TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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正直ミレニアムタワー内での戦闘になるからTFを十分に活躍させられねぇ...
その分後編では出番沢山あるでしょ!!


メイドと銃とトランスフォーマー(後編)

ミレニアムタワーの厳重なセキュリティをエンジニア部とヴェリタスの協力によって突破したゲーム開発部は、現在何者かに狙撃されていた。

 

ズドォォォォォン!!!

 

「やっぱり来たな…ケツのデカい角楯カリン!!」

 

「今その情報いるか?」

 

「ホィーリーが探知して伏せろって言わなかったら、お姉ちゃんのおでこにクリーンヒットだったね…」

 

ミニボットたちは自分たちを狙撃している存在に心当たりがあるようで、C&Cのカリンの名を挙げる。彼女の狙撃は正確無比なようで、ホィーリーが知らせなければモモイに命中していたようだ。

 

「とにかく柱の裏にでも隠れて…」

 

「いや、このまま突っ切るぞ。遮蔽物に隠れたところでぶち抜かれるだけだ。それなら、的の小さい俺らがちょこまかと動いていた方が良い」

 

「次来るぞ!!伏せろ!!」

 

「「…っ!!」」

 

ズドォォォォォン!!!

 

モモイは一度隠れることを提案するが、ホィーリーはカリンの砲撃の威力を見て、隠れるのは下策であると判断した。長生きかつ、元ディセプティコンであるため、こういう時の判断力はキヴォトスの人間たちよりも彼らのほうが一枚上手である。

 

 

 

 

ミレニアムタワー・屋上

 

「流石の狙撃技術だな。あれを喰らったら俺らでも危ういぞ」

 

「『強力』『正確』」

 

ミレニアムタワーの屋上で待機していたジャズとビーはカリンの狙撃に目を見張る。ミニボットたちと同様に彼女の狙撃の威力を正確に評価しているようである。

 

「以前カリンに声を掛けたらサイドスワイプにキレられたんだけど、どうしてかな?俺は彼女とお話したかっただけなんだけどなぁ」

 

バコンッ!!

 

「痛っ!?おい、一応上官だぞ!?」

 

また女子生徒を口説いていたことを暴露したジャズをビーは思い切り叩く。一応はオプティマス・プライムに次ぐ副官であるのだが、ジャズの女癖にはオートボットのみんなは呆れているのである。

 

 

 

 

 

ミレニアム・第三校舎屋上

 

「やっぱりユウカの言っていた通り、あのミニボットとかいう小さいヤツ…侮れないな」

 

ガチャン!!

 

「けど、次は100%命中させる」

 

「それはどうかな?」

 

一方第三校舎屋上でゲーム開発部たちを狙撃するカリンは、ミニボットたちの探知と判断力に舌を巻いていた。しかし、彼女は気を取り直してリロードすると、彼女たちを仕留めるべく銃を向ける。だがその時である。何者かがカリンの元へ近付いてくるのであった。

 

「誰だ!?」

 

ウィーン、ガシャン

 

「…は?」

 

唐突に声を掛けられて驚いたカリンは、声がした方向へ振り返った。すると、謎のイス型ロボットが近くで動いており、これには彼女も困惑するしかなかった。

 

ダダダダダッ!

 

「なっ、何だそれは!?」

 

「紹介しよう。エンジニア部の新作、全ての天候に対応可能な二足歩行型戦闘用の“椅子”、雷の玉座…通称“雷ちゃん”さ」

 

「なんで椅子を歩かせ…それに、カタパルトまで付いてる!?」

 

攻撃してきたソレを、カリンは困惑しながら対処する。そしてそのロボットに腰掛けながらウタハは雷ちゃんをカリンに紹介するのであった。

 

「この“雷ちゃん”の魅力を理解してもらえないとは、残念だね…」

 

「理解はできないけど、およそ把握はできた」

 

“モットワタシニタヨッテイイノヨ!!”

 

「しゃ、しゃべった!!」

 

「ふっ、彼らのようにはいかないが…いずれは意志の疎通も可能にしてみせるさ」

 

ウタハは雷ちゃんに戦闘機能だけでなく、おしゃべり機能まで付けたようだ。だが、それを見たカリンの困惑はますます加速していくのであった。

 

「ずっと、気になってはいたんだ。どうしてゲーム開発部が、ミレニアム生徒会のセキュリティを突破して、ここまで来ることが出来たのか。…あなたたちが、あの“先生”に協力してたのか。やはりヒマリの情報も、私たちを混乱させるための罠だった…?ということは…」

 

ズドォォォォォン!!

 

「雷ちゃん!」

 

カリンはウタハが出てきたことで、ゲーム開発部の異常なまでの突破率に納得する。そしてその後、カリンは何やらヒマリのことについて呟くと、雷ちゃんに向かって銃弾を撃ち込んだ。

 

“イッタァ”

 

「なるほど。これで貫通しないとは、丈夫にできているな…何か転んで、足をバタバタさせてるけど」

 

「結構頑丈に作ったんだが…やるね」

 

雷ちゃんはカリンに撃たれてひっくり返ってしまった。その姿を見て、ウタハは改めてカリンの強さを正しく理解する。

 

「銃を撃つ椅子か…面白い。だけど、私を本気で止めるつもりなら、奇襲で来るべきだった。その“椅子”があるとはいえ、正面から挑んで来るなんて…それは計算ミスだろう、ウタハ。遮るものも無いこんな広い屋上で、私に正攻法で勝てるとでも思ったのか?」

 

「君の言う通りだ、ここには遮るものは何もない…そう、天井すらもね」

 

「?」

 

エージェントであるカリンとエンジニアであるウタハではカリンのほうが圧倒的に分がある。カリンは遮蔽物の無い場所で自分と一対一で対峙するウタハの行動に対し、計算ミスであると指摘する。だが当のウタハは何か考えがあるようで、唐突に空を見上げる。

 

フォン―

 

「…この音は!?」

 

ドゴォン!!!

 

「まさか、曲射砲!?いったいどこから!?」

 

「うちのヒビキがミレニアムタワーの反対側から、ね」

 

そしてウタハが空を見上げた瞬間、カリンの元へ砲撃が飛んでくる。ウタハが1人でこの場所へ乗り込んできたのは、ヒビキの砲撃術を最大限に活かすためだったのである。

 

「そして、君がヒビキを狙撃するためには、幾つもの壁や天井を貫通させなきゃいけない。君も同じように、曲射でもしない限りはね。それとも、屋上にいる彼らに撃ち落としてもらうのかな?でも残念ながらそれも対策済みだよ」

 

「何?」

 

ヒューーーーン!!!

 

ヒビキの曲射に対応しているカリンを、ウタハは雷ちゃんを起こして反撃する。そしてどうやら、屋上で待機しているジャズとビーに対しても何らかの対策を取っているようで、屋上に向かって何かが飛来していくのをカリンはただ見送るしかなかった。

 

「くっ…!?」

 

「ふふ、もう一度言ってあげようか?計算通りだ」

 

 

 

 

 

ミレニアムタワー・屋上

 

ヒューーーーン

 

「曲射か…考えたな」

 

「『撃ち落とせ!!』」

 

「そうしたいところだが、どうやらそうも言ってられないようだな」

 

ガチャン!!

 

屋上からヒビキの見事な曲射を見ていたジャズとビーだが、こちらに何かが近づいているのを自前のレーダーで感じ取る。その向かってくる何かに備え、ビーとジャズは顔のマスクを下すのであった。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

「うおっ!?あいつらここまで飛んでくるつもりかよ!!」

 

「『アビドス』『オプティマス』」

 

「なるほどな。キューとホイルジャックあたりが、アビドスでオプティマスが装着したブラスターを参考に作ったってとこか。来るぞ…」

 

「『いつでも』『かかって来い!!』」

 

ズドォォォォォン!!!

 

ミレニアムタワーの屋上目掛けて飛んで来たのはツインズたちである。アビドスで先生と共に戦ったビーは、ツインズのバックパックを見てすぐにオプティマスのものを参考にしたことを理解した。

 

「痛てててて…」 「着地がままならねぇじゃねぇかよ…クソッ!!」

 

「よぉ、スキッズにマッドフラップ。ここに入り浸るのもいいが、本来の使命を忘れるなよ?」

 

「うるせぇ、女たらし!!」 「お前も人のこと言えたことか!!」

 

「・・・」

 

屋上の床に激突したツインズたちは、痛みを和らげながら立ち上がる。そんな彼らにジャズは声をかけるが、お馴染みの罵倒で返される。女子生徒を誑かしているのは事実なので、これにはビーも呆れ顔である。

 

「まったく誰だよ?こんな噂流したの…。これじゃあ副官が形無しじゃねぇかよ」

 

「いや、事実だろ」 「俺もミレニアムで女子をナンパしてたの見たぞ」

 

「いや…あれはだな…」

 

「『言い訳無用!!』『真面目にやれ!!』」

 

バコン!!

 

「痛っ!?」

 

オートボットたちから舐められて呆れられている現状をジャズは嘆く。それを事実だとツインズに指摘されたジャズは言い訳をしようとするが、ビーに叩かれて中断された。

 

「と、ともかく。オートボットとしての正式な活動じゃないにしろ、こっちも依頼なんでね。大人しくしててもらうぜ」

 

「『Fight』」

 

バキュン!!ズダダダ!!

 

「おっと」 「あぶねっ」

 

ビーはブラスターを、ジャズはマシンガンをそれぞれツインズに向かって打ち込む。ツインズはその小柄ゆえのすばしっこさを活かして彼らの攻撃を避ける。

 

「だが結局、お前らどうするつもりだ?こんなところで来たところで“鏡”は取り返せないし、俺たちには勝てないと思うんだが」

 

「それはどうかな?」

 

「フッ…まぁ、エンジニア部とキューたちがいるんだ。何かしら玩具くらいは用意してきたか」

 

ズダダダ!!ズダ!!ズダダダダダダ!!

 

ジャズの指摘に対し、スキッズは不敵な笑みを浮かべながらそう答える。その反応を見たジャズは何かしらの思惑があるのを感じ取り、スキッズにマシンガンを撃ち込んだ。

 

バキュン!!ズシュン!!

 

「『無駄』『投降しろ!!』」

 

「誰がするかよ!!」

 

ジャズとスキッズが対峙している一方で、ビーとマッドフラップの攻防を激しさを増す。マッドフラップに攻撃が当たらないビーは苛立ちを募らせているようだ。

 

「それじゃあ」

 

「そろそろ新兵器のお披露目といこうかね」

 

ガチャン!!ギゴガゴゴ!!

 

「?」 「何だ、盾か?」

 

ツインズは左腕を掲げると、一部が変形して丸い盾のような物が変形して現れる。ジャズとビーの反応はどこか拍子抜けであった。

 

「でもただの盾じゃねぇぞ」

 

「何だと!?」

 

キュィィィィン!!!

 

盾を展開した後、ツインズは何やら裏側にあるスイッチを押す。すると、盾の内側から八枚の刃が飛び出し、回転しだす。そう、ツインズたちのためにエンジニア部とキューたちが作った攻防一体の兵装…その名も『FATALITY』である。

 

「そう言えばお二人さん?差押品保管所って最上階にあるんだってなぁ?」

 

キュィィィィン!!!

 

「なるほど…そいつでここの床ぶち抜いてセキュリティシステムなんか関係無しに“鏡”を奪おうってか」

 

「ご明察だぜ、女った…副官殿」

 

「今女ったらしって言おうとした?」

 

ツインズたちを屋上に送った目的は、エンジニア部の新兵装『FATALITY』のチェーンソーを使って屋上から侵入し“鏡”を奪い取ることである。中と外二つの方向から攻めることにより、作戦の成功率を上げるのが狙いである。

 

「さぁ」 「始めようぜ」

 

「「・・・」」

 

 

 

 

 

ミレニアムタワー内部

 

「狙撃が止んだ…」

 

「ウタハ先輩たちとツインズがうまいことやってるんだ!今のうちに急ごう!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

「何だ!?」 「地震か!?」

 

カリンからの狙撃が止み、モモイたちは“鏡”に向かって進みだす。だがその時、どこからともなく地響きの音が聞こえてくる。

 

「・・・」

 

「くぅ…講義はまだ、終わって…!」

 

「ひーっ、死ぬかと思った!一体どこでそんな大量の爆弾を隠してたのさ…!」

 

謎の揺れと轟音の正体は、閉じ込められていたアカネが原因のようだ。彼女は自慢の爆弾でシャッターを強引に突破しようとしていた。

 

「ふぅ、あまり学校の施設を壊したくないのですが…。ユウカ、申し訳ないですがシャッターは無理矢理破壊しました。ゲーム開発部の現在の位置は?」

 

“さっきまでカリンが足止めしてたけど、見失ったわ。けど…どこに向かってるのかは分かる”

 

「“鏡”がある、生徒会の差押品保管所ですね。では、すぐにエレベーターでそちらへ向かいます」

 

シャッターをぶっ壊したアカネはユウカにゲーム開発部の所在を尋ねる。ユウカはどうやら彼女たちの居場所を見失ったようだが、結局向かう場所は一つしかないので、アカネは差押品保管所へ急ぐのであった。

 

ピピッ

 

「どうしました?ユウカ?ユウカ??まさか…電力を遮断!?くっ、ここまでするとは…!!」

 

だが、アカネが動こうとした瞬間にミレニアムタワーの電力が落ちる。アカネは彼女たちのその異常な行動力に戦慄していた。

 

「さっきの停電、ウタハ先輩とヒビキの策が成功したってことだよね?」

 

「うん、そのはず。あとはここさえ抜ければ…」

 

「もう生徒会の差押品保管所だな」

 

「ふぅ~ようやくだぜ…」

 

一方のゲーム開発部は差押品保管所の目前まで迫っていた。ここまで辿り着いた彼女たちは、ようやく一安心といったところである。

 

「お、やっと来たね!」

 

「「!?」」

 

「どこにも居ねぇと思ったら…」

 

「相変わらず恐ろしい直観だぜ…」

 

だが、彼女たちの前にとある人影が現れる。声を掛けられたモモイとミドリは完全に油断していたため、驚いてビクッと肩を震わせる。ミニボットたちは人影の正体がわかったようで、その直感力に驚愕していた。

 

「遅かったねー、だいぶ待ってたよ~。ようこそ、ゲーム開発部!それに、えっと…先輩、だっけ?あ、違う違う、思い出した!”先生”だ!」

 

「あ、アスナ先輩…」

 

「ずっと会えるのを楽しみにしてたんだよ~?あ、ミニボットたちもやっほ~」

 

「「お世話になっております!!!!」」

 

ゲーム開発部を待っていたのはここにいない美甘ネルを除いて最後の1人である一之瀬アスナである。どうやら先生に会いたかったようで随分はしゃいでいる。そして、アスナに声を掛けられたミニボットたちは彼女に大声でお礼をした。その理由はミニボットたちのセクハラまがいの行動を彼女は笑顔で「面白い」と言って受け入れてくれるからである。ちなみにユウカに見つかって半殺しにされた。

 

「あ、アスナ先輩!?どうしてここに!?」

 

「どうしてって言われても~…何となく?予感とか直感とかそういうのってあるでしょ?ここで待ってたら先生にも、あなたたちにも会えるんじゃないかなー、って。そんな予感がしてたから!」

 

「難しい言葉じゃないのに、全然何言ってるか分からない…」

 

ミドリが何故ここが分かったのかを聞くと、アスナは何となく会えると思ったからと答える。それを聞いたミドリは何が何だかわからず困惑しきっていた。

 

「さっ、じゃあ始めよっか?」

 

「えっと、念のために聞くのですが、何を…?」

 

「戦闘を!私、戦うのが大好きなの!あ、そうだ。先生にはまだ自己紹介してなかったね。C&Cコールサイン・ゼロワン、アスナ!行くよっ!」

 

「「「「や、やっぱりぃ!!」」」」

 

ここまでセミナーの人員を蹴散らす程度の戦闘くらいで、楽々進んできたゲーム開発部だったが、ここにきて強敵とのバトルが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

ミレニアム・オペレーションルーム

 

「差押品のロボットを全部出して!本当なら塗装し直して、学校の掃除用ロボットとして使おうかと思ったけど…背に腹は代えられない、今は侵入者たちを撃退するのが先!」

 

「ふぅ、ゲーム開発部の娘たち…ここまでするなんて思いもよらなかったですよ」

 

「ノア、大変だったわね。さて、メイド部の命令を聞くように、全機プログラムを変更したわ、アカネ!」

 

“承知しました。ロボットも使わせてもらって、あらためてゲーム開発部を”お掃除“します”

 

アカネを閉じ込め、カリンを封じ込め、差押品保管所へ迫るゲーム開発部にユウカは怒り心頭である。差押品のロボットを出してまで止めようと必死であった。ノアもようやく脱出できたようで、オペレーションルームに戻って来た。ロボットの援護を受けてアカネはゲーム開発部たちを追うのであった。

 

ミレニアムタワー内部

 

「うわぁぁ!!」 「で、でたらめに強い…!」

 

「勘とか直感で動いてやがるから、予測できねぇ」 「流石はエージェントだなチクショウ!!」

 

「ふ~ん…♪」

 

数的有利であるにもかかわらず、ゲーム開発部はアスナに押されている状況である。そして当のアスナは能天気に鼻歌を歌いながら戦っている様である。

 

(思ってたより、全然悪くない。お世辞にも戦闘能力がすごいとは言えないけど…。チームワーク…って言って良いのかな。まるで、二人で一人みたいな動き。その点においては、間違いなくベテラン級の…)

 

「双子のパワーってやつかな。良いじゃん良いじゃん!」

 

「くぅっ、まさかここでアスナ先輩と出くわすなんて…」

 

「おい、一旦退くぞ!」

 

「うん、仕方ない…!」

 

お気楽に戦っているように見えて、アスナはゲーム開発部の戦力をきっちり分析している。ホィーリーはこのままでは押し切られると考え一時撤退の指示を出す。

 

「そうはさせないよっ!」

 

ドカァン!!!

 

「うわっ!?」 「大口径弾!?何で!?」

 

「ウタハがやられたのか!?」 「カリンもやっぱり手強いな…」

 

ゲーム開発部たちが逃げようとすると、建物外から飛んで来た大口径弾に阻まれる。その狙撃術を見てミニボットたちはカリンのものだとすぐに察する。

 

 

 

 

 

ミレニアム・第三校舎屋上

 

「どうして私は、横になって…それに、この大きなお尻は一体誰の…?」

 

「…大きくて悪かったな。結構キツイところに当たったはずだけど…思ったより早いお目覚めだ」

 

第三校舎屋上では、カリンがウタハに跨りながらゲーム開発部たちを狙撃している。ウタハはどうやら気絶していたようで、目の前にカリンの尻があることに困惑していた。

 

「…ごめん、手加減する余裕は無かった」

 

「まさかヒビキの攻撃の中でも、正確に私を狙撃できるなんてね。それに、君がこうして私のすぐそばにいるのは…」

 

「そう。この状態なら、先輩思いの彼女はまさか撃ってこないだろう」

 

カリンもどうやらウタハとヒビキには手こずったようで、手加減無しで狙撃したようだ。そして、ヒビキに自身を撃たせないためにウタハに跨っていた。

 

「そして、ツインズたちも私が狙撃した。背中を狙うのは正直卑怯だとおもうけど、これも戦いだからな」

 

ミレニアムタワー屋上

 

「う~ん…」 「イタタタタ…」

 

「やれやれ…手こずらせやがって、お前たち」

 

「『作戦終了』」

 

ミレニアムタワー屋上ではカリンの言う通りツインズたちはカリンに背後から狙撃され、屋上の床に伸びていた。ジャズとビーはカリンに救われた形でツインズたちに勝利した。

 

「はあ、これは計算外だった。あの砲撃の中で、どうして私のことを正確に狙えたんだい?」

 

「視覚でしか敵を捕捉できないような狙撃手なんて、C&Cにはいない。それより、あまり離れないでほしい。余計なことをしても、身体を痛めるだけだ。私も心が痛む」

 

「ほんの少しで良いから離れてもらえるかい。この状態だと君のお尻が近すぎて、ちょっと困る」

 

「そっちが背を向ければいいだろう!?」

 

場所は再び第三校舎へと戻ると、ウタハはカリンに何故自分を狙えたかを問うていた。その問いに対しカリンは、人間離れした方法を答えるのであった。

 

 

 

 

 

ミレニアムタワー内部

 

「ハレから連絡が来た…。ウタハがカリンに捕まって、ツインズたちは背中を撃たれたらしい」

 

「やっぱりか…。カリンが自由に動けるようになっちまったらツインズのほうもそりゃ撃たれるわな」

 

「あっ、マキからも連絡!アカネ先輩がシャッターを爆発させて脱出したみたい!同時に、すごい数のロボットがこっちに向かってきてるって…!!」

 

「ええっ!?」

 

アスナに足止めを喰らっているゲーム開発部たちはハレからカリンが復活したとの連絡を受けるが、すでに銃弾を撃ち込まれているのであまり意味のないものになっていた。さらにはアカネとロボットがこちらに向かってくるという報告を受け、ミドリは涙目になっていた。ここにきて、ゲーム開発部は絶体絶命の危機に陥っていた。

 

「あははっ、何が何だか分からないけど、私たちが優勢って感じ?もしかして、もうそっちの計画は失敗寸前かな!」

 

「ううっ…!」 「失敗…」

 

「…いいや。まだ失敗じゃねぇよ」

 

 

 

 

 

ヴェリタス部室・作戦開始15分前

 

「駄目だ…どうしても手詰まりになる。アスナ、カリン、アカネを封じ込めても、長くは持たねぇ。どこか一つでも失敗したら作戦失敗だ…。これ以上成功率を上げられねぇぜ」

 

「ラヴィッジとレーザービークは…ダメだ、C&C相手じゃ弱すぎる。精々援護に回るのが精一杯だ。どうしても全員捕まっちまう…」

 

作戦開始を直前に控え、ホィーリーとブレインズは最後の詰めを行っていた。彼らの分析通りC&Cは手強く、作戦成功のヴィジョンが見えない状態であった。

 

「はぁ…やれやれ。貴様らそれでも元ディセプティコンか?まったく情けない」

 

「「サウンドウェーブ」」

 

「貴様らは何故、全員で生還する方法まで考えているのだ?俺たちの目的は“鏡”を奪還することだ。ここに誰か一人でも“鏡”を持って帰れれば俺たちの勝ちだ。まったく平和ボケも大概にしろ」

 

「あっ!?」 「なるほど、そうか!!」

 

全員で作戦を成功させようとするミニボットたちに対し、サウンドウェーブは呆れながら口を出す。こちらの目的は“鏡”を取って来ることなので一人だけで帰ってきても作戦は成功なのである。

 

 

 

 

 

ミレニアム・生徒会所有の反省部屋

 

「…あっ」

 

この反省部屋に運ばれていたのは、最初に強引にエレベーターを突破しようとしたアリスである。生徒会の人間たちはすでにアリスは戦線離脱していると思い込んでいるが、ミニボットたちの仕込みで彼女に最初の囮以外の役割を与えたのである。

 

「電力遮断、このイベントが起きたということは…」

 

ガチャン

 

「EMP発動…ハレ先輩のハッキングを使った設定の変更…。タワーの電子式の扉を自由にできる、シャッターにしたのと同じ方法…把握しました。アリス、脱出します!!」

 

ハレのEMPショックにより、扉の制御権はヴェリタスの元へと渡る。それを合図にアリスは反省部屋の鍵が開き、アリスは動き出すのであった。

 

「ここからの、アリスのクエストは…まず、生徒会の差押品保管所に向かうこと」

 

 

 

 

 

ミレニアムタワー内部

 

「私たちが派手に暴れれば暴れるほど、一度閉じ込められたアリスへの警戒は薄くなるはず…。それに、もしこのタイミングで私たちが捕まっても謹慎ぐらいだったら、部室でこっそりG.Bibleをみながら『テイルズ・サガ・クロニクル2』が作れる」

 

「うーん、何の相談かなー?ちょっとずつ必死さが無くなってる気がするけど…まさか諦めたわけじゃないよね?」

 

「この状況なら、諦めた方が賢明だとは思いますけどね」

 

「うっ、ユウカ!」

 

モモイたちが小声で相談していると、アスナは不思議そうにこちらを探る。そんなふうにこの場所で足止めを喰らっていると、遂にユウカがオペレーションルームから降りてやってくる。

 

「久しぶりね。とりあえず、ここまで状況を引っ掻き回したことについては褒めてあげる。それについては本当に驚いたわ。でもそれはそれ、これはこれ…こんなありとあらゆる方法を使ってまで生徒会を襲撃するなんて、やり過ぎよ。猶予を与えたこと言い、ちょっと甘すぎたのかしら。」

 

「うっ!!」 「くっ!?」

 

「もう悪戯じゃ済まされないわよ。無条件の1週間停学か、拘禁くらいは覚悟した方が良い」

 

「停学!?」 「拘禁!?」

 

「1週間も拘禁されたら、ミレニアムプライズに間に合わねぇ!!」

 

ユウカはゲーム開発部たちの一連の行動に驚きながらも感心していた。だが、それはそれとして、彼女たちのその埒外な行動力に怒り心頭であった。ユウカはゲーム開発部たちに1週間の停学か拘禁を言い渡す。ゲーム開発部たちはそれを聞いて何やら絶望をしているが、これだけのことをやらかして、この程度で済むあたりまだまだダダ甘である。

 

「アリスちゃんも、今は反省部屋に入ってもらってるわ。一人だけで可哀想だったけど、あなたたちが来ればきっと喜ぶでしょう」

 

「このままじゃ…たとえ“鏡”を奪えたとしても、アリスとユズだけじゃゲームを作れない…。どうにかして、突破しないと!」

 

「突破?へえ、私たちを?」

 

「ふぅ、やっと着きました…。こんなに息が切れるなんてまさか、本当に体重が…いえ、そんなはずは…」

 

「「うぇぇ!?」」

 

1人だけでも突破できればいいと思っていたモモイだったが、思い直すとアリスとユズだけはゲームは作れないため、何とかして突破を試みる。しかし、非情なことにアカネもこの場所に辿りついてしまい、彼女たちは絶体絶命に陥ってしまった。

 

「始めましてモモイちゃん、ミドリちゃん。ここまで入り込んできてしまったあなたたちに、もう言い訳の余地はありませんよ。それに…」

 

“な、何かな…”

 

「先生も、シャーレに抗議文くらいは送らせていただきますので。ご承知おきくださいね」

 

“リンちゃんに叱られる!!”

 

「バカ!!大人だろ」 「しっかりしろ!!」

 

ゲーム開発部たちにしてやられたアカネも、どうやらお怒りのようで、彼女たちだけでなく先生にも矛先を向ける。ユウカもそれに同調して抗議すると、先生はリンに怒られる姿を想像して頭を抱えるのであった。

 

「ここで、本当に…?嫌だ…っ!」 「お姉ちゃん…っ!」

 

「クソッ!!万事休すかよ!?」

 

「ごめん、ごめんね先生…先生は色々助けてくれたのに、私たちの力不足で…私たちのせいで…!!」

 

“諦めないで”

 

「そうしたい、けど…もう無理だよ。前にはC&C、後ろにはミレニアムの生徒会…ミレニアムでもトップレベルに強力な二大勢力。こんな状況で、いったいどうしたら…!」

 

追い詰められたモモイはとうとう泣き出してしまう。そんなモモイを慰めるように諦めないよう言うが、彼女はもう心が折れていた。

 

「ターゲットを確認」

 

ウィーーン……

 

「魔力充電、100%」

 

「こ、この音は…」 「お姉ちゃん、伏せて!」

 

「?」 「ん?」 「…?」

 

モモイたちが諦めて膝をついていると、エレベーターが動き出す。ミドリはその正体に気付いたのか伏せるように促す。一方生徒会の面々は何が起こっているのかわからず、困惑するだけであった。

 

「光よ!!」

 

ドカアアァァァァン!!

 

「くっ!!」 「きゃあ!!」 「何!?」

 

生徒会の面々の元に飛び込んできたのは、視界を覆うほどの光であった。その正体はもちろんアリスの光の剣である。アリスは差押品保管所へ向かわずゲーム開発部たちにの元へ来たのだ。

 

「あ…アスナ先輩…だ、大丈夫ですか…こちらはまともに喰らって動けません…」

 

「大丈夫じゃないよー!あははっ、思いっきり当たっちゃった!何これめっちゃ痛い、頭のてっぺんからつま先まで一ミリも動かしたくない!」

 

「…一応は大丈夫そうですね」

 

「そんな、準備したロボットと、アスナ先輩とアカネがまとめて行動不能に…!?たった一発で、この火力…!」

 

アスナとアカネはアリスのレールガンをまともに喰らい、行動不能になってしまう。それだけではなくユウカが用意したロボットすらも吹っ飛ばしたため、ユウカはその威力に戦慄してしまった。

 

「カリン、状況を報告してください!今のビーム砲はどこから…!?カリン、カリン!?そういえば、カリンの火力支援が止んで…いつから!?」

 

フォン―

 

「あの光は…屋上!?」

 

アリスの光の剣のことを知らないアカネはカリンに状況の報告を促す。だが、カリンから応答がなく、アカネは屋上の光を見上げるしかなかった。

 

 

 

 

 

ミレニアム第三校舎屋上

 

「くっ、目が…!閃光弾だと!?」

 

「私の後輩は、大事な先輩に爆撃を当てたりしない優しい後輩…で、合っているとも。それでいて、ものすごく賢い。この状況を予測し、そこで的確な選択ができるくらいにはね」

 

「それにあのビームは一体何なんだ…」

 

「ああ、あれかい?あれはエンジニア部の下半期の予算の7割を使って製造された、光の剣:スーパーノヴァだよ。もっと驚いてくれないとハリが無いな」

 

一度はカリンに囚われたウタハであったが、優秀なエンジニア部の部員であるヒビキがこの状況を予測していないはずはなく、すぐに閃光弾によってカリンの狙撃を封じる。そしてカリンも屋上でアリスの攻撃を視認しており、その威力に驚きが隠せないようだ。

 

「何で正式な部活と認められていないゲーム開発部たちに手を貸すんだ?彼女たちは自己中の問題児なはずだ!!」

 

「…ただの自己中じゃないから、かな。あの子たちは友人たちのために、一生懸命頑張っている」

 

「別に部活動じゃなくても、ゲームは作れるだろう」

 

「…それは君の言う通りだ。けれどね、もちろんただの“友達”にも意味はある、それでも…。同じ部活の仲間というのは、お互いを強く結びつけてくれるものだ。あの子たちも、あの部活で一緒にやりたいんだという気持ちがあるから…こんなにも、必死に頑張っているんだろう」

 

「っ、でも…!!」

 

カリンは何故ウタハがゲーム開発部に手を貸すのか分からないようだ。そんな彼女の問いに対し、ウタハは友達のためだと答える。彼女も部活動に勤しんでいるので、部活動での友情というものに、思い入れがあるのだ。

 

「…ふふっ。計算通り、ではないけれど…面白くなってきたね」

 

 

 

 

 

ミレニアムタワー内部

 

「モモイ、ミドリ!今です!」

 

「アリスちゃん!?」 「どうしてここに!?」

 

モモイとミドリたちの前に現れたアリスに一同は驚きを隠せない。ミニボットたち立てた作戦では彼女はモモイとミドリを無視して差押品保管所へ向かう手筈であったからである。

 

「生徒会の差押品保管所に向かう途中に、考えていました。アリスは色々なゲームをやってきました。そして、どんなゲームの中でも、主人公たちは…決して仲間のことを諦めたりしませんでした。なので、アリスもそうします。試練は、共に突破しなくては!」

 

「とりあえず助かったぜ…」 「光の剣もワイドビームが打てるように設定しておいたおかげで、全員戦闘不能だしな」

 

本来は一人で差押品保管所へ向かうはずだったものの、アリスはゲームの主人公たちを思い出し、ゲーム開発部を助けにきたのだ。それが結果的に彼女たちの窮地を救ったため、ミニボットたちはホッと胸を撫でおろした。

 

「ゲーム開発部、行こう!!」

 

「「「「おー!!!」」」」

 

ゲーム開発部は遂に差押品保管所へ辿り着くのであった。




カリンはケツがデカい(公式)
FATALITY...
何かいきなり公式から司令官たちのブルーアーカイブが湧いてきたんですけど...
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