TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
トリニティ裏門
「熱いですね~」
パサパサ…
「・・・」
「あらどうしたんですか、コハルちゃん?」
スッ…
「ちょっと!!それ以上はダメよっ!!エッチなのは駄目!!し・け・い!!」
ハナコとコハルは合宿が決まった後、荷造りをしてトリニティの裏門前で待ち合わせをしていた。ハナコは暑いのか、制服をパタパタと仰ぐ。さらにはシャツにも手をかけ始めたため、コハルは顔を真っ赤にして、止めるように言うのであった。
「どうしてですか、コハルちゃん?私もう暑くて仕方がないんですが…。それに下に水着も着てますし…」
「水着を着てるからいいってわけじゃないでしょぉが!!」
ブゥゥゥゥゥゥン!!
「「??」」
ハナコとコハルがギャーギャー騒いでいると、一台のスポーツカーが彼女たちの元へ現れる。いきなり現れたスポーツカーにハナコとコハルは首を傾げるのであった。
ギゴガゴゴ!!
「ごめんよ!遅くなっちまったな」
「「ホットロッド!」」
「君たちを合宿所まで送るように先生に言われてるんだ」
近づいてきたスポーツカーはトランスフォームしてその姿を現す。その車がホットロッドであることにハナコとコハルが気付き、彼の元へと近寄った。
「ですが…ヒフミちゃんとアズサちゃんは?」
「あー、実は俺がスキャンした車は2人乗りなんだよ…。だから、ヒフミとアズサは先生と一緒にビーに乗って来るぜ」
「そうですか、わざわざお出迎えありがとうございます」
「あ、ありがとう…」
ハナコはヒフミとアズサがいないことに気が付く。ハナコの疑問にホットロッドは乗車定員が2人なので彼女たちしか乗れないので、ビーに託したと説明した。それを聞いて2人は安心すると、改まってホットロッドに礼を言うのであった。
「気にするなよ、マドモアゼルたちを迎えにお上がりするのも、紳士の役目さ」
「あら…お上手ですね…」
「・・・」
お礼を言われたホットロッドは、女性を迎えにあがるのが紳士の役目だと胸を張って言うのであった。しかし、そんな紳士ムーブをする彼をコハルは睨みつける。
「な、なんだよ…」
「ハナコにエッチなことしようとしたら、許さないからね…!!」
「何言ってんだよ、コハル。そもそも俺はトランスフォーマーなんだから、エッチもクソもないだろうよ」
「わ、わからないでしょ!!」
どうやらコハルは、ホットロッドの振る舞いを下心のある行為だと受け取ったようで彼に釘を刺す。しかし、そう言われたホットロッドはただただ困惑するのであった。
ギゴガゴゴ…!!
「まぁ、とりあえず乗った乗った!!合宿所まですっ飛ばしていくぜ!!」
こうしてハナコとコハルはホットロッドに乗って合宿所へと行くのであった。
一方その頃
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
“うぉぉぉぉぉぉぉ”
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「なるほど、重力の負荷に耐える訓練だな」
「『Go!!Go!!Go!!Go!!let’s GO!!!!~♪』」
先生とヒフミとアズサを乗せたビーは、スポーツカーのホットロッドに張り合うために、猛スピードでブッ飛ばしていた。先生とヒフミはそのスピードに悲鳴をあげるが、アズサだけは平気な様子であった。
合宿所
“はぁ…はぁ…き、気持ち悪い…”
「だ、大丈夫ですか…先生…?」
“ギリギリね…でもこれ以上やったら多分吐くと思う…”
「大丈夫か、二人とも?」
合宿所に着いた先生たちであったが、先生とヒフミはビーの荒い運転で、気持ち悪くなっていた。そのなかで唯一無事だったアズサは先生とヒフミに大丈夫かと声をかけるのであった。
「ちょっと遅かったな、ビー。今回も俺の勝ちだな」
「『ちくしょうめー!!』」
「無茶するなよ?あんまりやり過ぎると、マジで先生が吐いちまうぞ」
“じゃ、じゃあ行こうか…”
ビーは必死こいて飛ばしてきたようだが、ホットロッドのほうが早く着いたようである。競争に負けたビーは悔しがるが、ホットロッドはまだまだ余裕そうであった。先生はフラフラしながらも、一行を引き連れて合宿所へと向かうのであった。
「ようやく着きましたね、ここが私たちの…」
「はい、寝床になります。ようやく着きましたね、ふぅ…」
「ここはしばらく使われていないと聞いていたので、冷たい床で裸になって寝ないといけないのかと思ってましたが…。広いですし、きちんとしてますし、可愛いベットもあって何よりです」
合宿所に入った一行が最初に向かったのは、寝室であった。補習ではこの施設の教室しか使っていなかったが、これからは他の施設も使うことになるため、確認に来たのである。そして案外施設が綺麗だったことに、ハナコは安心するのであった。
「これならみんなで寝られそうですね、裸で♡」
「さっきから何でちょいちょい“裸”を強調するの!?それにベッドの数もちゃんとあるんだから、みんなで寝る必要無いでしょ!?」
「せっかくの合宿ですし、そういうお勉強も必要ではないでしょうか?」
「ダメ!エッチなのは禁止!死刑!!」
そしてわざとらしく裸を強調するハナコに、コハルは反応してしまう。案の定反応したコハルを揶揄うように、せっかくだからと言い出すハナコに、彼女は“エ駄死”を突き付けた。
「まあ今はまだ明るいですし、そういうことにしておきましょう。夜は長いですからね…♡」
「『いや~ん♡』」
「えっ、は、ど、どういう意味!?!!?」
「はぁ~、仲が良さそうでなによりだよ、君たち」
ハナコの言葉に合わせてビーがエッチな合いの手を入れる。場所がどこであろうと相変わらず3人でじゃれ合っているのを見て、ホットロッドは呆れるのであった。
「あれ?アズサちゃんは…?」
「あら、先ほどまでは一緒にいたのですが…」
スッ
「偵察完了だ」
みんなで寝室で会話をしていると、ヒフミがアズサがこの場にいないことに気付く。そしてみんなでアズサを探そうと部屋を出ようとすると、アズサが偵察から帰ってきた。
「て、偵察ですか…?」
「トリニティの本校舎からはかなり離れてるし、流石に寝てるときに狙撃される危険は無さそう」
「本校舎からの狙撃って…メガトロンみたいに校舎ごと吹き飛ばさない限り成功しないだろ…」
普通に教室で授業を受けていたときは気にしていなかったようだが、改めて校舎を偵察していたようだ。場違いな心配をしているアズサを、ホットロッドはメガトロンを例に出してありえないと言うのであった。
「それから、ここが兵舎…いや、居住区か。…綺麗だな。こんな施設を使わずに放置していたなんて…無駄使いも良いところだ」
「君たちはここに、お勉強をしに来たんだぜ?別に戦いに来たわけじゃないんだよ」
「うん、分かってる。一週間の集中訓練だろう?外出禁止、自由時間は皆無、24時間一挙手一投足まで油断することは許されないハードなトレーニングでしょ?」
「そ、そこまででは無いと思いますが…」
初めて教室以外の場所に来たアズサは、トリニティの合宿所の施設を綺麗で使わないのはもったいないと評する。そんな今にも籠城戦をしそうな彼女を見てホットロッドは、勉強するためにここに来たということを、彼女に確認させるのであった。
「きちんと準備もしてきた。体操着や細かい着替え、衛生面の歯ブラシや歯磨き粉、石鹸、非常食、毛布、水筒…」
「さすがアズサちゃん、用意周到ですね」
「当然だ。徹底した準備こそ成功への糸口」
“いいね~青春だね~”
アズサは今回の合宿のために入念に準備を重ねてきたようで、リュックサックがパンパンであった。そんなアズサをハナコは褒めると、彼女は当然だと胸を張った。そんな彼女たちの様子を見て、先生は青春を感じるのであった。
「うふふっ。みんなで一緒に食欲を満たし、睡眠欲を満たし、そしてみんなが欲する目標へと向かって脇目も振らず手を動かす…良いですね、合宿」
「…うん、そうだね」
「なんだ、ちゃんと笑えるじゃないか」
「や、やめてよ。恥ずかしい…」
ハナコが少しだけ意味深な表現とはいえ、合宿の魅力を語ると、アズサは笑いながら肯定する。初めてみんなの前で笑顔を見せたアズサを見てホットロッドは感心した。
「あ、でも任務は確実に遂行する。きちんと勉強して、第二次特別学力試験はどうにか合格する。その目標のためにここに来たんだ。…迷惑はかけたくない」
「アズサちゃん…」
「大丈夫、万が一の奇襲に備えて対人地雷とクレイモアも用意してきた。あとは即席爆発装置《IDE》の材料になりそうなもの一式と、対戦車地雷も多少…」
「あ、アズサちゃん!ですからそういうのは…!」
アズサは合宿自体は楽しみであるが、試験には合格すると意気込む。それを聞いたヒフミは感心していたが、直後に地雷などを仕込んできたと聞いて、慌てて止めようとする。
ドカァァァァン!!
「『ほあぁぁぁぁぁぁ!!!』」
「あぁ、ビーが地雷に引っかかった!」
「あ、済まない…」
“早く回収しに行くよ…!!”
外でビークルモードになって庭を走り回っていたビーが、どうやらアズサの仕掛けた地雷に引っかかったようである。爆発の音でそれに気づいたみんなは、ビーを助けに行くのであった。
「『死ぬかと思ったぜ…』」
「…というわけで、あらためて。ナギサ様から言われた通りです。第一次特別学力試験には残念ながら落ちてしまったので…この別館で合宿をすることになりました。私たちは二次試験までの一週間、ここに滞在することになります」
「みんなで頑張ろうぜ」
ビーを助けて、地雷を回収したあと一同は再び合宿所へと戻る。ヒフミはナギサから言われたことをみんなに説明するのであった。
「長い間放置されていたそうですが、少しお掃除すれば全然使えそうですし、体育館やシャワー室なども充実しているようですし…」
「うん、そういえば外にもプールもあった。しばらく使われていないようだったけれど」
「あ、そうだったんですね。あと、今まではここまで頑張って歩いてきましたが、合宿をするにあたってバンブルビーさんとホットロッドさんも一緒にいてくれるとのことなので、勉強に集中しましょう」
「どこかへ出かけたかったら、遠慮なく言えよ」 「『任せろ』」
さらにヒフミは施設の状況を見て、そこまで汚れていなさそうだったため安堵する。アズサもどうやらプールを見つけたようで、食い気味にみんなに報告する。それに続けてヒフミはビーとホットロッドも、合宿所に常駐するとみんなに報告するのであった。
「地下には食堂もありますし、何より先生もいますから、心配することは無いと思います」
“うん、任せて”
「ありがとうございます。えっと、通路を挟んで向かい側にもお部屋があるのですが、先生は…」
ススス…
「ダメっ、絶対ダメ!!同衾とかエッチじゃん!!!死刑!!!」
そして最後に先生も一緒に居てくれるとの説明をする。そして彼女は先生が寝泊まりする部屋の説明を始めようとすると、ハナコがヒフミの元へ近付いてきた。ハナコの行動に何かを感じ取ったコハルは、ハナコが何かを言う前に“エ駄死”を発動するのであった。
「えっと、コハルちゃん?私、まだ何も言っていませんが…?」
「何を言い出すのかだいたい分かるわよ!!ダメったらダメ!そういうことはさせないんだから!」
「コハルちゃんは厳しいですねぇ…」
「私は先生もここで一向に構わないけど?ベッドも余ってるし、無駄に部屋をいくつも使うこともない」
“みんなで交流を深めておいて、何かあったら呼んでくれれば”
いかにコハルでも、あの後ハナコが言おうとしていたことは察しがついたようである。そしてアズサは彼女たちの言っていることが理解できていないため、先生と一緒でもいいと言い出すが、先生は当然大人の対応を取るのであった。
「『Come on!!』」
ガチャ…
「いや…流石に車中泊は可哀想だろ。ベッドだってあるんだし…」
“ごめんねビー…。流石に車中泊は勘弁して”
シュン…
「『・・・』」
先生の寝床論争を見ていたビーは、自分の中で寝ればいいとドアを開く。しかし、先生に勘弁してほしいと言われ、ビーはシュンとしてしまった。
「で、では一旦そういうことで。そうしたら、荷物を片付けて早速お勉強を…」
「あら、でもその前にやることがあると思いませんか?ヒフミちゃん?」
「えっ…?」 「!?」 「なるほど、敵襲を想定してトラップの設置を?」
先生の寝床も決まり、ヒフミは試験のために勉強を始めるよう促す。しかしハナコは、その前にやる事があると言い出した。
「いえ、そうではなく…お掃除、ですよ♡」
「…お、お掃除、ですか?」
「はい。管理されていた建物とはいえ、長い間使われていなかったこともあって、埃なども多いように見えませんか?」
ハナコがみんなに提案したのは、合宿所の掃除であった。綺麗目とはいえ、長らく使っていなかったのもあり、所々埃が被っていた。
「このままここで過ごすというのも健康に良くなさそうですし、今日はまずお掃除から始めて、気持ちいい環境で勉強を始めるというのはいかがでしょう?」
「なるほど、確かにそうですね。まずは身の回りの整理整頓から始めるのは定石ですし、そうでないと途中で気になってしまいますし…」
「うん、衛生面は大切。実際、戦場でもすごく士気に関りやすい部分だ」
「お、お掃除…?えっと、まあ、普通のお掃除なら…」
ハナコの提案を聞いて、他の3人はそれぞれが良い考えだと思ったようである。
「なんだよ、偶には良いこと言うじゃないか」
「『大掃除だ!!』」
“そうだね…”
気持ちを整えるためにまずは掃除をしようと提案したハナコに、ホットロッドは感心する。ビーのほうも掃除には乗り気のようである。
「はい、ハナコちゃんの言う通りかもしれません。やる気が空回りしても困りますし…。私たちがするのは一夜漬けではなく、きちんと用意された期間の中での試験勉強…つまりは長距離走のように、順番やペース、作戦も考えないとです」
「だいぶ部長らしくなってきたな」
「それではまず、大掃除から始めるとしましょう!」
“よし、頑張ろう!!”
ハナコの提案を聞いてヒフミは部長らしく、みんなで掃除をしようと宣言する。部長らしくなってきたヒフミを見て、ホットロッドは再び感心するのであった。
「それでは汚れても良い服に着替えてから、10分後に建物の前に集合としましょう!」
「分かった」 「はい♪」
「よ、汚れても良い服…た、体操着で良い…?」
「それで良いと思うぜ?」
ヒフミの号令と共に、一同は汚れても良い服に着替えて外へ向かうのであった。
10分後、合宿所・正門
「先生、ビーさん、ホットロッドさん、お待たせしました!」
“おお、体操服姿。掃除って感じがするね”
「はい、服装から入るのも大事ですからね。体操着の方が動きやすいですし、汚れた時に洗濯もしやすいですし」
最初に正門の前へやって来たのはヒフミであった。ヒフミは体操着に着替えてやってきたようで、先生も感心していた。
「…で、私は何をやれば良いの?」
「あっ、コハルちゃん早かったですね」
「お待たせ」
「アズサちゃんも…ってどうして銃を?」
「肌身離さず持ってないと、銃の意味が無い。襲撃はいつ来るか分からないものだ」
「いえ、それはその、何と言いますか、その通りかもしれませんが…」
ヒフミに遅れて、コハルとアズサも体操着を着てやってくる。しかしアズサは銃を持ってやってきたため、ヒフミを困惑させるのであった。
「俺はすでに嫌な予感がしているぞ…」
「私もよ」
「あ、あはは…」
「?」
そして残りの1人であるハナコが遅れていることに、ホットロッドとコハルは嫌な予感がしていた。2人の様子を見て、ヒフミは苦笑いをし、アズサは首を傾げた。
「お待たせしました、みなさん早かったですね?」
「アウトーーーーーーー!!!」
「はぁ…絶対やると思った…」
遅れてやって来たハナコは、初めてヒフミたちと会ったときと同じように水着で現れた。嫌な予感が的中したコハルはアウトと叫び、ホットロッドはため息をついた。
「あら…?」
「何で掃除するのに水着なの!?バカなの!?バカなんでしょ!?バーカ!!」
「ですが動きやすいですし、何かで汚されても大丈夫ですし、洗い流すのも簡単で…」
「水着ってのは水の中を泳ぐために着るもんだと思うんだがな?」
「『HAHAHAHAHA!!!』」
水着で出てきたハナコに対しコハルはバカと罵倒する。ハナコは水着は汚れてもいい服だと言い訳するも、ホットロッドにマジレスされる。そしてビーはサプライズ水着芸に腹を抱えて笑っていた。
「というか見られたらどうするの!?」
「誰かも何も、ここには私たち以外いませんよ…?」
「・・・」
(すぐに言葉を返せるあたり、絶対に頭はいいはずなんだがなぁ…)
コハルの見られたらどうするのかという指摘に対し、ハナコはこの合宿所には自分たち以外誰もいないと返す。そのやりとりを見ていたホットロッドは彼女が本当は頭が良いはずだと思うのであった。
「と、とにかくダメ!アウトったらアウト!あんたはもう水着の着用禁止!」
「あら…それはそれで、まあ…」
「あうぅ…」
その後ハナコはきちんと水着に着替えるのであった。こうして、試験勉強の前に、みんなで大掃除に取り掛かるのであった。
ホットロッドは割とトリニティのいろんな生徒と仲が良いです。
他が救護騎士団付きのラチェット
正義実現委員会付きのディーノ
シスターフッドにいるセンチネル
ティーパーティー執事のコグマン
なので
自警団とかスイーツ部とかとも仲良くしています。