TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

61 / 141
はいこの章の最後にようやく登場です。
ONEのあの人は青いしCV諏訪部さんだから大丈夫そう...かな?
しかしこの時のミカ、クソ女すぎる...


シスターフッドのトランスフォーマー

「やっ、久しぶり先生。また会えて嬉しいな」

 

“ミカ…”

 

「それから、正義実現委員会は動かないよ。私が改めて待機命令を出したから。今日は学園が静かだったよね。正義実現委員会以外にも、邪魔になりそうなものは事前に全部片づけておいたの。ティーパーティーの命令が届く限り全てのところに、色んな理由を付けて足止めしておいたから」

 

“なんでそんなことを…”

 

「ナギちゃんを襲う時に、邪魔なんてされたら困っちゃうもんね」

 

「ミカ…お前一体何を言って…」

 

大勢のアリウス兵の中心から現れたのは聖園ミカであった。正実やその他の集団は“ティーパーティー”である彼女が待機命令を出して、この作戦を誰にも邪魔されないようにしたようである。先生はただ呆然と何故そんなことをするのかと呟くと、ミカはナギサを襲うためと言い出したため、ホットロッドは意味が分からないという顔をしていた。

 

「“ティーパーティー”のひとり…聖園、ミカさん…」

 

「まあ簡単に言うと、黒幕登場☆ってことろかな?」

 

「「「・・・」」」

 

「私が本当の、“トリニティの裏切り者”」

 

補習授業部一同は、アズサ以外ミカとは全く関りが無いものの、ティーパーティーのホストが黒幕だったことに驚きを隠せないようである。予想が付いていたハナコでさえ、彼女が本当に現れたのには驚いていた。

 

「というわけで、ナギちゃんをどこに隠したのか教えてくれる?私も時間が無くってさ。まあここにいる全員を消し飛ばしてから、ゆっくり探しても良いんだけど。それは面倒でしょ?」

 

ガシャ…ガチャン!!

 

「『くたばれ!!』」

 

「あははっ☆脆いって認識は改めるよ、バンブルビー。流石は惑星サイバトロンの戦士だね。でも、いくらアナタでもこの数の軍隊相手じゃ無駄だと思うけどな?」

 

「やめろっ!!やめてくれ…」

 

ガチャ…

 

「な~んだ。つまんないの」

 

ミカはナギサの居場所を先生たちに聞くが、そこでやられていたバンブルビーが立ち上がり銃を向ける。ミカとビーが一触即発の空気になったところで、元ティーパーティーの護衛であったホットロッドが互いのことを止めて事なきを得た。

 

“ミカ、どうして…”

 

「んー?聞きたい?先生にそう言われたら仕方ないなぁ」

 

「「「“・・・”」」」

 

「それはね…ゲヘナが嫌いだからだよ。私は本当に、心から…心の底からゲヘナが嫌いなの」

 

先生はミカが何故こんなことをするのか本人に問いかけると、ミカはあっさりその理由を答える。その理由はゲヘナが嫌いだからという個人的なものであった。

 

「はぁ…?」

 

「…だから、エデン条約を取り消そうと?そのためにナギサさんを…?」

 

「えっと…誰だっけ?ごめんね、私あんまり顔を覚えるの得意じゃなくってさ」

 

そんなミカの動機にその場の誰かが素っ頓狂な声をあげる。そしてハナコが前に出てミカと話しをしようとするが、ミカのほうは彼女のことを覚えていないようである。

 

「2年の、浦和ハナコ…です」

 

「…あぁ、思い出した。浦和ハナコね。礼拝堂の授業で水着で参加して追い出された、あの。あははっ、懐かしいねぇ」

 

「・・・」

 

「まあ、一応答えてあげるとその通りかな。だってナギちゃんが、エデン条約なんて変なことをしようとするからさぁ。ゲヘナのあんな、角が生えたやつらなんかと平和条約だなんて、冗談にも程があると思わない?考えるだけでゾッとしちゃうよ。絶対裏切られるに決まってるじゃんね?背中を見せたらすぐに刺されるよ?」

 

覚えていないミカのためにハナコは自分の名前を言うと、彼女は笑いながら礼拝堂の事件のことを思い出す。そしてミカは一応と言ってハナコの疑問にはっきりYESと答え、ゲヘナへの嫌悪を露わにした。

 

「ナギちゃんもほんと、優しいっていうか優しすぎるっていうか…創作の中の明るい学園物語じゃないんだし。そんな都合の良い話、現実には存在しないのに。私たちはこういう、もっとドロドロした世界の住人だってこと、そろそろ分かってくれても良い頃なのにね?」

 

「ミカ…君はなんてことを…!!」

 

「へぇ~それ、あなたが言っちゃうんだ?故郷の星を荒廃させるまで争い合って、星がダメになったら今度はここで戦争の続きをしているあなた達が私のことをとやかく言えるの?」

 

「ぐっ…」

 

ミカはナギサを優しすぎると評し、現実を見れていないと言い始める。そんな彼女をホットロッドは批判しようとするが、トランスフォーマーのやっていることを上げられて、何も言えなくなってしまった。

 

「そういうわけだから、ナギちゃんを返してくれる?大丈夫、痛いことはしないよ。まあ、残りの学園生活は全部檻の中かもしれないけど」

 

“じゃあエデン条約は、やっぱりれっきとした平和条約…”

 

「あっ、あの時は騙してごめんね、先生。うん、それは嘘。あれは本当に平和条約だよ。そもそも素直でおバカなナギちゃんに、エデン条約を武力同盟として活用するなんてこと、できっこないからね」

 

「『ああそうかよ』『クソッたれ』」

 

そしてミカは話を戻してナギサの居場所を聞くが、先生はミカが前話していたエデン条約の目的が嘘だったことに気が付いた。そして、ミカは自分のは嘘であると認めると、ナギサにそんなことはできないと彼女を小馬鹿にするのであった。

 

「…でもあの時話したことは、全部が全部嘘ってわけじゃないよ。私がアリウスと和解したかったっていうのは、本当のこと」

 

“どうして…”

 

「この子たちは、同じゲヘナを憎む仲間だからだよ」

 

「そのために…あんな連中と手を組んだのか、ミカ」

 

だがミカが先生たちに語った話の中で、アリウスと和解したいという望みは本当だったと答える。しかしその理由はアリウスたちがミカと同じくゲヘナを憎んでいるからだという、きわめて不健全な理由であった。

 

「アリウスだって元々はトリニティの一員。先生には前にも言った通り、この子たちもゲヘナに対する憎しみはすごいよ、私たちに勝るとも劣らない。むしろこの子たちこそ、純度の高い憎しみを持ってるとすら言えるかもしれない。だから手を差し出したの。志を共にして、ゲヘナと平和条約を結ぼうとする悪党たちをやっつけない?って」

 

「そう…ですか…。そういう事ですか」

 

「ティーパーティーのホスト“桐藤ナギサ”に正義実現委員会がいるなら、次期ティーパーティーのホスト“聖園ミカ”にはアリウスがつく。これはそういう取引。和解へのステップアップ的な?」

 

「正実が…アリウスに…」

 

アリウスは元々トリニティの一派だったこともあり、ゲヘナへの憎しみはトリニティよりも凄まじいとミカは言う。そして彼女は正実を武力を持つナギサに対抗して、自分がホストになった暁にはアリウスを正実の立場に据えると取引をしたようである。

 

「アリウスは最初から、トリニティのクーデターの道具だった…?」

 

「うん? …うん、確かに。これはクーデターとも言えるかもね。最終的にはナギちゃんを失脚させて、私がティーパーティーのホストになるんだから」

 

「ぐっ…」

 

「ああ、あなたのことは分かるよ。ありがとう、白洲アズサ。私はあなたのことえおあまり知らないけれど、私にとって大事な存在であることは変わらない。今までも、これからも。だって今からあなたには、ナギちゃんを襲った犯人になってもらわないといけないからね」

 

「ミカ、お前はどこまでっ!!」

 

ミカの話を聞いてアズサは自分がアリウスが彼女の道具であったことに深く傷つく。さらにミカはナギサ襲撃をアズサに押し付けると言い出し、ホットロッドは声を荒げるのであった。

 

「スケープゴートって言ったほうが良いのかな?罪を被る生贄としての存在がいてこそ、みんながぐっすり安心して眠れるの。世の中って、そういうものじゃない?」

 

「『地獄に落ちろ!!』」

 

「でもびっくりしたな。ナギちゃんが正体不明の誰かに襲撃されたって聞いて、計画が崩れるかもと思って少し焦ってみたら…。まさかそれが補習授業部だったなんてねー、これは予想外だったよ。うん」

 

ミカはアズサを自分の計画を安定させるための生贄だと言い出たため、これにはビーも嫌悪感を露わにする。だがここまで入念に計画を立てていたミカも補習授業部の動向には驚いていたようであった。

 

“すべては、ティーパーティーのホストになるため?”

 

「うん、そうだよ。ああでも誤解してほしくないな、先生。別に権力が欲しいわけじゃないの」

 

“じゃあ、ゲヘナを…?”

 

「そうだよ、先生。私はゲヘナをキヴォトスから消し去りたい…本当にただ、それだけだから」

 

ミカは先生にティーパーティーのホストになるためだけにこんな事をしたのかと言われ、あっさりとそれを認める。そしてその理由がゲヘナを滅ぼすことだと、改めて先生たちに周知するのであった。

 

「トリニティの穏健派を追いやって、その空席をアリウスで埋める。もしかしたら新しい連合になるかもね?必要なら新しい公議会でも開いて…うん、それも良いかも?それで、新たな武力集団を得て再編されたトリニティが、ゲヘナに全面戦争を仕掛ける。そう、これが私の計画!」

 

「ディセプティコンはどうするつもりだ、ミカ?」

 

「え?だってオートボットはディセプティコンと敵対してるんだから、当然私たちに協力してくれるでしょ?それとも、“正義の戦士”オートボットはゲヘナとディセプティコンに立ち向かう私たちを見捨てるのかな?」

 

「・・・」

 

ナギサたち穏健派を追いやりその穴をアリウスで埋めることによって、トリニティを自分の思うがままに操りゲヘナに全面戦争を仕掛けると、ミカは笑いながら高らかに宣言する。しかし、ゲヘナにはディセプティコンがいる。ホットロッドは彼らにどう対処するのかと聞くと、彼女はオートボットが助けてくれると当たり前のように言うので、彼は呆れてしまった。

 

“・・・っ!!”

 

「わっ、びっくりしたー…」

 

「せ、先生…?」

 

「先生、そんなに怖い眼もできるんだね…うん、先生がすごく怒ってることはよく分かった。ごめんね、説明も何だか急いじゃったし、雑だったよね?」

 

ミカのこれまでの一連の発言にとうとう痺れを切らしたのか、先生はミカを怖い眼で見つめる。生徒にそのような態度を取ることのない先生の姿を見て、流石のミカもたじろいだようである。

 

ザッザッザッ…

 

「もっと丁寧にお話したいところだけど…まずは色々と邪魔なのを片付けてからにしよっか?」

 

「気を付けて、先生。こうしてみただけでわかる…かなり強い」

 

「ふふっ、そうだよ。先生には前言ったけど、私結構強いんだから」

 

ガチャッ!!

 

「『・・・』」

 

ミカは先生以外は邪魔だとばかりに、アリウスをけしかけようとする。そしてアズサはアリウスだけでなく、ミカ自身も大きな戦力であることを見抜いた。

 

「はい。じゃあ、補習授業部を片付けてくれる?」

 

アリウス兵が補習授業部たちに襲い掛かる。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」 「ぐっ…」

 

「クソッ…」 「『チクショウ…』」

 

「なるほどねー、そっかそっかぁ。そりゃみんな“シャーレ”“シャーレ”って言うわけだ。厄介だね、“大人”って」

 

補習授業部は先生の指揮とオートボットの活躍によって、なんとかアリウスの大群を退ける。しかし誰もが息を切らしており、辛そうである。

 

「予想外ではあったけど…うん、まあ問題無いかな。ちょっと時間はかかりそうだけど。セイアちゃんもナギちゃんもいなくなるんだし、これでようやく始められるっていうのに、変に邪魔しないでほしいなあ」

 

「・・・!」 「はぁ…?」

 

「さて、増援部隊もまだまだ来るみたいだし続けよっか?」

 

先生の指揮による戦力の向上はミカにとって予想外だったようだが、数に勝るアリウスならば問題無いと判断する。そして話の途中でセイアの名前が出ると、ハナコとホットロッドは何かを思い出したように反応する。

 

「ミカさん、一つ聞かせてください!セイアちゃんを襲撃したのも、あなたの指示だったんですか!?」

 

「・・・?」

 

「・・・」

 

「あはっ、ハナコもそんな目をするんだね。ホットロッドのほうは…まぁ、当たり前か。セイアちゃんがああなったから、ここにいるんだもんね」

 

ハナコはセイアの事を聞いて、慌ててミカに彼女の襲撃の真相を問いただす。ホットロッドも流石にこの事については許せないのか、ミカを睨みつける。そんな2人の様子を見たミカは、失言だったというような顔をして口をつぐんだ。

 

「うん、私の指示だよ。セイアちゃんってば、いつも変なことばっかり言って。楽園だのなんだの、難しいことばっかり。でもヘイローを破壊しろとは言ってないよ。私は人殺しじゃない。ただ卒業するまで、檻の中に閉じ込めておいた方が良いなって思っただけ。でも、自然にああなっちゃったの」

 

「・・・」

 

「それ以上は、当事者に聞いた方が早いんじゃないかな?ねぇ、白洲アズサ。何だか一部誤解があるみたいだし、私の代わりに説明してくれない?セイアちゃんがあんなことになっちゃったのが、ここまで事態が大きくなったきっかけなんだよ?そこからもう色んなことがどうしようもなくなっちゃったわけだし…ねえ、その辺りどう思う?」

 

「そ、それは…」

 

そしてミカはセイアに刺客を差し向けたのは自分だと打ち明ける。その話を聞いてアズサは目を逸らすが、ミカがその刺客が彼女であることも話してしまったことでアズサはたじろいでしまった。

 

「アズサちゃん…?それはいったい、何のお話、ですか…?」

 

「ち、違う…あれは…」

 

ドカァァァァァァァァン!!!!

 

 

セイア襲撃の話を聞いて、ヒフミはアズサに事の真相を尋ねるが、アズサはそれについて弁明しようとする。しかし、そんな間もなくどこからともなく壁が爆発する音が聞こえてきた。

 

「んー?」

 

「トリニティの生徒が一部、こちらへ向かってきています!」

 

「・・・?なんで?ティーパーティーの戒厳令に背くような人たちは、もう…」

 

「…いますよ。ティーパーティーにも命令できない、独立的な集団が」

 

壁が壊されたというのに呑気しているミカに対し、アリウス兵は慌てて報告をする。報告の内容はトリニティ生の集団がこちらに近づいてきたというものであり、それを聞いたミカは流石にあり得ないと言った様子であった。そして、ハナコは待ちわびていたものが来たとばかりに、ミカの疑問に答えるのであった。

 

「確認できました、大聖堂からです!先頭には赤いトランスフォーマーの姿もあります!!」

 

「まっ、まさか!!シスターフッド!!」

 

「シスターフッド…!?っ、浦和ハナコ…!」

 

「…まぁ、ちょっとした約束をしましたので」

 

壁を突き破って現れたのはトリニティの独立した大集団の1つ、シスターフッドである。その名を聞いたミカは驚いたあと、ハナコのほうを睨みつけた。

 

ズドォォォォォォン!!ドカァァァァァァァァン!!!

 

「けほっ、今日も平和と安寧が、みなさんと共にありますように…けほっ」

 

「す、すみません、お邪魔します…」

 

「シスターフッド、これまでの慣習に反することではありますが…ティーパーティーの内紛に、介入させていただきます」

 

「聖園ミカ、貴様の行為は目に余る。力を持って邪魔者を排そうなど言語同断であるぞ」

 

爆発した壁の奥から出てきたのはシスターフッドのシスターであるマリー、ヒナタ、サクラコである。そして、アリウスが赤色のトランスフォーマーと呼称した人物は、オプティマス・プライムの師にして、先代のプライムであるセンチネル・プライムである。彼女たちはハナコたちとの約束によって、この場に駆け付けたのである。

 

「シスターフッド、歌住サクラコ…センチネル・プライム」

 

「あのトランスフォーマー…どこかで…?」

 

“アズサ…?”

 

「いや、気のせいだ。あんな姿のトランスフォーマーを見た覚えはない」

 

シスターフッドの集団の前にいるサクラコとセンチネルを見て、ミカは苦々しく2人の名を呟く。一方のアズサはセンチネルをどこかで見たような気がしていたが、すぐに気のせいだと切り替えた。

 

「…浦和ハナコ、どうやってシスターフッドを動かしたの?シスターたちと仲良かったのは知ってる。でもあの子たちが何の得も無く動くはずが無い…ねぇ、何を支払ったの?」

 

「私のことをよく知っているのですね?顔は憶えていないようですが…」

 

「・・・」

 

「…ようやく顔色が変わりましたね、ミカさん?」

 

ミカはこの場にシスターフッドを呼んだハナコの取引の内容が知りたいようで、彼女に声をかけるが、ハナコはそれを華麗に躱してさっきの仕返しをかます。ここにきてようやく劣勢に立たされたミカの顔には、余裕の表情が消えていた。

 

「…さて、じゃあやろうか?」

 

ガチャ!!

 

「あくまでも戦うつもりですか、ミカさん。この状況で勝算がどれくらいか、分からないあなたではないですよね?」

 

「…うん、そうかもね。でもここまで来て、“おとなしく降参します”なんてわけにはいかないでしょ? …もう私は、行くところまで行くしかないの」

 

しかし、劣勢にも関わらず、ミカはまだ戦いを続けようとする。ハナコの言うように、もはや勝算など無いに等しいのだが、彼女はもう行くところまで行くしかないのである。

 

「ひ、怯むな!!戦えっ!!」

 

「む、無理だ…。シスターフッドの加勢に加えてあんな強そうなトランスフォーマーまでいたんじゃ…」

 

「ここで負けを認めたら、今までの我々の準備は何になる!!」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

首謀者であるミカが戦う気であるのと正反対に、アリウス兵の士気は下がる一方である。指揮官がなんとかして戦わせようとするが、みな足がすくみたじろいでいた。

 

「闇より這い出た過去の亡霊たちよ、私が相手になってやる」

 

「トリニティの安寧を乱す者を、許すわけにはいきません」

 

「お前たちのようなものたちを野放しにすれば、トリニティは…いやこのキヴォトスは闇に包まれる。その前に、我々の手でお前たちを再び闇へと返してくれるぞ」

 

アリウス兵がビビッて動けなくなるほどの威圧感を放っているのは、センチネルである。彼はシスターフッドたちの前にたち、彼女たちを守るかのように勇敢にアリウス兵たちを倒すと宣言するのであった。

 

「…どうして?セイアちゃんが襲撃された時だって、動かなかったのに…今このタイミングでシスターフッドが介入するなんて、冗談にもほどがあるよ」

 

「「「「・・・」」」」

 

「…何を見誤ったのかな?ハナコちゃん?アズサちゃん?ヒフミちゃんとコハルちゃんは私を脅かすような存在じゃなかったはずなのに…」

 

ミカはこのタイミングでシスターフッドが介入してきたことが、今もまだ納得のいかないようである。彼女は補習授業部の名前を一人ずつあげて何を見誤ったのか自問自答をし始める。

 

「どこからズレちゃったんだろ」

 

“・・・”

 

「…そういえば、一番大きい変数を忘れてたね。シャーレの、先生…うん、そうだね。考えてみればきっと、あなたを連れて来た時点で私の負けだった」

 

「み、ミカ…」「『・・・』」

 

そして、ミカは先生のほうを見ると、ようやく自分の計算違いに気付く。そう、全てはシャーレの先生を自分で補習授業部に呼び込んだことが、自身の計画の失敗であると気づいたのである。

 

「いやー…ダメだな、私…。はぁ…」

 

「ミカさん、セイアちゃんは…」

 

「…本当に、殺すつもりじゃなかったの。今の私が何を言っても言い訳になるけど…。多分、事故だった。セイアちゃん、元々体が弱かったし…それに…」

 

「…セイアちゃんは無事です!!」

 

「…!?」 「はっ!?えっ!?」

 

ようやく自分の失態を悟り、意気消沈となっているミカにハナコはセイアの事を話そうとする。これだけのことをしでかした彼女であったが、セイアの事は本気で後悔している様子であった。しかし、ハナコが言いたかったことは、セイアが生きているという事である。それを聞いたミカとホットロッドは、その衝撃の事実に驚いてしまった。

 

「ずっと、偽装していたんです。襲撃の犯人が見つからなかったので、安全のためというのもあって…トリニティの外で身を隠しています」

 

「セイアちゃんが…無事…?」

 

「おい!!ハナコっ!!お前何で俺に黙ってたんだよ!!」

 

「ごめんなさい、ホットロッド。これはあなたにも言えないことだったんです。傷が治らなくて、まだ目が覚めていないのですが…救護騎士団の団長が、今もすぐそばで守ってくれています」

 

「ミネ団長が…?」

 

セイアは襲撃の犯人が見つからないのもあって、トリニティの外で療養していたのである。その事実をハナコが知っていて、自分に教えてくれなかったことにホットロッドは怒っていた。そしてセイアは今、救護騎士団の団長である蒼森ミネが護衛をしながらどこかで生きているのである。

 

「そしてあの時、セイアちゃんを助けてくれたのは…いえ、これは直接ご本人の口からが良いでしょう」

 

「…そっか。生きてたんだ…良かったぁ」

 

ガタン…

 

「うぅ…うぅ、良かった…!!死んでなかったんだ!!セイアは…死んで…!!」

 

セイア生存の事実を聞いて、ミカはようやく銃を置く。彼女は安心しきった顔をして純粋にセイアが生きていることに安堵していた。そして、彼女が襲われるのを防げなかったホットロッドは彼女が生きていると聞いて、声を上ずりながら泣いて喜んでいた。

 

「…降参。私の負けだよ」

 

「・・・」

 

「…アズサちゃん。自分が何をしてるのか、その結果この先どうなるのか。それは分かってるんだよね?」

 

「もちろん」

 

ミカはとうとう完全に負けを認めて降参を宣言する。そして彼女はそれを黙って見ていたアズサに対し、彼女の今後について分かっているのかと問う。そしてアズサはミカの問いに対し、間を開けることなく返す。

 

「トリニティが、あなたのことを守ってくれると思う?これからずっと追われ続けるよ。ずっと、どこに行っても…あなたが安心して眠れる日は、来るのかな?」

 

「・・・」

 

「…それに、サオリから逃げ切れると思う?アリウス出身ならもちろん知ってるよね、et omnia vanitas…」

 

「うん、分かってる。それども私は最後まで足掻いてみせる、最後のその時まで」

 

「…うん、そっか」

 

ミカはアズサの今後を心配するかのように、彼女にこれから襲うであろう危機を予見し忠告する。さらにアズサと連絡をとっていた彼女、サオリのことも口に出すが、アズサはそれでも最後まで足掻いてみせると言ってみせた。それを聞いたミカは何か納得したかのように笑うのであった。

 

 

 

 

 

その後、聖園ミカは正義実現委員会が逮捕し、連行された。トリニティを揺るがす一連の事態はひとまず幕を下ろすのであった。

 

 

 

 

そしてその後、補習授業部は無事テストを受験し、全員合格という結果で彼女たちの戦いも幕を下ろすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリニティ郊外

 

「…準備しろ、みんな」

 

「ふぅ~ようやくシャバに出られんのかよ」

 

「長かったなぁ~」

 

「妙な気は起こすなよ?モホークにニトロゼウス。お前らは“アルファートリン”によって付けられた首輪で監視され、常に殺せる状態だということを忘れるな」

 

トリニティの郊外にいたのはアズサと連絡を取り合っていたサオリたちであった。そして何故かそこにはディセプティコンのモホークとニトロゼウスがいる。彼らは“アルファートリン”とやらから首輪を付けられ自由を奪われているらしい。

 

「あ、あぁっ…つ、ついに始まるんですか…!?よ、ようやくこの時が…でも苦しいんですよね、辛いんですよね…?」

 

「…うん。でも大丈夫、苦しいのは生きている証拠」

 

「あーあ、何で俺たちがこんな辛気臭いガキ共の御守りなんかしなきゃいけないんだよ」

 

「脳みそすすりてー」

 

水色の髪色の少女が何やら嘆いているのを、黒いマスクを付けた少女が宥める。それを横目にドレッドボットとバーサーカーはやる気無さそうにそう呟く。

 

「・・・」

 

「ひ、姫ちゃんが手話で何か言ってますけど。えっと…」

 

「あの子はどうなって、って?気になるの、姫?」

 

「どうでもいいじゃんかよ~。どうせ遅いか早いかだろうが」

 

そして、もう一人のマスクを顔まで覆った少女が何やら手話で会話を始める。その子は姫と呼ばれているようで、どうやらアズサが気になっていたようだ。

 

「その辺にしておけ」

 

「「「・・・」」」

 

「へ~い」 「う~い」 「あ~い」 「そ~い」

 

集まって話している3人と4体にサオリは、その辺にしておけと雑談を止めさせる。それを聞いて少女たちはすぐに会話をやめるが、トランスフォーマーたちはやる気のない返事を返すだけである。

 

(…アズサ。どれだけ足掻こうと、お前は抜け出すことはできない。お前の体は覚えている。すぐに思い出すはずだ、真実を)

 

曰く…

 

“全ては虚しい。どこまで行こうとも、全てはただ虚しいものだ。”

 

トリニティ、いやキヴォトス最大の危機が迫っていた。




【悲報】センチネル・プライムさんおまいう発言を連発してしまう

センチネル・プライム:シスターフッド所属のトランスフォーマー。先の大戦で宇宙船を撃墜され地球に落下。何万年も眠っていたことろ、ちょうど目覚めたタイミングでサクラコと出会う。
というのは嘘で、それより前に復活して色々やってた。アリウスにいるときは姿も変え、偽名を使っているためアズサを含むアリウス兵たちにはバレてない。知ってるのはサオリくらい。

モホーク・ニトロゼウス・ドレッドボット・バーサーカー:アリウススクワッドのトランスフォーマーたち。何でここにいるのかはおいおい。とりあえず現状は首輪をつけられて、センチネルには逆らえない状態。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。