TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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聖徳太子のペガサス ~ Dark Pegasus
トキの名字に「飛」と「馬」が入ってるからペガサス




調月リオのペガサス

アイアンハイドたちと別れたC&Cはタワーの元へと逃げていくトキを追っていた。

 

ボカァァァン!!

 

「おい!逃げんじゃねぇ!!」

 

「うわっ!?爆発で前が見えないよ~!」

 

「適度にかく乱しつつ何処かへ向かっていく…」

 

「やりずらいですね…」

 

トキは追いつかれないようにC&Cをかく乱しつつ、タワーへと向かう。その巧みなタイミングに、彼女たちは翻弄され距離を近づけられずにいた。

 

「あー!クソッ!この場でケリつけたかったのに!」

 

「陽動作戦はもはや意味を成しませんね…。とりあえず先生と合流しましょう。この作戦は、アリスちゃんを連れ出すためのものですからね」

 

「そうだな、行くか」

 

ここで決着をつけたかったネルは地団駄を踏んで悔しがる。それを見たアカネはネルに作戦変更を促し、先生に合流する提案をした。ネルは彼女の提案をすんなり受け入れ、先生と合流するのであった。

 

 

 

 

 

“えっと、ここを曲がったら…次はどこに向かえばいい?”

 

“右に曲がって、直進!そこが目的地だよ”

 

「了解!!」 「ブッ飛ばすぜ!!」

 

「ここにアリスが…!」

 

アバンギャルド君の撃破を見届けたチヒロは、今度は先生たちのナビゲートをしていた。ツインズたちは先生たちを乗せてエリドゥの道路を突っ走り、ようやく目的地であるタワーの下に到着しようとしていた。

 

ブゥゥゥゥ…

 

「着いたな」 「あぁ」

 

“ここが要塞都市エリドゥの中央タワー…”

 

「アリスちゃんが…ここに…」

 

「…行こう!」 「うん!」

 

中央タワーに辿り着いた一同は、その高くそびえたつ塔を見上げる。そして、ここにアリスがいるのだと確信した。

 

「あっ!ご主人様とみんな~!やほやほ!」

 

「皆さん到着されていたのですね」

 

「先輩!」

 

そして先生たちが到着したすぐ後にC&Cも合流する。強力な戦力がこの場に揃ったことをモモイは嬉しく思うのであった。

 

“ネル達がここにいるという事は…トキは?”

 

「ぐっ!!」

 

「あはは、それがね~」 「はぁ」

 

「残念ながら、逃げられてしまいました。人造トランスフォーマーのほうはアイアンハイドたちが対処中です」

 

C&Cがやって来たのを見て、先生はトキのことを彼女たちに聞いた。そのことを問われネルは悔しそうに声をあげ、他のメンバーが先生にトキのことについて説明するのであった。

 

“チヒロ、このタワーにアリスがいるの?”

 

“その…会長が言ってたんだよね?アリスのヘイローを破壊するって。そのためには、相応の施設が必要なんじゃないかな”

 

“うん、そうだね”

 

“そして、ここエリドゥは全ての電力がこのタワーに集中するような構造になっている。これほどの規模の施設が、会長の手によって作られた理由…そして、会長の動機…答えは明白だろうね”

 

先生は一度チヒロに本当にここにアリスがいるのかを確認する。先生の疑問に対し、チヒロはエリドゥの全電力がタワーに集まっているというのを根拠に、アリスがタワーに囚われているであろうと推測した。

 

コツコツコツコツ…

 

「どうやらお出ましみたいだぞみんな」

 

「チッ、散々逃げ回ってたクセに、今更堂々登場かよ。気に食わねぇな」

 

「お待ちしておりました、先輩方、先生」

 

“やっぱり、トキが門番なんだね…”

 

タワーの前でどう攻略しようかと考えていると、タワーの中からトキが現れる。トキはタワーの前にいる者たち全員に挨拶をした。

 

「一体どのツラ下げてあたしらの前に現れてんだ?」

 

“作戦を変更したのは、貴女たちだけだと思って?”

 

「…リオ」

 

“貴方たちが来ることを見越していくつもの計画を準備してきたけれど…まさか、防衛システムをすべて壊して、ここまで到達するなんて…”

 

ネルはトキを見るなり悪態をつく。逃げられたことがよっぽどムカついたようだ。すると、通信が繋がれリオがこちらと会話しだした。

 

“変数として機能し、私の計算を狂わせたのも、すべては…シャーレの先生、貴方が関わったからかしら?”

 

“……リオ”

 

“それならそれで構わないのよ。貴方が規格外の力を見せるのなら、こちらもそれ相応の切り札を出すまで”

 

「切り札だぁ?」

 

“トキ。現時刻をもって「アビ・エシュフ(Abi-Eshuh)」の使用を許可するわ”

 

リオはエリドゥに潜入しタワーの元までやってきたのは、先生の力があるからなのかと先生のほうを見やる。そしてこのままでは埒が明かないと考えたのか、リオはトキに切り札の使用を許可した。

 

「リオ様、それは…」

 

“ええ、本来は「名もなき神々の女王」との戦闘用だけど…仕方ないわ。ここでこの子たちを阻止できなければ、すべてが無に帰してしまうのだから“

 

「…イエス、マム」

 

だがトキは「アビ・エシュフ」の使用を躊躇する。この切り札は本来「名もなき神々の王女」との戦いで使用するものであったが、ここで彼女たちを止めなければ意味が無いとのリオの主張を聞き、トキは「アビ・エシュフ」の使用に踏み切るのであった。

 

「パワードトランスフォームスーツシステム“アビ・エシュフ”へ移行します」

 

“アビ…エシュフ?”

 

パサ…パサパサ…

 

トキはアビ・エシュフの使用を宣言すると、メイド服を脱ぎだす。更には身体強化のために付けていた武装や武器さえも脱ぎ捨ててしまった。

 

ブゥゥゥゥン…

 

「この音は…」

 

“…ッ!上!”

 

「呼出信号確認」

 

ヒューーーーーン!!ブォォォン…

 

トキが服を脱ぎ捨てると、どこからかプロペラのような音が聞こえてくる。そしてその音の元凶にいち早く気づいたのはチヒロであった。そのナニカは上空から降下していき、トキの真上でホバリングし始めた。

 

「な、何アレ…?」

 

「ど、ドローン?」

 

「それにしては随分と大きいけど…」

 

トキの元へ現れたのは四角い箱の四隅に、プロペラが付いている大型ドローンであった。その姿を見た一同は、あまりの唐突な出来事にただ驚愕するしかなかった。

 

「トランスフォーム…開始」

 

ギゴガゴゴ!!

 

「装着」

 

ガシィ!!ガチャ!!ガキィン!!キィン!!ガチャン!!

 

[パワードトランスフォームスーツシステム「アビ・エシュフ」起動]

 

トキはアビ・エシュフをトランスフォームするように命令すると、アビ・エシュフはトランスフォームしてトキの身体を覆うように変形していく。そして変形装着が終わると、アビ・エシュフは起動を開始した。

 

[戦闘、開始します]

 

“来る…!!”

 

アビ・エシュフを纏ったトキが、先生たちを殲滅すべくこちらに向かってくるのであった。

 

 

 

 

 

ズダダダダダダ!!ズダダダ!!ズダダダダダダ!!

 

「撃って撃って撃ちまくれ!!」

 

「C&C全員でかかれば、いくらリオ会長の切り札だろうと…」

 

「厳しいでしょ~」

 

アビ・エシュフを装着したトキに、C&Cは一斉掃射を浴びせる。いかに秘密兵器といえど、C&C全員で相手すれば、いかにトキでもひとたまりもないだろうと彼女たちは考えていた。

 

ズガガガガ!!ドカァァァン!!

 

「さて…これでどうでしょう?」

 

モクモク…

 

「や…やったのか!?」

 

ボコォ!!バシィ!!ペシィ!!

 

「「「余計な事言うな!!!!」」」

 

大量の銃弾や爆弾を浴びたアビ・エシュフの周りは煙に包まれる。それを見たマッドフラップは禁断の言葉を口にしてしまい、スキッズとゲーム開発部にぶっ叩かれるのであった。

 

「ソイツの言う通り…どうやらやってねぇみてぇだな。クソッたれ!!」

 

“無傷…”

 

“トランスフォーミウムで耐久力を増加させている…いや、それもあるけど。ただ耐えてるわけじゃ、ない…?”

 

「ど、どういうこと!?」

 

煙が晴れて出てきたのは、無傷のアビ・エシュフとトキである。その異常なまでの耐久力を見て先生は戦慄するが、解析しているチヒロは何か別の要因があるのではないかと考えた。

 

“そもそも、全ての攻撃を無力化している…?”

 

「ど、どういうことでしょう?」

 

“弾丸は到達前に撃墜され、死角からの攻撃も回避している…。待って、おかしい。このデータ量は…ありえない…!!”

 

“ありえない…?”

 

そしてチヒロは一つの結論を出した。トキの装着しているアビ・エシュフはC&C全員の一斉射撃を全て撃墜と回避していると言うのである。さらにチヒロはアビ・エシュフに関する何かのデータを閲覧し、その大きさに驚愕する。

 

“要塞都市エリドゥ全域の電力と演算機能が、すべてあの「機体」に集中している…!?”

 

「はぁ!?」

 

“そう…そして、最新鋭の演算機能で強化されたその性能は、未来を予知し確定する事さえ可能とするわ”

 

“未来を…予知…!?”

 

なんと、アビ・エシュフは要塞都市エリドゥのリソースのほとんどを集中することによって未来を予知し、攻撃を全て回避もしくは迎撃しているのである。その途方もない性能を聞いて先生はただ小さく呟くしかなかった。

 

「な、何それ!そんなのラスボスが持ってる能力じゃん!?」

 

「それって、ただのチートじゃないですか!」

 

「あ、あうぅ…」

 

「「・・・・・・」」

 

アビ・エシュフの全容を聞いて、ゲーム開発部はラスボスだチートだと言い出した。その予想以上の性能にゲーム開発部だけでなく、ここにいる全員も文句を言いたくなるような気持ちである。

 

“唯一の変数である先生…貴方の指揮能力を奪い、終止符を打たせてもらうわ。”

 

「イエス、マム。アビ・エシュフ、トランスフォーム」

 

ギゴガゴゴ!!

 

「これでおしまいです。先生、先輩方、そしてみなさん」

 

リオはトキに先生の指揮能力を奪うよう命令する。するとトキはアビ・エシュフにトランスフォームを指示する。

 

ゴォォォォォ!!

 

「な…!!」

 

「と、飛んでやがる…」

 

「それだけじゃない…。至るところに武装が装備されている。あれを空中から撃たれたら私たちは一方的に蹂躙されるしかない」

 

トキの指示によってトランスフォームしたアビ・エシュフは、飛行形態へとトランスフォームし、空に浮かび上がる。一同は飛んでいるトキをただ見上げることしかできなかった。

 

ガチャン!!

 

[ミサイル発射]

 

ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!

 

“先生!!逃げて!!”

 

ズドドドドドドォォォォン!!

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」」

 

先生たちはトキが放ったミサイルをただただ受けることしかできなかった。

 

 

 

 

 

“どうすれば…あれを攻略できる…?”

 

「クソッ、空まで飛べるなんて反則だぞ!!何なんだよアレは!?」

 

「ゲホッゲホッ!!もぉ~無茶苦茶だよ!!」

 

トキの爆撃をかろうじて耐えた一同であるが、その強力の武装をモロに受けたためボロボロである。アビ・エシュフの能力を見せつけたれた先生は苦しそうに攻略法を考えていた。

 

“空さえ飛べれば…。トキの土俵にさえ上がれれば…”

 

「なぁ」 「先生」

 

“スキッズとマッドフラップ…?”

 

「「空が飛べればいいんだよな?」」

 

先生はこちらに空を自由に飛び回れるような武装が無いことを悔やむ。それを聞いたツインズは何か考えがあるようで、先生の前に出た。

 

“空を飛べる何かがあるの?“

 

「俺たちが何とかするぜ」

 

「今こそツインズの真の力を見せつけてやるときだぜ」

 

「ツインズは小型自動車のはずでしょ!?自動車が空なんか飛べるわけ…」

 

自分のことを真っすぐ見つめるツインズを見て先生は彼らには何かしらの奥の手があるのだと察する。だがモモイは彼らの言っていることが理解できず、空を飛ぶのは不可能であると言うのであった。

 

「スキッズとマッドフラップ…ならな」

 

「だがツインズならできる」

 

「え?」 「ど…どういうこと?」

 

「「まぁ見てな!!」」

 

モモイだけでなく、ミドリとユズもツインズが言っていることが分からず、疑問符を浮かべる。そんな彼女たちを見て、2人は間隔を空けて横並びに並び始めた。

 

「いくぞマッドフラップ!!」 「おうよスキッズ!!」

 

「「フュー!!」」

 

「「ジョン!!」」

 

「「はっ!!」」

 

ビリビリビリビリィ!!!!!

 

位置についたツインズはフュージョンという掛け声と共に謎のポーズを決め始めた。ポーズを決め終わると、2人の間に閃光が走り出した。

 

「な、なに!?」

 

「ていうかあのポーズってことはまさか!?」

 

「私も分かったよお姉ちゃん。でもまさか本当に…?」

 

突然変なポーズを決めて光り出したツインズを見て、ユズは困惑する。一方のモモイとミドリはあのポーズを知っているようでこれから起こる現象を予測できていた。

 

キィィィィィン!!ボォン!!

 

「「よっしゃーー!!!ジェットツインズ様の登場だぜぇ!!!」」

 

「が、合体した…」

 

「わぁ~すご~い!!」

 

「マジかよ…」

 

光の中から現れたのは背後に大きなジェットパックが付き、機体もビー程度に大きくなった緑と桃色のトランスフォーマーであった。彼らはジェットツインズと名乗り、どうやらスキッズとマッドフラップが合体した姿のようだ。その異様な光景を見てさすがのC&Cも驚いた様子であった。

 

「何だよ!?そんなことが出来るなら教えてくれたっていいじゃん!!」

 

「いつから合体できるようになったの?」

 

「「サウンドウェーブたちと戦った後にエンジニア部に行ったら、キューとホイルジャックが合体できるようにしてくれたんだ!!」」

 

「す、すごい…」

 

ジェットツインズのことは近しい関係であるゲーム開発部たちも初耳だったようで、彼らがフュージョンした姿に驚いていた。どうやらスキッズとマッドフラップはサウンドウェーブたちとの一戦の後、己の弱さを悟り、エンジニア部と共にジェットツインズの開発をしていたしていたようだ。

 

「「トランスフォーム!!」」

 

ギゴガゴゴ!!

 

“変形した…!!”

 

「「どうだ!!これがジェットツインズの名前の由来だぜ!!」」

 

ジェットツインズはトランスフォームしてビークルモードになる。変形した姿はジェット機に近い姿ではあるものの、機体の中央には人が乗れるような平坦なスペースが付いていた。

 

「「本当ならみんなをここに乗せて、空中散歩する予定だったんだけどな。それはアリスを連れ戻してからにしようぜ」」

 

「うん…」 「そうだね」 「わかったよ」

 

「先生、これでいいか?」」

 

“うん、完璧だよ2人とも”

 

ジェットツインズのビークルモードは本来、ゲーム開発部と一緒に空を飛ぶためになるはずのものだったようだ。それができないことをジェットツインズは謝ると、ゲーム開発部は寂しそうに返事をするのであった。

 

“ネル”

 

「あぁ、わかったよ先生。すまねぇなチビたち、アタシが一番乗りだ」

 

「ネル先輩…。一番乗りは譲りますから必ずあのチートプレイヤーを倒してください!!」

 

「あぁ、任せとけ!!」

 

先生はネルにジェットツインズの上に乗るよう促す。先生に促されたネルは申し訳なさそうにゲーム開発部の方を見やる。それに対しモモイは必ずトキを倒してくれとネルに発破をかけるのであった。

 

「「あぁ、それと…」」

 

ポンッ!!

 

「うわっ!!何これ?って…プライステーションじゃん!!」

 

ジェットツインズは身体の中からゲーム機を取り出す。それをキャッチしたモモイはジェットツインズからプライステーションが出てきたことに驚いた。

 

“どうしてこれを…?”

 

「「今の俺ではスタースクリームのような激しい飛行ができないと思う。だから、俺をコントロールして欲しいんだ。ユズ、頼めるか?」」

 

「わ、私…?」

 

「「あぁ、シューティングゲームも得意だろ?」」

 

先生がジェットツインズに何故ゲーム機を出したのかを聞くと、彼は上手く飛べないから自分を操って欲しいと答える。そしてジェットツインズは自分をコントロールする役目にユズを指名した。

 

「で、でも…」

 

「大丈夫、ユズ…いやUZQueenならできるよ」

 

「頑張ってユズちゃん!!」

 

「うん、わかった。私が操作する…」

 

カチャ…

 

しかし、指名されたユズのほうは自信なさげに俯く。それを見たモモイとミドリはユズに励ましの言葉をかける。2人の励ましによって気を取り直したユズは、モモイからコントローラーを受け取った。

 

「おでこ…いやユズ、任せた」

 

「「俺の身体をお前に委ねるぜ、ユズ!!」」

 

「うん…任せて」

 

アビ・エシュフを倒すべく、ネルがユズに操作されたジェットツインズに乗って飛び上がるのであった。

 

 

 

 

 

BOSS BATTLE

 

TOKI ASUMA ABI-ESHUH

 

VS

 

NERU MIKAMO JETTWINS YUZU HANAOKA

 

 

 

 

 

エリドゥ上空

 

ブゥゥゥゥン…

 

「・・・・・・」

 

「これでお前と同じ土俵に立ったな後輩。今まで散々好き勝手やってくれた借りを返してやるから覚悟しやがれ」

 

“トキ、相手が空を飛べようと関係ないわ。どんな手を使おうとアビ・エシュフは無敵よ”

 

「イエス、マム」

 

上空へと浮かび上がったトキとネルは、一定の距離を保ちながら対峙している。それをタワーの執務室から見ていたリオはトキに問題ないと落ち着かせるように話すのであった。

 

“ジェットツインズの武装は?”

 

「「左右にある2門のガトリング砲と、真ん中にあるビームキャノンと、ミサイルが出るぜ」」

 

“わかった”

 

「それじゃあ始めようじゃねぇか」

 

「・・・・・・」

 

戦いを始める前にユズはジェットツインズの武装を把握する。ユズとの会話が終了したことを確認すると、ネルは改めてトキに銃を向けた。

 

ビューーーーーーン!!ドヒューーーーーン!!

 

「そぉら!!追って来やがれ!!」

 

「追撃を開始」

 

ズダダダダダダ!!ズダダダ!!

 

「オラオラオラァ!!そんなもんかよ!!」

 

「何をしようと無駄ですネル先輩。アビ・エシュフの前ではどんな攻撃も無意味です」

 

ジェットツインズは勢いよく飛び出すと、ビルの合間を縫いながら、猛スピードでエリドゥの空を舞っていく。トキはそれを追撃しながら、ネルの攻撃を難なく躱していた。

 

バシュバシュバシュッ!!

 

「ユズ!!来るぞ!!」

 

“わかってます”

 

ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!

 

「クッ!!ビルに入り込んでミサイルを躱すなんて…」

 

トキはジェットツインズを狙ってミサイルを発射する。しかし、ユズの巧みなコントロールによってビルの影に隠れたりしながら、ミサイルを容易く躱していった。

 

ビィィィィン!!

 

「レーザキャノン充填開始」

 

「「レーザが来るぞ!!」」

 

「発射」

 

ビィィィィィィィ!!

 

ミサイル程度では埒が明かないと判断したトキは、ネルたちに向けてレーザービームを発射する。

 

“ネル先輩、飛んでください!!”

 

「おうよ!!」

 

タンッ!!

 

ビューーーーーン!!!

 

「なっ!?」

 

シュタン!!

 

「舐めんなってんだ!!」

 

こちらに発射されたレーザーに対処するべく、ユズはネルにジャンプするように指示する。ネルは指示通り飛び上がると、ジェットツインズと彼女の間にレーザーが通り過ぎた。その予想外の避け方を見たトキは驚くばかりであった。

 

 

 

 

 

中央タワー前

 

ズダダダダダダ!!ズダダ!!ズダダダダダダ!!

 

「さ、さすがに部長が戦っている間にタワーに入り込むのは無理でしたね…」

 

「まぁ、それは流石にな」

 

「もぉ~しつこい!!」

 

トキとネルが戦っている隙にタワーに潜り込もうとした、C&Cの残りのメンバーだったが、リオはそれも予測しており大量のAMASで進路を塞ぐ。彼女たちは迫りくるAMASをユズたちに近づけさせないために、協力して戦うのであった。

 

カチッ!!カチッカチッ!!カチャカチャカチャ!!

 

「・・・・・・」

 

「うわぁ!!凄い動き!!」

 

「ぎ、ギリギリで避けたぁ!?」

 

“す、凄い…これがユズの実力…”

 

C&Cに守られながらジェットツインズを操るユズは物凄い勢いで、ボタンを操作してアビ・エシュフの攻撃を避けていく。それを側で見ているモモイとミドリと先生は、手に汗握る面持ちであった。

 

 

 

 

 

エリドゥ上空

 

ズダダダダダダ!!ズドン!!ボカァン!!ズドドドドド!!

 

「ちょこまかと…巧みに避けてくれますね」

 

ビューーーン!!ヒューーーーーン!!

 

「防御と回避は凄くても、攻撃力は空に上がっちまえばそこまでじゃあねぇな!!」

 

「「いや、一発でも当たったら墜落だから!!ユズのゲームテクでどうにかなってるだけだから!!」」

 

「細けぇことは良いんだよ!!」

 

一方上空ではトキとネルの対決が続いている。ユズの巧みな操作によって、ジェットツインズは紙一重で攻撃を避けていく。トキはその姿を忌々しく見ながら、攻撃を続けていくのだった。

 

“一つわかったことがあります”

 

ズダダダダダダ!!ズダダダダダダ!!

 

「どうした!?」

 

ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!

 

“あの武装…降下行動を取っているときに回避動作が通常よりも鈍くなります”

 

ビィィィィン!!ヒュドーーーン!!

 

「そうか。どうすっかな」

 

戦闘を続けていくなか、ユズがあることに気が付く。それはアビ・エシュフが降下する際に回避動作が遅れるということであった。日ごろ格ゲーで一瞬の隙を突くような高度な読み合いを行っている、ユズだからこそ気付いたことであった。

 

「よし、アタシがコイツから飛び降りるから、お前は上を取って上昇しないように撃ちまくれ」

 

“えぇ!?だ、大丈夫なんですか…?”

 

「大怪我確定だが、そうしないとジリ貧だからな。だからお前ら覚悟を決めろ」

 

「「お、お、おう…!!」」

 

ネルは少しだけ考えると、とんでもない作戦を思いつき、ユズたちにそれを伝える。それを聞いた彼女たちは驚き、彼女の心配をするが、ネルはすでに覚悟を決めていた。

 

「最初にジェットツインズ、お前がアイツに突撃して突き落せ。その後アタシが飛び降りる。飛び降りた後は全力でアイツの上昇を妨害しろ。いいな!!」

 

“は、はいぃ…”

 

「「あぁ、わかったよ!!やってやるよ!!」」

 

ネルたちはトキを打倒すべく、動き出すのであった。

 

 

 

 

 

ズガガガガ!!ズガガガガァン!!ボカァン!!ドカァン!!

 

「打つ手が無くなって、ヤケクソになりましたか…」

 

ビィィィィン!!ボカァァァン!!

 

「ですが、アビ・エシュフの演算機能を前では何をしようと無意味です」

 

「「それはどうかな!!」」

 

ガシャァァァァァァァァン!!!!

 

「なっ!?」

 

ジェットツインズとネルはトキに集中砲火を浴びせ続ける。それに対し、トキはアビ・エシュフの演算機能で攻撃を避け続けるが、演算機能のリソースを銃撃に割いていたため、その一瞬の隙を突いてジェットツインズはアビ・エシュフに体当たりした。

 

「一瞬の隙を突いて体当たりですかっ!!ですが、それも無意味です」

 

シュタッ!!

 

「やってみなきゃわかんねぇだろうよ!!」

 

「バカな!!飛び降りるなんて!?」

 

体当たりをされたトキはアビ・エシュフと共に地上へと堕ちていくが、ジェットエンジンのあるアビ・エシュフに、それは無意味だと言う。そんなことは分かってるとばかりにネルは作戦通り飛び降りた。それを見たトキは流石に驚いていた。

 

バキューン!!ズキューン!!ズガガガガァン!!ボカァン!!ドカァン!!

 

「くっ!?上と横から攻撃されて、逃げることができない…!!」

 

ヒュゴォォォォォォォォォ!!

 

「はっはっはっ、やっぱりユズの言ってる事は当たってたな!!どうする?後ろのビルにでも突っ込むかぁ!?」

 

「ですがそれではあなたも…」

 

「そんなもんは覚悟の上だ!!」

 

頭上をジェットツインズに取られ、正面でネルと対峙し、背後をビルに塞がれたため、アビ・エシュフの演算機能が鈍り、攻撃が少しづつ当たっていく。トキはネルがこのままだと地面に突っ込むことを指摘するが、彼女は覚悟の上であると言い切った。

 

ビィィィィン!!ドカァァァン!!

 

「くっ!!横に逃げようとしても先に進路を塞がれる…。演算機能を回避と迎撃に振ったことが裏目に出ましたか…」

 

ズドドドドド!!ズガガガガ!!

 

「機械にばっか頼ってるからだ!!ざまあみろ!!」

 

ドガガガガ!!ボカァン!!

 

アビ・エシュフの演算機能の回避と迎撃を主としているため、攻撃が来た場合優先的に避けようとするのである。ユズはその特徴も掴んだうえで、避けようと動作するたびに逃げ道を塞いでいった。これによりネルの攻撃が通るようになっていく、しかし…

 

ズドォォォォォォォォォォン!!!!!

 

“ね、ネル!!!”

 

「り、リーダーが空から落ちてきた…」

 

トキを倒す前に時間切れがきてしまった。

 

 

 

 

 

“ネル、大丈夫!?”

 

「ああ、先生…あいつはどうなった?」

 

「ダメです先輩…所々ボディに傷はついていますが、倒すまでには…」

 

「そうか…」

 

バタン…

 

高所から落ちたネルを心配する先生を前に、ネルは大丈夫だと強がる。だが、その傷は明らかにキヴォトスの人間でも大丈夫ではないものである。そして、敵であるトキのほうは未だ健在であった。それを聞いた後、ネルは力尽きて倒れてしまった。

 

「「「「ネル先輩!!!」」」」

 

“トキ、シャーレの先生を回収しなさい”

 

「イエス、マム」

 

ガシャン!!

 

「!!!」

 

ネルが倒れたのを見て、リオはすかさず先生を回収するよう、トキに命令する。トキは命令に従い、先生の元へ向かおうとするが、武装のダメージによって一瞬だけ止まってしまう。

 

“モモイ、今だよ!!”

 

「うん、そりゃ!!」

 

ピカァァァァァァン!!

 

「くっ!?」

 

その一瞬の隙を見抜いた、チヒロは即座にモモイに指示を出す。モモイはチヒロの指示によって閃光弾をトキの前に投げつけると、みんなでネルを担いで撤退していった。

 

「追いますか?」

 

“いえ、私たちの目的は、あくまで刻限までここを防衛することよ”

 

「ですが、オートボットたちがこちらに近づいているようですが…」

 

“それについても問題無いわ。一度は動力源を破壊されてしまったようだけど…”

 

戦いはまだまだ長く続くようだ。




アビ・エシュフ:飛べる、踊れる、アビ・エシュフ。トランスフォームすることで飛行能力まで持ってしまった、チート武装。
装着シーンのモチーフは聖闘士星矢。ペガサスだもの。

ジェットツインズ:アニメイテッドで出てたヤツのオマージュ。ビークルモードはガンダムのサブフライトシステムに翼が付いたような姿を想像してもらえれば。例のポーズはナツとヨシミがやってるのでまぁ不自然ではないかなと思って入れた。

アビ・エシュフは回避特化だから逃げ道を塞ぎまくれば多分当たる...と自分は思いました。
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