TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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正義の戦士なのに銀行強盗をするトランスフォーマーがいるらしい


ブラックマーケット

便利屋とトランスフォーマーとの決戦を終え学校に戻った対策委員会の面々は、傭兵集団が使っていた違法の武器の出所を探るべくブラックマーケットへと向かっていた。

 

「ここがブラックマーケット…」

 

「わぁ☆すっごい賑わってますね?」

 

対策委員会の面々は想像していたよりも大きなブラックマーケットの規模に驚きつつも散策を始める。

 

タタタタタタタタ!!

 

みんなで辺りを散策していると、前のほうから銃声が聞こえてきた。そしてその銃声の聞こえた方からブラックマーケットには似つかわしくない小綺麗な恰好をした少女が走ってきた。

 

「う、うわああ!まずっ、まずいですー!!つ、ついてこないでくださいー!!」

 

「そうはいくか!」

 

その後ろをチンピラが銃を構えて必死の形相で追いかけている。異様な光景であった。

 

「ど、どいてくださーーい!!」

 

ドンッ

 

必死にチンピラから逃げていた少女はシロコとぶつかってしまった。

 

「い、いたた…ご、ごめんなさい!」

 

「大丈夫?なわけないか、追われてるみたいだし」

 

シロコはぶつかって来た少女に手を貸してやる。少女は申し訳なさそうに謝罪しながら起き上がり何故追われているのか説明する。

 

「私の名前は阿慈谷ヒフミです。どうやら私がトリニティの生徒なので身代金目的で因縁を付けられたようでして…」

 

ヒフミが対策委員会に説明しているとチンピラが集まって来た。

 

「おうおう、そこのお前ら!そのトリニティのお嬢様を渡してもらおうか!」

 

「なんなら一枚噛n…」

 

ドスッ!ドスッ!

 

シロコとノノミはチンピラが話終わる前に当身をチンピラに当て気絶させた。

 

「悪は懲らしめないとですね☆」

 

ヒフミを助けた対策委員会はその場をそそくさと立ち去るのであった。

 

 

 

 

 

ヒフミに話を聞くとどうやらモモフレンズなるコンテンツのペロロ様というキャラクターの限定グッズを手に入れるために、このブラックマーケットに来たらしい。彼女はそのペロロ様の限定グッズを求め日々ブラックマーケットに入り浸っているとのことだった。

 

結局、対策委員会の皆はヒフミにブラックマーケットに案内してもらうことになった。

 

「それじゃあよろしくねー」

 

「は、はい!よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

便利屋事務所

 

プルルルル…プルルルル…

 

便利屋事務所に電話が掛かってくる。社長である陸八魔アルは神妙な面持ちで鳴っている電話を見ていた。

 

「ほらアルちゃん、報告しないとだよ」

 

「わ、わかってるわよ…」

 

ムツキに言われてアルは意を決して受話器を取った。

 

「はい…便利屋68です」

 

電話の相手はキヴォトスを牛耳るカイザーコーポレーション傘下のカイザーPMCの理事である。アルは内心ビビり散らしながら、カイザー理事にアビドス襲撃の結果を報告した。

 

「ふむ。興味深い報告だ。ここまでの練習は拝見したよ。で、実戦はいつだ?」

 

「うえ?あれが実戦だったんです…が…」

 

カイザー理事の言葉にアルは涙目になりながら小声でそう返す。襲撃の失敗に加えてボーンクラッシャーを置いて逃げたこともあり、彼女はカイザーに殺されると思っているようだ。なので、彼女は錯乱して

 

「あ、いえ、何でもありません。も、もちろん実戦はすぐにでも…という感じで…あ、えっと、一週間以内には…はい」

 

とんでもないことを口走った。

 

ガチャン!!

 

「…はぁ」

 

電話を切りため息をつくアル。その顔はやつれていた。

 

「こ、今回のクライアントは超大物…ここで失敗するわけにはいかないわ」

 

アルたち便利屋はゲヘナ学園から強引で出てきて設立した会社である。そのため、仕事を依頼してくるクライアントの数がそもそも少なく、今回のような大型の仕事が来ることも稀であった。そして、会社の存続ひいては事業の拡大のためには、この仕事は何としても成功させなければいけないものなのである。

 

「だけどアビドスの連中、思ったより強かったじゃん。それに、あの「シャーレ」の先生が一緒にいるから、私たちだけじゃ無理だよ」

 

「うちのダイナボットが4体揃ってようやく安定して勝てる相手だよ、あいつら」

 

ムツキとカヨコに依頼の非実現性を説明されてまた涙目になりながら、陸八魔アルは一つの方法を思いつく。

 

「融資を受けるわ」

 

「「「えっ!?」」」

 

銀行からの融資を受けるべく便利屋一行はアビドスへ向かうのであった。

 

 

 

 

 

対策委員会とヒフミは途中休憩を挟みつつ数時間かけてブラックマーケットを巡る。だがこれだけ探しているというのに目当ての戦車は全くもって見つからない。

 

その後も何やかんやあって一行はブラックマーケットの銀行前に辿り着いた。ブラックマーケットの闇銀行には犯罪に関するあらゆる者が流れてきており、キヴォトスで行われる犯罪の15%の盗品が闇銀行に流されているという話である。

 

「お取込み中失礼します!そちらに武装した集団が接近中!」

 

ヒフミに闇銀行のことをレクチャーしてもらっていると、向こうから武装した集団がやって来るのをアヤネが発見する。

 

「あれは、マーケットガードです!」

 

「マーケットガード?」

 

近づいてきた連中はどうやらマーケットガードと言うようだ。ヒフミの発したマーケットガード言葉をノノミは聞き返す。

 

「ここの治安組織の中でも最上位の武装集団です!急いで隠れましょう!」

 

ヒフミの誘導で対策委員会は道路脇へと隠れる。マーケットガードは辺りを見渡しながら車を護送している。

 

「ん、あれは?」

 

“シロコ先輩?“

 

「アヤネ、あの現金輸送車のとこ一応調べておいて」

 

シロコは何か気になるようでアヤネに調べるように指示を出す。そしてその現金輸送車は目の前の闇銀行に入っていく。そして銀行の前に車を停め、中からはアビドスの利子を回収している男が出て来る。

 

「アイツは…!」

 

“検索結果出ました、私たちの学校に集金しに来た車と同じです!”

 

どうやら対策委員会で集めたお金は闇銀行であるカイザーローンに流されて、犯罪に利用されていたようだ。カイザーコーポレーションは合法と違法のグレーを狙って商売を行う企業であり、ヒフミの通っているトリニティ総合学園の生徒会”ティーパーティー”も目を光らせているという。

 

「じゃあ何?私たちが返済してたお金は闇銀行に流されて犯罪に使われてたってこと!?」

 

自分が汗水働いて稼いだお金が犯罪に使われていたと知りセリカは憤る。他のメンバーも黙ってはいるが怒りの感情が顔に出ていた。

 

“で、でもまだ証拠を見るまでは…”

 

「どうにかしてその証拠を押さえないと…」

 

しかし、現金輸送車の正式な送金ルートは対策委員会には掴めていないためシロコはその証拠を得ようと頭を回す。シロコが考えていると、ヒフミが何か気づいたようだ。

 

「あ!さっきサインしていた集金の書類を確認すれば証拠になりませんか?」

 

「さすが」

 

ホシノはそう言うとガサガサとカバンを漁り始める。

 

「ホシノ先輩、“アレ”をやるからミラージュとビーに来るように伝えて」

 

「あれかー。あれをやるのかー」

 

ホシノはそう言いつつも携帯でミラージュとビーに位置情報を送る。

 

「あ、あれって何ですか??」

 

ヒフミはみんなが言っている“アレ”のことが分からずあたふたしている。そしてすかさずシロコを見やる。シロコは目を輝かせながら覆面を被っていた。

 

「ん、私にいい考えがある」

 

「そ、その考えとは…?」

 

「銀行を襲う」

 

「えぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

ヒフミの絶叫がブラックマーケットへ響き渡った。

 

 

 

 

 

カイザーコーポレーション銀行

 

陸八魔アルと便利屋一行は銀行に融資をしてもらうため、この銀行を訪れていた。何故かかれこれ6時間も待たされている。アル以外のメンバーはもはや退屈すぎてソファで寝ている様である。

 

「ず、随分と待たせてくれたじゃない…」

 

「すみません、こちらにも事情がありまして」

 

銀行審査官はふてぶてしい態度でアルに対応する。その態度に内心では怒りが湧いてくるも、他に頼りがないので必死に堪える。

 

「総合的に判断した結果、融資は難しいですね」

 

「えっ…えー!!」

 

審査員に融資ができない事を伝えられアルは狼狽する。審査員はアルになど目もくれずそそくさと立ち去ってしまった。

 

 

 

 

 

カイザーコーポレーション銀行玄関前

 

対策委員会は覆面を被り顔を隠しながら、銀行の玄関に近づきミラージュとビーと合流した。そして覆面の無かったヒフミは休憩中に食べたたい焼きの紙袋に穴を開けて被っている。

 

「それじゃあミラージュ玄関に突っ込んで」

 

「うおぉい!?いきなりだな!!もうちょっとこう…準備とかあるだろ!?」

 

いきなりの銀行襲撃宣言に流石のミラージュも困惑の色が隠せない。彼はオートボットである。一応は正義の戦士なのである。

 

「『衝動は…』『♪止められねぇ~』」

 

一方同じオートボットのバンブルビーは乗り気であった。結局みんなで車に乗り込み、助走を取るためにその場を離れる。

 

ブォォォォン!!ブォォォォン!!

 

玄関のガラスを突き破るため、2台の車はその場でエンジンを吹かして止まっている。

 

「ん、先生合図よろしく」

 

“それじゃあ…銀行を襲うよ!!”

 

「『GO――――!!!!』」

 

先生の合図と共にビーとミラージュは銀行に向かって全速力で突っ込んでいく。

 

ガッッシャァーーーーーン!!!

 

「う、うわぁぁ!?」 「何だぁ!?」

 

いきなり突っ込んできた車に銀行を警備していたマーケットガードも動揺して、尻もちを着いているいる者もいた。

 

ギゴガゴゴ!!

 

「全員その場に伏せなさい!持ってる武器は捨てて!」

 

車がトランスフォームしその側から、対策委員会&ヒフミ改め覆面水着団が現れる。覆面水着団No,2のブルー(シロコ)は武器を捨てるようにマーケットガードに警告した。

 

「ひぃぃぃ!!」 「命だけは~!!」

 

「いや~流石トランスフォーマーだねー」

 

マーケットガードはトランスフォーマーの2人を見て蜘蛛の子を散らすように逃げていく。TFと同じく機械の身体だからなのか、誰もトランスフォーマーに対抗する者はいなかった。

 

「これオプティマスにバレたら説教じゃ済まねぇんじゃねぇか?」

 

“そ、その時は私が庇うから…”

 

ミラージュはマズいと思いつつもブラスターをマーケットガードに向け、シロコたちが書類を盗むまでの時間を稼ぐ。

 

 

 

 

 

「あれ…アイツら」

 

「うん、アビドスだね…」

 

一方銀行のソファで寝ていたカヨコとムツキは覆面水着団の大きな音で飛び起きていた。そして覆面水着団を見つけるとその正体を見抜いていた。

 

「あっちのトランスフォーマーも色が違うみたいだけど、あの時にいたヤツと同じっぽいね」

 

「ぎ、銀行強盗だなんて…」

 

そしてまたしても何も知らない陸八魔アルさん(16)は目の前で起きているアウトローな出来事に目を輝かせていた。当然彼女たちが先日戦ったアビドスだなんてことは微塵も気付いていない。

 

「ん、集金記録を出して」

 

「わわわわ、わかりましたー!!!」

 

シロコはカウンターの受付に向かって、銃を突き付けながら集金記録を出すように命令する。それを聞いて受付は全速力で奥に走っていく。

 

「お、お、お持ちしましたぁーーー!!」

 

「ん、う、うん」

 

袋には集金記録の他にも大量の札束が入っていた。シロコはお金を盗みに来たわけではなかったが、説明する時間も惜しいのでそのままカウンターから立ち去った。

 

「アディオ~ス☆」

 

「奴らを捕まえろ!!マーケットガードに連絡だ!!一人も逃すな!!」

 

覆面水着団は目的を果たすと素早く銀行を後にするのであった。

 

 

 

 

 

マーケットガードを蹴散らしブラックマーケットを後にした覆面水着団は、覆面を取り対策委員会に戻る。

 

「シロコちゃ~ん、ちゃんと集金記録持ってきたぁ?」

 

「・・・ん」

 

シロコはバッグをみんなの前で開ける。当然そのバッグには大量の現金が入っている。

 

「シ、シロコ先輩!!お金盗んできちゃったの!?」

 

「ち、違う!!これは銀行の人が勘違いして…」

 

セリカはシロコが本当にお金を盗んでしまったことに目を見開いて驚く。だが、シロコもそれが本意だったわけではなかった。

 

「や、やった!!これを使って借金を返せば…」

 

“それをやったら本当に犯罪だよ、アヤネちゃん!!”

 

セリカの計画にアヤネは待ったをかける。銀行強盗をしたとはいえそのお金をまた横流しすることにアヤネは抵抗があるようである。

 

「でも、これを借金返済に使って、次はどうするの?」

 

「うっ、それは…」

 

ホシノはセリカにそう問いかける。その問いかけに彼女は言葉が詰まってしまった。

 

「こんな方法に慣れちゃうと、ゆくゆくはまた同じことを平気でするようになるよ」

 

「「「・・・。」」」

 

「銀行強盗はこれっきりだ、なっ!?コイツは置いていこうぜ!」

 

重苦しくなった空気を払拭するため、ミラージュは書類だけを抜き取ってバッグを何処かへ放り投げた。

 

「あぁぁぁぁ!!!」

 

セリカは大金が入ったバッグが放り投げられたのを見て思わず叫んでしまう。

 

「はい、この話はこれでおしまい。帰るよみんな」

 

「わ、わかったわよ、もう!!」

 

対策委員会とヒフミが帰る準備をしていると、誰かがこちらに向かってくる。

 

「ちょ、ちょっと待ってーー!!!」

 

追ってが来たと思った彼女たちは、再び覆面を被る。だがこっちに近づいてきたのは追手ではなく、陸八魔アルであった。

 

(な、何であいつが…)

 

(どうする?撃つ?)

 

(敵意のない相手を撃つのもねー)

 

先日自分たちのことを襲撃してきた便利屋のリーダーである彼女が何故か目を輝かせてこちらに来ていることに、みんなは困惑を隠せない。

 

「あ、あの…大したことじゃないんだけど…。銀行の襲撃、見せてもらったわ!ブラックマーケとの銀行をものの5分で攻略して見事に撤収…あなたたち、稀にみるアウトローっぷりだったわ。私感激しちゃったわ!私もあなたたちのようなアウトローになれるように頑張るわ!」

 

アルは早口で覆面水着団に自分の想いを伝える。彼女たちは元敵相手にそれを伝えられて困惑気味であった。

 

「そ、そういうことだから…な、名前を教えて!!」

 

「私たちは人呼んで覆面水着団!!」

 

とりあえず、名前を言わないと帰してくれなさそうなのでノノミはアルにそう答える。

 

「覆面水着団!?や、ヤバい!!超クール!!カッコ良すぎるわ!!」

 

その後もアルの質問にアドリブでそれっぽく答えて覆面水着団もとい、対策委員会&ヒフミはその場を去るのであった。

 

(事実を伝えるべきなんだろうけど…いつ言おうか…)

 

(面白いからしばらく放置で)

 

アルが興奮している影から顔を覗かせていたカヨコとムツキは、アルの余りの興奮っぷりを見つめているのであった。

 

その後便利屋はミラージュが放り投げた大金の入ったバッグを拾い、事業継続の目途が立った。

 

 

 

 

 

ゲヘナ学園風紀委員会

 

「アコ行政官、どうやら便利屋68はアビドスへ逃げているようです」

 

「はぁ…それで?」

 

ゲヘナ学園の治安を統制する風紀委員会の現状No,2である天雨アコは報告をしてきた諜報員にため息を返していた。所詮学外のことにこちらは口出しなどできないので、便利屋がアビドスにいるから何だという話である。

 

「そして、そのアビドスには今こちらでもその動向を追っている『シャーレの先生』もいると…」

 

「なるほど…ありがとうございます。下がっていいですよ」

 

「失礼します」

 

アコは諜報員を下がらせると、机で今後について思案する。

 

(エデン条約や今後のことに備えて『シャーレの先生』は確保しておくべきですよね…。でも確保した『先生』を万魔殿やそれに繋がっているメガトロンに盗られてしまっては面白くない…。というか万魔殿自体がムカつきますっ!!何かいい方法は…)

 

「そうだ!!」

 

アコは何か思いついたのかその場で立ち上がる。

 

「ちょうど私と同じくトップに不満を持っている人がいるじゃないですか!!」

 

そう言ってアコはすかさず電話のダイアルを回し、誰かに電話を掛ける。

 

「もしもし、ゲヘナ学園風紀委員会行政官の天雨アコです。少々お時間よろしいですか?」

 

“ディセプティコンのニューリーダーになるこのスタースクリーム様に一体何の用だ?”

 

電話の相手はディセプティコンのNo,2にして常日頃からメガトロンの座を狙っている男スタースクリームである。

 

「『シャーレの先生』の噂、メガトロン様から聞かされていますよね?実は“彼”をこちらに引き入れようと画策中でして…。協力していただければディセプティコンのリーダーになれると思うのですが…」

 

アコにそう言われスタースクリームは考える。

 

(『シャーレの先生』と言えば、オートボットと一緒にバリケードとボーンクラッシャーを倒しただけじゃなく、キヴォトスの学園に対して様々な権限も持ってるらしいじゃねぇか。さらにメガトロンの野郎もソイツのことを注目してたみてぇだしな。ソイツの権限も俺の者にしちまえばメガトロンを倒しておれがニューリーダーだぜ!!)

 

“いいぜ、その話聞かせてもらおうじゃねぇか”

 

「はい。よろしくお願いいたしますね、スタースクリームさん」

 

シャーレの先生にも危機が迫っていた。

 




TFの容姿は映画版の設定だけどアイツの性格はG1じゃねぇと面白くねぇだろうよ
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