TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

21 / 141
恋色マスタースパーク
正直前話でレールガンゲットまでやっても良かったけどせっかくならこのサブタイ付けたいので


蒼色マスターレールガン

ゲーム開発部はアリスの武器を見繕うべく、外へ出る。部室棟の外ではツインズが待っており、乗車してミレニアムを走る。

 

「ミレニアム…ううん、キヴォトスの生徒は、みんなそれぞれ自分の武器を持ってるの。だからアリスにも見繕ってもらわないとね」

 

「調達する方法は色々あるが、ここで手っ取り早く、武器を手に入れられるのはエンジニア部だろうな」

 

「エンジニア、部?」

 

キヴォトスでは銃を持たずに街中を歩くことは、恥ずかしいことである。全裸で歩き回っているのと同じだという者もいるくらいに、みな当たり前のように銃を所持している。それ故にエンジニア部に行き、武器を手に入れようとしているのだ。

 

「機械を作ったり、修理したりする専門家たちのことを、ミレニアムでは“マイスター”って呼んでるだけど。エンジニア部はそのマイスターがたくさん集まってる、ハードウェアに特化した部活なんだよ」

 

「さらには、オートボットの技術屋連中もいるからな。人間トランスフォーマー問わず、修理改造なんでもござれだ」

 

“俺たち用の銃も作ってくれたんだぜ!!”

 

「理解」

 

アリスはモモイたちからエンジニア部についての説明を受けながら、スキッズに乗ってエンジニア部の部室棟へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

エンジニア部の部室棟は大きな倉庫になっており、オプティマス・プライムのような大型トランスフォーマーでも十分生活ができるほどの大きさを誇る。そしてその倉庫では毎日のように謎の発明品が開発されているのだ。

 

「よう!来たぜ、ウタハ」 「廃棄ネジあるか?」

 

「あぁ、ホィーリーにブレインズ。ネジならそっちに置いてあるよ。おっと、今日はお仲間も一緒かな」

 

部室棟にやってきたミニボットたちをエンジニア部部長である白石ウタハが快く迎え入れる。エンジニア部には生徒たちだけでなく、トランスフォーマーたちも修理や改造のためよく集まる。なので、ミレニアムでトランスフォーマーを見たければエンジニア部へ行くのが常識とまで言われている。

 

「やぁ、ツインズたちよく来たね。ワシの作った武器が壊れたのかね?」

 

「うぅ~ん、どうやらそうじゃないようですね、キューさん」

 

そして、ツインズたちをウタハの後ろから出迎えるのは、エンジニア部所属のトランスフォーマーであるキューとホイルジャックである。2人ともオートボットの優秀な技術者であり武装の乏しいツインズのために、銃を開発したのもこの2人である。

 

「実はゲーム開発部に新たな部員が入ったんだけど、アリスちゃんは武器を持ってなくてさ。エンジニア部になら余った発明品とかでいいのがあるかなって思って」

 

「なるほど。新しい仲間に、より良い武器をプレゼントしたいと」

 

「頼むぜ~ウタハ」 「俺たちとお前の仲じゃねえか~」

 

「ミレニアムにおける勝敗というのは、優れた技術者の有無に大きく左右されてしまうものだ。そっちの方に、私たちの作った試作品が色々置いてある。そこにあるものなら、好きなだけ物色するといい」

 

「「「ありがとー!!」」」

 

モモイとミニボットたちの頼みを、ウタハ快く応じる。ミニボットたちには日ごろ発明品の開発で世話になっているので、彼女はその頼みを快く受け入れた。

 

「やあ、1年の猫塚ヒビキだよ。良ければ私が、何か良いものを見繕ってあげる。これはどう、アリス?」

 

「へぇ、何それ拳銃?」

 

ウタハの話を聞いて、彼女の背後からやってきたのはエンジニア部のメンバーであるヒビキであった。彼女は1年生ながら多彩な工学の知識を持ち、ウタハ共々日々新たな発明に取り組んでいる。そんなヒビキはアリスを見て、拳銃のようなものを手渡す。

 

「見た感じ、多分だけど…これまでに戦闘経験は無いはず…」

 

「その言葉は否定します。アリスはこれまでに人類を27回救い、魔王軍との46回に渡る戦闘を行い、3桁を越えるダンジョン捜索を行い、一度ディセプティコンを壊滅させました。経験値はそれなりに豊富です」

 

「・・・」

 

「それは、すごいね…」

 

「てか、俺らがいない間に『ガンボイの謎』もクリアしてたのかよ」

 

戦闘経験が無いというヒビキの予想をアリスはゲームの経験で否定する。それを見てミドリは固まり、ヒビキも困惑してしまう。

 

「でも…銃器を使用した経験は…あまり無さそう。そういう人にはやっぱり拳銃が良い…これはプラスティック製だから軽いし、反動も少ない…」

 

「おぉ~」 「良さげじゃない?」

 

ヒビキの持ってきた拳銃を見て、モモイたちはなかなか良さそうだと思ったようだ。

 

「そしてこの銃にはミレニアム史上、今まで存在しなかった機能が搭載されてる」

 

「な、何それ!!」

 

「何か聞く前から凄そう…。どんな機能なの?」

 

そしてヒビキはその拳銃には新たな機能が搭載されていると、自信満々に語る。それを聞いてモモイたちにも期待が生まれる。

 

「それはね…“Bluetooth”機能だよ」

 

「えっ?」

 

「Bluetoothを通じて、音楽鑑賞やファイル転送まで可能な拳銃…調べた限り、そんなものは今まで存在しなかった」

 

Bluetooth機能が付いた拳銃をヒビキは自慢げに紹介する。その思いもよらなかった機能にモモイたちは固まってしまう。だが、そんなことはお構いなしに、ヒビキは自慢の発明品の機能を紹介していく。

 

「もちろん、スモモ機能も搭載。乗り場のICパネルにタッチして、交通機関を利用することもできる。それにNFC機能も付いているから、コンビニペイだって使えちゃう…」

 

((い、要らない…))

 

「あれ、アリスちゃんは?」

 

拳銃にしては多機能で必要のないものばかりのソレにモモイとミドリの心は一つになった。そしてとうのアリスは興味をなくしたのか他の場所へ行ってしまった。

 

「あ、あそこ…」

 

(じーっ…)

 

アリスはヒビキの説明を抜け出し、何やら大きな機械を見つめている。余程興味を引かれたのか、立ち止まりただただその機械をじーっと見ていた。

 

 

 

 

 

「これは…?」

 

「ふっふっふっ…お客さん、お目が高いですね」

 

「え、えっと…?」

 

「説明が必要なら、いつでもどこでも答えをご提供!エンジニア部のマイスター、豊見コトリです!」

 

アリスが目の前の機械を見ていると、もう一人のエンジニア部員が現れる。彼女はコトリといいエンジニア部随一の知識量を誇る。

 

「あなたがアリスですね。ゲーム開発部、4人目のメンバー!」

 

「よぉコトリ、またディセプティコンの情報が欲しけりゃ手伝うぜ。ところで、これは何だ?随分大層なもん作ったじゃねえかよ」

 

コトリは元気よくアリスに挨拶する。コトリと協力して色々やっているブレインズが近づいてきて、コトリに目の前の機械のことを聞いた。

 

「良い質問ですね、ブレインズ。これはエンジニア部の下半期の予算、その内の約70%近くをかけて作られた…エンジニア部の野心作、“宇宙戦艦搭載用レールガン”です!!」

 

「宇宙戦艦なんて、俺たちがいれば余裕だろうがよ」

 

「わかってませんね!!自分で作らなければ意味がないでしょうが!!」

 

ブレインズは宇宙戦艦という言葉に引っかかり、コトリにそう問いかける。だが、コトリはエンジニアのプライドとして自分たちで宇宙戦艦を作るという意志をブレインズたちに告げた。

 

「だが結局下半期の予算を7割も使って主砲一つだからな。宇宙戦艦を自前で作るとなるとこれの何千倍の予算が必要になる。というわけで、これは封印中なんだ…」

 

「そんなことちょっと考えればわかるじゃん!!何で主砲だけ作っちゃったんだよ!!」

 

だが結局宇宙戦艦への道は予算的にはまだまだ厳しいらしい。ウタハはそんな現状を悲しく説明した。しかし、そんなエンジニア部の行動をモモイは理解できないようだ。

 

「まったく、愚問だなモモイ。ビーム砲はロマンだからだよ!!」

 

((コクコク))

 

モモイの質問に対し、ウタハは自信満々にそう答えた。それに追従して、ヒビキとコトリも同じく頷く。エンジニア部は技術とロマンを持った組織なのである。

 

「まぁ、宇宙戦艦のことは置いておいて。我々でも使い道を探したのだがね、結局倉庫で埃を被っている有様だ」

 

「このレールガンはディセプティコンのリーダーメガトロンのフュージョンカノンを参考にして作られているんだ。あの威力をこの大きさの武器で再現するまでは上手くいったんだけどね、これをトランスフォーマーに取り付けるには片腕を交換して、これごと取り付けなければならないんだ…」

 

「マジかよ…」 「フュージョンカノンって…あれ相当な威力が出るシロモノだろ」

 

そばで見ていたキューとホイルジャックがレールガンについて補足をする。フュージョンカノンとはメガトロンが両腕を変形させ放つ、超高火力砲である。あのメガトロンですら発射するとのけぞってしまうほどの威力を誇る。エンジニア部はそれを自前で作ってしまったのだ。

 

「そう!!フュージョンカノンに対抗するために作られた、我らが超兵器!!」

 

「「「光の剣:スーパーノヴァ!!!!」」」

 

バァァァァーーーーーーーン!!

 

エンジニア部の掛け声とともにどこからともなく、爆発音が鳴る。これもエンジニア部の開発した発明品による演出である。

 

「バカだ!頭良いのにバカの集団がいる!」

 

「また無駄に大袈裟な名前を…」

 

「・・・!!」

 

エンジニア部のそのテンションにモモイとミドリは引いている。だがアリスはその光の剣というネーミングに目を輝かせていた。

 

「ひ、光の剣:スーパーノヴァ…!!わぁ…うわぁ!!」

 

「あ、アリスの目が輝いている…」

 

「アリスちゃんがこんなに興奮してるの、初めて見たかも」

 

アリスはその巨大な主砲を見て今まで誰も見たことがないほど、興奮していた。どうやら、光の剣というネーミングが余程気に入ったらしい。

 

「これ、欲しいです!!」

 

「…えっ!?」

 

「偉大なる鋼鉄の職人よ、あの龍の息吹が欲しいのだ」

 

そしてアリスは光の剣が欲しいとエンジニア部にねだる。それを聞いた彼女たちは、驚いたあと、気まずそうに視線を下げた。

 

「気持ちは嬉しいがね、お嬢ちゃん。こいつは戦艦の主砲用だ。君では武器として使うことはできんだろう」

 

「基本重量140kg以上。さらに光学標準器とバッテリーを足したうえで砲撃を行えば、瞬間的な反動は200kgを超える。これを装備できるのはそれこそオプティマス・プライムやメガトロンといった強者だけだろう」

 

キューとホイルジャックはアリスにこの武器が何故、彼女にあげられないのかを説明する。トランスフォーマーですら使うのに難儀する代物である、アリスでは使えないのは当然と判断したのだろう。

 

「これをカッコいいと言ってくれただけで、私たちは嬉しいよ。ありがとう。持って行けるのならば、本当にあげたいところなのだけど…」

 

「・・・。汝、その言葉に一点の曇りもないと誓えるか?」

 

「えっ?あぁ…うん」

 

ウタハはアリスに申し訳なさそうにそう言う。だが、直後アリスはウタハにそう言い放った。そして、光の剣の元へ近付き、それを掴む。

 

「この武器を抜く者…此の地の覇者となるであろう!!」

 

(グッ)

 

「無理はしないほうがいい…クレーンでも使わないと持ち上がらな…」

 

「んんんんっ…!」

 

エンジニア部は持ち上がるはずがないと思い、アリスに無理をしないよう伝える。だが、そんな心配をよそにアリスは光の剣を持ち上げていく。

 

「おいおい…」 「マジかよ」 「こりゃもしかすると…」 「何者なんだよアリスは…」

 

「アリス…。実に不思議な少女じゃ」

 

「まったくです。僕も驚きました」

 

その姿を見守っていたミニボットたちとツインズは、その有り得ない光景を見て、アリスに釘付けになる。後ろに控えていたキューとホイルジャックも呆然とただアリスの姿を見ていた。

 

グググググッー!!

 

「も、持ち上がりました!」

 

「嘘…信じられない…」

 

「まさか本当に持ち上げるだなんて…」

 

「び、びっくりです」

 

そして遂にアリスは光の剣を持ち上げる。その姿をみてエンジニア部はそれぞれ信じられないものを見るような眼でそれぞれ見ている。とうのアリスは伝説の剣を抜いたかの如く、光の剣を掲げていた。

 

「えっと…Bボタンはここでしょうか…」

 

「あっ、ちょっとまっ!!」

 

「光よっ!!!」

 

ズドォォォォォォォン!!!

 

アリスは光の剣に付いていた一つのボタンを押す。すると、光の剣が起動し天井に向けてレールガンが放たれた。

 

「「「「「「ほわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」

 

「こいつは強力すぎる…。アリス、この武器を装着します!!」

 

天に向かって放たれたレールガンはエンジニア部の部室の天井をぶち破り、太陽を覗かせるに至る。その光景をみた一同は驚きで意味のわからない声をあげていた。

 

 

 

 

 

「ほ、本当に使えるなんて…で、ですがそれだけは、その…予算とか諸々の問題で、できれば他のでお願いしたく…」

 

「いや、構わない。持っていくといい」

 

コトリは光の剣のためにかかった予算や労力のことから、アリスに光の剣を渡すのを渋っていた。しかし、部長であるウタハはアリスに光の剣を渡すことを了承する。

 

「ウタハ先輩…本当にいいんですか?」

 

「ああ。どちらにせよ、この子以外には使えないだろうからね。ヒビキ、アリスが持ち運びやすいように、肩ひもと取っ手を作ってあげてくれ」

 

「分かった」

 

ヒビキはウタハに頼まれて、戦艦の主砲から人間の大型武装にするべく、肩ひもと取っ手を付けるのであった。

 

 

 

 

 

「さて、アリスの武器の加工が完了したところで…。ヒビキ、以前に処分要請が出されたドローンとロボットを全機出してくれ」

 

「了解」

 

「えっと…ウタハ先輩?なんだか展開がおかしいような…」

 

アリスの武器を加工し、ヒビキがアリスに使い方をあらかたレクチャーしたところで、ウタハは唐突にそんなことを言い出す。ミドリは話が読めないようで、ウタハに恐る恐るそう問いかける。

 

「これってもしかして、“そう簡単に武器は持って行かせない!”ってパターンじゃない!?」

 

「その通りさ。その武器を本当に持っていきたくば…」

 

「私たちを倒してからにしてください!」

 

「それでは」 「我々も」

 

エンジニア部はアリスと光の剣の性能テストがしたいようで、ノリノリで立ちふさがってきた。なんとキューとホイルジャックも参戦する気満々である。

 

「といっても我々の役割は盾持ちだ。コイツにフルパワーで打ち込んでくれたまえ」

 

「俺たちも参戦させてもらうぜ」 「いいだろ?」

 

「良いよ、君たちでゲーム開発部だ。アリスと共に戦うこともあるだろうからね」

 

「「よっしゃ!!」」

 

ツインズもやる気十分である。ゲーム開発部の前にたってすでに銃を構えていた。

 

「ああもうっ!!」 「こうなりゃヤケだー!!」

 

「前方に戦闘型ドローン及びロボットを検知、適性反応を確認。来ます!!」

 

ゲーム開発部とツインズたちによるエンジニア部開発の機械たちを相手の性能テストが始まるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はぁ…はぁ…」」

 

「いよっしっ!!」 「全部ぶっ倒してやったぜ!!」

 

性能テストが終わり、モモイとミドリはへとへとになっている。一方のツインズたちは一暴れしてスッキリしたといったところか。

 

「う~ん」 「アイタタタ…」

 

「ほわぁぁ!!今度は壁がぁぁぁ!!」

 

一方のキューとホイルジャックはアリスの光の剣の威力を盾では受け止めきれず、部室の壁まで吹っ飛ばされていた。さらには、壁すらもぶっ壊し、部室棟に2つ目の大穴を開ける始末である。その有様を見てコトリは再び絶叫していた。

 

「素晴らしい。その光の剣はアリス、まさしく君のものだ」

 

「わぁ、わぁっ…!!」

 

アリスはウタハに正式に光の剣の所有を認められる。それを聞いたアリスは喜びながら、光の剣に抱き着き、その銃身を撫でていた。

 

「ふぅ、とりあえず良かった」

 

「喜んでくれると、頑張った甲斐があったってもんよ…」

 

モモイとミドリはアリスの喜びようを見て安堵する。その眼差しは娘を見るようであった。

 

「・・・・・・。」

 

(最低でも1t以上と推定される握力、発射時にもブレない安定した体幹バランス、強度や出力はもちろん、肌全体に傷すら見当たらない綺麗な肉体…いや、機体。つまり、最初から厳しい環境での活動を想定し、ナノマシンによって“自己修復”することを前提として作られた体…。その目的はきっと…“戦闘”、だな)

 

アリスの異常な身体能力を見て、ウタハは彼女が人間ではないことに気付く。そして彼女が何のために作られたかの見当もついていた。

 

「アリス、君はいったい…?」

 

ゲーム開発部と一緒にはしゃぐアリスの姿を見て、ウタハは1人そう呟いた。




司令官がサイコガン・プライムになってた可能性...

アニメ先生いい顔と声してましたね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。