TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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今から過去編が怖い


青春が写る蜃気楼

アビドス自治区の街の中で迷子になり彷徨っていた先生は、死にかけのところを砂狼シロコに助けられた。その後シロコに案内されて先生はアビドス高等学校へ赴くのであった。

 

「校庭はどうせ誰も使わないから、好きに止めてくれていいよ」

 

“うん”

 

その高校は砂漠のど真ん中に存在していた。とても生徒が通学しているとは思えない程、学校近くにまでその砂は迫ってきていた。

 

先生はビーを校庭に停めてシロコについていく。

 

「それじゃあ、みんなに紹介するね」

 

2人は校舎へと入りアビドスの生徒たちがいる教室へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

シロコと共に対策委員会の教室に入るとすでに3人の生徒がそこにいた。

 

「おかえり、シロコせんぱ…い?」

 

シロコと同じく獣の耳がある黒髪の少女がこちらを見るなり呆然とする。

 

「うわっ!?その人誰!?」

 

「わぁ、シロコちゃんが大人をナンパしてきました!」

 

呆然とした状態から戻ってきた少女はシロコが連れてきた先生に驚く。その向かい側にいたベージュのロングヘアの生徒は先生を見て茶化すように喜んだ。

 

「ナンパ!?シロコ先輩が大人の男を…!!」

 

茶化しで放った言葉を真に受けて最後の1人の黒髪で眼鏡を掛けた少女も驚いた様子であった。

 

「・・・いや違うから。この人この学校に用があるんだって」

 

3人の反応に呆れながらシロコはそう答える。彼女の言葉に驚いていた2人は落ち着きを取り戻したようで椅子に座り直す。

 

「それじゃあお客さんってこと?」

 

“こんにちは!!”

 

変な誤解も解けたところで先生は元気よく挨拶をする。

 

「わぁ、びっくりしました。お客様がいらっしゃるなんて、とっても久しぶりですね」

 

「そ、それもそうですね…。でも来客の予定なんて…」

 

眼鏡の生徒がそう言うと、先生はカバンからタブレットを取り出し例の手紙を表示する。

 

“「シャーレ」の顧問先生です、よろしくね”

 

それを聞いた3人はみな一様に驚く。

 

「これでようやく、弾薬や補給品の援助が受けられます。あ、私は1年の奥空アヤネです。手紙を読んでくださりありがとうございます。」

 

眼鏡の生徒はアヤネと名乗った。その流れで他の生徒も紹介していく。

 

「こちらが私と同じ1年のセリカ」「黒見セリカよ」

 

セリカは手を差し出し先生と握手を交わした。

 

「そしてこちらがノノミ先輩とシロコ先輩です」

 

「よろしくお願いします、先生~」「ん、よろしく」

 

ノノミとシロコも先生と軽く挨拶を交わす。

 

「あとは、3年のホシノ先輩が…あれ?ホシノ先輩は…」

 

「ホシノ先輩なら隣で寝てるわ。私起こして…」

 

そういってセリカが部屋を出ようとすると

 

ズダダダダダダッ

 

外から銃声が聞こえてくる。

 

「カタカタヘルメット団…あいつら性懲りもなく」

 

セリカは忌々しく唸るように呟く。バカバカしい名前に反しやっていることは物騒極まりない。

 

外を見てみるとヘルメットを被った集団が学校に向かって奇声を上げながら襲撃しているのが見えた。

 

“(ん?あんなところに車なんて停めてあったかな?)”

 

先生は校庭を見てふと見えた車にそんなことを考えているとヘルメット団が前進を開始した。

 

「ヒャッハー!!襲撃だーーーーー!!」

 

「奴らはもう補給も底をついているぜぇ!!さっさと占領だぁーー!!」

 

「「「おぉーーーー!!」」」

 

学校を襲撃されているなか、セリカはホシノを連れて来る。セリカが連れてきたピンク髪の小柄な少女は小脇に抱えられ目を擦ってあくびをしていた。

 

「ホシノ先輩!起きて!」

 

「むにゃ…まだ起きる時間じゃないよぉ~」

 

「そんなこと言ってないで、カタカタヘルメット団の襲撃が来たんだから!」

 

セリカは寝ぼけているホシノを揺さぶり起きるように促すが、当の本人はまだ眠そうである。

 

“こんにちは。君がホシノかな?”

 

「ん~?だぁ~れこの人」

 

ホシノは片目を開けながら先生の方を見る。

 

「こちらの方はシャーレの先生です。私たちのことを助けに来てくださいました」

 

「へぇ~よろしくねぇ~せんせ~」

 

アヤネに紹介されホシノは間延びした声で先生に挨拶した。姿勢は相変わらず眠そうでダルそうである。

 

「それじゃあ行くわよ!」

 

セリカの声をきっかけにアヤネ以外の生徒が外へ出てヘルメット団の迎撃に向かった。

 

「私はオペレーションを担当するので、先生はサポートをお願いします」

 

“うん、任せて”

 

アビドスの面々と生徒たちはヘルメット団の撃退を開始した。

 

 

 

 

 

アビドス高等学校周辺

 

対策委員会の面々は先生の的確な指揮の元スムーズにカタカタヘルメット団を倒していく。

 

「すごい…私たちだけのときとは全然違う…」

 

その的確な指揮にシロコは驚きを隠せないようだ。ホシノが初めて会ったときの先生はどうにも頼りないというか、今にも死にかけだったため、そのギャップが大きいらしい。

 

先生は銃を持った人間、つまり兵士の指揮などしたことは無かった。キヴォトスに来て初めて指揮をおこないその才能の片鱗は感じさせるもののまだまだ未熟であった。

 

だが先生にはキヴォトスに来て生徒たち以外にも素敵な出会いがあった。先生が出会った金属生命体『トランスフォーマー』は軍団を組織し、ここキヴォトスで活動しているのである。先生はオートボットのリーダーオプティマスプライムに軍団を指揮する心得を学び、指揮官として成長中なのである。

 

「ぎゃーーー!!」 「や~ら~れ~た~」 「ちくしょーーー!!」

 

対策委員会によってカタカタヘルメット団はアビドス高校の校外へと追い出されていく。

 

「これでとりあえずは…」

 

セリカがそう言って校舎へ帰ろうとすると、オペレーターのアヤネから無線が入る。

 

「地中から異常な音波を感知!おそらく“アレ”が来ます!」

 

「もぉー!ヘルメット団よりしつこい!」

 

アヤネの通信にセリカは顔を上に上げて吠える。

 

“アヤネ、アレって何?

 

「“アレ”は見ていただいたほうが早いと思います」

 

そう言うとセリカはドローンのカメラを音波が出ている位置に向ける。

 

ズザザァ…ザッバアァァァン!!!

 

 

砂の中から出てきたのはサソリである。だが、ただのサソリではない。金属の身体を持ち、全長が人間よりも大きいサソリ型の『トランスフォーマー』である。

 

 

 

 

 

“アロナ、データある!?”

 

地中から勢いよく出てきたサソリ型のTFに驚きつつも、先生は敵の正体を探るべくアロナにデータベースの検索を頼む。シッテムの箱にはキヴォトスにやって来たオートボットたちが集めた、敵のデータがインプットされているのだ。

 

「データベースに特徴に該当する個体が確認できました!主にアビドス砂漠に出現するサソリ型のトランスフォーマー『スコルポノック』です!どうやら広大なアビドス砂漠に多数生息しているようです」

 

“い、いっぱいいるの!?”

 

「さらには強固な装甲を持ち、高い機動性をほこり、隠密性にも優れているため掃討するのが困難とのことです!先生、どうしましょう!?」

 

さらにアロナはスコルポノックの性能を読み上げる。どうみても対策委員会の生徒だけで対処できるようなヤツではない。今までどうやってコイツを凌いできたのか先生が疑問に思うのも無理はなかった。

 

“ビーを呼ばないと…”

 

先生は教室の机から窓へ走り出し、校庭にいるビーを呼びに向かう。彼が窓を開けてビーを呼ぼうとしたとき、1台の青と銀色の乗用車が戦場に向かって走り出していくのが見えた。

 

“あれはさっき校庭にあった車!勝手に走り出したってことはまさか…ビー!!あの車を追うんだ!”

 

「『ラジャー』」

 

先生の指示にビーは思いっきりエンジンを吹かし、猛スピードで前を走る乗用車を追う。

 

ズダダダッ!!

 

スコルポノックは対策委員会の生徒たちの攻撃をかいくっていく。

 

「もぉ~!全然当たらないじゃない!!」

 

「んっ!ちょこまかとっ!」

 

セリカとシロコはスコルポノックを狙って打ち続けるものの当たったところでその硬い装甲は傷一つ付かず、弾薬を無駄にするばかりである。

 

「うへぇ~こりゃあマズイね~」

 

ホシノは言葉では深刻そうなことを言っているが、その態度はいつも通りだらけきっている。まるで何か勝てる確信があるような態度であった。

 

ドカーン!!

 

効かなくとも、銃弾で攻撃されれば鬱陶しいようで、スコルポノックはハサミのミサイルを打ち出す。そしてそのミサイルはホシノへ向かって飛んでいった。

 

「うへぇ~おじさん死ぬかとおもったよぉ~」

 

「ホシノ先輩!真面目にやって!!」

 

「セリカちゃんに怒られちゃったよぉ~」

 

互いに言葉を交わしながら攻撃していて精神的には余裕があるように見えるが、戦況はまるで変っていない。それでも彼女たちが攻撃を止めることは無かった。

 

「そろそろでしょうか…」

 

ノノミは後ろを振り返って何かが来るのを待っているようだ。

 

すると、後方から砂煙を上げてこちらへ銀色の乗用車が爆走してくる。

 

「ようやく来ましたねー☆」

 

ノノミが嬉しそうにそう言うと、車は砂が盛り上がった部分に登りビューンと飛び上がり

 

ギゴガゴゴ!!

 

ロボットへ変形した。

 

「fooooooo!!!!ミラージュ様の参上だぜぇ!!」

 

ハイテンションで乗用車から変形したロボットはミラージュと名乗った。アビドスに向かったまま消息が途絶えていたトランスフォーマーはどうやらここにいたようだ。

 

「遅い!!」

 

「そう怒るなよセリカ。これでも反応が出てすぐブッ飛ばしてここまで来たんだぜ?」

 

「うるさいっ!さっさとアレ倒しちゃってよ」

 

「まったく人使いが荒い子猫ちゃんだぜ」

 

セリカにスコルポノックを倒すように言われたミラージュは腕をブラスターに変形させる。そして狙いを定めてブラスターを打ち出した。

 

「喰らいなサソリ野郎!」

 

チュドーン!!!

 

ミラージュのブラスターが命中し、スコルポノックの片側が吹き飛ぶ。これにより全身から電気が漏れ出し、動きがだいぶ鈍くなった。

 

「イエーイ!今日も俺たち最高だぜぇー!!」

 

「「「イエーイ!」」」

 

「ホシノ先輩もノノミ先輩もシロコ先輩もミラージュのノリにわざわざ合わせなくていいの!」

 

セリカが3人と1体のノリにツッコミを入れているともう1台の車が現場に到着し変形する。

 

「え、敵!?」

 

突然現れた部外者に対し、セリカとシロコは武器を向ける。ノノミとホシノも武器こそ向けてはいないものの、すぐに戦える状態であった。

 

現場に緊迫した空気が流れる中、倒れたはずのスコルポノックがこちらにミサイルを向けてくる。

 

「・・・!!」

 

それに気づいたビーは腕をキャノンに変形させスコルポノックに打ち込んだ。

 

ズドン!

 

「シャーーァァ…ァ…」

 

スコルポノックは力尽き機能停止する。それを見たミラージュはビーのほうに近づき

 

パチン!

 

とグータッチした。

 

「よぉ!久しぶりだなビー!」

 

「『お調子者!!』『油断大敵』」

 

どうやらビーは油断してスコルポノックを仕留めたかの確認を怠ったのを注意しているようだ。ビーはその後もラジオで会話を続ける。

 

「『リーダー』『♪迷子のお前を~』『心配があります』」

 

「うわやっべ、オプティマスに連絡するの完全に忘れてたぜ。ビー、一緒に謝ってくんねぇか?」

 

「・・・」

 

ビーは首を横に振る。当然である。

 

「そんなぁ~」

 

ミラージュはがっくりとうなだれた。

 

「ほらほら~敵も撃退したんだし戻るよ~」

 

「私も一緒に謝ってあげますから元気出してくださいね」

 

「やったぜイェーイ!」

 

「・・・」

 

どうやらビーはミラージュのあまりの切り替わりの早さに呆れてしまったようだ。

 

 

 

 

 

「ということで俺様はミラージュ!アンタがシャーレの先生だな?ヨロシクゥ!」

 

校舎に帰ったミラージュは先生に挨拶し、窓から拳を入れてグータッチをせがむ。

 

“あ、あぁ…こちらこそよろしく…”

 

「先生、コイツのノリにいちいち付き合わなくていいわよ」

 

セリカはハイテンションなミラージュのノリにすでに呆れてしまっていた。

 

“ちゃんとオプティマスに連絡するんだよミラージュ”

 

「おう、後でしとくぜ先生、イヤマジでホントに」

 

“(これはしないやつだな)”

 

先生は後でオプティマスにミラージュのことを報告しようと決めた。

 




ミラージュは書いてて楽しい
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