたよな。まぁ、全部没収されたが」

 

「おかしいでしょう!?“全力”かもしれないけど、部活動としては間違ってるわよ!それに、これだけ各所に迷惑かけておいて、よく毎度のように部費なんか請求できるわね!?」

 

ユウカの言っていることは至極最もである。彼女に正論を叩きこまれただ気まずそうに黙っているしかない。

 

「とにかく、ミレニアムでは“結果”が全てよ!」

 

「け、結果だってあるもん!私たちも、ゲーム開発してるんだから!」

 

「そ、そうですよ!『テイルズ・サガ・クロニクル』はちゃんと、“あのコンテスト”で受賞も…」

 

結果が全てというユウカの言葉に対し、モモイとミドリは姉妹揃って反論する。ゲーム開発部と名乗るだけあってゲーム自体は作っているようだ。

 

「その結果って言うのも“その年のクソゲーランキング一位”でしょうが!!」

 

「サイバトロン星じゃ神ゲーだぜ…多分」 「いや、サイバトロン星でもクソゲーだろうよアレは」

 

「「・・・」」

 

ユウカの容赦ない口撃にモモイとミドリは涙目になる。同士の2人がフォローに回ろうとしたが、結局クソゲー認定されてしまった。

 

「とにかく、もし自分たちの活動に意義があるのだと主張したいのなら、証明してみせなさい」

 

「し、証明って?」

 

「はぁ…何度も言ってるでしょう。きちんとした功績や成果を出せば、廃部は撤回するって」

 

だがここまで来てもユウカはまだ、彼女たちにチャンスを与えようとする。何だかんだでゲーム開発部にはダダ甘である。

 

「分かった…全部結果で示す」

 

「へぇー」

 

「おい…何か算段でもあんのかよ?」 「遂に違法な手段に…」

 

「そのための準備だって、もう出来てるんだから!」

 

「そうなの!?」

 

ユウカの言葉にモモイは結果で示すと宣言する。どうやらそのための準備とやらはもう出来ているようだ。だがTFの2人どころか妹のミドリすら驚いている始末である。

 

「私たちには切り札がある…。その切り札を使って今年の“ミレニアムプライズ”にテイルズ・サガ・クロニクル2”を、出すんだから!」

 

「!?」

 

“ミレニアムプライズ…って、何?”

 

モモイの突拍子のない発言に流石のユウカも驚きを隠せないようだ。そんななか、先生だけはモモイの発言の意味がよくわからなかったらしく、ミレニアムプライズとは何か尋ねる。

 

「先生、ミレニアムプライズとはミレニアム中の部活が各々の成果を競い合う、ミレニアムでも最大級のコンテストです。ここで成果を出せばミレニアムからの賞賛が受けられます。もし、受賞できればの話ですが…」

 

“なるほど、ありがとう”

 

「とにかく、ミレニアムプライズで優勝すれば文句ないでしょ!!」

 

ミレニアムプライズというのはどうやらミレニアム生にとって大事な催しなようだ。そして、モモイはそんな競争率の高い大会で受賞をすると再び宣言する。

 

「分かったわ。あなたがそこまで言うならミレニアムプライズの結果が出るまで待ちましょう。今日からミレニアムプライズまで2週間…この短い期間でどんな結果が出せるのか、楽しみにしてるわ」

 

「アイツ、受賞するだなんて微塵も思ってねぇ顔してやがる…」 「ムカついてきやがったぜ」

 

だがモモイの宣言を彼女は信じていないらしく、もう廃部は決まっているかの如く余裕の笑みを見せた。彼女の態度に対しちっこいの2人も見返してやろうという気持ちが湧いてきていた。

 

「ふぅ…。まさか先生の前でこんな、可愛くないところを見せてしまうことになるなんて…。ただ、これも生徒会の仕事なので」

 

ヌッ

 

そう言ってユウカは先生のほうへ近付く。

 

「次はもっと違った、落ち着いた状況でお会いしましょうね、先生。それではまた」

 

「ユウカのヤツ、先生に色目使ってやがるぜ!!」 「つーか”ヌッ”って何の音だよ」

 

ガチャ…

 

そう言ってユウカはゲーム開発部の部室を後にした。

 

 

 

 

 

「そんで、どうすんだよ?2週間じゃ流石に無理だぜ?」

 

「そうだよ、お姉ちゃん。ていうか切り札って何?私知らないんだけど」

 

「未発売のゲームのデータハッキングしてぶっこ抜くのか?確かに俺たちなら余裕だが…」

 

ユウカが去った後、みんなは色々とモモイに問い詰める。みんな何も知らない状態であるため、当然の行動と言える。

 

「切り札っていうのはもちろん、ここにおはす先生様のことだよ!!」

 

“私!?”

 

まさかその切り札が自分のことだと思ってもみなかったのか、先生はモモイの言葉を聞いて驚き、慌てる。

 

「ユウカが来て話が中断しちゃったけど、私たちの目的は”廃墟”にあるの。“廃墟”っていうのは、元々連邦生徒会が出入りを制限していた、ミレニアム近郊の謎の領域のことなの。どうやら危険だから封鎖されてるらしいんだけど、その理由を誰も知らないの」

 

“一体どうして、そんなところに行こうとしてるの?”

 

「良いゲームが作りたいから!!」

 

先生の問いにモモイは真っすぐな眼でそう答える。その眼の輝きを先生は見逃さなかった。

 

「私は証明したいの。たとえ、今の私たちのレベルが“クソゲーランキング1位”だとしても、私が大好きな…私を幸せにしてくれたこのゲームたちが、決してガラクタじゃない、宝物なんだってことを!!」

 

「お姉ちゃん…」

 

モモイの言葉にミドリも賛同するように微笑む。色々ユウカに言われている彼女たちだったが、ゲームに賭ける情熱は本物であると先生は確信した。

 

「それは俺たちもよーくわかってるが、廃墟に行ってどうするんだよ?」

 

「そうだぜ。情熱だけじゃどうにもならねぇってのはモモイもよくわかってるだろ?」

 

だが、そんなモモイの熱き想いを込めた、『TSC』も結果は御覧の有様である。廃墟になど行かず、全員で夜通し考えるのが普通の行動なはずである。

 

「廃墟には“アレ”があるって噂があるの」

 

“「アレ」って?”

 

「ねぇ、みんな…。G.Bible…って、知ってる?」

 

「「「「「G.Bible?」」」」」

 

ゲーム開発部の大冒険が今、始まる。




東方は実家

ゲーム開発部:才羽モモイ、才羽ミドリ、花岡ユズ、天童アリス、スキッズ、マットフラップ、ホィーリー、ブレインズ
マッドフラップはオレンジではなくモモイに合わせて桃色になります。



しっかしクソうるさそうだなゲーム開発部
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