TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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一応アコはメガトロンに対する尊敬はないけれど、万魔殿(主にマコト)をシバいてくれるのでメガトロン様と呼んでいる。
それとヒナはあの後シャッターとドロップキックの件について謝罪してくれたし、一緒に戦ってくれたのでバンブルビーのヒナへの好感度はかなり高い。


迫る調印式

トリニティ・市街

 

「きえぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

ドゴォォォォォン!!!ズドォォォォォン!!!!

 

「ツルギ先輩、今日は絶好調ですね」

 

「随分と張り切ってやがるな」

 

「正直、任務続きで疲れもあったのですが、こんな姿を目の前にして弱音は吐けません。私も先輩を見習って、もっと頑張らないと!」

 

正義実現委員会は今日も今日とて不良生徒たちの鎮圧に精を出している。相変わらずツルギが不良生徒を吹っ飛ばしているのを見ているのは、ディーノとマシロである。

 

“ハスミ先輩ちーっす。さっきちょっと誰かさんに、学校にあった備品の戦車を奪われちゃいましてー”

 

「何ですって…!?」

 

“ちょっと頭数が足りないんで来てほしいんすけど…おわっ、何かすげードリフトしてる!?なんつーテク!”

 

そんな中、別行動をしているイチカから無線が入る。イチカの報告によると、備品の戦車が盗まれ現在暴走中とのことである。

 

「今はバタバタしているのですが…えっと、コハルがまだ校内に…。いえ、コハルは風邪で休んでいるんでしたね…」

 

「そもそもコハルさんはまだ補習授業部の所属ですよ。というわけで先輩、私が行ってきます!」

 

ドカァァァァァァァァン!!!

 

「ぎゃははははははははぁっ!!!」

 

「まあ、ここはツルギに任せてもよさそうですね…私も一緒に行きます!」

 

イチカの報告を聞いたハスミはコハルに頼もうとするが、彼女が風邪を引いていることを思い出す。そしてそもそもコハルはまだ補習授業部であり、正実に復帰していないという事実をマシロに聞かされ、結局マシロと2人で戦車の元へ向かった。

 

そしてこの戦車の運転手は阿慈谷ヒフミである。彼女は海へバカンスに行くために戦車を奪取するという暴挙に出たのである。この間ホットロッドはナギサの精神を鑑みて彼女の側にいたとはいえ、自分が声を掛けてもらえなかったことに酷く落ち込んだのはまた別の話である。

 

 

 

 

 

シスターフッド・礼拝堂

 

「あ、あの、ハナコさん…?」

 

スッ…

 

「はい、どうかしましたかヒナタさん?」

 

スッ…

 

「あの、背中に何かが当たっているような…?」

 

「そうですねぇ、困りましたねぇ♡」

 

「あうぅ…」

 

サクラコとの約束によってシスターフッドによく出入りするようになったハナコは相変わらず、ヒナタを揶揄っているようである。彼女は避けようとするヒナタに迫り、胸を押し当てていた。

 

「えっと、ハナコさん?何かお辛いことでも…?」

 

「いえいえ、何もありませんよ。お出かけしたいタイミングにこうして頼み事をされて、何日も資料整理という“大切な”お手伝いに従事させられているだけですから。まあ全員一緒ではありませんでしたし…何ひとつ問題はありません♡」

 

「うぅ、ごめんなさい…ハナコさんが怖い…」

 

そんなハナコにマリーは心配そうに声をかける。するとハナコは恐らく海に行ったであろうコハルと共に行動できなかったことを悔やんでいるようで、マリーに嫌味を返す。そんなハナコの態度にマリーは思わず謝るのであった。

 

 

 

 

 

ゲヘナ学園万魔殿・議事堂

 

「キキキキッ!お前が“シャーレ”の先生か!」

 

“あ、はい…”

 

「なるほど、これは予想外だ!いっそ愉快なくらいにな!キキキキキキッ!」

 

“えっと…こんにちは。君がゲヘナの生徒会長…?”

 

「キキッ、ああそうさ」

 

先生は今、ゲヘナの万魔殿を訪れていた。先生は目の前にいる万魔殿議長のマコトと面会しており、その彼女の態度に少し引いていた。

 

「万魔殿の議長であるこのマコト様に協力の申し出とは、悪くない判断だ」

 

“…え?”

 

「キキキキッ…“シャーレ”と“万魔殿”。この二つが力を合わせたら、ゲヘナの風紀委員会ごとき簡単に壊せるはずだ。至って論理的な判断だと言える。さらに日ごろ先生が懇意にしているオートボットの総司令官オプティマス・プライムを味方に付ければ、メガトロンさえも…」

 

“何を言っているのかな…?”

 

そしてマコトは唐突にシャーレが万魔殿に協力を申し出るなどという意味不明な解釈をし始める。さらには、それによって風紀委員会とメガトロンを打ち倒すなどと言い出し、先生をさらに困惑させた。

 

「計画は完了した、さあすぐにでも計画を実行…!」

 

ドォォンッ!!

 

「痛って!!オイ、もっとでっかい扉を付けろよ!!」

 

「それと…そういう会話は、相手がいないところでした方が良いですよ?」

 

マコトは先生の行動を曲解して、風紀委員会を倒しにいこうとするが、ちょうどそのタイミングでオンスロートが議事堂の壁にぶつかる。そして風紀委員会を倒すと言っていたマコトであるが、隣にいたアコも普通に聞いていたのである。

 

「マコト先輩…話を変な方向に捻じ曲げないでください。こちらの“シャーレ”の先生はあくまで、形式的な問題で私たちに会いに来ただけです。エデン条約にも参列されますので」

 

「…なら、我々との協力は?」

 

「えー?マジで思ってたのかよ、コイツ。てっきり場を和ませる冗談だと思ってたぜ」

 

「はぁ…そもそも今日初めて会ったばかりじゃないですか」

 

何か勘違いをしているマコトにイロハは先生がここに来た意図を伝えると、彼女はきょとんとする。どうやら本当に万魔殿に協力を要請しに来たと思っていたらしく、冗談を言っていると思っていたブロウルを驚かせた。

 

「…ふっ、そうか。なるほど。まあ、楽しみは後で取っておくとしよう」

 

「??」 「??」 “??”

 

「よし、帰るぞイロハ」

 

「はい?もう良いんですか?」

 

そして今度は含みのある笑みを浮かべると、そそくさと帰ってしまう。その意味不明な行動にその場にいる全員は首を傾げるのであった。

 

 

 

 

 

「はぁ…」

 

“アコも、元気だった?”

 

「それは…まあまあ、ですかね…」

 

“そうか…”

 

マコトたち万魔殿が帰ったため、議事堂はアコと先生の2人だけになる。先生はアコのことを慮って、彼女に声をかける。しかし、アコの返事は何とも言えない雰囲気であった。

 

「でも意外でした、先生がエデン条約に参列されるだなんて」

 

“そ、そうかな…?”

 

「ということは、この後はトリニティに…?」

 

“さっきトリニティに行ってから、ここに来たところ”

 

「なっ、いつの間に…!?風紀委員会の行政官である私が、そんな重要な情報を見逃していた…!?いくら条約の準備で忙しかったとはいえ、先生の行動を把握できていなかっただなんて…」

 

どうやらアコは先生がエデン条約に参列することが、意外なようである。さらに彼女は自分が行政官でありながら、先生の動向を追うことができなかったことを悔やんだ。

 

“アコ、少し落ち着いて…”

 

「ふぅ…。委員会にも先日言われてしまいました、少し落ち着いた方が良いと…」

 

“ヒナは今仕事中?”

 

「委員長は、今所用でメガトロン様の元に…」

 

どんどんヒートアップしていくアコを先生は何とか落ち着かせると、彼はヒナの所在を彼女に聞く。アコによると、どうやらヒナはメガトロンの元にいるようだ。

 

「いつも通り、お忙しい毎日です…エデン条約が締結されたら、委員長のお仕事も減るとは思いますが…」

 

“そっか…”

 

「とにかく、先生の用事は終わりですよね。お帰りはあちらの方…」

 

ガチャ…

 

「…見送る」

 

そしてアコはエデン条約の締結によってヒナの負担が減ることを願っているようだが、やはり表情は優れない。そしてアコは先生を帰らせようとするが、そこにちょうどヒナが帰ってきた。ヒナは先生が帰ろうとするのに気づくと、見送ると言い出した。

 

「い、委員長?メガトロン様と会談の予定では…?」

 

「思ったより早く片付いたから。アコもお疲れ様、私が送ってくるから休んでて」

 

「あ、はい…」

 

ヒナの予想外の帰還にアコは驚いている。一方ヒナのほうは先生に会えたのもあり、顔には出ていないものの内心張り切っているようである。

 

「ほら、先生」

 

 

 

 

 

ゲヘナ学園・廊下

 

「ふぅ…それで、先生。トリニティの件は落ち着いた?」

 

“まだ全然、どうにかしたいことが山積みで…。エデン条約が終わった後に、また色々やる予定…”

 

「そう…ということは、私にも言ってないことをまた色々と抱えてるってわけね」

 

ヒナは先生を見送るべく、会話をしながらゲヘナの廊下を歩いていく。美食研究会捕縛の際に先生はヒナに事情を打ち明けたので、彼女もある程度のことは知っているものの、トリニティに先生が入れ込むのは少し寂しいようだ。

 

「あの時に私に言ったことが本当に全部なら、まだ終わってないはずが無いと思うのだけど?」

 

“ご、ごめん…”

 

「…別に、“どうして全部言わなかったの”って責めてるわけじゃない。アビドスならまだしも、トリニティのことだし。やたらと複雑で、色々先生側にも考えることとか事情があっただろうし…」

 

ヒナは先生があの時に話したことが全てなら、とっくにトリニティの件は終わっているはずだと指摘する。それに先生が気まずさを感じて彼女に謝ると、別に責めているわけではないと先生を宥めた。

 

「まぁ、ともかく。色んな観点があって、味方によって真実は変わるかもしれない…あの時先生はそう言ってたけれど。例え“トリニティの裏切り者”が見つかったとしても、それは特定の観点からの真実に過ぎない…それだけで全てを判断するのは難しい。情報だけを鵜呑みにせず、色んな観点から他の真実をも探しつつ、自分にできる努力をし続ける」

 

“なんだか、今日のヒナは難しいことを言うね…”

 

「そう、多分メガトロンのせいかしらね?彼、物語に出てくる魔王のような風貌ではあるけれど、勤勉だから」

 

そしてヒナは前に先生に言われたことを思い出しつつ、先生が今後やるべき事を話す。そんなヒナを見て先生は、彼女の様子がいつもと違うことを感じ取ると、ヒナはそれはメガトロンのせいだと明かすのであった。

 

“そういえばメガトロンと何を話したの?”

 

「そうね…前に先生には引退しようかなって話をしたでしょう?エデン条約もその理由で締結に賛成したのだけれど…」

 

“うん、そうだったね”

 

「その事について少しお説教をされたわ。“あんな子供騙しのようなおままごと条約、うまくいきっこない”ってね」

 

“あ、あはは…”

 

メガトロンの話題を聞いて先生は、ヒナがメガトロンと何を話したのかが気になり始める。そしてその疑問にヒナはメガトロンに説教されたと答えるのであった。

 

「私も別にエデン条約が全て思惑通りに運ぶとは思っていない。でもやっぱりこの現状が続くのはよくないと思うから…」

 

“うん、そうだね”

 

「でも、誰かに説教されたのは初めてかも知れない…」

 

“確かに…ヒナは良い子だもんね”

 

「・・・」

 

しかしヒナはメガトロンに説教をされても、エデン条約の締結は間違っていないと感じているようだ。そして、自分が説教をされるのは初めてだと先生に打ち明けると、先生はヒナは良い子だと褒めたため、ヒナを赤面させた。

 

「それにしても…その子たちは、先生に信じられてるのね」

 

“ヒナのことも信じてるよ”

 

「っ!急に何を…!あと、それは前にも聞いた!」

 

“・・・”

 

「全くもう…」

 

さらにヒナは補習授業部の子たちが先生に信じられていることに、少し妬いている言動を見せた。それを感じ取った先生は、ヒナのことも信じていると言い返し、ヒナをさらに赤面させるのであった。

 

 

 

 

 

ゲヘナ学園・広場

 

「『早く帰ろうぜ』」

 

「帰り道、気を付けて」

 

“…もしかしてだけど、まだアコに引退のこと話してない?”

 

「…そうね」

 

ゲヘナ学園の広場で先生を待っていたのはバンブルビーである。彼は敵地にも関わらず、先生に付いてきたのである。そして、先生は帰り際、ヒナの引退の話を振る。

 

「先生以外はまだ誰も知らない。アコは何となく気付いてるかもしれないけど。引退と言ったって、そんなに大袈裟なことじゃない。少し疲れたから休みたいってだけで…」

 

「『寂しいよ~♪』」

 

「あ、貴方が寂しがるのは変じゃない…?」

 

“でも、一緒にアビドスで戦った仲間だからね”

 

どうやらヒナが引退することはアコですら知らないようである。そしてビーはアビドスで共に戦ったヒナの引退を寂しがり、彼女を困惑させるのであった。

 

「…この話はやめよう。そんなに大事なことでもないし。…じゃあまた、調印式で」

 

“うん、ありがとう。ヒナ”

 

「『Thanks you』」

 

こうして、ヒナは先生たちと別れるのであった。

 

 

 

 

 

それから時は流れ、エデン条約調印式当日

 

トリニティ監獄

 

「・・・」

 

“今この動画をご覧の皆さん、こんにちは!クロノススクール報道部のアイドルレポーター、川流シノンです!”

 

「まぁそりゃ当日なんだからどこもかしこもこの話題ばっかりか…」

 

トリニティ調印式当日も、相変わらずミカは監獄の中である。主に暇つぶしとしてテレビを見ているのだが、今日は調印式当日なのもあり、どのチャンネルを回してもエデン条約の話で持ち切りであった。

 

“私は今、”通功の古聖堂“の前にいるのですが…すでに現場は熱がこもっており、互いに譲らまいと張り詰めた空気になっております!”

 

「あはははははっ!!こんな面白い光景が見られるんなら、もうちょっと我慢すれば良かったかもっ!!」

 

“誰かが一歩間違えれば、この場が大惨事になりそうなほどの雰囲気です!感じられますでしょうかこの空気感!”

 

「いやー、誰か一歩間違えてくれないかなー」

 

画面に映されたのは、伝統あるトリニティの“通功の古聖堂”にてトリニティとゲヘナが互いに睨み合っている様子である。その様子を見て、ミカはテレビ越しで大爆笑である。

 

“…はい?余計な言ってないで早く進めろ?仕方ないですね、今日も画面外から飛んでくる言葉が拳に変わる前に、ちゃっちゃとお話進めていきましょう!”

 

「えぇー?もうちょっと見せてよー」

 

“まず『どうしてこの場所が選ばれたのか』ということにつきましては、どうやら或る筋の情報によりますと『ゲヘナの首脳陣からの提案』とのことです!これは意外!ここがかつて、トリニティの『第一回公会議』が開催された歴史的な場所だからでしょうか?”

 

「あはっ☆ゲヘナの角付きにそんな脳みそがあるわけないじゃんね☆」

 

“いえいえ、そうではないようです。どうやらその理由は…『これほど大きなイベントなのだから、大きくて権威のある場所が良い』とのこと。要するに、『デカい場所の方がカッコいいだろうが!』とのことです!なるほど、分かりやすいですね!”

 

「ほらね」

 

トリニティとゲヘナが睨み合っているのを映していると、シノンにさっさと先に進めろという罵声が画面外から飛ぶ。そして、クロノスTVは“通功の古聖堂”の話になり何故ここが選ばれたのかという話になる。そしてこの場所になったのはゲヘナ側の提案だったと明かし、その理由はミカの予想通りであった。

 

“少々話は変わりますが、先ほど申し上げた『第一回公会議』、そしてそこで…”

 

「はぁ、つまんない」

 

シノンが第一回公会議やシスターフッドの話に入ると、ミカはテレビを見るのを止める。一応点けているものの、何遍も聞かされた話は当然退屈なようだ。

 

 

 

 

 

その後

 

“…昨日行われた、連邦生徒会による緊急記者会見の様子をご覧ください!”

 

「・・・」

 

番組のエデン条約の説明が続き、連邦生徒会の会見になったところで、ミカは視線をテレビへと戻す。画面上では連邦生徒会のメンバーたちが会見を開いている映像が流れていた。

 

「…以上で会見を終えます」

 

「ちょっと待ってください行政官!それはつまり、連邦生徒会長の行方はまだ分かっていないということですか?」

 

「要するにそうです」

 

「要約しなくてもそうでは!?」

 

テレビで映された場面は、会見が終わり質問に移るところであった。そして質問の内容は先生が来る前に失踪した連邦生徒会長の話であった。

 

「連邦生徒会の能力について、世間の評価は厳しくなっています。この点についてはいかがでしょうか?」

 

「まあ仕方ないんじゃん?」

 

「モモカちゃん…!」

 

「不確定な情報につきましては、現段階でのコメントは差し控えさせていただきます」

 

次は連邦生徒会長の失踪によって、連邦生徒会の必要性が問われていることに質問である。その事についてモモカは仕方ないと答え、アユムに注意されるのであった。そして結局リンは質問を差し控えると言ってこの質問を終わらせた。

 

「それでは、この辺で終了とさせていただきます」

 

「ちょっと待てやー!!」

 

「ちゃんと質問に答えろー!!」

 

その後、何個か質問を振られるが、リンはそれをのらりくらりと躱す。エデン条約のことも話題に上がるがどうやらそれも興味なさそうであった。そんな彼女たちの態度に、会場の記者からは怒号が飛ぶのであった。

 

 

 

 

 

“どうやら連邦生徒会はエデン条約についてはあんまり興味が無いようです!!”

 

「まぁ、そんなもんじゃない?誰も面倒ごとには関わりたくないだろうし…」

 

そして画面はシノンと古聖堂に戻る。連邦生徒会がエデン条約に興味無さげな態度を取ることに対し、ミカはある種納得しているようであった。

 

“それでは気を取り直して、オートボットのリーダーであるオプティマス・プライム氏のインタビューに成功しましたので、こちらをご覧ください!!”

 

「へぇ~」

 

 

 

 

 

“エデン条約につきまして、オプティマス・プライム氏のご意見を伺いたいのですが…”

 

“そうだな…我々もディセプティコンと争い合っている身としては、この平和条約について興味はある”

 

“なるほどなるほど…”

 

“彼女たちには我々とは違う道を歩んで欲しいと思っている。我々のように何万年も憎しみ合うような選択はしないで欲しいのだ”

 

「はぁ…ホットロッドのリーダーであんな堅物真面目のつまらないタイプだったんだぁ。ちょっとガッカリだなー」

 

オプティマスはインタビューアーにエデン条約について自分の思っていることを語る。それを聞いていたミカは彼の生真面目な発言に落胆するのであった。

 

ブツン…

 

「あーあ。つまんなーい」

 

 

 

 

 

トリニティ・スイーツ店

 

「…騒がしいな」

 

「今日はついに、あのエデン条約が締結される日ですからね!特別に学校も休日扱いですし、街も人でいっぱいです!」

 

「せっかくのお祭り騒ぎなので、先生やホットロッドさん、バンブルビーさんも一緒だったら良かったのですが…どうやら条約の方でお忙しそうです」

 

「…で、どうして私はここに呼ばれてるわけ?」

 

「それはもちろん、私たちはまだ補習授業部の仲間だからですよ、コハルちゃん♡」

 

エデン条約の調印式を前にしてトリニティの街中はお祭り騒ぎである。そんな中補習授業部の生徒たちは4人で集まり、スイーツ店に集合していた。

 

「実質的に補習授業部の卒業パーティーも兼ねてるんですから、もう少し付き合ってくれません?」

 

「べ、別に嫌とは言ってないじゃん!み、みんなで頑張って、乗り越えたわけだし…それに、これで全部終わりってわけじゃないし。私はずっと正義実現委員会にいるから、押収品の管理室にでも来てくれれば大抵…」

 

「うん。すぐにでも遊びに行くよ、コハル」

 

「でしたら今度私も伺いますね。私も押収品を返してもらわないとですし♡」

 

ハナコはこれが4人集まるのが最後かも知れないと感じておりコハルに居て欲しかったのである。それを感じ取ったコハルは正実の管理室に行けば自分に会えると言ってみんなの寂しさを解消させようとするのであった。

 

「あれ、アズサちゃん。もしかしてそのぬいぐるみ、ずっと持ち歩いているんですか?」

 

ガサゴソ…

 

「うん。大事な物だから、やっぱり持ち歩かないと」

 

「そこまで大事にしてくれるのはありがたいです!!そういえば今度ペロロ様の冒険アニメも公開されることですし!」

 

「…アニメ?」

 

話は変わり、ヒフミはアズサが鞄の中にペロロ様のぬいぐるみを入れていることに気付く。アズサはそれを大事な物と言うので、ヒフミはアズサがペロロ様のことを大事にしてくれてとても喜んでいた。

 

「はい!仲間たちと力を合わせて悪を打ち砕き、共に苦難を乗り越え、最後にはみんな笑顔で終わると言うそのエンディングがすごい感動的だそうで…!」

 

「それ、だいぶネタバレじゃない?」

 

「え、あっ!?今のは忘れてください!?」

 

そしてヒフミは勢い余って今度公開するペロロ様のアニメーションのあらすじを全て話してしまう。それを聞いたコハルはその事をヒフミに指摘すると、彼女は慌てて忘れてくれと言うのであった。

 

「ふふっ、ヒフミちゃんはそういったハッピーエンドが好きなんですか?」

 

「は、はい、そうですね。やっぱり普通過ぎますかね…?」

 

「悪いとは言わないけど、ちょっとありきたりじゃない?最終的にはみんなで仲良く大団円とか」

 

「私も、ハッピーエンドはよく分からないな。頑張ったところで世界はそうそう変わらない、傷は無かったことにはならない。それがこの世界の真実だから」

 

「あうぅ…みんなダーク寄りなんですね…」

 

先ほどの映画のあらすじを聞いて、ハナコはヒフミにハッピーエンドが好きなのかと尋ねる?それに対し、ヒフミはハッピーエンドが好きだと答えるが、どうやらそれが少し恥ずかしいようである。そんな彼女の意見にはコハルとアズサも割と冷ややかな意見を述べるのであった。

 

「私はそういうのはちょっと辛くって…やっぱりみんなで幸せになれるハッピーエンドが好きです」

 

「まあ、好みは人それぞれですからね。ちなみに私はヒロインが目を蕩けさせて、涎を垂らしながら許しを請うタイプのエンディングが好きです♡」

 

「ばっ、バカじゃないの!?そんなエンディングあるの!?」

 

「うーん、結構あると思いますが…」

 

だがそれでも、ヒフミはハッピーエンドが好きなようである。それを聞いたハナコは彼女の意見を肯定しつつ、自分の性癖を開示し、いつものようにコハルを慌てさせるのであった。

 

「とはいえ、ヒフミが好きなら悪いものだとは思わない。それもそれで良いのだと思う」

 

「アズサちゃーーーんっ!」

 

ギュッ!!

 

「あらあら♡」

 

「ひゃぁぁぁ…っ!?」

 

そして最後にアズサがヒフミ言う事を肯定すると、彼女は嬉しくなってアズサに抱きつく。それを見ていたハナコは嬉しそうにその光景を眺め、コハルは赤面するのであった。

 

 

 

 

 

「このまま、全てが終わったら…。いえ、今日の調印式が終わったら、先生とゆっくり話したいですね」

 

「うん。それにホットロッドやビーとも」

 

「はい。ビーさんは難しいかも知れませんが、ホットロッドさんに故郷の話とかを聞いてみたいです」

 

「か、彼女とか…結婚とかするのかな…」

 

とりあえず落ち着いたヒフミをアズサから引き離すと、ハナコは先生の事を思い出す。さらいアズサは彼だけでなく、ホットロッドとビーとも話をしたいと言い、ヒフミもそれに同意する。一方コハルはサイバトロン星人の色恋事情をアレコレ妄想していた。

 

 

 

 

 

エデン条約調印式まであと少し。この物語はハッピーエンドになるのか…

 

 

 

 

それとも…




もちろんハッピーエンドにはするが、それはそれとして苦難もマシマシにはする。

もちろん舞台はキヴォトスなのである程度加減はするけどね
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