TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
ミラージュ「ビナーのビームで死にかけた俺が弱いみたいじゃねぇかよ」
補習授業部のみんなはテストに合格するべく夜遅くまで勉強を続けている。その間にヒフミがモモフレンズをみんなに紹介してアズサがハマるなどしていたが、勉強は順調に進んでいた。
「コハル、質問」
「うん、え?私?私に!?」
「そう、コハルに。今同じところを勉強しているはずだ。この問題なんだけど…」
「う、うん…」
みんなで勉強をしているなか、アズサがコハルに分からないところを質問する。コハルは自分に聞かれると思っていなかったのか、驚いてしまった。
「…あ、これ知ってる!これはたしかこうやって、下のところを90度になるように、線を引いて…そうすると、この三角形とこの三角形が一緒、分かった?」
「なるほど、そういうことか。助かった。これは確かに、正義実現委員会のエリートというのも頷ける」
「…!?そ、そうよ!エリートだもの!! …も、もし何かまた分からなかったら、私に聞いても良いから。アズサはその、特別に」
「ありがとう、助かる」
珍しく人に頼られて不安なコハルであったが、幸運なことに知っている問題であったため、彼女は得意げにアズサに教える。アズサはコハルのおかげで問題が理解できたため、流石と褒めると、コハルはさらに得意げになるのであった。
「あらあら…。さすが裸の付き合いをしただけはあると言いますか、もう深いところまで入った仲なのですね…♡」
「ちょっ、何言ってんの!?そういうアレじゃないから!?」
「うん?ハナコも身体を洗ってほしいのか?」
「あ、あの、うぅ…」
アズサとコハルが仲良くお勉強している姿を見て、ハナコはちょっかいをかける。そんな彼女のちょっかいを2人はいつもと同じような反応する。そして、それを見ているヒフミは雑談せずにちゃんと勉強して欲しいと思っていたが、言い出せずにいた。
「あ、コハル。もう一つ聞きたい」
「ん?この問題は、えっと…」
「コハルも知らない問題か?」
「うーんと、これ、たしか参考書で見たような…ちょ、ちょっと待って」
そしてアズサはコハルにまた別の問題を聞く。コハルは問題の解き方を思い出せなかったのか、参考書をカバンの中から取り出そうとする。
ゴソゴソ…
「確か持ってきてたはず…」
ゴソゴソ…
「んしょっ」
ババァーーン!!
コハルは参考書を探そうと、カバンの中をゴソゴソと探索する。そして彼女が参考書だと思ってカバンの中から取り出したのは、なんとエロ本である!!
「?」 「!?」 「!?」
「この参考書に乗ってるのか?」
「うん、この参考…あれ?」
いきなり出てきたエロ本を見て、ヒフミとハナコは驚いてしまう。一方アズサはこの本がどんな本かわからないのか、エロ本を参考書だと思っていた。
「エッチな本ですねぇ」
「うわあぁぁぁっ!?な、なんでっ!?」
「コハルちゃん、それエッチな本ですよね?まあある意味参考書かもしれませんが。隠しても無駄です、“R-18”ってバッチリ書いてありましたよ?」
「ち、違う!見間違い!とにかく違うから!絶対に違う!!」
エロ本をカバンから取り出してしまったコハルは、大声を出しながら慌ててその本を隠す。そしてそんなコハルの慌てっぷりを見て、ハナコは彼女が手に持っている本をエロ本だと指摘する。そんなハナコの指摘をコハルは必死で否定するのであった。
「私の目は誤魔化せませんよ、確実にアレなことをする本でした。それも結構ハードな…。トリニティでも、いえ、キヴォトスでもなかなか見ることができないレベルの内容とお見受けしました。きっと肌と肌とがこすれ合い、敏感な部分を擦り合わせ、嬌声が飛び交い理性が飛び去るような…。どうしてそのような本を持っているのですが?確か校則でも禁止されていたと思いますが…?」
「い、いや、そのっ…こ、これはほんとに私のじゃなくて、えっと…」
「でもそれ、コハルちゃんのカバンから出てきましたよね?それに合宿所まで持ってくるなんて…お気に入りなのですか?」
しかしハナコはコハルの持っていた本をチラッと見ただけで、その内容を推測し説明する。ほんの内容を言い当てられて、コハルはもはやタジタジである。そしてコハルはハナコに押されても、自分の所有物だと認めなかった。
「そうですか、あの真面目なコハルちゃんが、エッチな本を…」
「だ、だから違っ…」
「…いえ。なるほど、そうですね。考えてみたらそんなに変なことでもありませんね?」
「は、はぁ!?何を言って…」
「予行演習もバッチリ…つまり、合宿のために必要なものなんですよね、コハルちゃん♡」
そしてハナコはエッチな本を持ってきたコハルに、何故か感心していた。さらに彼女はエッチな本を、コハルが何かの予行演習のために使うと考えたようである。
「こっ、これは違うんだってばああぁぁぁっ!!」
合宿所にコハルの絶叫が響き渡るのであった。
「…すん、すん」
「えっと、コハルちゃん…。その、正義実現委員会としての活動中に差し押さえた品を、つい入れたままにしてしまった…とか、そういう感じなんですよね?」
「…うん。私、押収品の管理とか、してたから…これは、本当にその時のやつで…」
「なるほど。そういえば、トリニティの古書館の地下には何やら、禁書がたくさん積まれているという噂も聞きましたし…正義実現委員会がそういったものも含めて、色々と差し押さえているとしても何も不思議ではありませんね」
ハナコに詰め寄られてコハルは泣いてしまった。ヒフミは彼女を慰めるために、エロ本を持っていた理由を推測する。そしてやり過ぎたと思ったハナコは、ヒフミの言葉を補足するのだった。
「うーん…であれば、押収品ってできるだけ早く返してしまった方が良い気がするのですが、どうしましょう?」
「た、確かに…ずっと忘れてたけど…」
「数が合わなくて騒ぎになる前に、返しに行った方が良いかもしれませんね…」
そしてヒフミは押収品であれば、早く返すべきだと考えたようである。そしてそれにハナコも同意して、話の流れを変えるのであった。
「今のうちにこっそり行って、バレないように正義実現委員会のところに戻してくれば大丈夫なんじゃないですか?」
「え、今?」
“それならコハル、一緒に行く?”
ハナコは今のうちにこっそり行けばバレないと言い出すが、時間は夜遅くである。なので、コハルが夜遅くにでかけることに不安を抱いていると、先生が助け舟を出した。
「えっ、先生が?」
「…そうですね。先生が一緒であれば、万が一ハスミさん辺りにバレたとしてもそこまで怒られないでしょうし…」
“ビーに乗っていけばすぐに行って帰ってこれるよ”
先生がついていくことにハナコも賛成する。さらには、先生とビーに乗っていくため、時間もそれほどかからないだろう。
「ところでコハルちゃん、それはそれとして、もし他にもお勧めがあればぜひ♡」
「う、うるさいっ、バカっ!!」
そうしてコハルと一緒に、ビー乗って、正義実現委員会の部室へと向かうことになった。
ビーにて移動中
ブゥゥゥゥゥン…
“歩くと結構時間掛かっちゃうけど、車で行けばすぐだから”
「う、うん…」
“それとビー、今は飛ばす必要とか全然無いから安全運転で頼むよ!!”
「『OK』」
どうやらコハルは初めて先生と2人きりの状況になったので、ドキドキしているようである。一方の先生はビーに以前ヒフミとアズサを乗せたときのような、激しい運転をしないよう釘を刺した。
「ふ、ふたりきりだからって、変なことしたら許さないんだからね!!」
“いや、ビーに乗ってるから2人きりではないんじゃないかな?”
「『頭数』『入ってない』『うぇ~ん!!』」
「もぉ~!!何なのよぉー!!」
コハルは二人きりなので、先生にエッチなことをしたら許さないと注意する。しかし、自分たちが乗っているビーにもちゃんと意志のある生命体であることを失念していたため、2人から突っ込まれるのであった。
ブゥゥゥゥゥン…
“ん?通行止めになってる…”
「ほ、ホントだ…」
「『止まります』」
キィィ…
そのままトリニティ総合学園内の正実の部屋へと向かっていると、目の前の道路が通行止めになっていることに気付く。とりあえず事情を探るべく、ビーは通行止めのバリケードが置いてある所で停車した。
「すみませーん。ここから先は通行止めになりまーす」
ウィーン…
“何かあったんですか?”
「あ、先生。こんな夜遅くまでご苦労様です」
“やぁ、キリノ。久ぶり”
通行止めのバリケードの前に立っていたのは、ヴァルキューレ警察学校の生活安全課に所属している中務キリノであった。キリノと先生は互いの存在に気付くと、軽く挨拶を交わす。
“何があったのかな?”
「実は…この先で不良たちが道路を占領してまして…。さらには通るためには金を払えと言い出しましてですね…」
「えぇっ!!」
“た、大変だね…”
先生がキリノに何が起こっているのかを聞くと、どうやら不良が道路を占領しているようである。それを聞いたコハルと先生は驚いていた。
「今、先輩方が対処をしておりましてですね…。ですので、引き返していただければと…」
「正義実現委員会を呼べばいいんじゃないの?」
「しかし、最初に通報があったのがウチでしてですね…。ウチで事態が対処できなければ正実にお願いするんですけども…」
“組織が違うとそこらへん色々大変なんだね…”
引き返すようお願いするキリノに対し、コハルは正実を呼ぶ提案をする。しかし、共同で仕事をすると色々と手続きが複雑になるようで、ヴァルキューレの上官は正実の協力を渋っているようだ。さらに夜遅くという時間もあり、正実を呼び出すのも気まずいのだろう。
ブゥゥゥゥゥン!!
「『俺に任せろ!!』」
“え、えぇっ!!ダメだよビー”
「『不良』『ボコボコ』」
「ちょっ、ちょっと何する気よ!!」
これまで話を黙って聞いていたビーだったが、ここにきて俺に任せろと言ってエンジンを吹かす。ビーが何かしようとしているのを察知した先生とコハルは、必死に彼を止めようとするが意味はなさそうである。
「『俺が片付ける』『結果』『報告をしたまえ』」
「えぇー!!それは困りますよ!!」
「・・・」
「ちょっと!?聞いてますか!?」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!ガシャーン!!
「あぁーーー!!!ちょっと待ってぇーーー!!!」
ビーは自分が何とかするので事後報告をしてくれと、キリノに一方的に言い渡す。そして彼女の制止を無視してバリケードを壊して前へ進んでしまった。キリノはそれを見ていることしかできないのであった。
“キリノより、先輩方に連絡!!黄色の乗用車が侵入しました!!トランスフォーマーです!!”
「なっ、どういうことだキリノ!!」
“す、すみません!!本官だけでは止めきれず…”
ビーが走り去った後、キリノはすぐさま現場にいる上官に無線を繋ぐ。いきなり、ビーが向かってくると伝えられた彼女の上官は当然驚いてしまった。
“ふ、不良は自分がやっつけると言っておりましたので、とりあえずその場から離れたほうがよろしいかと…”
「まったくもぉー!!夜中に通報があったときから今日は運が悪いと思っていたが、とんだ厄日だ!!全員道路から離れろ!!」
「「「はいっ!!!」」」
さらにキリノからビーのやろうとしていることを伝えられると、厄日だと叫びながらその場から離れるのであった。
「ヘイヘイ~、ポリ公のやつ逃げてったぞ」
「ウチらにビビったんじゃね?」
「そうかもな。なんせ、ウチらには武器屋を襲って手に入れたバズーカもあるしな」
ヴァルキューレの指揮官が撤退の命令を出したため、その場を離れていく。それを見た不良たちは、自分たちにビビったと勘違いしたようである。
「よぉ~し、このままカツアゲしまくってやるぜぇ!!」
「「「おぉーーー!!!」」」
ヴァルキューレが撤退したため、不良たちは良い気になっていた。
ブゥゥゥゥゥン…
「なんだぁ?」
「車のエンジン音が聞こえるなぁ」
「フフフッ…何はともあれ飛んで火にいる夏の虫。財布すっからかんにしてやらぁ!!」
「「「いえぇーーーい!!!」」」
だがそこにビークルモードのビーが近づいて来るのを、不良たちは察知し始める。そして不良たちは車の中に乗っている人物(この場合先生である)から、カツアゲをするためにバズーカや銃を構え始めた。
ブゥゥゥゥゥン…
“ビー!!どうするつもり!?”
「まさかこのまま不良共々ひき逃げするつもりじゃないでしょうね!?」
「『違うよ』『安心して』」
「たとえ違うとしても、全然安心できないんだけどぉ!!」
ビーは先生とコハルを乗せて不良のいる地点まで、普通に進んでいく。コハルはひき逃げするつもりかと言われ違うと答えるが、彼女がその言葉に安心することはなかった。
キキィィィィ!!ギゴガ!!ガチャンガチャンガチャン!!
「な、何だあの車!!変形したぞ!!」
「と、トランスフォーマーだ!!」
「で、でもロボットにはなってねぇぞ!!どうなってんだ!!」
ビーは不良たちに近づくと、トランスフォームを始める。しかし、トランスフォームといってもいつものロボットモードへの変形ではなく、走行しながら攻撃することができる、半変形状態である。ビーはサイドからミサイルを発射口を出し、運転席の上にキャノンを展開している状態である。
ピュッ!!ピュッ!!ピュッ!!ピュン!!ピュン!!
「ミサイルだぁーーー!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
チュドォォォォォォォォォン!!!
「私たちが盗んだ武器がぁぁぁ!!!」
ビーは不良たちの近くにミサイルを撃ち込み、彼女たちを牽制する。そして、不良たちが乗っていたバイクや盗んできた武器をキャノンでぶっ壊した。
「『Yeah!!』『Fooooooooooooo!!』」
“「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」”
ビーは不良たちに武器を撃ち込んで破壊し、その場から走り去っていくのであった。
そして後日、彼がやった一連のことを先生から聞いたジャズに、ビーはしこたま怒られるのであった。
トリニティ・正実の建物の近く
「…その、い、言っておくけど、こればっかりは本当に間違いだから!」
「・・・?」 “…?”
トリニティの本館あたりへとたどり着いたときにはもう明け方になっていた。3人は正実の建物に向かって歩いていると、コハルが再び間違ってエロ本を持っていたと訴える。
「いつものはちゃんと隠…じゃなくて、あんまり持ち歩いたりしてないし…」
“バレないように、上手く隠さないとね”
「!?!?な、なに言ってるの!?それ、バレなきゃ持ってても良いって言ってるのと同じじゃん!?せ、先生なんでしょ!?何考えてるの!?エッチなのは駄目!死刑!!」
そして、コハルは小声で持ち歩いていないと言い出すが、結局先生に聞かれてしまった。コハルの言葉を聞いた先生は冗談めかしに上手く隠すべきだと言うと、コハルは“エ駄死”を言い渡した。
“その理論だと、コハルも刑に…”
「『死刑!!』」
「え、や、ちがっ…!?わ、私は、その…。こ、これについては本当に間違いだから!つまりノーカン!!」
だがコハルの言う事には問題がある。エロ本はコハルが持っていたため、コハルも死刑になるということである。そのことを先生とビーが指摘すると、彼女は間違えたからノーカンと言い出した。
“うん、じゃあそういうことにしよう”
「…!?なっ、何それ!大人の余裕ってわけ!?」
「『・・・』」
ジトォー…
コハルとこれ以上この話をしてもあんまり意味もないので、先生は会話を打ち切ろうとする。しかし、彼女は大人の余裕がどうだと言い出して、突っかかっるのでビーは隣で呆れていた。
“色々あるけど、無理に縛られなくて良いと思うよ”
「え…?」
“コハルはコハルだから”
「・・・。分かったような、分からないような…」
「『はぁ~』」
そして、先生はコハルを気遣って、無理に縛られなくていいと彼女に告げる。しかし、コハルは先生の言っていることがあまり響かなかったようで、ビーは隣で「良いこと言ったのに…」という感じのため息をつくのであった。
「うん、でも…。先生が私のことを考えてくれてるってことは、少しだけ分かった…」
“まぁ、それだけわかってくれれば今は十分かな…”
「じゃ、じゃあっ!お返しに、ひとつ私の秘密を教えてあげる!」
“秘密?” 「?」
「実は、私…補習授業部が上手く回ってるかを監視するための、スパイなの!」
“…スパイ?” 「『huh?』」
だがコハルは、先生が自分のことを考えてくれているということは汲み取れたようで、お礼に自分の秘密を教えると言い出す。そしてその秘密は、自分がスパイであるとのことであり、当然の如く先生とビーの首を傾げさせた。
「つまり、秘密のミッションを遂行中の身ってこと。だから今は私がバカみたいに見えてるかもしれないけど、これも全部フェイクってわけ!」
“ミッション…誰からの指示で…?”
「う、えっと…だ、誰って、その…」
「『ちゃんと』『設定』『考えとけ』」
コハルが胸を張って自分がスパイであることを語るのを聞いて、先生は誰の指示で動いているのかと質問すると、彼女は言いどもってしまった。オートボットとしてスパイ活動の経験もあったりするビーは、彼女のあまりにお粗末な返しに設定考えとけと言うのであった。
「んと…は、ハスミ先輩!そう!ハスミ先輩はトリニティの中でもすっごく強くて、正義実現委員会の副委員長だし!あ、あと、そう!つ、ツルギ委員長だっているんだから!」
“…なるほど”
「つ、ツルギ委員長はその、えっと、委員長だし…そう、何でもできるの!ぶ、文武両道…?だから!多分!何回かしか会ったことないけど…と、とにかくすごいの!だから、そういうこと。私は別に、本当に勉強ができなくて補習授業部に入ったわけじゃないってこと、覚えといて!」
結局コハルはハスミとツルギの名前を出すことで、彼女の凄さを語ることにしたようである。そんな凄い人たちから指示されたのだから、自分は凄いという魂胆である。
「私はスパイとして大事な任務を任されている、エリートなんだから!」
“そうなんだ”
「ふふんっ♪」
「・・・」
そして最後に自分はエリートだと自信満々に言うので、先生は彼女の話をただただ頷きながら聞くのであった。そしてビーは、あまりにもいい笑顔をしているので、突っ込みずらくなって黙っていた。
“でもこれ、教えちゃって大丈夫なことだったの?”
「…!!」
「せ、先生が生徒の秘密をやたらに言いふらしたりしないでしょ!?しないよね!? …じゃ、じゃあ大丈夫!」
最後にコハルはそう言って押収品管理室へと走っていってしまった。
正義実現委員会・押収品管理室
「…うん、これで良し。とりあえずひと安心…」
ガチャ…
「…コハル?」
「は、ハスミ先輩!?」
コハルは建物に入って、エロ本を返し終わると一安心する。だがそこに、ハスミが部屋に入ってきてしまったのである。
「それに、先生まで…?たしか合宿で別館にいると聞いたのですが、どうかしましたか?成績が良くなるまで、ここへは出入り禁止になっているはずですが…」
「そ、その、違うんです、えっと…」
“ちょっと急ぎの用があって…”
ハスミは別館にて補習授業をしているはずの、コハルと先生がこの場所にいることに驚いた様子である。コハルがハスミへの言い訳に困っているのを見て、先生は良い感じにごまかすのであった。
「…なるほど、授業に使う書籍の件で。そういうことでしたら、仕方ありませんね」
「は、はい…」
「ですが、ある意味ちょうど良かったです。コハルにあらためて伝えておきたいこともありましたし…」
「え?わ、私ですか…?」
「先生、申し訳ないのですが少し席を外していただけますでしょうか?正義実現委員会としてお話したいこと、と言いますか…」
先生の説明にハスミは納得したようである。そして、どうやら彼女はコハルに話があるようで、先生に退席をお願いした。
“うん、分かった。じゃあ外でビーと一緒に待ってるからね”
「すみません、ありがとうございます」
「は、ハスミ先輩…話って…?」
「心配しなくとも、そう大したことではありませんよ」
ハスミに話があると呼び出された、コハルは心配そうに彼女を見つめる。そんなコハルの心情を察してか、ハスミは彼女に優しく声をかける。
「応援してますよ、コハル。お勉強、頑張ってください。本来の目標を忘れないでください、ただ目の前の勉強の話だけをしているわけではないのです」
「でも、そんな…私には、とうてい無理です…。そんなすぐ成績を上げるなんて…先輩と一緒にいたい気持ちは本当ですが、私にはあまりに難しいことで…」
「それではダメなんです!」
「!?」
ハスミがコハルに話したかったこととは、勉強を頑張っているコハルへの激励であった。しかし、コハルが無理だと弱音を吐くと、ハスミはそれではダメだと大声を出して一喝する。
「ごめんなさい、急に大声を出してしまって…ですがコハル、私たちがこれからもずっと一緒にいるためには、今頑張ってもらわないとダメなのです。それに先生も、必ず手助けしてくれます。そんな先生のためにも、勉強を頑張るのが今コハルがやるべきことです」
「…はい。私、精一杯頑張ります」
ハスミは大声を出してしまったことを謝ると、今度は優しくコハルに言い聞かせる。そんな優しい先輩の応援を受けて、コハルはやる気になったのだった。
玄関にて
“コハル、どうだった?”
「うん、ハスミ先輩が勉強頑張ってって…」
“そう。じゃあ頑張らないとだね”
「うん…私頑張る」
こうしてコハルたちは、合宿所へ帰っていくのであった。
不良たちは今回ギャグ補正が入っているので死にませんよ。ビーの半変形はダークサイドムーン参照。