TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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色々端折った話があります。ハナコがコハルと先生と話してナギサの思惑を知って、本気でテストを受けるようになる所とか。

そして今回と次回は色々なトランスフォーマーを出しますので乞うご期待。


参上!!美食研究会!!

ミカが合宿所に1人で来た後、マリーが代表してアズサにお礼を言ったり、ヒフミと先生の深夜の密会がハナコにバレて、事情を聞いたハナコがやる気になったり、落雷で停電して水着で過ごすハメになったりしていた。

 

トリニティの繁華街

 

「うふふ…♡」

 

「『Yeah!!』」

 

「あはは…き、来ちゃいましたね」

 

「もうどうにでもなっちまえ…」

 

停電が解消した後、制服に着替えた一同はハナコの提案で、合宿所を抜け出し夜中のトリニティの繫華街へと繰り出していた。ホットロッドはハナコに振り回されるのに疲れたのか、投げやりになっていた。

 

「どうですか?もうすでに楽しくないですか?禁じられた行為をしているというこの背徳感、そして同時にみんなで一緒にしているからこその安心感、この二つが合わさって…!」

 

「なるほど、深夜の街はこんな感じなのか…思ったより活気がある」

 

「そうなんですよ、24時間営業のお店も多いですし」

 

「何でそんな事知ってるのかって、俺はもう突っ込まないからな」

 

いつもの如くハナコはイケないことをしていることに興奮しているようである。アズサは初めて見るトリニティの繁華街を感慨深く見つめていた。

 

「あれはスイーツショップ?24時間開いてるところがあるのか…あ、喫茶店も開いてる」

 

「ここからはもう少し行くと、モモフレンズのグッズショップもあるんですよ。その向かいには限定グッズだけを取り扱う隠れたお店もありまして…」

 

「ふふっ、さすがはヒフミちゃん、詳しいですね」

 

「あ、あははは…」

 

“・・・” 「『・・・』」

 

アズサは繫華街がもの珍しいのか、周りをきょろきょろ見渡している。ヒフミはそれに気づいたのか、アズサが好きになったモモフレンズのグッズショップの話をする。ハナコは彼女のモモフレンズに対する情熱に感心するが、ヒフミは何故か気まずい雰囲気になった。それを見ていた先生とビーも何故か同時に気まずい雰囲気になった。

 

「うぅ…結局乗っちゃったけど、こんなところ万が一ハスミ先輩に見られたりしたら、すっごい怒られそう…」

 

「あら、そうなのですか?ハスミさんは後輩たちに優しい方だと聞いていましたが…?」

 

「も、もちろん優しいわよ!それに文武両道、さいしょくけんび…?で、品もあってすっごい先輩なんだから!で、でも怒る時はほんとに怖くて…」

 

“そういえば、前にハスミが本気で怒るとすごかったって…”

 

「う、うん…前に一回あって、私もその場にいたんだけど…」

 

はしゃいでいる3人に対し、コハルはハスミに怒られないか心配なようである。ハナコはハスミは後輩に優しいという話を聞いていたため、コハルの話を聞いて意外そうな顔をする。コハルによればいつもは優しいようだが、キレると本当に怖いとのことである。

 

 

 

 

 

正義実現委員会・教室

 

バキッ!!ボコッ!!ガシャァァァァン!!

 

「「・・・」」

 

「ハ、ハスミ先輩、落ち着いてくださ…」

 

「絶対に、絶対に許しません!!万魔殿!!ゲヘナっ!!どうして、どうしてあそこまで…!!」

 

「ひっ…!」

 

ハスミは万魔殿に何かされたのか荒れに荒れており、教室の備品に当たっている。それを見ている正実一同はハスミに声を掛けられずにいた。それは委員長であるツルギですらも、例外ではなかった。

 

「はぁ…はぁ…。よく、よく聞いておいてください。私は今ここに、宣言します」

 

「「「・・・?」」」

 

「これから私は…私は…っ!」

 

ゴクリッ…

 

「今度こそダイエットをします!!」

 

ハスミは暴れて少し落ち着いたのか、息も絶え絶えになりながら何かを宣言しようとする。正実一同がハスミの宣言に注力し、生唾を呑み込む。そしてハスミは何故か唐突にダイエットを宣言するのであった。

 

「・・・!?」 「・・・っ!?」

 

「だ、ダイエット…ですか?」

 

「はい、ダイエットです!」

 

「何を言ってやがるんだお前は…」

 

唐突にダイエットの宣言をしだしたハスミを見て、正実一同は呆気にとられる。そして、教室で暴れている音が外から聞こえたディーノは、窓からハスミの宣言を聞いてあきれていた。

 

「これから私が一日に二回以上食事をしたり、おやつを口にするところを発見したらその場で指摘したらどうぞ叱ってください!」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

(((((そんなことできるわけないじゃないですか…)))))

 

「こういったことは自分だけの力では難しいので、宣言しておく方が良いと聞きました!みなさんの助けが必要なんです!」

 

ハスミは他のメンバーに、間食などをしようとしているのを見たら叱るよう頼む。しかし、副委員長を叱ることなどできないと、ツルギ以外のメンバーが心の中で嘆くのであった。

 

「は、ハスミ先輩…ゲヘナとの会議で一体何が…?」

 

「・・・。許せません…!なんて、なんてことを…!」

 

「気にするなっつたろうが。まったく…」

 

ハスミはメンバーの1人にゲヘナでの会議のことを尋ねられると、歯を食いしばってその時のことを話し始めた。

 

 

 

 

 

ゲヘナ・万魔殿

 

「…なるほど、お前が“トリニティの戦略兵器”と呼ばれる剣先ツルギか」

 

「…え?あ、いえ、私は…」

 

「そうか、想像以上に規格外だな。不愉快になるくらいに」

 

ハスミはエデン条約を前に万魔殿のリーダーである羽沼マコトと面会をしていた。しかしマコトは、ハスミのことをツルギだと思っているようだ。

 

「キキッ!だがそんな戦略、このマコト様には通用しない!出会い頭のインパクトで我々に勝とうなど甘いわ!」

 

「…はい?」

 

「イロハ、サツキを連れてこい!トリニティのやつらに負けてなどいないことを示してやるぞ!!」

 

「マコト先輩、この方は委員長のツルギさんではなく副委員長のハスミさんです。あらかじめ書類にもあったと思いますが」

 

どうやらマコトはハスミのその大きな姿にインパクトがあるヤツだと認識して、張り合おうとしているようである。そんな彼女の姿を見ていたイロハいつも通りのため息をつきながら、目の前にいるのがツルギではなくハスミであると伝えるのであった。

 

「それと、今もし胸の大きさの話をされているのであれば、多分サツキ先輩が来ても勝てないと思いますが」

 

「・・・」

 

「な、なにぃっ!?ツルギじゃないだと!?なるほど、代役か…舐められたものだ、この期に及んで小細工とは…!」

 

「舐めてんのはお前だよ」 「またマコトのバカが何かやってるぜぇ~」

 

イロハはマコトの視線がハスミの胸部に向かっているのを見て、サツキでも無理だと呆れた声を出す。そしてイロハの指摘でようやく目の前にいるのがハスミだと気付いたマコトはいきなりキレ始めた。それを見ているのは虎丸号改め、ブロウルとオンスロートのの2人である。彼らは万魔殿付きをメガトロンから命じられたトランスフォーマーであるが、マコトのことは舐めている。

 

「はっ!つまりそもそも、この会議はフェイクということか!?我々を呼び出しておいて、身長と胸の迫力でこちらの出鼻をくじいておこうだなんて…!」

 

「いえ、ですから元々ハスミさんです。私の話聞いてますか?聞いてませんね?」

 

「くっ、不愉快なぐらい大きな胸を見せつけおって…!喧嘩を売ってるのか、この万魔殿のマコト様に対して!!」

 

「・・・。チッ!!」

 

マコトは烈火のごとくハスミの身長と胸のことを指摘して怒り出す。それを横で見ているイロハはマコトの行動を目を細めて呆れかえっている。そしてハスミのために付いてきたディーノはこの茶番を見てイラついて舌打ちをする始末であった。

 

「落ち着いてください、あともう胸の話はやめてください。そろそろ万魔殿として恥ずかしいです」

 

「イロハ、こうなったら“あれ”を用意しろ!このままこのデカ女に負けてたまるか!」

 

「デカ女………????」

 

「あ~あ」 「やっちまったよ、あのバカ」

 

しきりにハスミの胸の大きさを指摘するマコトに危機感を覚えたイロハは、彼女に早く止めるよう注意する。そしてマコトが言った“デカ女”という言葉がハスミの琴線に触れてしまったようである。

 

「“あれ”と言われてもなんのことかさっぱりですが、とりあえずこの会議がおじゃんなのはよく分かりました。もう逃げましょう」

 

「……ん?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…!!!

 

「ああ…あああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

バキィベキィボカァン!!

 

マコトがハスミの地雷を無意識に踏んだせいで、万魔殿と正実の会談はおじゃんになったというわけである。

 

 

 

 

 

場面は戻り…

 

「・・・」 「・・・」 “・・・”

 

「それで、その会議自体ダメになって…それ以来ハスミ先輩、あんまりご飯も食べてないから心配で…」

 

「それは普通にゲヘナのマコトってヤツが悪いだけじゃねぇのか?」

 

ハスミのキレた理由が案外些細なことだったので、話を聞いていた一同は反応に困る。そしてコハルはダイエットのために食事を抑制しているハスミを心配していた。

 

「そんなことがあったのですね…ゲヘナの方々に怒るのも分かります、無理もありません…」

 

“ハスミ、大丈夫かな…”

 

「でも、ハスミ先輩は色んな意味で強いから大丈夫!あれからずっと、自分との約束を守って頑張ってるし…!」

 

「インターネットでキヴォトスの言語を学んだときに知った言葉だが、ダイエットってのは過酷なものみたいだな…」

 

コハルの話を聞いたハナコと先生は、ハスミのことを心配する。一方金属生命体なので、ダイエットと無縁であるホットロッドは、ハスミの話を聞いてダイエットの過酷さを想像するのであった。

 

「あ、ここにもスイーツ屋が」

 

「なんだか食べ物の話をしていたらお腹が減ってきましたし、ここで何か食べましょうか?」

 

「あ、ここの限定パフェすっごい美味しいんですよ!24時間やってるとは知りませんでした」

 

「パフェか…うん、悪くない。行こう」

 

そして唯一ハスミの話を聞かず繁華街をキョロキョロ見渡していたアズサはスイーツ屋を見つけたようである。そしてさっきまで食べ物の話をしていたこともあり、ハナコとヒフミもアズサが見つけたスイーツ屋に興味を持った。そして、これを好機とばかりにアズサは一向をスイーツ屋へと向かわせるのであった。

 

「え、えっ…?うぅっ…だ、誰も見てないよね…?」

 

キョロキョロ…スタタ…

 

最後にコハルが辺りを見渡して、一同はスイーツ屋へと入った。

 

 

 

 

 

スイーツ屋・店内

 

「いらっしゃいませ」

 

「あはは、真夜中にスイーツ屋さんだなんて…緊張もありますが、何だかすごくワクワクしますね」

 

「確かに」

 

ビーとホットロッドを外でビークルモード待たせ一同は、スイーツ屋に入っていく。深夜の冒険にヒフミとアズサはワクワクしていた。

 

「5名様でしょうか?ご注文をどうぞ」

 

「えっと…あ、限定パフェってまだありますか?」

 

「ああ、申し訳ございません…限定パフェはちょうど先ほど、別のお客様が三つ購入されたのが最後でして…」

 

「あ、そうでしたか…」

 

「一歩遅かったか…こんな時間まで狙われているなんて、侮れないな」

 

席についた一同はとりあえず限定パフェを頼もうとする。しかし、店員は限定パフェは売り切れたと彼女たちに残念そうに告げる。それを聞いたヒフミとアズサは落胆するのであった。

 

「…あら?せ、先生…?」

 

“ハスミ…!?”

 

「は、ハスミ先輩!?」

 

「あら、それが限定パフェですか?何やらたくさん…」

 

偶然補習授業部たちと先生の様子を見ていた者がいた。ハスミである。先生とコハルは真夜中にも関わらず、このスイーツ屋にいるハスミを見て驚いていた。そして彼女はみんなが食べたかった限定パフェを三つも頼んで美味しそうに食べていたのである。

 

 

「先生、それに補習授業部のみなさん…」

 

「あ、あぁあぁぁぁ…!」

 

「ハスミさん、奇遇ですね♡あら、真夜中にパフェを三個も…たしか、ダイエット中だと伺いましたが?」

 

偶然補習授業部たちに出会ったハスミは、意外な事態に驚いている。そして正実のメンバーであるコハルは副委員長である彼女に出会ってしまったことに戦慄していた。一方のハナコはダイエット中だと聞いていたのにパフェを3個頼んでいることを指摘した。

 

「こ、これはですね、その…」

 

「はい、心中お察しします。真夜中に襲ってきた悪しき欲望に導かれて、ここまで来てしまったのですよね?」

 

「え…!?い、いえその…」

 

「そうして欲望のままめちゃくちゃにしてしまった後、理性を取り戻した頃にはもう取り返しのつかないほどに乱れて…」

 

ハナコに指摘されたハスミは、彼女の言葉にタジタジである。

 

“夜中ってお腹が空くよね”

 

「せ、先生…こほん。その、自分のことを棚上げするようですが、補習授業部のみなさんはそもそも、合宿中の外出が禁じられていたはずでは…?」

 

「!?」

 

「…ここはお互いに、見なかったことにするとしましょうか」

 

「は、ハスミ先輩…」

 

そしてハスミは先生に補習授業部を引き連れて外出しているのを指摘するが、コハルがビビっている様子を見て互いに見なかったことにする。彼女のその言葉を聞いて、コハルは安心するのであった。

 

「ところでコハル。お勉強は頑張っていますか?」

 

「あ、えっと、それは、その…」

 

“コハルは最近、成績がすごく上がってるよね”

 

「は、はい、そうです…!コハルちゃんはこのままいけば全然合格できるくらい、頑張っていて…!」

 

落ち着いたハスミはコハルを気に掛ける言葉をかけるが、コハルは先輩にタジタジである。そんな彼女の様子を見た先生とヒフミは、勉強を頑張ってるコハルをフォローした。

 

「なるほど、そうでしたか」

 

「うぅ…その、えっと…」

 

「それは何よりです。言ったではありませんか、コハルはやればできると」

 

2人の言葉を聞いてハスミは笑顔になる。コハルの成績を聞いて笑顔になったハスミを見て、彼女も同じく嬉しい気持ちになるのであった。

 

「…えへへっ。は、ハスミ先輩の期待を裏切りたくないですから」

 

「はい、引き続き応援していますよ、コハル。早く正義実現委員会に戻ってきて、一緒に任務が遂行できる時を心待ちにしていますから」

 

「はい、頑張ります…!」

 

“良い話だ…”

 

そしてハスミはコハルに早く正実に戻るために、勉強を頑張るよう励ます。それを見ていた先生は先輩と後輩の素敵な関係に感動するのであった。

 

ヴヴヴヴヴ…

 

「…?こんな時間に、連絡…?」

 

プツッ…

 

「はい…イチカ?どうかしましたか?」

 

“ハスミ先輩、ちょっと問題が発生しちゃいまして。今どちらに?”

 

楽しくスイーツを楽しんでいたハスミたちであったが、ここで唐突にハスミの電話が鳴る。彼女に電話をかけた相手は同じ正実の仲正イチカであり、何か問題が発生したようである。

 

「問題…?詳しく聞かせていただけますか?」

 

“どうやら学園の近郊にゲヘナと推測される生徒たちとミキサー車型のディセプティコンが無断で侵入、さらに無差別に銃撃を行いつつトリニティの施設を襲撃している、との情報が”

 

「襲撃…ゲヘナの風紀委員会ですか!?それとも万魔殿がついに本性を…!?」

 

ハスミに問題のことを聞かれ、イチカは電話越しで状況を説明する。どうやらゲヘナの生徒たちとディセプティコンがトリニティに無断で侵入してきたようで、ハスミも警戒感を露わにする。

 

“あ、いえ、それが…”

 

「誰であれ、きっとエデン条約を邪魔しようとする意図に違いありません…!規模は何個中隊ですか?場所は、その施設はどこですか!?」

 

“落ち着いてほしいっす先輩。とりあえずゲヘナの風紀委員会ではなく、兵力も全然少なくて、確認されてるのは4名だけっすね”

 

「風紀委員会ではなく…4名…?」

 

ゲヘナの襲撃を警戒しているハスミに対し、イチカは落ち着くよう彼女をなだめる。そして今トリニティ内部で暴れているゲヘナ生は4名だとハスミに伝える。

 

“はい。それで襲撃されたのは…アクアリウムみたいっすね”

 

「あ、アクアリウム…?どうして、そんなところを…?」

 

“さあ。あたしにもよく分からないっすけど、何だか展示中だった希少種の「ゴールドマグロ」を強奪して逃げてるとかで”

 

さらに襲撃された場所はトリニティの重要な施設ではなく、アクアリウムのようである。それを聞いてハスミは意味が分からずイチカに聞き返すが、彼女もよく分かっていなそうである。

 

「“ゴールドマグロ”…?」

 

“すげー高い魚らしくって、多分どこかに売り飛ばそうと…あ、追加でいくつか情報が送られてきたっすね”

 

「ど、どこの誰ですか!?こんな頓珍漢なことをしているのはっ!!」

 

“えーっと…どうやら正体はゲヘナのテロリスト集団、「美食研究会」らしいっす”

 

そして、ゴールドマグロをアクアリウムから強奪したのはゲヘナの“美食研究会”だという情報がハスミに送られてくる。その理解しがたい所業を聞いて、2人とも戸惑っていた。

 

“主謀者は会長の黒舘ハルナ、ゲヘナの中でも要注意人物とされている例のやつっすね。トランスフォーマーのほうはミックスマスター、コンストラクティコンのリーダーで頭が切れるヤツらしいっす。で、どうします先輩?”

 

イチカは入手した情報をハスミに送り指示を仰ぐのであった。

 

 

 

 

 

トリニティ・中央

 

「ねぇぇぇぇ!!何でこんなとこまで来ちゃったの!?トリニティのど真ん中じゃん!?」

 

「仕方ありません、あの“ゴールドマグロ”と聞いては黙って見ているわけにはいきませんし★」

 

「ふふっ。あの伝説のマグロを、ただ観賞用として扱うだなんて…そんなこと、美食に対する礼儀がなっていないというものですわ」

 

「さて…コイツにはどんな効能があるのか…今から楽しみだぜ」

 

トリニティの中央で孤立しているのは、例の美食研究会とミックスマスター一同である。トリニティのど真ん中に迷い込んでしまい、メンバーである赤司ジュンコは恐れおののいているが、ハルナと鰐渕アカリ、そしてミックスマスターはどこ吹く風である。ミックスマスターはディセプティコンの中では頭脳派で、薬品の調合や毒物などに精通しており、彼女たちとつるんでいるのは珍しい素材を集めるためである。

 

「美食というのは孤高でありながら、普遍的でなくてはなりません…。ただ見世物としてお金稼ぎの手段に終わるなど、この“ゴールドマグロ”さんも望んでいないはず」

 

「んんー!!んぅんー!!」

 

「私たちはただ、その声に共鳴しただけ!そうですよね、フウカさん?」

 

「んんっ!?んーーーーっ!んんんんんっ!?」

 

そして、ハルナは自分たちのポリシー的を語りながら、ゴールドマグロのことを情熱的な目で見やる。そして何故か彼女の傍らには、口を塞がれた状態のゲヘナ給食部である愛清フウカがいた。

 

「御覧なさい。このゲヘナの給食部部長の、感涙にむせび泣くほどの同意を!」

 

「猿轡のせいで、何を言ってるのかさっぱりですけどね★」

 

「うわっ、マグロがまだビチビチ跳ねてる!ひれでビンタされてるっ!?」

 

「んぐぅ!!んんーっ!!」

 

フウカはどう見ても苦しがっているが、ハルナの目には感動で咽び泣いているように見えているようである。そしてフウカの隣で跳ねだして尻尾で彼女をビンタするマグロに、獅子堂イズミは驚くのであった。

 

「イズミ、ちゃんと捕まえてて!それすっごく高いんだから!」

 

「ところでこれいつ食べられるの?マグロにはビンタされるし、黒いセーラー服の子たちに追いかけられるし、そろそろお腹空いたんだけど!」

 

「黒いセーラー服って、それ正義実現委員会じゃん!?こっちの風紀委員会と同じくらいヤバいよ!どうするのハルナ、逃げ切れるの!?」

 

ここまで散々逃げているイズミはどうやらお腹が空いたようでゴールドマグロが待ちきれないようである。しかし、ジュンコはイズミの会話から正義実現委員会が追っかけてきていることを知り、心配そうにハルナに尋ねる。

 

「ふふっ…逃げ切れるのかどうかなんて、大した問題ではありませんわ。大事なのは食べられるか、否か!」

 

「「「おぉー…」」」

 

「つまりは“食べるか、死ぬか(eat or die)”!ただその二択のみ!それこそが、私たち美食家が歩むべき孤高な道なのです!」

 

「まぁ、俺は珍しい素材が手に入りゃどうでもいいんだが…」

 

ジュンコに大丈夫かと問われ、ハルナは自信満々にそう答える。それを聞いた一同(フウカを除く)はハルナのその覚悟に感嘆の声をあげる。一方別にマグロを食べるわけでもないミックスマスターは冷めた様子である。

 

ズドドドドドド!!

 

「結局、こういうことですね★」

 

「うおっ、黒いのがこっち来たぞ」

 

「さあ、包囲網を破って退却です!一刻も早くフウカさんに、新鮮なマグロのお造りを作っていただかねば!!」

 

「んんんんーーーーーーっ!!!?」

 

ハルナが優雅に美食家のポリシーを語ったところで、正義実現委員会が近づいて来るのをミックスマスターが察知する。それを聞いてハルナはリーダーらしく退却の指示を出した。

 

ブロロロロロロロロ…!!!!

 

「ごらぁぁぁぁぁ!!!待ちやがれぇぇぇぇ!!!」

 

「ん、このドスの聞いた女の声は…」

 

「ま、まさか…!!」

 

「んっ!!んんっーーー!!」

 

しかし、彼女たちが撤退をしようとした方角から、赤と白のバイクが怒声を上げながら向かってくる。ミックスマスターも美食研究会のメンバーたちも彼女のことを知っているようである。そしてその声を聞いてフウカは、今度こそ感動で咽び泣いた。

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!

 

「フウカを返しやがれぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「もう…。私はフウカさんにゴールドマグロを捌いていただきただけだと言うのに…。アーシーさんは少し勘違いをしておられるようですね」

 

拘束されたフウカを鬼の形相(ビークルモードなので顔は見えない)で助けに来たのは、オートボットの女性戦士のアーシーである。彼女はディセプティコンの内情を探るためゲヘナに潜伏しているスパイである。

 

美食研究会、絶対絶命のピンチ!!果たして彼女たちは迫りくる危機を乗り越え、ゴールドマグロにありつけるのか!?

 

次回を乞うご期待!!




ブロウル:虎丸号改めブロウル。イロハのパートナーとイブキの御守り。こう見えてイロハとの仲は良さげ。

オンスロート:最後の騎士王のやられシーンは不遇の一言に尽きる。なので彼にもそのうち出番を作ってやりたい。

ミックスマスター:コンストラクティコンのリーダー。薬品や毒物の作製ができ、ディセプティコン内でも重宝されている存在。コンストラクティコン自体は温泉開発部と一緒に温泉開発に勤しんでるが、彼だけは珍しい素材の採取のために美食研究会とも二股をかけている。

アーシー:ゲヘナに送り込まれたオートボットの女性戦士。しかし、ゲヘナの日常に振り回され、それどころではない。だが、それはディセプティコンも同じことなので、彼女がスパイであることは特にバレてはいない。
採用理由は声優繋がりでフウカ自身もバイクに乗るため。
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