TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

5 / 141
「俺グリムロック、便利屋68のメンバー。今回出番これだけ。俺たちダイナボット、アルちゃん大好き。俺グリムロック、ここの砂漠エネルギーいっぱいあるの感じる。エネルギーを持ってくればアルちゃん喜ぶ」
※便利屋はディセプティコンにエネルゴンを売ってお金を稼いだことがあります。


便利屋68

アビドス某所

 

「ぐ、うぅぅぅ…」

 

「クライアントから電話があったわ。アビドスの件、私たちに任せると」

 

カタカタヘルメット団を襲撃し、闇夜に浮かぶ4人の影があった。彼女たちは便利屋68。キヴォトスのマンモス校ゲヘナ学園から指名手配をされている生粋のアウトロー集団である。

 

「でも向こうにはトランスフォーマーがいるんでしょ?私たちだけで何とかなるの?」

 

「うちのダイナボットちゃんたちはアビドス砂漠に来た途端どっか行っちゃったからねー」

 

便利屋68のメンバーは社長の陸八魔アル、室長の浅黄ムツキ、課長の鬼方カヨコ、平社員の伊草ハルカに現在アビドスにて行方不明になっているダイナボットである。

 

「それについては問題ないわ。クライアントが強力なトランスフォーマーを一体派遣してくれるそうよ」

 

「と、とりあえずよかったですねアル様」

 

彼女たちはアビドス高等学校へ向かうべくそのまま闇へと消えていった。

 

 

 

 

 

アビドス高等学校

 

対策委員会の面々は今日も今日とて借金を返済すべく、みんなで思案していた。

 

「では、ご意見のある方は、挙手をお願いします」

 

「はい!はい!」

 

アヤネの司会のもと会議が進んでいく。最初に手を挙げたのはセリカであった。どうやら自身がありそうである。

 

「はい、それじゃあセリカちゃん」

 

アヤネに指名されたセリカはカバンからおもむろに1枚のチラシを取り出す。そのチラシには「ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金」と書かれており、見るからに怪しい代物である。

 

「これを売りつけてさあ!ガッポリ稼ごうよ!」

 

だが当のセリカは気づいておらず、自信満々にチラシの内容を他のメンバーに紹介している有様であった。

 

「「「「・・・」」」」

 

セリカが説明している怪しい情報に他のメンバーは呆れて何も言えずにいた。

 

「街で声を掛けられて説明会に連れて行ってもらったの!これを身に着けるだけで運気が上がるんだって!で、これを周りの…」

 

「セリカちゃん…」

 

結局見かねてアヤネが気まずそうにセリカの話を中断させる。そしておずおずと真実を伝える。

 

「それ、マルチ商法だから…」

 

「儲かるわけない」

 

それに続いてシロコも詐欺であることを彼女に教える。

 

「えぇ!?私2個も買っちゃったんだけど…」

 

「セリカちゃん。騙されちゃって可愛いですね☆」

 

「ノノミせんぱぁい~」

 

彼女が昼飯を抜いて貯めたお金は意味の分からない石に消えてしまった。セリカはそのショックでノノミに泣きついてしまった。

 

「えぇっと…それでは他に意見のある方…」

 

「はい!はい!」

 

アヤネは会議の流れを戻すと、今度はホシノが手を挙げた。

 

「はい、ではホシノ先輩。何か嫌な予感がしますが…」

 

アヤネに指名されたホシノは解決策を話始める。曰く、アビドスの欠点は生徒数が少ないことであり、生徒数を増やせば毎月の金額もかなり増えるということである。そして生徒を増やすために、ホシノが出した解決策は

 

「スクールバスを拉致ろう~!」

 

「はいっ!?」

 

アヤネはホシノから出た言葉に耳を疑う。どう考えても彼女がふざけているとしか思えなかった。

 

「登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないとバスから降りられないようにするんだ~。うへ~、これで生徒数が増えること間違いな~し!」

 

ホシノの解説にアヤネは口を開けて呆然としている。目の前の先輩がこんな案を出してきたことが信じられないようだ。

 

「ホシノ先輩…真面目にやってください…」

 

「ごめんね~アヤネちゃん」

 

アヤネに注意されホシノはそそくさと引き下がった。

 

「よっしゃ!!それじゃあこのミラージュ様がスーパーミラクルなアイデアを持ってきてやったぜ!」

 

みんなで会議をしている中ミラージュが変形して窓から話かけてきた。

 

「じゃあ、ミラージュ」

 

「俺が今トレンドの車になるから売り飛ばして資金にしろ」

 

彼の考えは擬態できるトランスフォーマーの利点を活かしたアイデアである。

 

「おぉ~いいね!できるだけ高級車をスキャンすれば数十億なんてすぐだよ!」

 

「却下です!!詐欺じゃないですか!!」

 

「えぇー!いいじゃねぇかよぉー」

 

だが道徳的な理由でアヤネのストップがかかり、この案も立ち消えとなる。その直後シロコが手を挙げる。彼女も何故か自信に満ち溢れていた。

 

「ん、私にいい考えがある」

 

「はぁ…ではシロコ先輩」

 

「シロちゃん、いつもの言ったげて!!」

 

「銀行を襲う」

 

「は?」

 

アヤネはシロコの口から出た言葉を信じられないらしくもう一度聞き返す。アヤネは先輩にもかかわらず“は?”と言ってしまった。

 

「銀行を襲うの。確実かつ簡単な方法。ターゲットを選定済み。市街地にある第一中央銀行。金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいた。それにミラージュのホログラムを合わせれば…」

 

シロコはアヤネに構わず銀行強盗の話を進める。その話ぶりからして随分と前から計画していたようである。

 

「5分で1億は稼げる。はい、覆面も用意した」

 

そう言ってシロコはバックから覆面を出す。どうやら彼女は本気で銀行強盗をやるつもりなようだ。そしてシロコは手作りの覆面を被り誇らしそうに見せびらかしていた。

 

“シロコ、犯罪はダメだよ”

 

「…ん」

 

結局シロコは先生に注意されて覆面をしまうのであった。

 

「はぁ~」

 

「はーい!次は私が!」

 

「はい…ではノノミ先輩」

 

ここまでの会議でアヤネの精神は疲れ切っており、それが表情にも出始めたなか、彼女はノノミを指名した。

 

「犯罪でも詐欺でもない素敵な方法があります!アイドルです!スクールアイドル!」

 

ノノミの出した案はみんなでキヴォトスで今流行っているアニメの題材である、スクールアイドルをやるというものであった。

 

「却下」

 

だがホシノの一言で流されてしまう。今まで散々ノリノリで便乗してきた割に何故かこの案だけは、すぐに却下するのであった。

 

「決めポーズも徹夜で考えたのに…」

 

結局その後も色々な案を出したが結局は何も決まらず最終的にアヤネに説教されて、今回の会議はお開きとなった。

 

 

 

 

 

柴関ラーメン

 

「アヤネちゃ~ん。ラーメン奢ってあげるから機嫌直してよ~」

 

「怒ってません…」

 

会議の後、対策委員会のメンバーはアヤネの機嫌を直すべく柴関ラーメンへと立ち寄っていた。

 

ガタッ、ガララッ

 

対策委員会のメンバーで柴関ラーメンにたむろっていると、1人の生徒が店内に入ってきた。

 

「あ…あのぅ…」

 

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

 

おどおどと入ってきたお客さんに対し、現在バイトのシフト中のセリカが声をかける。

 

「…こ、ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」

 

「一番安いのは580円の柴関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

入店してきたお客の質問に対しセリカは店員らしく笑顔でそう答える。それを聞いたお客は何故か急いで外へ出ていってしまった。

 

だがその後すぐに他3人の生徒を連れて再び店に戻ってきた。

 

「アルちゃん、やっと見つかったね、600円以下のメニュー!」

 

「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ」

 

「流石です!アル様!」

 

「はぁ…柴関ラーメン一つ…」

 

柴関ラーメンに600円以下のラーメンを4人で分けて食べる女子生徒の姿があった。彼女たちは便利屋68。キヴォトスのマンモス校ゲヘナ学園から指名手配をされている生粋のアウトロー集団である。

 

「はい、柴関ラーメン一つですね…かしこまりました」

 

「お箸も4膳付けてね」

 

「え…あ、はい」

 

4人なのに一品しか注文しない彼女たちに違和感を覚えながら注文を厨房へ持っていこうとするとハルカが何やらうわ言のようにブツブツ言っているのが聞こえる。

 

「すみません!すみません!貧乏ですみません!」

 

「び、貧乏なことは悪くないわ!もう少し待ってて、すぐ持ってくるから!!」

 

何やら同じ貧乏同士通じ合うものがあったのか、セリカは厨房へ走っていってしまった。

 

「それより社長、ラーメン1杯しか食べられないくらい予算を人員雇うために使っちゃってるけど…アビドスの連中ってそんなに危険なの?確かに今のうちらには主戦力のダイナボットがいないけど…」

 

便利屋の中で一番冷静でまともなカヨコがアルにそう尋ねる。

 

「それは…」

 

「多分アルちゃんはビビッていっぱい雇ってるだけだよ。ダイナボットちゃんたちがいないから怖がってるんだぁ」

 

「ビ、ビビッてないわよ!!」

 

揶揄ってくるムツキに対し、アルは必死に否定する。だがその顔には図星と書いてあった。

 

そうやってラーメンが来るのをみんなで待っているとセリカがラーメンを運んでくる。

 

「お待たせしました!お熱いのでお気をつけて!」

 

ダンッ!!

 

セリカが持ってきたのはどんぶり一杯に麺や具が限界になるまで盛られたラーメンであった。便利屋のメンバーたちはいきなり出された超特盛のラーメンに驚きが隠せない様子であった。

 

「こ、これはオーダーミスなのでは?こんなの食べるお金、ありませんよう…」

 

当然600円以下のラーメンを求めてやってきた彼女たちにこの特盛のラーメンの代金を払うお金など持ち合わせていない。

 

「いやいや、これで合ってますよ。580円の柴関ラーメン並!ですよね、大将?」

 

そう言ってセリカは柴大将の方を見る。柴大将は厨房でラーメンを作りながら彼女たちに向かって親指をグッと上げていた。

 

「それじゃあごゆっくりどうぞー」

 

便利屋のメンバーは想定外のもてなしに顔がほころぶ。

 

その後便利屋68はラーメンに舌鼓を打ち、お店にいたアビドスの面々と仲良くおしゃべりするのであった。

 

なお、カヨコとムツキはおしゃべりしていた相手がアビドスの生徒だと気づいていた。

 

 

 

 

 

ラーメンを食べ終わった便利屋と対策委員会は互いに目的の達成を願い爽やかに別れを告げる。

 

「ふう…いい人たちだったわね」

 

「「・・・」」

 

対策委員会と別れた途端カヨコとムツキがアルのほうを黙って見つめる。

 

「な、何よ…」

 

「社長。あの子たちの制服、気づいた?」

 

「えっ?制服?何が?」

 

「アビドスだよ、アイツら」

 

またしても何も知らない陸八魔アルさん(16)はこの後襲撃する学校の生徒たちと仲良くおしゃべりをしていたことにやはり気づかなかったのである。

 

「なななな、なっ、何ですってーーーーーー!!!???」

 

アルちゃん大ショック。会社の威厳ある社長がしてはいけない顔で驚愕していた。

 

「あはは、その顔うけるー」

 

「まさか本当に気づいていなかったとは…。それに彼女たちが乗って帰っていった車もトランスフォーマーだろうね。こんな砂漠で走れるようなタイプじゃない」

 

さらにカヨコは砂漠で走るにしては不便そうなスポーツカーを見てそれがトランスフォーマーであると推測したのである。

 

「う、うそでしょ…あの子たちがアビドスだったなんて…」

 

アルは衝撃的すぎて驚愕顔から元に戻れずにいる。そんな社長に仕事を始めさせるべく、カヨコとムツキは業務の開始を促す。

 

「ほらほら、仕事始めるよ」

 

「バイトたちが社長の命令を待ってるよ」

 

「そ、そうよね!一企業の社長として冷酷な判断もできないと!い、行くわよ!バイトを集めて!」

 

アルはそう宣言すると、バイトたちの元へ向かうのであった。

 

 

 

 

 

アビドス砂漠某所

 

ブロロロロ…

 

砂漠の砂と同じ色をした地雷撤去車がアビドス高等学校へ向かって動き出す。その車にはディセプティコンのマークが掘られていた。

 

“ボーンクラッシャー、アビドス砂漠には強いエネルゴン反応が確認されている。カイザー共に手を貸すのは癪だが、奴らの労働力は役に立つ。今は協力してやれ”

 

ボーンクラッシャーと呼ばれた地雷撤去車は誰かと通信しているようだ。

 

“ボーンクラッシャー了解”

 

ボーンクラッシャーは通信を切ると、砂埃を上げながら便利屋たちの元へ合流するのであった。

 




ダイナボットは映画版基準だと流石にデカすぎるのでオプティマスよりちょいデカいくらいのサイズを想定してます。あとブルアカで出すには怖すぎるのでG1カラーリングです。

便利屋+ダイナボットだけで正直アビドスはヤバいのでしばらくはダイナボットは砂漠でエネルゴン探してもらいます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。