TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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ディセプティコン4バカは割と便利に使ってます。


虚構

通功の古聖堂付近

 

「・・・」

 

「…ここでお前が出てくるのか」

 

「まさか姿を表すとはね…そのまま逃げだしても良かったのに」

 

「えへへ、お久しぶりですね…」

 

先生を仕損じたアリウススクワッドは、誰かに向かって話かけている。4人の目線は冷ややかであり、蔑むようにすら見えていた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「あ~誰だっけ?例の裏切り者ってやつだろ確か?」

 

「会ったことあったっけか?」

 

「どうだっけかな…しょーじき顔と名前を憶えんのはコイツら4人が限界だぜ」

 

「食ってもおいしくなさそうだしな」

 

アリウススクワッドたちの前に現れたのは、元アリウスのアズサである。名前は知っているが正直あまり関りのないディセプティコンの4人組はアズサにそれほど興味は無さそうである。

 

「…どうだ、アズサ」

 

「どうして、どうして…」

 

「私の言った通りだっただろう。トリニティにも、シャーレにも、お前の居場所は無い。私たちみたいな“人殺し”を受け入れてくれる場所なんて、この世界には無いんだよ」

 

「どうして、先生を…!」

 

「そんな場所があるように見えても、全ては儚く消える…さっきの“先生”とやらのようにな」

 

サオリたちを睨みつけるアズサに対し、サオリはこの惨劇を見せて自分の立場をわからせる。そしてアズサが先生を撃ったことに怒りを露わにするが、サオリは全ては無意味とばかりにアズサのことを否定するのであった。

 

「…全ては無駄だ。それなのにどうして足掻くんだ、白洲アズサ」

 

「そうだぜ~もうこの惑星はあの赤いジジイのものになるんだからよ~」

 

ガチャ!!

 

「サオリィィィィィィィィィィィ!!!」

 

ダッダッダッダッダッダッ!!

 

「まだ甘い夢に酔っているのか…仕方ない、手伝ってやろう。何度でも、その夢から目を覚まさせてやる」

 

ガチャ!!

 

「来い!!」

 

こんな状態になってもなおまだ足掻くアズサに、サオリは意味が分からないようである。アズサは多勢に無勢にも関わらず、アリウススクワッドたちへ果敢に向かっていくと、サオリは彼女に憐みの目を向けながら銃を構えるのであった。

 

 

 

 

 

「あぁぁぁあぁぁぁ!!!」

 

ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!

 

「…相変わらず未熟だ。何も考えずに突撃とは、正気かアズサ?」

 

「う…うぅ…」

 

「勇ましいことは結構なことだがねぇ、小さいお嬢さん。実力が伴ってないと意味ないぜ~」

 

「そぉそぉ。ここにいるデッカいのはサシで勝負したのに、スタースクリームに負けてんだぜ?」

 

無謀にもアリウススクワッドたちに突撃していったアズサは、当然返り討ちにされる。正面から突撃してきたアズサに、サオリは信じられないようである。そして地面に倒れ伏すアズサを見て、ドレッドボットとモホークは憐みを持って彼女を見下ろすのであった。

 

「お前の特技はゲリラ戦、その中で相手の隙を突くことだ。それは自覚しているだろうに、私と正面から戦って勝てるとでも思ったのか?」

 

ギュゥゥゥゥ!!

 

「ぐっ、うぅっ…!」

 

「うわぁ、痛そうだぜぇ」

 

「サオリ…この状況、何が目的だ…。それに何故あのトランスフォーマーと手を組んでいる…」

アズサの強みは知っての通りゲリラ戦である。トリニティに潜入時には正実すら相手どった彼女であったが、何故かアズサはサオリに正面から突っ込み腕を絞められている。だがアズサは腕を絞められてもなお、彼女たちの目的を問いただすのであった。

 

「…ミサキ、残りの時間は?」

 

「あと5分ってとこかな。例のNo,2が来たことだし、そろそろディセプティコンの参戦も考えないといけない頃だと思う」

 

「十分だな…起こせ」

 

ガバッ!!

 

「お前がわざわざ来てくれて、手間が省けた」

 

サオリはミサキにこの場に留まれる時間を聞くと、彼女はディセプティコンの襲来のことを鑑みて5分と答える。それを聞いてサオリは目的を語るには十分と判断し、アズサをアツコとミサキに起こさせる。

 

「お前の裏切りによって、多少計画にズレは生じたが…まあ誤差の範疇だ。トリニティにいたもう1人の裏切り者は微塵も正体を掴ませなかったからな」

 

「まあ、アイツがいねぇと俺たちの計画は実行不可能だったのも確かだけどな」

 

「本来ならこの場に来るのは、ミカだと読んでいた。しかしあのバカはもう使えない」

 

「バカだってよ、あのお姫様」

 

「かわいそーに」

 

サオリはアズサが裏切ったことで多少計画がズレたが、センチネルが完璧に計画を完遂させたため問題なかったと語る。そして本来なら現在牢屋に居るミカがこの場に現れると踏んだようだが、生憎彼女は今檻の中である。

 

「となると危険分子はナギサだったが、幸いにも何の疑いも無く調印式に参加した。シスターフッドまで一気に処理できたことは、まあ予想外の成果だったな」

 

「所詮は金持ち嬢ちゃんたちの集まる学校だな。信じてホイホイこんなところに来るなんざ、能天気が過ぎるぜ」

 

「ま、センチネルの裏切りが今日までバレなかった時点で、ほぼ勝ちは決まったようなもんだがな」

 

そして、現トリニティのトップのナギサの消息とシスターフッドの勢力を一気に削れたのは、アリウススクワッドにとっては幸運だったようである。しかしニトロゼウス曰く、センチネルの裏切りが露見しなかった時点でアリウスの勝利はほぼ決まっていたようである。

 

「何が起きてるのか、教えてやろう。私たちは“エデン条約”を奪い去った。条約が締結される古聖堂に巡航ミサイルをねじ込み、邪魔者たちを片付けた、そして条約の内容を捻じ曲げたのさ」

 

「?」

 

「“理解できない”、という顔だな」

 

「わかるぜ~嬢ちゃん。俺も2、3回説明されたけどさっぱりだぜ」

 

そしてサオリは遂に自分たちが行った儀式を説明し始める。彼女はエデン条約を奪い去ったと最初に言いだし、アズサを困惑させる。そんな様子の彼女にモホークは、自分も同じだと同調した。

 

 

 

 

 

その後アリウススクワッドはアズサにエデン条約を捻じ曲げ、ユスティナ聖徒会を呼び出して、敵をゲヘナとトリニティに指定したことを語る。

 

「…ようやく理解した」

 

「えぇ!?お前分かったのかよ!?意外と頭いいんだなぁ」

 

「お前が覚える気ねぇだけだろ」

 

「この襲撃は単に各学園の首脳部を狙ったものでもなければ、事態を混乱させるためのものでもない。エデン条約の書き換え…それによって、あの不可思議な兵力を確保することが目的だったのか…」

 

アズサはアリウススクワッドたちの説明を聞いて、ようやく彼女の目的を理解する。それに対しモホークは、自分が理解できなかったことを理解できたアズサに感心するのであった。

 

(スッ、ススッ、スーッ…)

 

「…アツコ、それはできない」

 

「やめておけ、姫。今は無駄だ。あいつの意地を折るのはそう簡単じゃない…前々からそうだろう?」

 

「確かに…ありゃ俺たちの味方になりますって目じゃねぇな。お友達なのはわかるが、諦めも肝心だぜアツコ」

 

「・・・」

 

アツコはアズサを引き入れるために、手話で味方になるよう促す。しかし、サオリは彼女を再びアリウスに引き入れるのは無駄だと言った。そして、珍しくバーサーカーも会話に入りアツコを諦めさせようとし、彼女は残念そうに俯くのであった。

 

「…その意地を、思いを、すぐ傍で煽る存在がいたんだろうな。この世界の真実を隠し、事実を歪めて、嘘を教える…そんな悪い大人が」

 

「あぁ?さっきのひょろいののことか?」

 

「まあ、その先生も既に片付けた。だから後はもうゆっくり教え直せば良い」

 

「…っ!!」

 

そしてサオリはアズサを裏切らせ、最後まで諦めない意志を煽った存在として先生をあげる。しかし先生は自分が撃ち殺したと思っているため、サオリはアズサの再教育を始めようとした。

 

「…トリニティでは楽しそうだったな」

 

「え?見てたの?」

 

「まぁそりゃスパイなわけだから監視するだろ普通」

 

「あの生活は楽しかったか?好きな人たちと一緒にいること、お前を理解してくれる人たちと一緒にいることは」

 

サオリはトリニティでのアズサの様子を楽しそうだったと評する。サオリのその言葉にモホークはボケた事を言うが、すぐニトロゼウスが正論で返した。

 

「…虚しいな」

 

「くっ…」

 

「思い出せ。お前を理解して受け入れてくれるのは、私たちだけだ。ここがお前の居場所だ。お前はその真実から目を逸らし、甘い嘘に目がくらんだ。そしてその弱さが、お前をこうして敗北させている」

 

「無駄な努力ごくろーさんってことか?世知辛いねぇ~」

 

しかしサオリはアズサのトリニティでの生活を虚しいと吐き捨てる。彼女は自分たちと同じであり、トリニティでの生活が彼女を弱くしたと言い聞かせる。

 

「…私たちを止めたいか?ならば私のヘイローを破壊してみろ、白洲アズサ」

 

「…!」

 

「条約の主体である私たちが存在する限り、この戒律は永続していくだろう。ヘイローを壊しでもしない限りはな」

 

「俺らが消えれば少しはお前たちにも勝ち目があるかもな。まぁ、気休めだが」

 

あくまでも自分たちを止めようと足掻くアズサに、サオリはヘイローを破壊してみせろと煽る。エデン条約を書き換えた彼女たちが死ねばその条約は無効になるため、サオリたちを殺すことがこの事態を解決する唯一の道なのである。といってもそれはアリウスの問題だけであり、センチネルの件は何の解決にもなっていないとドレッドボットはアズサに示すのであった。

 

「今のお前に足りないのは殺意だ…しかし、お前にそんなことができるか?あのセイアの任務から逃げたお前が」

 

「…っ!?」

 

「私たちを騙そうとしてまで、綺麗な場所に残ろうとする…そんなお前には無理だよ。…セイアもこの後、すぐに見つけ出す。お前の後始末はこっちでしてやろう」

 

「生きるのが辛いってんなら、今すぐ俺がお前をぶっ殺してやってもいいぜ?」

 

「「「・・・」」」

 

サオリはセイアを殺せなかったアズサに殺意が足りないと言い出す。そして、自分たちを騙し裏切ってまで、殺すことから逃げた彼女に自分たちを殺すのは無理だと思っているようだ。そして、サオリの圧力に苦しむアズサにモホークは殺してあげると提案すると、サオリ以外のメンバーは目を伏せるのであった。

 

スッ…

 

「ぬいぐるみ?」

 

ヒュゥゥゥゥ…ドカァァァァァァァァン!!!

 

「っ!?」

 

「ハッハッハッ!!やっちまったなぁモホーク!!お前があんな事言うから、みんなおセンチになっちまって、あのおチビちゃんの逃げちまったじゃねぇか!!」

 

「まぁ、あれは死ぬまで諦めるようなタマじゃねぇだろ」

 

そんななかアズサはヒフミから教えてもらったペロロのぬいぐるみをおもむろに取り出すと、サオリにそれを押し付ける。そしてその直後、それが爆発し辺りを爆炎が包む間にアズサはサオリたちから逃れるのであった。そんななかドレッドボットはモホークの言葉が隙になったことを指摘し、バーサーカーはアズサのことを感心していた。

 

「また逃げる気か、アズサ!!」

 

「やめとけ、負け惜しみに聞こえるぞ」

 

「アズサに拘るのはいいが、みっともない真似はするな」

 

「あぁ…すまない」

 

「まさかアンタたちに説教されるなんてね…」

 

アズサに逃げられ狼狽えていたサオリを、ニトロゼウスとモホークは落ち着かせる。普段とは違う彼らの態度に、ミサキは少し驚いていた。

 

「リーダー、アズサのことは一旦後で。これからどうする?」

 

「“ユスティナ聖徒会”は確保できた。次はトリニティだ。地下通路からトリニティ自治区の背後に回り込み、そこから蹴散らしていく」

 

「まーたあの狭いところかぁ…」

 

「あいつが少しでも身を置いていた場所…木の一本、枝の1つすら残さず消し去ってやる…」

 

「こいつは重症だな…」

 

ミサキはサオリに今後の作戦を聞くと、彼女はトリニティに地下通路から回り込み攻め滅ぼすと答える。そして、サオリはアズサの過ごしたトリニティを跡形も無く消すと宣言すると言い、それを聞いたモホークは呆れるのであった。

 

「異論は無いよ、リーダー。オートボットもエリートガードにかかりきり、正義実現委員会ももはや恐れる必要はない」

 

「だがその前に、例の変なのが約束した“戦術兵器”とやらを確保するんじゃねぇの?」

 

「そ、そうですよ…さっきのオートボットはトリニティに逃げたはずですし」

 

「・・・」

 

コクコク…

 

サオリに同調してトリニティを攻めようとするミサキであったが、ドレッドボットはマエストロが用意する“戦術兵器”とやらのことを思い出す。さらにヒヨリはホットロッドたちがトリニティへ向かったことを思い出し、今攻撃を仕掛けるのは消極的なようである。そしてヒヨリの意見にアツコも頷いて賛同した。

 

「まぁ、アイツらがオートボットとディセプティコン相手に戦争している間はキヴォトスのどの勢力も手は出せないから、そんなに急ぐ必要は無いのか…」

 

「そ、そうですよ!!」

 

「別に俺らはどっちでもいいけどな」

 

「まぁいい…奴らには滅ぶまでの猶予を与えてやろう」

 

アリウススクワッドはマエストロが戦術兵器を確保するまで待機する選択を取る。しかしこの選択が自分たちを追い詰めていくことを、彼女たちは知る由もなかった。

 

 

 

 

 

トリニティ総合学園

 

“ズダダダダダダッ!!ダダダダダ!!”

 

「…大変なことになってますね」

 

タッタタッタ…

 

「ハナコさん、補習授業部の皆さん…!」

 

「ま、マリーさん?」

 

アズサを除く補習授業部一同は、何とかトリニティ総合学園内へとたどり着く。彼女たちはカメラのライブ映像でようやく事態を掴む。そしてビーたちに救出されたマリーが彼女たちの元へ近付き助けを求める。

 

「マリーちゃん!無事でしたか…!」

 

「は、はい…私も現場近くにいたのですが、丁度ビーさんたちが拾ってくれて」

 

「そうですか…良かった…」

 

マリーと仲の良いハナコは、彼女が無事に戻って来たことを喜ぶ。彼女にしては珍しく、素の感情をさらけ出し、彼女の無事を喜んでいた。

 

「つ、ツルギ先輩や、ハスミ先輩は…!?」

 

「全滅前にオートボットが駆け付けてくれたので無事ですが…傷は浅くはありません」

 

「そ、そんな…」

 

「だ、大丈夫ですよコハルちゃん!!お二人は強いですから、そう簡単には…」

 

「う、うん…そうよね。ツルギ先輩とハスミ先輩なら大丈夫…!!」

 

コハルは先輩であるツルギとハスミのことが気になるようで、マリーに2人の安否を尋ねる。コハルに聞かれマリーはツルギたちの様子を伝えると、彼女は強い2人がやられたという事実に絶望する。そんなコハルの様子を見たヒフミが何とか励ますと、彼女は少し持ち直すのであった。

 

「そ、そんなことよりも…!!」

 

「ど、どうしました?」

 

「先生が…!!先生が凶弾に倒れて、現在救急車によって救護騎士団へと向かっています!!」

 

「「「・・・」」」

 

そしてマリーは補習授業部に先生の身に起きたことを打ち明ける。それを聞いた一同はあまりの衝撃に声も出なかった。

 

「それに…サクラコ様も無事ではありますが…」

 

「そうですか、やはりセンチネル・プライムの乱心が心の傷に…」

 

「さらにこれを好機と捉えた、ティーパーティーの過激派が独断で緊急招集令を出したようでして…」

 

「!?」

 

「…?」 「え、な、何?どういうこと?」

 

さらにはサクラコの様子を話そうとすると、ハナコはテレビに流れて来た情報と照らし合わせ彼女の現状を言い当てる。さらにはナギサ、サクラコ両名不在の間に不穏な動きをする者も現れ、マリーはハナコに助けを求めにきたのである。

 

「サクラコ様があのような様子の中、シスターフッドを指揮してティーパーティーの各派閥の暴走を止められるのは、きっとハナコさんしか…」

 

「で、ですが今は…」

 

「あっ、そこ!」 「?」

 

「たしか、正義実現委員会のメンバー…だよね?これから即応態勢に入る話が出てるから、急いで部室に集合!」

 

「あっ、わ、私も?で、でも…」

 

マリーはハナコにシスターフッドの指揮を頼むが、彼女はそれを渋る。だがそんな中正義実現委員会のメンバーの1人がコハルに声をかけ、部室に集まるよう促す。当然それを聞いたコハルも戸惑っていた。

 

「委員会も副委員長も今はまともに動けないの、急いで!」

 

「あ、う、えっと…」

 

「…ハナコちゃん、コハルちゃん。私はアズサちゃんを探します。お二人はそれぞれの場所へ、行ってきてください」

 

「ヒフミちゃん…」 「で、でも…」

 

「こっちは大丈夫です、アズサちゃんなら必ず戻ってくるはずですから。見つけたらすぐ連絡します!」

 

いきなり招集されて戸惑う2人に、ヒフミはそれぞれの場所へ行くよう促す。そして1人でアズサを見つけに行くと言って、さらに2人の背中を押す。

 

「…わ、分かった!じゃあ、また後で!」

 

「…はい、了解です。マリーちゃん、行きましょう!」

 

「は、はい…!」

 

こうして3人はそれぞれの役割を果たすため、それぞれの場所へ向かった。

 

 

 

 

 

トリニティ総合学園・救護騎士団宿舎前

 

「ど、どうしてゲヘナの車両がここに…!?」

 

「救急車?冗談じゃない、今の状況分かってるの!?」

 

ドンドン!!

 

「もう良いです、運転席から引っ張り出してでも思い知らせてやりましょう!!」

 

先生を乗せたフラットラインは救護騎士団の宿舎へと入る前に、過激なトリニティ生に見つかり立往生していた。

 

「負傷者を輸送中です、道を開けてください。緊急事態です」

 

「てか誰だぁ!?俺のボディも蹴りやがったのは!!」

 

「ひ、ひぃぃ…ディセプティコン…!!」

 

「ど、どうして、ゲヘナの負傷者なんかのために…!!」

 

セナは何とか道を開けてもらうよう説得するが、向こうも非常事態で気が動転しているため、中々上手くいかない。さらにはボディを蹴られたフラットラインがトリニティ生にキレたため、事態は最悪の方向へと向かっていく。

 

「やめてくださいっ!!」

 

「救護騎士団…?」

 

「どうして負傷者が乗ってると分かってて、救急車を攻撃しようとするんですか!そんなこと、この救護騎士団が許しません!!」

 

「命拾いしたなお前ら。あと数分遅かったらお前らのこと轢いてたぜ」

 

するとセナとフラットラインが立往生しているのに気づいたのか、救護騎士団が駆け付けてトリニティ生と彼女たちの間に割って入る。どうやらあと一歩遅れていたらフラットラインは彼女たちを轢いていたようだ。

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!ギゴガゴゴ!!

 

「『何をやってるんだ!!』」

 

「おっ、いいところに来たな。見ての通りこいつらに通せんぼされてんだよ」

 

「ひっ!!あの黄色いのは確かシャーレの先生の…」

 

「と、ということは…乗っているのはゲヘナ生ではなく…」

 

そして救護騎士団の次に現れたのは先にマリーをシスターフッドまで送っていたバンブルビーである。ビーはトリニティで常に先生の側にいたため、トリニティ生たちはフラットラインに乗っているのがゲヘナ生ではなく先生であることに気付いたようだ。

 

「「「し、失礼しましたーーー!!!」」」

 

「ほ、本当に先生が…?」

 

「はい。先生が凶弾に撃たれまして…。あの場所からだとゲヘナよりこちらの方が近いので無理を言ってオートボットに護衛されながらここまで辿り着きました」

 

「と、とりあえず急いで中に…!!」

 

負傷者が先生だと気づいたトリニティ生たちは、謝りながら急いでその場を離れだす。そしてハナエは負傷者が先生であるとこをセナに確認すると、セナは事情を話す。それを聞いたセリナは急いでフラットラインを、宿舎の中へと招き入れるのであった。

 

 

 

 

 

シスターフッド

 

「ハナコ!!先生が…!!」

 

「ホットロッド!!先生のことはマリーちゃんに聞いています。私はここでシスターフッドの皆さんと共に、暴走する他の派閥を抑えています!!」

 

「ナギサもサクラコも動けない今、トリニティを守れるのはお前だけだ。頼んだぞ」

 

「はい。任せてください」

 

ドレッズたちを倒したホットロッドは、一度補習授業部の安否を確認するべく、ハナコのいるシスターフッドへと立ち寄る。ハナコはマリーに頼まれた通り、トリニティの現状を把握しながら指示を出しており、ホットロッドも彼女にトリニティを任せる。

 

「他の3人は?」

 

「コハルちゃんは正義実現委員会の招集に応じました。ヒフミちゃんは何処かへ飛び出してしまったアズサちゃんを探しに…」

 

「あのバカ…!!」

 

「ホットロッド…お願いがあるのですが…」

 

「あぁ、分かってる。ヒフミとアズサは俺が連れ戻す」

 

そしてホットロッドは他の補習授業部の所在をハナコに聞くと、ハナコはヒフミとアズサのことを心配そうに話す。それを聞いたホットロッドは、わざわざアズサを探すために学園を飛び出したであろうヒフミとアズサを連れ戻すことをハナコに誓う。

 

「頼みます…!!ホットロッド!!」

 

 

 

 

 

親友を探すヒフミの元へホットロッドは急ぐのであった。




まぁディセプティコンさんは割と薄情なのでもっとオートボットに削ってもらうまで来ませんけどね。
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