TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
ゲヘナ内部
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!
「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
「悪いなお嬢さん方!!もう少し我慢してくれよな!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!死ぬ!!死んじゃう!!私もうアンタたちになんか絶対乗らないからっ!!」
「ビーさんよりも早いですぅぅぅぅぅぅ!!」
補習授業部一行は第二次特別学力試験をゲヘナで深夜2時に受けるべく、ゲヘナの市街地をホットロッドとビーに乗って突っ走っている。今回は前回とメンバーを交代し、2人乗りのホットロッドにヒフミとコハルが乗車している配置である。2人はホットロッドの超絶ドライブテクニックに、絶叫していた。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!
「『走れ!!』『走れ!!』『走れ!!』」
「うふふ♡刺激的ですね~。とぉ~っても興奮します♡」
「あぁ、この疾走感はクセになるな…」
“わ、私はいつまで経っても慣れないかな…”
一方、車のスペックの違いからホットロッドほどのスピードは出ないビーは、彼に置いて行かれてそうなところを必死について行く。こちらも結構な猛スピードなのだが、ハナコとアズサは平気そうである。しかし、ビーに一番乗っているはずの先生は、何度乗っても慣れない様子であった。
ブゥゥゥゥン…キィィ…
「どうしました…?」
「何か変だ…。いかに深夜とはいえ、こんなに人がいないのはおかしい…」
「トリニティと違ってゲヘナは夜中静かなんじゃないの?」
「そ、そうでしょうか…」
ゲヘナの市街を突っ走っていた2台だったが、ホットロッドは市街地に全然人がいない違和感に気付き停車する。しかし、ホットロッドの中にのっているコハルは大して気にしていなさそうである。
キィィィィィーー!!
「やっぱり随分と静かですね…」
ズダダダダダダ!!!
「…銃声だ。どこかで戦闘が起きてる」
「『マジかよ』」
ホットロッドと同じく、ハナコも市街地の異常な静かさに違和感を覚えたようである。そして彼女たちが辺りを見渡していると、いきなり銃声が聞こえてきた。
「うーん、目的地に行くにはこのまま進むしかありませんし…とりあえず行ってみましょうか」
「まったくこっちは急いでるってのに…」
「『急がば回れ』」
“よく知ってるね?ドライブインシアターで覚えたの?”
本当なら避けて通りたいところだが、土地勘もなく急いでいるため、ハナコは銃声の方へ行くことを提案する。ホットロッドはそんな現状に文句を言うが、ビーは諺で彼を諭すのであった。
ゲヘナ・桟橋
「あれは、検問…?」
「止まれ!ここから先は立ち入り禁止になっている!」
「そもそも今日は、街全体に外出禁止令が出されているはずだ!早く戻って…ってその制服トリニティ?」
「どうしてここに…!ゲヘナに何をしに来た!目的は何だ!」
銃声の聞こえるほうへ向かった一同は、ゲヘナの桟橋に辿り着いた。そこでは風紀委員会が検問をしており、ヒフミたちの制服を見て彼女たちがトリニティ生であることに気付く。
「い、いえその、本当にここを通りたいだけでして…!」
「何の目的も無しに、トリニティがゲヘナに来るわけあるか!」
「ですが私たちは本当に、ただ試験を受けに来ただけなんです。特に問題を起こしに来たわけではなく…」
「トリニティの生徒が試験を受けるために、どうしてゲヘナの自治区に来るんだ!!せめてもっとまともな嘘をつけ!」
「せ、正論…あうぅ…」
ヒフミは何とかここを通してもらおうとするが、彼女たちのことを怪しんでいる風紀委員は当然それを拒否する。隣のハナコが試験を受けにきただけだと説明しても、彼女たちは言い訳だと言って通してはくれなさそうである。
「…っ!そこのお前、正義実現委員会じゃないか!?」
「なっ、ほ、本当だ!襲撃!正義実現委員会が襲撃しに来たぞ!」
「上層部に報告!正義実現委員会が遂に来た!!」
「えぇっ!?いやその、そ、そうなんだけど、今は違うって言うか、うぅっ…!」
トリニティの生徒がゲヘナにいるという事実にだいぶ混乱している風紀委員は、コハルを見つけると、正義実現委員会が攻めに来たと勘違いしてさらにパニックに陥る。自分のせいでより事態が深刻になったことで、コハルはさらにうろたえてしまった。
「『殺るしかないな』」
「よせビー。お前最近スケバン相手にミサイル撃ち込んで、先生とジャズに怒られたばっかりだろうが」
「『・・・』」
どんどんと事態が深刻になっていく状況を見て、ビーはトランスフォームして風紀委員を倒そうとする。しかし、ホットロッドはビーが以前先生とジャズにそれをやって怒られたことを指摘すると、嘘のように静かになってしまった。
ドカァァァァァァァァン!!!
「ほあああああっ!?」 「こ、こいつら、やはり…」
ドタン… バタン…
ギゴガゴゴ!!
「バンブルビー!!お前ぇぇっ!!!」
「『違う!!』『俺じゃないっ!!!』」
「そうですね、今のは私たちの遙か後方から飛んできました。しかし、一体誰が…」
補習授業部一同が桟橋で手をこまねいているとどこからともなく、ミサイルらしきものが飛んでくる。ホットロッドはそれをビーがやったと勘違いして、ビーに掴みかかろうとするが、ビーは違うと必死に弁明する。ハナコもビーがやっていないのは見ていたようで、ミサイルを撃ち込んだ主が誰なのか、不思議がっている。
キィィィィィ!!!バタン!
「あらっ★やっぱり先生でしたか!」
「大当たりでしたわね。御機嫌よう。ここで何をされているのですか、先生?」
“美食研究会のみんな!”
「何で久しぶりにあった友達みたいな距離感になってんの?」
ミサイルを風紀委員会に放った主は、美食研究会のアカリとハルナであった。彼女たちはどうやら先生がここにいることに気付いて、風紀委員にミサイルをぶっ放したようである。
「あ、あれ!?確かこの間戦った…!?」
「あら、あの水族館を襲撃した…」
「え、えっと…?も、もう何が何やら…」
美食研究会の2人のいきなりの登場に、補習授業部の一同は驚きを隠せない。なんせ二度と関わる事などないだろうと思っていた、トリニティの中で逃げ回って捕まった例のテロリスト集団と再び出会ってしまったのである。
「なるほど、状況は概ね理解しました。とにかくこの場所に行かねばならないのですね?」
“うん”
「事情は分かりましたが、タイミングが悪かったですね…この辺りは今、それなりに大きな騒動になっていまして」
「騒動?またスタースクリームか?」
先生はこの場に来た美食研究会の2人に助けてもらうため、理由を説明する。しかし、今ゲヘナではちょっとした騒動が起きているようで、中々厳しい状況らしい。その事を聞いたホットロッドはディセプティコンで騒動を起こす人物を真っ先にあげた。
「いえ、スタースクリームではなく、温泉開発部が市街地のど真ん中をドカン★と爆発させたとかで、とにかくめちゃくちゃな状態なんです」
「なんだ、キヴォトス人だけか」
「いいえ。温泉開発部とは、ゲヘナ学園の生徒とディセプティコンのコンストラクティコンズが徒党を組んで活動している集団ですわ。万魔殿・風紀委員会に次ぐ戦力を保持している組織です」
「うわっ…!!」 「『最悪』」
しかし、どうやら騒ぎの中心はスタースクリームではなく、温泉開発部というゲヘナ学園の部活なようである。それを聞いてホットロッドは少しだけ、ガッカリする。しかし、ハルナは温泉開発部のヤバさを理解していないホットロッドに、温泉開発部のことを説明すると、ビーとホットロッドは嫌な顔をした。
“コンストラクティコンズって何?ディセプティコンなのはわかったけど…”
「コンストラクティコンズはミックスマスターをリーダーとした軍団だ。ミックスマスターがコンクリートミキサー車だったように、他のメンバーも建設重機にトランスフォームする」
「なるほど…だから穴を深く掘るであろう温泉開発部と一緒にいるというわけですか」
「えぇ、その通りですわ」
先生はコンストラクティコンズという聞きなれない言葉を聞いて、それが何なのかをホットロッドに尋ねる。ホットロッドはディセプティコンの事情に詳しくない先生や補習授業部のために、コンストラクティコンズについて説明する。それを聞いたハナコは目的の一致で温泉開発部としてコンストラクティコンズが活動しているのだと理解した。
「さらにコンストラクティコンズは合体してデバステーターになる。8体のトランスフォーマーが合体して、何もかも呑み込み破壊してしまうんだ…」
「そ、そんなのがいるんですか?ディセプティコンって…」
「まぁでもデバステーターもヒナさんにボコボコにされてましたけどね★」
「『???』」
さらにコンストラクティコンズは合体してデバステーターになることを説明すると、ヒフミたちはディセプティコンのことを恐れはじめる。しかし、アカリによればデバステーターですらもヒナには勝てないようで、ヒナと面識のあるビーは意味が分からないといった状態であった。
「まぁそのおかげで、風紀委員会も慌ただしく動いているという状況で…まあそのおかげで機に乗じて、私たちもこうして風紀委員会の牢屋から抜け出せたのですけれど。ふふっ♪」
「そうですね。それに非常事態ということもあって、またしてもその場に偶然居合わせた給食部のフウカさんが、部の車を快く貸してくれましたし★」
「んんっ!?んーっ!んーーーっ!!」
(“またアーシーにブチ切れられるパターンだこれ…”)
トリニティで騒動を起こし、風紀委員会に捕縛されていた彼女たちであったが、温泉開発部のおかげで脱獄できたようである。そして、脱獄時にたまたま居合わせてしまったフウカを再び拉致してここに至るというわけである。それを聞いたオートボットと先生はアーシーのブチ切れた顔を思い出し、身震いするのであった。
「新しく買ったばかりの車を貸してくれるなんて…これぞ美しい友情というやつですね★」
「んんっ!んっ、んんんんっ!!!!」
「…その友情のお相手、縛られたままトランクに積まれてません?」
「用が済んだら早く解放するんだぞ。アーシーに殺されたくないだろう?」
そして相変わらず美食研究会はフウカとの間に美しい友情があると勘違いしているようである。だが他の者からはとてもそうには見えないようで、普段奇行をするハナコにすら引かれていた。
「問題ありませんわ、慣れていますので」
「もはや日常といっても、過言ではありませんね★」
「ゲヘナってのはこんなのばっかりなのか?こりゃメガトロンも手を焼いてんだろうな…」
「『フハハハハハ!!』」
アーシーのことが頭に浮かんだホットロッドに注意された2人であるが、彼女たちはいつもの事だと軽く受け流す。そんな様子にホットロッドは少しだけメガトロンに同情し、ビーは彼が困っている顔を想像し高笑いした。
“ハルナ、アカリ!今どこ!?こっちも包囲網を破ったけど、合流できそう!?”
“ぎゃーーーっ!風紀委員会がまだ追いかけてきてる!!”
そうやって現状の確認をしていると、ハルナの元へ無線がかかってくる。無線の相手はジュンコとイズミであり、彼女たちは今風紀委員会と追いかけっこ状態のようだ。
「ジュンコさん、脱出作戦は取り消しです」
“えっ、何で!?”
「ふふっ、あの時のお礼ということで。先生とトリニティの皆さんのことは、私たちが責任をもってご案内しますわ」
「ですね★それではとにかくついてきてください!」
“ありがとう、よろしくね”
しかし、ハルナは先生たちのために脱出作戦を取り消してしまった。彼女たちはトリニティのときのお礼として道案内をしてくれるようである。
「え、えっと…それではよろしくお願いします…?」
ギゴガゴゴ!!
「そんじゃ頼むよ」
「ちゃんとついてきてくださいね★出発です!」
とりあえずアカリたちの乗る給食部の車についていくことになったヒフミたちは、再びホットロッドとビーに乗り込んだ。
二時間後
ドカァァァァァァァァン!!!!
「うわあぁぁぁぁぁっ!?」
ボカァァァァァァァァン!!!
「なっ、何あれ!!あの怪獣みたいなのは何なのよぉぉっ!!!」
「あれがデバステーターだっ!!うぉぉぉぉ!!真正面から突っ切るのかよぉぉぉぉ!!」
補習授業部と美食研究会は、温泉開発部と風紀委員会が戦っている近くの高速道路を突っ走っている。コンストラクティコンズは合体してデバステーターになっており、ヒフミとコハルは驚愕の悲鳴をあげていた。
ドカァァァァァァァァン!!!
「流石はゲヘナの風紀委員会。そう簡単には振り切れないな」
ボカァァァァァァァァン!!!
「美食研究会とそこの2台の乗用車!!さっさと止まれ!!」
ズダダダダダダ!!!
「『撃って来た!!』」
“トランスフォームしたらオートボットってバレるからしないでね!!”
温泉開発部によって地面が爆発している中でも、風紀委員会はしつこく彼女たちを追いかけてくる。銃を撃たれたビーはロボットモードに変形して迎撃しようとしたが、先生にオートボットとバレるとまずいという理由で止められた。
ドカァァァァァァァァン!!!
「また爆発しましたぁっ!?」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
「クッソッ!!ボディが煤まみれだっ!!」
「フフッ…流石はトランスフォーマー。運転がお上手ですわね」
「良いじゃん良いじゃん、頑張れー!」
爆発を何とか回避しながら進んでいくホットロッドであるが、ボディは煤だらけになっており不機嫌である。一方の美食研究会はこんな地獄絵図にも関わらず楽しそうで、ホットロッドのドライビングテクニックを褒める余裕すらあった。
「アカリさん、8秒後にまた爆発が来ますわ」
「はい、問題ありません★」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!
「ハルナぁっ!もう車は良いから降ろしてーーっ!?」
「『Wow』」
ハルナは運転手のアカリに的確な指示を出して爆発を回避していく。そんななかフウカは縛られた状態から脱したようで、恐怖で車から降ろすようハルナに懇願するのであった。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!
「どうしてこんなことになっているんですか!?うわあぁぁんっ!」
「知らないわよぉぉぉぉぉぉっ!!!」
「ドリフトするぞ掴まれぇぇぇっ!!」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!キキキィィィィィィィィィ!!!
ヒフミとコハルのホットロッドの絶叫がゲヘナ学園に響きわたるのであった。
同時間
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!温泉!!!開発!!!掘削だぁぁぁぁぁ!!!」」」」」
ドカァァァァァァァァン!!!ズガガガガァン!!!
「まったくこの不良共めっ!!!」
「鬼怒川カスミにまた唆されたな…。まったくどうしようもないヤツらだ」
コンストラクティコンズはデバステーターにに合体してゲヘナの市街で破壊の限りを尽くしている。シャッターとドロップキックはデバステーター乱心の知らせを聞いて、彼らの元へ急いで向かったようである。そのおかげで先生たちのほうにディセプティコンの目が向くことがなかったのは幸運ではあった。
「俺がヤツらの頭を冷やしてやるっ!!」
ギゴガゴゴ!!ブロブロブロブロ!!!
「よせ、ドロップキック!!ヤツらの前で飛ぶのは自殺行為だ!!」
ババババババババババッ!!
「俺の仕事を増やしやがって!!くたばれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ズドドドドドド!!
痺れを切らしたドロップキックは、ヘリに変形してデバステーターの頭上へと飛び上がる。しかしシャッターはデバステーターの能力を知っているため、それを自殺行為だと叫ぶが、ドロップキックには聞こえていないようだ。
ギュォォォォォォォォン…
「うっ、うわぁぁぁぁぁ!!吸い込まれていくぅぅぅぅ!!」
「あのバカっ!!」
ギュォォォォォォォォォォォォン!!!
「誰か助けてくれぇぇぇぇっ!!」
デバステーターの武器はその大きさと超吸引である。ドロップキックは迂闊にもデバステーターの前に飛んでしまい、超吸引の餌食と相成った。
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ガシャン!!ズシャン!!
「まったく…懲りないわね、あなた達」
「「「「「そ、空崎ヒナっ!!!!」」」」」
ドロップキックがデバステーターにバラバラにされそうになるなか、後方から超高威力な狙撃がデバステーターに的中した。その銃を放った正体は、ゲヘナの風紀委員長空崎ヒナである。
「申し訳ございません、ヒナ委員長…。貴女の手を煩わせるつもりはなかったのですが…」
「デバステーターは強い。貴方たち2人では到底敵う相手ではないわ」
バキィ!!
「はぁ…はぁ…助かった…」
「ドロップキック…。独断専行をするのはよせといつも言っているだろう」
ゲヘナ最強戦力であるヒナの登場に、シャッターは彼女の前で跪く。シャッター的にはヒナと手を借りるつもりはなかったようだが、デバステーターを2人で倒すのは無理だとヒナは判断し、助けにきたようである。
ガチャ…
「さぁ、大人しく投降しなさい。今ならまだカスミに騙されていたってメガトロンに報告してあげるわ」
「「「「「はっ!!メガトロンが怖くてこんなことできるかってんだよっ!!」」」」」
「そう…しょうがないわね」
ドカァァァァァァァァン!!!!
「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」」」」
ヒナはデバステーターをシバく前に投降するように促すが、デバステーターは聞く耳を持たない。なので、ヒナはしょうがないと言って、デバステーターを叩き潰すのであった。
「あ、あうぅ…」
「し、試験会場は、ここ…?」
「この星で死を意識したのは初めてだよ…」
その後何とか、風紀委員たちを振り切り補習授業部一同はようやく試験会場へとたどり着く。しかし、みな疲れてフラフラであり試験を受けられる状態かも怪しい。
「給食部の車が川にダイブしたが、あのあと彼女たちは大丈夫だったのでしょうか…?」
「うん、あれは見事だった。親指を立てながら川に沈むその姿を、私は忘れない」
“死んでない!!死んでないよ!!”
「『お見事』」
ハナコは自分たちをここまで導いてくれた美食研究会のことを心配する。彼女たちは給食部で川にダイブし、親指を立てながら沈んでいったようである。アズサは彼女たちがそのまま死んだと思っているように聞こえたので、先生は必死に生きていると主張するのであった。
「で、試験の場所ってここで合ってるの?」
「ゲヘナ自治区第15エリア77番街、廃墟の1階…はい、ここで合ってます。この建物ですね」
「ど、どうしてこんなところで試験を…。あ、試験用紙とかどうなるんでしょうか、誰か来てるんですかね…?」
「いや、誰もいなさそうだ。でも何かしら、手段を用意してるはず」
コハルは辿り着いた場所が本当に合っているのかハナコに確認すると、ハナコは合っていると彼女たちに教える。彼女たちは当然ここでどうやって試験を受けるのかが疑問のようである。
ガサゴソガサゴソ…
「アズサ?何をやってるんだ?」
「…これだ」
「これは…不発弾、ですか?」
「L118、牽引式榴弾砲の弾頭だ。スローガンとかの散布用なのか、雷管と爆薬を取り除いて爆発しないようにしてある」
アズサは周りを探していると、一本の不発弾を見つける。どうやら不発弾には何か文字が書いてあるようだ。
「なるほど。L118ということはティーパーティーの…つまり、ナギサさんからということですね」
「この中に何かあるはず。開けてみよう」
「随分面倒なやり方だなぁ…」
ハナコは榴弾砲の弾がL118なのを見て、ナギサの指示でここに置いたのだと理解する。超技術を持つトランスフォーマーのホットロッドには、このやり方はアナログで面倒に感じているようであった。
カチャッ
「あ、中に紙が…これが試験用紙ということですね!」
「特に破損も見られない。こっちは…通信機か」
ブツンッ
“…これを見ているということは、無事に到着されたようですね”
「な、ナギサ様!?」
榴弾砲の弾の中には試験用紙と通信機が入っていた。通信機を起動すると、ナギサの映像が映し出された。
「・・・」
「え、じゃあこの方が、ティーパーティーの…?」
「“ナギサ…!”」
“ふふっ…恨みの声が聞こえてきますね。まあこれは録画映像なので、リアルタイムには聞こえないのですが。ですので、今の私に話しかけても無意味ですよ」
映像に映し出されるナギサを見て、ハナコは露骨に不機嫌になり、コハルはティーパーティーのナギサの顔を始めてみたようで驚いている。ホットロッドと先生はやはりナギサの仕業だったかと声を合わせるが、当の本人は録画映像のため彼女たちの反応を見ていない。
“それでは約束の時間までに試験を終えて、戻ってきてくださいね。一応引き続きモニタリングはさせていただいておりますので、そのことをお忘れなく…では幸運を祈りますね、「補習授業部」のみなさん。どうかお気を…”
バキュゥゥン!!
「『五月蠅い』『黙れ』」
「気持ちは分かるが、危ないから止めろ」
ナギサは映像で補習授業部に形ばかりの労いの言葉をかける。それが当然ビーの怒りに触れたようで、彼は映像に向かって銃をぶち込んだ。
「何だか最後、含みのある言い方でしたね…?」
「とにかく時間が無い、早く始めよう」
「は、はい!みなさん入りましょう、いよいよ第二次特別学力試験です!」
「そうですね」 「う、うん!」
ハナコは最後の言葉が気になったようだが、アズサは早く試験を始めようと建物に入ろうとする。アズサをみて他のメンバーもとりあえず建物に入ることにした。
「で、ここが例の場所?」
「な、何だお前ら!?」
「デバステーターになった奴らは今頃空崎ヒナにシバかれてるんだろうな…。だが、お前たちの犠牲は無駄にはしないぞ」
「コンストラクティコンズ…!!あの怪獣で全員じゃないのかよ…!!」
補習授業部たちが教室に入った後、この場所に現れたのは温泉開発部とコンストラクティコンズたちである。コンストラクティコンズは8体で合体してデバステーターになるが、同型個体が複数存在しているのである。
「うん、住所的には合ってそう。ここから向こうまでの方全部かな」
「へへっ。どこからの情報だかよく分からないけど、親切に温泉がありそうな場所を教えてくれるなんてありがたいこった」
「『止めろっ!!』」 「何してるっ!!」
「何かオートボットみたいなのが2人騒いでやがるが、関係ねぇや。俺たちもまだこれだけ数がいるんだから、負けっこねぇべよ」
温泉開発部は何やら情報を確認すると、工具を持って準備に入る。コンストラクティコンズのほうも、オートボットを認識しているようだが、温泉開発の前にはそんなことは些細なことらしい。
「よぉし、発破準備!」
「「「「「開発だぁーーー!!!!」」」」」
カチッ…
「なっ…」 「『Why!?』」
ボカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
温泉開発部はホットロッドとビーのことなど気にも留めず、温泉開発を始める。そのうちの1人が何やらスイッチを押すと、けたたましい音と共に地面が爆発した。
第二次特別学力試験、結果
全員試験用紙紛失で不合格
ビュォォォォォォォォ…
「すまない…みんな。アイツらを止められなかった…」
「『クソッたれ』『すまねぇ』」
「せ、先生、ご無事ですか…」
“こっちは大丈夫…”
温泉開発部の爆発によって建物が吹き飛び、試験用紙も吹っ飛ばされる。温泉開発部を止められなかったビーとホットロッドは悔しそうにみんなに謝る。
「なるほどなるほど、ここまでやるということですね…面白くなってきたではありませんか。ふふふっ…♡」
その中で1人ハナコは悪い顔で笑みを浮かべていた。
コンストラクティコンズ:1章のときからその存在を示唆されていた土建屋。温泉開発部と共にゲヘナ学園の敷地に穴を開けてはヒナにシバかれる日々を送っている。
デバステーターになれば強いことは強いのだが、ヒナにとっては的がデカくなるだけである。
デバステーターは8体だが、何故か同型個体が複数いたりする何だかよくわからない集団。
給食部の新車:ただの新車。特にトランスフォーマーとかではない。