TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
ヒヨリ・ニトロゼウス→デカい2人
ミサキ・ドレッドボット→アリ夏のCMで車運転してたし
アツコ・バーサーカー→プリンセスとモンスター
のコンビを想定してます。
トリニティ総合学園へと続く回廊
“ウオォォォォォォォォン!!!”
「か、確認しました…あれが、例の…」
「“戦術兵器”か…ただの化け物だな」
「きっしょ…」
マエストロの言う戦術兵器とやらが咆哮をあげる中、アリウススクワッドは回廊を進んでいく。そのあまりにおぞましい姿を見て、一同ドン引きである。
(スッ…スッ…スー)
「“太古の教義”をもとに作られた、失敗作…?あの人形、失敗したってこと?」
(ふるふる…ススス…スッスッ…スー)
「難しいことはよく分からないけど…失敗作ではありつつも、“戦術兵器”であることに違いは無い?」
「まぁ、使えるのなら何でもいいぜ。どうせ俺たちの味方はいねぇんだからな」
アツコはマエストロの戦術兵器の正体を知っているようで、それを失敗作だと手話で語る。だが失敗作といっても戦術兵器としての能力は十分だと言って、彼女たちを少しでも安心させようとしていた。
「でも、そろそろバレる頃合いじゃないの?“ユスティナ聖徒会”にせよ、この“戦術兵器”にせよ、それから私たちの次の目標にせよ」
「…どのみち、もう手遅れだ。待機中の部隊に連絡を」
ポチッ
「これより、トリニティへの進撃を開始する」
ミサキはそろそろトリニティの誰かが自分たちの思惑に気付くのではないかと心配するが、サオリはもう手遅れだと言ってのける。そして、彼女トリニティへの進撃を宣言すると、トリニティの様々な場所から“ユスティナ聖徒会”が湧きだしてくるのであった。
「よし、では命令を…」
「リーダー?」
「ど、どうかされましたか?」
「腹でも下したか?いつもマズそうなメシ食ってるもんな?」
「「「「・・・」」」」
そしてサオリはユスティナ聖徒会に命令を下そうとするが、一度命じるのを止める。それを見た彼女たちはサオリを心配するが、モホークがデリカシーの無い発言をしたため辺りに冷たい空気が流れ出す。
「…私たちがここを空けていたのは、どれくらいだ?」
「3時間くらい、ですかね…」
「…あいつがいる」
「あいつ?」
サオリはアリウススクワッドに回廊から離れていた時間を聞く。それにヒヨリが3時間くらいと答えると、彼女はあいつがいると言って警戒を強める。
(スッスッスー…)
「あ、アズサちゃん、ですか?」
ドォォォォォォォォォォォン!!!
「ひっ、ひいいいぃぃっ!?」
「ブービートラップ、いつの間に…!?」
「クッソ!!普段はどうってことねぇが、こんな閉所じゃ動きがとれない…!!」
アツコはサオリの言うアイツに心当たりがあるようで、彼女たちにその正体がアズサであることを伝える。そると突然回廊が爆発しだし、恐らく彼女が仕掛けたであろうブービートラップが発動した。
「あ、こっ、こっちにも!?」
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
「…!!」
スクッ…
「動くなっ!!」
「…っ!」 「!!」 「・・・」
ヒヨリがトラップを避けるべく動くと再びブービートラップが起動する。他のメンバーもその場から離れようとすると、サオリは大声でその場から動かぬよう指示した。
「この狙いは私たちの動揺だ。私たちの隙を突くためのもの。相変わらず、そういう手法だけは上手い」
「流石はスパイだぜ。俺直々に褒めてやる」
「しかし逆に冷静に対処すれば…」
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
彼女たちの中でサオリだけはアズサの意図を理解しているようで、彼女の手腕を流石と評価する。そして同じく、サイズが小さくスパイ活動もしていたモホークもそれに同調した。
「いえこの感じ、恐らくまだ周囲にもありますよ!?早く出ないと…!」
「ヒヨリ!」
バァァァァァン!!
「くっ…!」
「く、苦しいですね、痛いですね…どうして人生は、こんなに…」
しかしサオリが動くなと言ったのにも関わらず、ヒヨリは慌てて動いてしまいブービートラップに引っかかってしまう。その爆風にミサキも巻き込まれ、ヒヨリは自らの境遇を嘆いた。
バコンッ!!
「「「「「・・・」」」」」
「明らかにアイツから狙いやがったぜ…。狙撃手から処理するとは手際がいいな」
「…この後は接近戦ってとこか?」
「だが、この俺たちに相手に接近戦を仕掛けるほどあの嬢ちゃんがバカとも思えねぇぞ」
ヒヨリがブービートラップに倒れたのを見て、ディセプティコンたちはアズサの次の手を推測する。彼らは接近戦で来るだろうと、結論付けるがトランスフォーマーとの接近戦など愚の骨頂である。
ガチャッ
「!!」
「上っ、手榴弾!」
ドカァァァァァァァァァン!!!ガラガッシャァァァァァァァン!!!
「白洲アズサっ!!」
タッタッタッタ…
「クッソ瓦礫であのチビを追いかけられん…!!」
しかし、突然どこからともなく手榴弾が放り投げられ、彼女たちの頭上で炸裂する。それにより回廊の一部が崩れてしまい、ディセプティコンの動きが封じられてしまった。
「逃がすか!!」
「リーダー。追いかけたら、それこそ思う壺…」
タッタッタッタ…
「…まあ、仕方ないか。ニトロゼウス、ヒヨリの状態は?」
「気絶してやがる…ったく情けねぇなぁ」
アズサにしてやられたサオリは怒りながら、彼女を追いかける。それをミサキは止めようとするが、サオリは構わず行ってしまった。
(スッスススッ…スッ…)
「…長期戦になる?まあ、アズサが本気になったら確かに…」
パンッ!!パンッ!!パァン!!
「銃声が聞こえるな。追いついたか?」
ドォォォォォォォォォォォン!!!
「仕方ない。私たちも行こう、姫。アンタらはここで留守番しておいたほうがいい。次は瓦礫に潰されるよ」
「「「「ソイツは御免だぜ」」」」
アツコはサオリとアズサの実力から膠着すると、予想する。そして、銃声によってサオリがアズサに追いついたことを理解すると、ミサキとアツコの2人は瓦礫に潰されかねないトランスフォーマーたちを置いてサオリの元へ急いだ。
「そっちか!!」
ズダダダダダダ!!
「判断は悪く無いな、アズサ!お前では正面から私に勝てない!」
タッタッタッタ…
「そうやって逃げて…」
ズドォォォォォォォォォン!!
「私の隙を狙うしかないだろうっ!!」
サオリはアズサに追いかけると、アズサはサオリから距離を取り続ける。アズサは自分がサオリと正面から戦って勝てないことを理解しており、得意のゲリラ戦を展開していく。
タッタッタッタ…
「はぁっ、はぁっ…角を曲がって、次…!」
カチャッ
「・・・」
「っ!?」
ズダダダダダダ!!
「…っ!アツコ…」
アズサはサオリから逃げようと回廊を縦横無尽に逃げ回るが、角を曲がったところでアツコに鉢合わせる。アツコに銃を向けられたアズサは、ガスマスクの裏で悲しい顔をするのであった。
(スッ、ススッ…)
「…断る」
カチッ
「!!」
ドカァァァァァァァァン!!!
「…!?」
タッタッタッタ…
しかし、アツコは未だアズサへの投降を呼びかけるも、彼女はそれを断固拒否する。そしてアズサはブービートラップを起動し、再び逃げ回るのであった。
「アズサっ!!」
「待って、リーダー。このままじゃキリがない。ユスティナ聖徒会を呼んだら?」
(ふるふる)
「聖徒会は、トリニティとゲヘナの紛争にしか介入しない…それにアズサは、トリニティの生徒ではないと解釈される可能性もある」
「…ふうん、結構面倒な構造だね」
サオリはアズサに苛立って必死に追いかけようとするが、それをミサキに止められる。ミサキはユスティナ聖徒会の呼び出しを提案するが、アズサはトリニティ生と判断されるか怪しいとアツコとサオリに止められる。
「それどころか、アズサが“アリウススクワッド”だと解釈されたら…」
「…まあ、戒律も結局は解釈次第ってことだね。確かに元々そうやって手に入れた力だし、制約やらペナルティがあるのも当然かもしれない」
「ああ。だからこそ、こうするしかない」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
「俺様だけ参上!!」
「モホークか…。結局抜け出せたのは一番小さいお前だけということか」
さらにはアズサがアリウススクワッドだと解釈された場合、ユスティナ聖徒会が自分たちの敵に回る可能性を考え、彼女たちはユスティナ聖徒会を控える決断をした。そして、ディセプティコンの中で唯一抜け出せたモホークが合流する。彼は4人の中で一番小さいので瓦礫の山から抜け出せたようである。
「あいつの戦い方、考え方…それらは全て基本的に、私が教えたものだ。私じゃないと倒せない。追うぞ」
タッタッタッタ…
「…じゃあ、私は反対の方から。姫は他の道からよろしく。モホークは私が指示を出す必要は無いでしょう?」
「・・・」 「当たり前だぜ、バッキャロー」
アズサに戦闘の基礎を教えたのはサオリであるため、彼女は自分でしかアズサを倒せないと考え、先んじてアズサを追いかける。後ろに控える3人はサオリの後を追いつつ別の道から追いかける。
ゴゴゴゴゴゴゴ…
「何これ、地震…?いや、まさか…このフロア、全体に…?」
ゴゴゴゴゴゴゴ…!
「くっ、いつの間にこんな…!」
ギゴガゴゴ!!
「やっぱりな!!上の階を崩して生き埋めにするつもりだろう。乗れ!!」
「うん」 「・・・」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…!!
ドカァァァァァァァァン!!!
しかし、サオリの後ろの3人が居る場所から唐突に地響きが聞こえ、ミサキは動揺する。そしてそれを仕掛けたであろうアズサの意図に気付いたモホークは、バイクにトランスフォームしてミサキとアツコを乗せ一目散に前に走る。
ガラガッシャァァァァァァァン!!
「げほっ、げほっ…あー…。動けないな、これ…」
「スマンとちった。2回目だってのに気付かなかった…」
(ふるふる)
「そうだね…アツコ。別にモホークだけのせいじゃないよ。にしても…アンタに助けられるだなんてね…」
しかしモホークの努力も虚しく、3人は瓦礫に巻き込まれて動けなくなってしまう。モホークは2回目だというのに気付かなかったことを謝罪するが、アツコとミサキは助けてくれた彼を責めることはしなかった。
「アズサあああぁぁっ!!!」
ドカァァァァァァァァン!!ボカァァァァァァァァァン!!
「はぁ…あのバカ、キレたらあのおチビちゃんの思う壺だってのに…」
「…げほっ」
「ったく根暗なガキの御守りはこれだからイヤなんだ…こっちまで暗くなっちまいそうだぜ」
「「・・・」」
仲間を瓦礫の下敷きにされたサオリは、激昂してアズサを追いかける。その怒号を聞いたモホークは、冷静ではないサオリの様子にため息をつく。さらには自分の境遇を嘆くが、身を賭して瓦礫から庇ってくれた彼の言葉を、2人は本心だとは思わなかった。
ズダダダダダダ…!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!
その後
ガチャ…
「チェックメイトだ、アズサ」
「…くっ」
サオリはようやくアズサに追いつく。アズサは地べたに倒れ込み、サオリは銃口を彼女の頭に付きつけている。
「…お前にしては良くやった。それでも無駄だ。お前の考え方、思考、それらは最初から全てお見通し…最初から、無駄な抵抗だったんだよ」
「いつから…?」
「?」
「いつからアリウスは、巡航ミサイルなんて者を…?センチネル・プライムから提供されたのか…?」
「・・・」
「それにいつの間に、あんな不思議な力を操れるようになったんだ…? …“ヘイローを壊す爆弾”も」
アズサはサオリに銃を突き付けられながらも、自分の疑問をサオリに問いかける。通功の古聖堂に撃ち込まれた巡航ミサイル、ユスティナ聖徒会、ヘイローを壊す爆弾、この全てがアズサの知るアリウスでは有り得ないものであった。
「アズサ、どうしてお前が勝てないのか分かるか?弱いからだ」
「・・・」
「何が人を“人殺し”にすると思う?それは“殺意”の有無。そういうことなんだよ、アズサ。意志さえあれば、道具は関係ない。重要なのはただそこに込められた“意志”だけ」
そしてサオリはアズサの問いに対し、道具は関係無いと語る。必要なのは殺意の有無であり、その意志さえあれば道具が何であれ関係無いと考えているようだ。
「ミサイルを含め、それ以外の手段や何やらは、私たちの恨みを証明する道具でしかない…それ以上でも、それ以下でも無いのさ」
「サオリ…もう一度聞く、“いつから”だ?」
「…!?」
「その恨み、私はあの時ただあそこで“習った”だけだ…その恨みは、一体誰の…」
だがアズサの言っている意味はそういう事ではないようである。サオリの言う“殺意”や“恨み”というのはアリウスで誰かから習ったものであり、自分たちから湧き出たものではないのである。
「虚しい」
パァン!!
「弱いな、白洲アズサ。その弱さはお前を縛り付けているんだ」
ガサッ!!
「そう、こんな状況でも離そうとしないその人形のように」
「!!」
「始めてお友達がくれたプレゼント、か?」
しかしサオリはアズサの問いに答えず、ただ虚しいと呟く。そして彼女はヒフミがプレゼントしてくれたペロロ様のぬいぐるみを見つけると、それをアズサから奪い取る。
「虚しいな」
パァン!!パァン!!パァン!!パパパパパパパァァン!!
「虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい」
カチャ…ガチャン!! パァン!!パァン!!パァン!!パパパパパパパァァン!!
「虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい」
パァン!!パァン!!パァン!!パパパパパパパァァン!!
「虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい、虚しい」
「ぐっ、あぁぁっ!?」
そして虚しいと呟きながら、アズサに何度も銃を撃ち込む。弾が無くなればリロードし、また何度も何度も虚しいと呟きながら銃をアズサへ撃ち込む。
「虚しいな、アズサ。友情か…ならばその無駄で虚しいものから壊してやろう。たしかヒフミ、だったか?」
カツカツカツ…
(ふるふる)
「…姫」
そして一通り鬱憤を晴らしたのか、サオリは撃つのを止めてヒフミの名前を出してアズサを脅そうとする。そこに、モホークとミサキのおかげで何とか瓦礫から抜け出したアツコが到着する。
「心配しなくても、手加減はしてる。こいつのことなら、よく分かって…」
スクッ…タッタッタッタ…
「アズサ、また逃げるのか!」
ドォォォォォォォォォォォン!!!
サオリはやって来たアツコのほうへ視線を向けると、アズサはその隙を突いて立ち上がり逃げ出す。サオリは再び逃げたアズサを追いかけようとするが、アツコがいるため立ち止まる。
「・・・」
「相変わらず逃げ足の速い」
「まあ良い、どうせあいつはまたやって来る」
「…?」
ガサッ…
「なにせ、この大事な“友情の証”とやらを落としていってしまったからな」
結局サオリはアズサを追いかけることなく諦める。理由はアズサが大切に抱えていたペロロ様のぬいぐるみを置いて行ったからであり、彼女はアズサが必ずコレを取り返しにくると思っているのである。
「あいつは必ず、これを取り戻しに来るだろう」
(スッ、ススッ…)
「闇の中で光を見つけた虫は、もうそれ無しでは生きられない。こんなつまらない物が、アズサの心を支える光なんだろう」
「・・・」
「あいつはこれを諦められない、絶対に戻ってくる」
サオリはアズサの持っていたぬいぐるみを光と称し、彼女はこれ無しでは生きていけないと評する。そして、その光を取り戻すべくアズサは必ず戻ってくると確信めいた予感がサオリにはあった。
「その時にまた捕まえて、あらためてこの世界の真実を教えてやる」
「・・・」
「そう、無理矢理にでも…」
ピッ…ピッ…ピッ…
「ん…?」
サオリは改めてアズサへの世界の真実に対する再教育を誓う。だがその時唐突にアズサが置いて行ったペロロ様から怪しげな電子音が聞こえ始めた。
「何だ、中に…」
ビリビリィ…!!
ピッ…ピッ…ピッ…
「…っ!!これはセイア襲撃の時に渡した…!」
ピッ…ピッ…ピッ…
「逃げろ、姫っ!!!」
「…っ!」
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
その音を怪しんだサオリはぬいぐるみを引き裂くと、中からセイアに使うはずだったヘイローを壊す爆弾が入っていた。それを見たサオリはアツコに逃げるよう叫ぶが、アツコは逃げ遅れ、2人はその爆発に巻き込まれてしまった。
トリニティ・某所
ザァァァァァァァァァァァァァァ…
「うっ…。うっ、ううっ…。ごめん、ヒフミ…ごめん…。私は…もうこれで、二度と…うっ、ううっ…」
ザァァァァァァァァァァァァァァ…
「ごめん、ごめん、みんな…うっ、うぅぅっ…!!ああぁっ…!!!」
アズサはヒフミを、大切な仲間たちの元へはもう戻れないと、雨の中で1人泣いていた。
元がそうだから仕方ないけど、虚しいのゲシュタルト崩壊だぜ。
次回は、オプティマスvsセンチネルです。