TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
「それではまず、建物周辺の雑草から抜いていきましょう!」
“今日は陽射しが強いから、熱中症には気を付けてね”
まずヒフミが補習授業部のメンバーに雑草を抜いていこうと提案する。季節は夏で陽射しも強いため、先生は彼女たちに熱中症に気を付けさせるのであった。
「は~い♪」
「草を、抜く…ま、まあ別に…」
「なるほど。確かに本陣の周囲で、敵が隠れられそうなポイントから取り除くのは理に適ってる」
ヒフミの提案に他のメンバーも賛同する。ただ、コハルだけは草を抜くという言葉に何故か反応していた。
「えっと…と、とにかくまず建物の周りを整えたら、その後はそれぞれ一か所ずつお掃除をしていくという順番でお願いします!」
「はい♪」 「う、うん」 「わかった」
「さあ、始めましょうか!」
「「「おー!!」」」
補習授業部のメンバーによる合宿所の大掃除は、草むしりから始まった。
「俺たちはどうする?流石に小さい雑草は俺たちじゃ抜けないぜ」
「『不可能』」
“そうだね”
補習授業部のメンバーたちが雑草を抜いているのを見て、トランスフォーマーの2人は途方に暮れていた。彼らの図体では庭に生えている雑草は刈れても、抜くことはできないのである。
“ここの運動場…結構ガラクタが散らばってるね”
「そうだな。コイツを片付けちまおうか?」
「『Yes!!Yes!!Yes!!』」
“じゃあ片付けようか”
先生は辺りを見渡すと、所々にガラクタが散らばっていることに気が付く。トランスフォーマーチームはガラクタを片付けることにした。
居住区・廊下
「ここはまず箒で埃を掃いて、その後にモップが良さそうですね。埃の溜まりやすいところですので、一度では終わらないかもしれませんが…」
「大丈夫だ、問題ない」
「アズサちゃんにはこの廊下が終わったら、シャワー室とお手洗いの辺りをお願いしても良いですか?」
「うん、了解。任せて」
雑草を抜き終わったヒフミたちは、次は廊下の掃除をしていた。ヒフミは補習授業部の部長らしく、アズサに他の場所を掃除するように指示を出すのであった。
合宿所・ロビー
「けほっ、けほっ…!何ここ、すごいほこり…」
「そうですね、家具が多いからでしょうか…えっと、ではここも埃を掃いて…」
「やっ、やり方くらい知ってる!正義実現委員会でずっとやってるし!マスクを付けて埃を払ってから、水拭きすれば良いんでしょ!バカにしないで!」
「ば、バカにしたつもりは無いですよ…?では、ここはコハルちゃんにお任せしますね!」
合宿所のロビーでせき込んでいたのはコハルである。コハルはヒフミに掃除の仕方を指示されると、相変わらず見栄を張って分かっていると言うのであった。
合宿所・寝室
「えっと、ここは…」
「ヒフミちゃん、ここは私に任せてください。これから色々とお世話になる場所ですし、きちんとお掃除しておかないとですよね。寝具類は今洗って干しておけば、午後には乾くでしょうし…。他の部屋にもマットレスがあったので、古そうなものは交換して…あとは換気を…」
「すごい、詳しいですね!ではお願いしますね、ハナコちゃん」
「うふふ、はい♡」
ヒフミがベットの扱いをどうしようか迷っていると、ハナコが的確な方法を述べていく。彼女が随分とやる気があるように見えたので、ヒフミはベットのことはハナコに任せることにした。
その後も補習授業部のみんなは合宿所の中を掃除していくのであった。
“こんなところかな…?”
「良いんじゃない?ずいぶんキレイになった気がする。うん、気持ちいい」
「うん、悪くない」
「そうですね、お疲れ様でした!」
粗方掃除をし終わった一同は、一度校庭に集合する。コハルとアズサとヒフミは一仕事を終えたという感じの、清々しい気分を味わっていた。
「あ、まだ一か所だけ残ってますよ?」
「あれ、そうでしたっけ…?」
「はい、屋外プールが♡」
「あー、あそこね」
だが、ハナコはまだ一つ残っていると、他のメンバーに告げる。そして残っている場所といのは、先ほどアズサの言っていた屋外プールのことである。
“それじゃあ、ビーとホットロッドも一緒に行こうか”
「おう」
「『Let’s Go!!』」
先生はトランスフォーマーも含めた一同を連れて、清掃の終わっていない屋外プールへと向かうのであった。
合宿所・屋外プール
「これは…」
「だいぶ大きいな、どこから取り掛かれば良いのか…いやそもそも、補習授業に水泳の科目は無かったはずだけど?」
「試験に関係無いなら、別にこのままでいいじゃん。掃除する必要ある?」
屋外プールをみんなで覗いてみると大分汚れていた。さらにはプールの規模も大きいため、掃除するのには手間がかかり、水泳の授業は無いためアズサとコハルは掃除をする必要は無いと判断するのであった。
「いえいえ、よく考えてみてください、コハルちゃん。キラキラと輝く水で満たされたプール、楽しい合宿、はしゃぎ回る生徒たち…楽しくなってきませんか?」
「…!?え、何!?分かんない、何か私に分からない高度な話してる!?」
「いや、大丈夫。みんなよく分かってないから」
掃除をする必要は無いと言ったコハルに対し、ハナコは持論を展開してプール掃除の必要性を説く。しかし、コハルにはハナコの言っていることがよくわからないようで、心配になっていたが、それは他のメンバーも同じであった。
「ですが確かに、こうして放置されてしまったプールを見ていると…何だか寂しい気持ちになりますね」
「このサイズだったし、昔はきっと使われていた時期もあったんだろう。元々は、にぎやかな声が響き渡っていた場所なのかもしれない」
「『悲しいね』」
しかし、ハナコの言葉を聞いてヒフミとアズサは寂れたプールに何かを感じ取ったようである。アズサはその広いプールを見て、かつて使われていたときのことを思い浮かべるのであった。
「それでも、こんな風に変わってしまう。“vanitas vanitatum”…それが、この世界の真実」
「えっと…?」
「古代の言葉ですね、“全ては虚しいものである”…確かに、そうなのかもしれません」
さらにアズサは“vanitas vanitatum”という言葉を呟き、この世界の無常を儚む。コハルは言葉の意味が分からなかったようだが、直後にハナコの解説によって、アズサの言っている意味を理解した。
「…アズサちゃん、ヒフミちゃん、コハルちゃん!今から遊びましょう!」
「え、えぇっ!?」
「今から掃除して、プールに水を入れて、みんなで飛び込んだりしましょう!」
「そ、そこまでっ!?」
アズサの言葉を聞いて何か思い立ったのか、ハナコは今から遊ぼうと言い出す。変なことを言い出しがちのハナコだが、今回の発言は全員が驚くほどのものであった。
「明日からは頑張ってお勉強をし続けないといけませんし、となると今日が最後のチャンスかもしれないじゃないですか。今のうちにここで楽しく遊んでおかないと!途中からはまた別のことで、色々と疲れてしまうかもしれませんし…!」
「な、なんだ…ハナコのやつ随分と張り切って…」
「さあさあ、早く濡れても良い恰好に着替えてきてください!プール掃除を始めましょう!」
ハナコはいつもの感じとは違い、必死でみんなを説得していた。それを見たホットロッドは、いつもとは違う彼女の姿に戸惑っていた。
「…うん。たとえ全てが虚しいことだとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない。問題無い、ちゃんと水着も持ってきてる。待ってて」
「あ、アズサちゃん!?早っ…!?」
「さあヒフミちゃんも!コハルちゃんも早く水着…いえ、何でも良いので濡れても良い恰好に!」
ハナコの言葉を聞いて真っ先に着替えに向かったのはアズサであった。そもそもプールを見つけたのは彼女であり、どうやら内心楽しみにしていたようである。さらにハナコはヒフミやコハルにも、濡れてもいい服に着替えてくるよう促すのであった。
“何だかハナコの目が怖い…”
「うーん、でも確かにここだけ掃除しないのは何だか気持ち悪いですし…私も着替えてきます!」
「え、えぇっ!?補習授業とは全然関係ないじゃん…うぅ、何で…」
ハナコは何としてもプールに入りたいようで、その積極性に先生が若干引いていた。そして、その熱意に押されたのか、ヒフミもプール掃除のために着替えに向かって行った。
「ふふっ、コハルちゃん♡」
スッ…スッ…スッ…
「わっ、分かった!分かったから!!無言で近寄らないで!」
結局コハルもハナコの圧に押され、濡れても良い服に着替えに行くのであった。
「・・・」 「・・・」 「・・・」
「さあ、これでびしょびしょになっても構わないということですね♡」
「うん、問題ない」 「ま、まあ一応…」
ハナコ以外の3人は水着に着替えて再び、プールへと戻ってきた。3人が着いて早々黙っているのは、ハナコが水着ではなく、制服を着ていたからである。
「では、みんなでお掃除を始めましょうか?」
「「待て待て待てっ!!」」
「コハルちゃん?どうかしましたか?それにホットロッドまで」
「あんた掃除の時は水着でどうして今度は制服なの!?本当にバカなの!?“濡れても良い服”ってあんたが言ったんじゃん!?」
「これが“濡れてもいい格好”ですよ?」
ハナコが気にせずプール掃除を始めようとすると、コハルとホットロッドが待ったをかける。コハルが制服を着ていることを指摘するが、ハナコは気にする様子はなかった。
「制服は濡れてもいい服じゃないだろ!?」
「もうアンタが何言ってるのか全然わからない!!」
「コハルちゃん、ホットロッド…これは各々の美学の問題かもしれませんが…」
「え、美学…?」
ハナコの返した言葉を聞いて、2人は意味が分からないとばかりに頭を抱える。そしてハナコは続けて、美学を語り始めるのであった。
「水着と制服、どちらの方が濡れた時に“良い感じ”になると思いますか?」
「あっ、ダメだ。全っ然わかんねぇ」
「は、はぁっ!?“良い感じ”って何よ!?何の話!?」
ハナコの美学というのはつまるところ制服のほうが濡れた時に“良い感じ”になるので制服を着てきたという話である。一応はハナコの話を聞いてみた2人であったが、結局彼女の言っている事は分からなかった。
「ふふっ、まあ半分は冗談ですよ。ほら、実は中に着てるんです。お小遣いで買ったビキニの水着♡」
「え、え…?」
「先ほどコハルちゃんに“水着の着用禁止”と言われてしまいましたし、確かに学校ではスクール水着の方が鉄板ですが…今日はこれで許していただけませんか?」
しかし、ハナコはどうやら下に水着を着ていたようである。何故彼女が制服を着ていたかと言うと、先ほどコハルに言われた“水着着用禁止”という言葉に従ったためであった。
「スクール水着は今洗濯中でして、これがダメだとすると私、下に何も…」
「意外と律儀なんだな、ハナコって」
「な、何で私に判断を託すのさ…!べっ、別に勝手にすれば良いじゃん…!?」
「うふふ、ではそういうことで♪」
そして先ほど着ていた水着は洗濯中のため、ハナコはこれしか着る事ができないためコハルに許してもらわなければ、プール掃除ができないのである。それを聞いたコハルは勝手にすればいいと言うと、ハナコは安心したのか笑顔を見せるのであった。
「それでは…。あらためて、お掃除始めましょうか!」
「見てください、虹ですよ!虹!」
「ひゃっ!?ちょっ、ハナコちゃん冷たいですよぉ!」
「ふふっ、トリニティの湖から引っ張ってきている水みたいですので、そのまま口を開けて飲んでも大丈夫ですよ?」
「ど、どうしてこんなことに…」
満を期してプール掃除をし始めたハナコはホースで虹を作るほどはしゃいでいた。ハナコはヒフミと共にはしゃぎ、アズサはプールの床を走り回っている。そんな彼女たちを、コハルはただ眺めているのであった。
「『楽しそう』」
ギゴガゴゴ!!
「何だ?ビーも参加するのか?」
「『Yes!!』」
補習授業部のみんながプールで水を掛け合っているのを見て、ビーも腕のキャノンを変形させる。そして、両腕に水を充填させ始めるのであった。
「『発射ぁぁ!!』」
ブシュゥゥゥゥゥゥン!!
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
「『HAHAHA!!』」
そして、ビーは水を掛け合っている補習授業部に向かって、キャノン水鉄砲を発射する。細いホースとは比べ物にならない威力を喰らった彼女たちは、驚いてその場に転がるのであった。そんな彼女たちの様子を見て、ビーはご満悦である。
「もぉ~!!何するの!!」
「あははははっ!!びしゃびしゃですねぇー」
「うん、流石はトランスフォーマー。凄い威力だった…」
「あはは…びっくりしました…」
ビーの水鉄砲を真正面から浴びた彼女たちは、全身びしょ濡れになっていた。夏の暑い時期なのもあって、濡らされたにもかかわらずみんな嬉しそうな表情を浮かべるのであった。
「そういえば…ビーさんもホットロッドさんも、先ほどのお掃除で随分汚れているようですね」
「確かに。砂まみれで薄汚い」
「『Oh~』」
「確かになぁ~。全身砂だらけになっちまってるよ」
ヒフミは水をぶっかけた相手であるビーを見ると、身体が薄汚れていることに気付く。アズサにも薄汚いと言われて、ビーのテンションはあからさまに下がってしまった。そして、それを見ていたホットロッドも自分が砂だらけになっていることに気付くのであった。
“みんなに洗ってもらえば?”
「いいですねぇ。みんなで洗って差し上げましょう!」
「はい、このプールはとても大きいですから2人がここに入るくらいの余裕もありそうです!」
「ま、まぁ…車を洗うのは別にエッチじゃないし…」
砂にまみれている2人を見て、先生は補習授業部のみんなに洗ってもらうよう提案する。先生の提案を聞いた一同は、2人を洗車するのに賛成するのであった。
「そ、それじゃあお言葉に甘えて…」
「『おじゃまします~』」
ガチャガチャ…ドシンッ!!
「おぉ…こうやって近くで見ると凄いな…」
補習授業部の言葉を聞いて、ビーとホットロッドは柵を乗り越えてプールへと入っていく。アズサは初めてトランスフォーマーを間近で見たことにより、感嘆の声をあげるのであった。
「それじゃあ、頼むよ」
「『よろしくお願いしまぁぁぁぁす!!!』」
ギゴガゴゴ!!
「おぉ~!!!トランスフォームってそうなるんだな!!」
2人は補習授業部のみんながいるプールへと入ると、洗車してもらうためにトランスフォームしてビークルモードになる。トランスフォームをこれほどの近さで見たのは初めてだったのか、アズサは目を輝かせていた。
“スポンジとか、洗剤とか色々持ってきたよ”
「ありがとうございます!!」
「うん、やるからには全力で洗車するぞ」
ビーとホットロッドがプールの中へと入る間に、先生は洗車するためのスポンジや洗剤などを持ってくる。ヒフミとアズサは先生からスポンジを受け取ってビーの洗車を始めるのであった。
“はい。ハナコとコハルも”
「はい…。しっかり洗って差し上げますねぇ~♡」
「ねぇ…これって超が付くほどの高級車なんじゃ…」
そしてハナコとコハルはホットロッドを担当することになった。コハルはホットロッドの車体を見て、とんでもない額の高級車なんじゃないかと、恐れおののくのであった。
ゴシゴシゴシゴシ…
「ビーさんの車体には所々傷がありますね…。やはりアビドスでの戦いのときに付いたのでしょうか…?」
「名誉の傷…ということなのか?顔に似合わず勇敢な戦士なんだな」
「はい!!アビドス砂漠での、ザ・フォールンとの決戦でも勇敢に戦っていました!!」
「『もっと褒めて!!』」
ビーはアビドスでの戦い以降、特にスキャンやリペアなどを面倒くさがってしていないため傷が残っていた。ただその傷がアズサには名誉の傷と認識されたようで、彼女はビーの認識を改めるのであった。
「けど、ヒフミは何故そのザ・フォールン…?との戦いのことを知っているんだ?」
「あ、あはは…。それは話せば長くなるのですが…」
“い、色々あってね…”
「?」
アズサはヒフミがザ・フォールンとの戦いのことを知っていることに疑問を思ったようで、彼女になぜ知っているのかと問いかける。その事を指摘されたヒフミと先生はバツの悪そうに、言葉を濁すのであった。
(ブラックマーケットにいたなんて言えない…)
(“さらに一緒に銀行強盗をしただなんて…。口が裂けても言えない…!!”)
「『覆面』『水着』『ファウスト』」
“「しっーーー!!!」”
「?」
2人が理由が明かせないのも当然である。何しろペロロ様のためにブラックマーケットまで赴いたヒフミと、そのついでに銀行強盗に巻き込まれたなどど、言えるはずもないのである。だが、ビーが本当のことを話そうとしたため、2人は必死に止めるのであった。
ゴシ…ゴシ…ゴシ…ゴシ…
「痒いところはございませんかぁ~♡」
「え?あぁ…うん。別に痒くはないけど…」
「ちょっと!!アンタ何言ってるの!?エッチなのは駄目、死刑!!」
「い、今ののどこがエッチなんだ…?」
一方ハナコとコハルはホットロッドの洗車をしていた。コハルはハナコがイヤらしい声色で、意味深な事を言っているのを聞いて“エ駄死”を発動するが、ホットロッドは何がエッチなのか、よくわかっていなかった。
ゴシゴシゴシゴシ…
「素敵ですね~♡この流線形のボディ…。興奮しちゃいそうです♡」
「そう言ってもらえると、何だかうれしいなぁ。この車をスキャンする前は100年前くらいの古い車だったからさぁ」
「・・・。はぁ、何よこれ…」
相変わらずの声色でハナコはホットロッドのビークルモードを褒めると、彼はそれに嬉しいと答える。ハナコの意図に全く気付かず会話を続けている状況になってしまい、コハルはただただ洗車しながらその様子を眺めるしかなかった。
「ふぅ…終わりましたね」
「うん、だいぶキレイになったと思う」
「『Thanks』」
“良かったね、ヒフミとアズサに洗ってもらって”
ヒフミとアズサはビーの洗車を終えたようで、少し疲れた様子でビーを見ていた。そして、洗車をしてもらったビーは、ヒフミとアズサに礼を言った。
「こちらも終わりました~」
「か、感謝しなさいよねっ!」
「2人ともありがとうな」
そして、タイミングを同じくしてホットロッドの洗車も完了し、彼も2人に感謝の言葉を述べるのであった。
ギゴガゴゴ!!
「ふぅ~、これでボディもピカピカだな!」
「『♪Happy~Happy~Happy~』」
“うん、キレイになったようで何より!!”
洗車が終わった2人は、ビークルモードからロボットモードへとトランスフォームする。2人ともキレイになったことに、満足しているようである。
「それにしても…暑いなか洗車したせいでだいぶ汗をかいてしまいましたね」
「水着で洗車してたから気づくのが遅れたけど、確かに汗で気持ち悪いかもしれない」
「・・・」
(もしかして…水着で洗車するのって、もの凄くエッチなことなんじゃ…)
「コハルちゃん?どうしました…?」
補習授業部のみんなは水着を着ているとはいえ炎天下の中で洗車をしていたため、結構汗をかいていたようである。そしてコハルは、水着姿で車を洗車するという行為自体がエッチなのではと、ようやく気付いて顔を赤くするのであった。
「それじゃあ私たちはシャワー室に…」
「おっと待つんだ」
「ホットロッドさん?」
「君たちには俺たちの車体をキレイにしてもらったからね。俺からもその礼をしよう」
ヒフミはプール掃除も洗車も終わったため、汗を流すためにシャワー室へと向かおうとする。だがそれを、ホットロッドはお礼がしたいと言って止める。
「お、お礼って何するの!?エッチなことはダメなんだからね!!」
「その洗車でかいた汗をキレイさっぱり流してあげるよ」
「やっぱりエッチッ!!!!!エ駄死!!!!」
「あはは…」
お礼と言う言葉に反応したのか、コハルはホットロッドがエッチな事をするんじゃないのかと警戒する。そしてホットロッドの答えが汗を流してあげるという答えだったため、“エ駄死”を宣言した。
「そうですか、ではお言葉に甘えて…♡私の身体にべっとりと付着した汗を流してくださいね♡」
「うん、頼んだ」
「えっ!えっ?えっ!?ちょっと!?」
「と、とりあえず…よろしくお願いします」
コハルが騒いでいるのを横目にハナコとアズサは、ホットロッドの提案に同意する。そんな2人にコハルは今まで以上に困惑していた。そして最後にヒフミも加わり、補習授業部の準備が整うのであった。
「それじゃあ、いくぜ!!タイムバブル!!」
ブォォォォン!!
「おぉぉ…」
「な、何よこれ…!!」
「こいつは俺の必殺技のタイムバブルさ!!このバブルの中に入れられたものは時間の流れが極限まで遅くなるのさ」
ホットロッドは補習授業部のメンバーの頭上にタイムバブルを展開する。いきなり、おかしなバブルを展開されたので、アズサは驚嘆し、コハルはうろたえる。
「ビー、さっきのキャノンをタイムバブルに撃ち込んでくれ」
「『OK!!』」
バシュ!!バシュ!!ブゥゥゥゥゥン…
「す、すごいです!!本当に水が止まってますよ!!」
ホットロッドはビーに先ほどの水鉄砲を撃ち込むよう伝える。ビーが彼の言う通りに水鉄砲を撃ち込むと、水がバブルの中で浮きだすのであった。
「な、こうすれば頭から水をかぶれるだろ?」
「そうだな、効率的な方法だと思う」
「テーマパークのアトラクションみたいで楽しそうですね♡」
「ふぅ…よ、良かった…」
ホットロッドが考えた汗を一瞬で流す方法というのは頭上でバブルを弾けさせて水を頭上から一気に落とす方法であった。アズサとハナコはホットロッドの提案に楽しそうに答え、コハルはエッチなことじゃなかったと安心するのであった。
「それじゃあ、いくぜ」
パァァァァン!!バシャァァァァン!!!
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」
「『Splash!!』」
そして、ホットロッドはバブルを弾けさせ、水が流れ出す。水を頭からかぶった補習授業部のメンバーは、驚きながら汗を流すのであった。
「うふふ…♡気持ちよかったですね~♡」
「ふぅ…涼しくなったな」
「び、びっくりしたじゃない…」
「とても良かったです!!」
補習授業部のみんなは、それぞれタイムバブルのアトラクションの感想を言い出す。
「気持ちよく汗を流してもらって良かったよ」
「『最高だぜー!!』」
その後、一同はプールに入るために水を張ったのだが、プールが広かったため、入れるようになる頃には日が暮れていた。
水着で洗車ってエッチだよな絶対...