TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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空中に沈む輝針城

まぁ空中って言ってもエレベーターの中だけど


空中に沈むアビ・エシュフ

エリドゥ中央タワー前

 

「さ…さっきの一戦で、わ…分かったことがあります…」

 

ギュッ

 

「おう、なんだ?」

 

「ジェットツインズで上空から追撃をした時、私は逃げ道を塞ぐように攻撃をしました…」

 

オプティマスたちが、見事ガルバトロンを撃破したその後、ゲーム開発部とC&Cはトキを倒すべく、作戦会議を開始した。ユズは先ほどのトキとの戦いで何か気づいたことがあるようだ。ネルは自分で包帯を巻きながらユズの言葉を聞いていた。

 

「確かに、空中で戦ったときは攻撃が当たってたな」

 

「はい…。なので逃げ道を無くせば、“回避”は使えないと思うんです」

 

「まぁ、理屈は通っていると思うけど…」

 

ユズはアビ・エシュフの逃げ道を塞ぐように攻撃をしたときに、ネルの攻撃が当たったことに気付いたようである。なのでユズは、逃げ道を塞ぐことを提案するが、周囲の反応は芳しくなかった。

 

「でも…どうするの?相手は空を自由に飛び回れるんだよ?」

 

「そうだね…。もう一回さっきみたいに上空から飛び降りるなんてこと2度もできないし…」

 

「やっぱり…難しい…かな…?」

 

アビ・エシュフは空を自由に飛び回り、武装も強力である。そんなアビ・エシュフの逃げ道をもう一度塞ぐことは、みな不可能だと考えていた。

 

「でも…!!アリスの事を諦めたくないよ!!」

 

“でも…どうすれば…”

 

「私にいい考えがある」

 

“うわぁ!?オプティマス・プライム!?”

 

しかし、モモイは諦めたくないと叫ぶ。それは他のメンバーたちも同じではあるのだが、どうしても良い考えが浮かんでこず、悔しそうに俯いていた。そんな中、オプティマス・プライムが助け舟を出すのであった。

 

 

 

 

 

エリドゥ中央タワー前

 

「今度は1人ですか?まぁ、ネル先輩が重症な以上、アナタしかもういないのでしょうが…」

 

ガチャン…

 

「ガルバトロンを倒したようですが、結局私を倒さなければ意味の無いことです。そして、それは不可能…」

 

「「それはどうかな?やってみなきゃわかんねぇだろ?」」

 

中央タワーの前に来たのは、ジェットツインズだけであった。そんな状況を見てトキは、無意味だと彼らに言うのであった。

 

「トランスフォーム開始」

 

ギゴガゴゴ!!

 

「「行くぞ!!」」

 

ゴォォォォォ!!

 

「「頼むぜユズ!!」

 

“うん”

 

ドヒューーーーーン!!!!

 

トキはアビ・エシュフをトランスフォームして、飛行形態となり飛び上がる。それを見てジェットツインズは自前のジェットパックでトキの後を追うのであった。

 

 

 

 

 

エリドゥ上空

 

ズダダダダダダ!!バキュン!!ドシュン!!ボカァーン!!

 

「くっ…演算機能でジェットツインズの動きを読んでいるはずなのに…」

 

ビュン!!ドシュン!!ビィィィィン!!バシュン!!

 

「何故まったくこちらの攻撃が当たらないのですか…!!」

 

「「ハッハッハッー!! UZQueenの前じゃNPCは相手にもなんねぇのさ!!」」

 

「武装」によって攻撃を畳み掛けるトキであったが、ジェットツインズに全く攻撃が当たらないことに苛立ちが募る。ジェットツインズはユズのコントロールテクニックで、自慢げにトキの攻撃を避けていくのであった。

 

ヒューーーーーン!!

 

「また突撃するつもりですか…ですが!!」

 

ゴォォォォォ!!

 

「それはすでに見切りましたっ!!」

 

「「上に避けたな!!トキ!!」」

 

ボカァーン!!

 

「なっ!?被弾した…!!」

 

ジェットツインズがこちらに向かって前の戦闘の時のように、突撃してこようとしてくるのを見て、トキは上昇して避けようとする。しかし、ユズはアビ・エシュフが上昇を選択するまで読んでいたようで、置きミサイルで攻撃を当てる。ユズは確実にアビ・エシュフの回避能力に慣れ始めていた。

 

 

 

 

 

中央タワー下

 

「スキッズとマッドフラップのヤツ…合体して空まで飛ぶだなんてな」

 

「随分強くなったじゃねぇかよアイツら」

 

「あの武装と互角にやり合ってやがる…」

 

地上ではジェットツインズとトキの戦いをオートボットたちが見上げながら観戦していた。オプティマスはジェットツインズの見違えた姿に感慨深くなるのであった。

 

カチッカチカチカチッカチャカチャカタカチャッ…

 

「うん…大分パターンが分かってきた」

 

「作戦、上手くいきそう?」

 

「多分できると思う」

 

「頑張れ!!」

 

一方ジェットツインズを操作しているユズは、操作しながらモモイたちと会話できるくらいには余裕が出てきていた。ゲーム開発部はユズを囲みながら、彼女を応援しているのであった。

 

 

 

 

 

エリドゥ上空

 

シュッ!!シュッ!!シュッ!!シュッ!!

 

「くうっ…全方位からミサイルを撃ち込んで…」

 

ボガガガガァァァァーン!!!

 

「ですが、二度同じ手は…効きません!!」

 

キィィィィィン…

 

ユズの操作によるジェットツインズの容赦の無い攻撃に、トキは苦い顔をする。だがここで、勝負を決めようとトキは武装の中で最大火力であるレーザービームのチャージを開始した。

 

「これで…終わりです!!」

 

ビィィィィィィィン!!!!

 

「「うわっ!!」」

 

ボカァーン!!

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

トキの渾身のレーザービームはジェットツインズの羽に命中する。羽を撃たれたジェットツインズはバランスを取ることができず、地上へと落下していくのであった。

 

 

 

 

 

中央タワー下

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

ガラガッシャァァァァァァァン!!!

 

「「うぅぅ…」」

 

ジェットツインズはトキのレーザービームに撃ち抜かれ地上へと墜落してしまう。地面に激突してしまった、彼らは痛そうに膝を突いた。

 

ヒュゥゥゥゥ…

 

「残念ですが、ここまでです」

 

ヒューン…

 

「まさかここまでやるとは驚きです。アビ・エシュフをここまで追い詰めるとは思いませんでした」

 

「「・・・」」

 

ジェットツインズを墜落させたトキは、トドメを刺すために地上へ降りて来る。トキはジェットツインズの強さに、驚くと共に評価をしていた。

 

シュタン…

 

「「今だ!!」」

 

バシュゥゥゥゥン!!!

 

「!?」

 

ガシィン!!

 

「「待ってたぜ!!この瞬間を!!」」

 

トキが着地をしたと同時にジェットツインズは、彼女に突進する。トキをアビ・エシュフごと掴んだジェットツインズは、タワーへと突っ込んでいく。唐突に掴まれたため、アビ・エシュフは反応することができず、トキは驚きを隠せなかった。

 

「抑えたところで…すぐに脱出を…」

 

「「アスナ!!カリン!!アカネ!!」」

 

「は~い♪」 「任せて」 「かしこまりました」

 

ズダダダダダダ!!ドカーーン!!ボカァン!!

 

「なっ!?」

 

ジェットツインズに動きを封じられたトキはすぐに脱出を試みる。しかし、それも織り込み済みのようで、アスナ、カリン、アカネの3人がトキの脱出を妨害してきた。

 

「そんなバカな…!!こんな作戦、あなたたちもただでは済まないはずです!!」

 

「「そんなことはもとより覚悟の上だぁぁぁぁ!!!」」

 

ズダダダダダダ!!ドカァーン!!ボカァーン!!

 

「抜け出せない…」

 

ガッシャァァァァァァァン!!

 

アスナたちの攻撃は当然、トキを掴んでいるジェットツインズにも当たる。トキはそのことを指摘するが、ジェットツインズは覚悟の上だと一蹴した。ジェットツインズに掴まれたトキはそのままタワー内部へと侵入していった。

 

“ジェットツインズもろともタワー内部に侵入を…?”

 

ズダダダダダダ!!ズダダダ!!ズダダダズダダダ!!

 

“トキ!!主砲で薙ぎ払いなさい!!”

 

「イエス、マム」

 

ビィィィィィィィン!!ドカァァァァン!!

 

タワーの内部に入っていったトキたちをモニターで見ていたリオは、不可解そうに画面を見つめる。彼女は何かマズイと感じたのか、トキに主砲を使わせた。

 

「「みんな!!」」

 

「ゲホッゲホッ!!」 「部屋の中で撃つとは…」

 

「近くで見て初めてわかりましたよ…。恐るべき威力ですね…」

 

“(今のは一体何だったのだろう…。勝率やデータに基づく判断ではなく…いやな予感がした…ただそれだけの理由で、判断を変更した…?)”

 

アビ・エシュフの主砲を近くで喰らった、アスナたちは何とか堪える。そして、主砲を撃たせるという判断をしたリオは、何故そんな判断をしたのかと困惑していた。

 

“(そんな…私がそんな非合理的な選択をするはずが…単純に感覚を勘違いしただけ)”

 

“…リオ”

 

“終わりよ、先生。いかにあなたの指揮能力が高かろうと、「武装」を通じて確定した結果…データで算出された未来は、誰も覆すことなどできない。シャーレの先生…貴方なら初めから「武装」には勝てないと分かっていたはずよ。私たちに勝てる確率なんて、ゼロだということを。それなのに、何故私たちに挑んできたのか…理解できないわ。わずかな勝機というものをどこかに見出していたのであれば、そんなものは無意味で、非合理極まりない行動よ。もし、そんな些細な錯覚を理由に、満身創痍の生徒にこんな事をさせたのであれば…心底、失望するよ”

 

“口数が増えたな、ミレニアムを統べる者よ。余程焦っていると見える”

 

“くっ…!!”

 

リオは自分の行動を勘違いと断じると、先生と通信越しで会話を始める。リオは先生のやっていることが理解できないとばかりに、捲し立てて彼を言葉責めにしていく。最後には失望するとまで言い切ったが、そこでオプティマスが割って入り、会話を中断させた。

 

「先生は、そのような指揮をしておりません」

 

“アカネ?”

 

「いえ、そもそもその認識を最初から訂正する必要がありますね。私たちは別に、勝率やデータを信じて戦ったわけではありません」

 

“…なに?”

 

そしてそこにアカネが参加して、先生の事を擁護する。更には、自分たちはデータを信じて戦っているわけではないと言い出し、リオを困惑させた。

 

「大切な友人を救いたい…ええ、ただそれだけです」

 

“・・・”

 

そしてアカネは友達を救いたいと、真っすぐにリオに向かって答えた。それを見たリオは何も言えず、ただアカネを見つめていた。

 

「あ、そういえばリオ会長。まさか忘れていませんよね?ネル先輩のもう一つの名前。コールサイン・ダブルオー。私たちミレニアムの“約束された勝利の象徴”ということを」

 

 

 

 

 

すこし前

 

「私にいい考えがある」

 

“オプティマスの考えを聞かせて欲しい”

 

「要するに、あの武装は高度な演算能力で我々の攻撃を回避したり迎撃したりしているのだろう?先ほどのジェットツインズのように逃げ道を塞ぐ方法は有効だったわけだ。ならば、どこかに押し込めてしまえば回避能力も半減するはずだ」

 

「なるほど、タワー内部にでも押し込んじまえば…勝ちは見えてくるかもな」

 

オプティマスは先ほどのジェットツインズとネルとトキとの戦いを映像で見ながら、自身の考えを先生たちに伝える。その考えとはトキを閉所に押し込め回避能力の効力を下げる方法である。

 

「「でも、俺も飛べなくなるから正直勝てるか難しいぜ」」

 

「そこはアタシが相手する。近接戦なら誰にも負けねぇよ」

 

「こんなに怪我をしてるようですが、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だ。気合と根性で耐えてやるよこれくらい」

 

だが、トキを室内に閉じ込めるということは、ジェットツインズの強みである飛行能力を潰すことである。彼らはそれを心配したが、ネルは自分が戦うと言って、ジェットツインズを落ち着かせた。アカネはネルの傷を心配するが、本人は気合と根性で耐えると言い張るのであった。

 

“いや…タワーに入れるだけじゃまだ足りない…そうだ!!”

 

「どうした先生?」

 

“エレベーターだよ!!エレベーターに押し込んで扉を閉じて、思いっきり加速させれば…”

 

“正直成功する可能性は低いけど…やってみる価値はありそうだね“

 

さらに先生は、エレベーターにトキを閉じ込めることを提案する。それを聞いたチヒロは可能性は低いものの、やってみる価値はあると答えた。

 

「ではエレベーターに押し込むまでは我々C&Cとジェットツインズが、そしてエレベーター内での近接戦は部長に任せるということで…」

 

「あぁ、任せとけ」

 

“それじゃあ、始めよう”

 

「はい」 「おう」 「「いくぜ!!」」

 

 

 

 

 

タワー内部・エレベーター前

 

「「そぉら!!飛んでけ!!」」

 

ドヒューーーーーン!!!!ビリビリビリビリィィィ!!!!

 

「俺たちは」 「ここまでだ!!」

 

トキを掴んでいた、ジェットツインズはアビ・エシュフごとエレベーターへと彼女を放り投げる。そしてどうやらフュージョンも時間切れのようで、スキッズとマッドフラップに分かれてしまった。

 

ガシャァァァァン!!

 

「なっ!!エレベーターに!!早く脱出を…」

 

「させないよ~♪」

 

ズドドドドド!!ドカァーン!!ボカァーン!!

 

エレベーターに入れられてしまったトキは、すぐに脱出を試みる。しかし、それを防ぐため、C&Cが銃弾の雨を浴びせかける。

 

“今だ!!”

 

「任せろっ!!ふんっ!!!」

 

バシュゥゥゥゥゥゥゥン!!!

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

トキがエレベーターに押し込められたタイミングで、先生はオプティマスに指示を出す。先生から指示を受けたオプティマスはネルを手に持ち、タワー内部のエレベーターに向かって思いっきり投げつけた。

 

ガシャァァァァン!!!

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ドォォォン!!ガシィ!!

 

「ね、ネル先輩!?」

 

「よぉ、後輩!!また会ったなぁ!!!」

 

ネルは、建物の窓ガラスを突き破りエレベーターにぶち込まれる。いきなり前から飛んで来たネルを見たトキは、驚いて動きを止めてしまった。

 

“今だ、チヒロ!!”

 

ウィィィィン…

 

“エレベーター…?まさか、あの子たちの目的地って…!?”

 

ゴゥゥゥゥゥン…

 

“「武装」の欠点…!まさか、そんなやり方で…!?エレベーターに押し込めて、「武装」の回避システムを麻痺させようだなんて…”

 

「ミレニアムのビックシスター、調月リオ。確かにデータや勝率は勝負において重要な要素であることは間違いない。だが、それが全てではない。時にはデータ以上の力を引き出すとこもあるのだ」

 

ネルがエレベーターに入ったことを確認すると、先生はチヒロに指示を出して、エレベーターを閉じて上昇させる。リオはそのあまりにも無茶苦茶な作戦を予想出来なかったようで困惑していた。それを聞いたオプティマスは彼女のことを諭すように語りかけるのであった。

 

 

 

 

 

エレベーター内部

 

「あたし、前に行ったことあったよな?あたしの間合いに入って勝てるヤツなんか、このキヴォトスのどこにもいないって」

 

「・・・・・・」

 

「あ…てめぇには言ってなかったか?まぁ、どっちでもいいんだけど」

 

“加速させて!重力加速度を10倍に!!”

 

ゴォォォォォォォォォォォォォ!!!!

 

エレベーターの中でネルとトキは対峙している。トキはネルの言葉に何も言えずにただ、焦りと困惑の表情を浮かべることしかできない。2人がエレベーター内部にいることを確認したチヒロはすかさず、エレベーターを加速させた。

 

ゴォォォォォォォォォォォォォ!!!!

 

「…回避システム麻痺」

 

「…さて、と。これでチートを使えねぇ。正々堂々戦うとしようぜ、後輩?」

 

「・・・。はぁ…終わりですか」

 

ズダダダダダダ!!!ズダダダ!!!ズダダダダダダ!!!!

 

エレベーターに押し込まれたことで、アビ・エシュフの回避システムは麻痺してしまう。敗北を悟ったトキはため息をつきながら、ネルの攻撃を受けるのであった。

 

ズダダダダダダ!!ドカァーン!!ボカァーン!!

 

チーン!!

 

ウィィィィン…

 

「ペッ…ケッ、大したことねぇな」

 

“これが…ミレニアム最強の…ダブルオー…”

 

エレベーターが最上階に到着し、ドアが開く。中から出てきたのはネルだけであった。その一部始終を見ていたリオはネルのその姿を驚愕の表情で見ているのであった。

 

 

 

 

 

中央タワー下

 

「先生、そしてゲーム開発部たち、アリスの元へと向かうがいい」

 

“ありがとう、オプティマス。そして、みんな。みんなのおかげでここまで来れたよ”

 

「うん、ありがとう」

 

「あ…ありがとう…ございます…」

 

「じゃあ、行ってくるね」

 

ネルとトキの勝負の決着を見届けたオプティマスは、先生たちにタワーへと向かうよう促す。彼女たちは協力してくれたみんなにお礼を言って、中央タワーへと向かうのであった。

 

 

 

 

 

飛鳥馬トキ

再起不能(リタイア)

 




UZQueenならできる(自己暗示)
あと3話でパヴァーヌ後編を終わらせる予定です

シロコ「ん、あれは私のセリフ。盗られた」

ミラージュ「いや、あっちが本家本元だから...」
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