TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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私=ミカですね。
ようするにここでミカが自分のやってきたことに後悔するわけなので1作目の主題歌をタイトルに据えました。

何かゲームのほうにトランスフォーマーが出て来とる...


What I've done (私が何をしてきたのか)

ティーパーティー・教室

 

「宣戦布告の文章はできましたか!?」

 

「はい、大丈夫です!」

 

「良し、ではすぐにでも…!」

 

ティーパーティーの過激派はこの混乱する事態に乗じて、ゲヘナ相手に宣戦布告をしようとしていた。

 

ドォォォォン!!

 

「待ってください!」

 

「なっ、浦和ハナコさん…?どうしてここに!?」

 

「宣戦布告は校則上、ホスト無しでは宣言できないはずです!」

 

「・・・」

 

過激派が宣戦布告を宣言しようとする直前に、ようやくハナコがその現場へとたどり着く。過激派は浦和ハナコの突然の登場に、驚き狼狽えていた。

 

「あの映像をご覧になったでしょう!?今はゲヘナと戦争をしている場合ではありません!」

 

「・・・」

 

「それに突然出て来たあれはきっと、アリウスが操っている“別の何か”です!トリニティ自治区内の各地にある遺跡、そしてその地下に繋がっているカタコンベを通って…」

 

「…捕らえてください」

 

ガチャ!!ガチャ!!

 

「っ!?」

 

ハナコは宣戦布告をしようとする過激派を止めるべく必死に説得を試みる。しかし過激派のリーダーはそれに聞く耳を持たずハナコの捕縛を命じた。

 

「浦和ハナコさん…こんなことになってしまい残念です」

 

「何を…!?」

 

「映像なら確かに確認しました。あの正体不明の集団、“ユスティナ聖徒会”。あれがシスターフッドと関係あることくらいは把握しています。だからこそこうして動こうとしているのです。さらには、キヴォトスを支配すべく裏切った敵の首魁はそのシスターフッドにいたセンチネル・プライム…」

 

「・・・」

 

ハナコを捕縛したリーダーは口だけは残念だと悲しそうな素振りを見せる。しかし彼女たちは“ユスティナ聖徒会”がシスターフッドと関りがあることはすでに調べがついているようで、さらにはセンチネルが裏切ったことによって彼女たちの疑念は確信に変わったのである。

 

「探偵ごっこはお終いです、ハナコさん」

 

「…!」

 

「巡航ミサイルの発射位置についても確認しました。シスターフッドの管理下にある、聖堂の遺跡でしたね。アリウスがその下にあるカタコンベを通じて、勝手に私たちの自治区に侵入した…確かにそういう可能性もあるでしょう」

 

「・・・」

 

「ですがそもそも、アリウスとシスターフッドが最初から手を組んでいたという線は?センチネル・プライムとの関係を考えるとそちらの方が自然なのではないですか?」

 

さらに彼女たちはミサイルの発射位置さえも既に特定していた。そしてその事実を聞いて過激派が出した結論はアリウスとシスターフッドが裏で繋がっているというものであった。

 

「…っ!そんなことは…!」

 

「あそこまで徹底的な秘密主義集団です。それくらいはできても不思議ではありません。私たちパテル分派はこの危険な事態に対し、迅速に対応することを決めました」

 

「それはつまり、まさか…」

 

「はい。私たちの決定に反対、或いは判断を保留したファリウス分派ならびにサンクトゥム分派については、既に身柄を拘束しています」

 

「クーデターですか…!」

 

シスターフッドがアリウスと繋がっていると言われ食い下がろうとするハナコであったが、過激派改めパテル分派は既に行動を起こした後であった。彼女たちは他の分派の人間の身柄を拘束し、クーデターを起こすつもりなのである。

 

「いえ、違います。何せそもそも、まだれっきとしたティーパーティーが1名いらっしゃいますから」

 

「…!?」

 

「パテル分派の首長にして、ティーパーティーのメンバーであるミカ様。あのお方を解放し、本来のお望み通りゲヘナとの全面戦争を始めるのです」

 

「…!!!」

 

彼女たちはティーパーティーの中で現在唯一まともに動けるミカを旗頭にゲヘナに戦争を仕掛けるつもりである。それを聞いたハナコはとんでもない行動をしでかそうとする彼女たちに、ただ恐れることしかできなかった。

 

 

 

 

 

トリニティ・監獄

 

ガシャァァン!!

 

「ミカ様、こちらへ」

 

「…ふうん?」

 

「ミカ様!!」

 

「お待たせしました、もう自由です!」

 

監獄の鍵が開けられミカは監獄から釈放されようとしている。パテル分派の人間がミカの釈放を嬉々として喜んでいる一方で、ミカの態度は嬉しそうには見えなかった。

 

「ふーん…なるほどね?うん、大体状況は分かったよ。つまり…みんな、私のファンってところかな?やー、仕方ないなあ。サインでもしてあげよっか?」

 

「い、いえそうではなく。ご覧になったかと思いますが、現在トリニティは…」

 

「うん、だいたい分かってる。で、ここのみんなは何?まさかとは思うけど、ゲヘナに宣戦布告しようとか考えてたり?」

 

「はい、その通りです!今こそゲヘナのやつらを消し去るチャンスかと!」

 

「あなた様が望んでいた通り、ゲヘナとの全面抗争を…!」

 

殺到するパテル分派をミカはおちょくるような、言葉をかける。それに少し困惑しつつも彼女たちはゲヘナに宣戦布告し全面戦争を始めるようミカに迫る。

 

「さあ、今すぐトリニティ全域に戦闘命令を!」

 

「…あはっ」

 

「「「???」」」

 

「みんな記憶力良いね。うん、私はゲヘナが大っ嫌いだよ」

 

詰め寄るパテル分派を見て、ミカは滑稽だとばかりに笑い始める。それを聞いたパテル分派はきょとんとしてしまった。

 

「それで?だから何?どうしてそんな、命令を欲しがって来たわけ?」

 

「…はい?」

 

「他の派閥を抑えたんでしょ?実際のところ、宣戦布告なんて手続きもう要らないじゃん。今すぐにゲヘナに殴りかかれば良いのに、自分たちの代わりに怒って命令してくれって…何それ、面白いことするね?」

 

「み、ミカ様!?何を…!」

 

「あははっ、気に障ったらごめん」

 

ミカは宣戦布告の命令を出してもらうためだけに自分を釈放したパテル分派が気に食わないようで、彼女たちに暴言を吐く。そのような態度をとられると思っていなかったパテル分派は困惑の表情を浮かべた。

 

「うん、私はゲヘナが大嫌いだよ。機会があれば、どうにかしてやりたいと思うくらいにはね。でもさ、今の私はあんまりそういう気分じゃないんだよね。だから悪いんだけど、帰ってもらえるかな?あと、別にあのディセプティコンと戦うのはイヤだし~」

 

「き、気分…?」

 

「今がどれだけ重大なタイミングなのか、分かっていらっしゃるのですか。それを、たかが気分の問題で…」

 

「“たかが”?何言ってるの、それが一番大事なことでしょ?私は私の気分とか気持ちの問題で、ゲヘナが嫌いなの。そのことの何が悪いのさ。別に、その裏に隠れた理由とか目的なんて無いんだよ?」

 

そもそもミカのゲヘナ嫌いは特に理由があるものではなく、単なる気分の問題であるとパテル分派に打ち明ける。それを聞いた彼女たちはミカの傍若無人な発言に徐々に怒りが湧いてきたようだ。

 

「こんな状況で宣戦布告なんて、別に要らないって分かってるよね?なのに自分たちの代わりに憎んでくれだなんて、変なこと言って…。もう帰ってくれないかな?今はそういう気分じゃないし、そろそろ面倒になってきちゃうから」

 

「…何だと?」

 

「お耳掃除でもしてあげようか?命令されなきゃ憎むこともできないの、って言ってるの。勝手にゲヘナに行って勝手にディセプティコンに殺されてきなよ」

 

「この、言わせておけば…っ!」

 

バコンッ!!

 

怒り始めたパテル分派に対し、ミカは火に油を注ぐような発言を繰り返す。その言葉で火が付いた1人がついに、ミカに手を出し始めた。

 

「…っ」

 

「世間知らずのお嬢様が!わざわざ牢屋から出してあげようっていうのに、調子に乗って…!」

 

バコンッ!!

 

「あー、もう…」

 

ズダダダダダダ!!バァン!!バァン!!

 

「…痛いなぁ」

 

1人がミカを殴り出したのを契機に、その場にいる他のメンバーもミカに攻撃し始める。しかしミカはそれをただ黙って受け入れていた。

 

「自分の立場を理解しろ!もうティーパーティーから解任直前の身で!」

 

ガシッ!!バシッ!!

 

「わざわざ来てあげたというのに、それを…!」

 

ドカッ!!ボコッ!! ガシッ!!バシッ!!

 

「・・・」

 

ミカに対するリンチはどんどんエスカレートしていき、痛々しい音が監獄へと響く。それでもミカは一度も反撃をしようとせず、ただただ彼女たちの暴力を受け入れている。

 

ガタッ!!

 

「な、何してんのっ!?」

 

「な、なんだお前は!」

 

「い、いじめはダメっ!どうして、こんなに大勢で寄ってたかって…!」

 

ギュッ…!!

 

「こ、こんなの、私が許さないんだからっ!!」

 

「…!」

 

その現場に突然現れたのは、正実のメンバーに監獄へ向かうよう言われたコハルである。コハルはミカとパテル分派の惨劇を見て、即座に止めに入った。

 

「どきなさい、今の状況が分からないの!?」

 

「緊急の事態なのよ!?」

 

「で、でも、私は…!」

 

自分たちのストレス発散の機会を邪魔されたパテル分派は、今度はコハルに詰め寄り始める。だがコハルはそんな状況でありながら、怖がりつつも退かなかった。

 

「どけっ!!」

 

「…い、嫌っ!わ、私はバカだから、何がどうなってるのか全然分からないけど…でも、これは違う!こんなの絶対にダメ!!」

 

カチャ…カチャカチャ…

 

「聞かないやつだ、それなら…」

 

ミカとパテル分派の間に入ったコハルをどかそうと、彼女たちは銃を取り出す。それに対しコハルは絶対ダメだと言って足を震わせながらその場から離れない。

 

「ま、待って。この子、どこかで…」

 

「よく見ると、何だか見覚えが…」

 

カツカツカツ…

 

“コハルは補習授業部の、私の生徒だよ“

 

「『ハァ~イ』」

 

ところがパテル分派はコハルの顔を見て何か思い出したようで、一度銃を降ろす。

 

その時である!!そこに現れたのは、シャーレの先生とバンブルビー!!

 

「せ、先生っ!?」 「・・・」

 

「シャーレの…!?」 「そんな、意識不明の重体だったはず…?」 「せ、先生が、どうしてここに…」

 

“お願いだから、暴力はやめてほしい”

 

「そ、それは…」 「・・・」 「か、帰ろう。あの先生の表情、絶対にマズイって…」

 

「ああ、行こう…」

 

現れた先生を見て、コハルとミカは何故か顔を赤らめている。そしてパテル分派に先生は暴力を止めるよう懇願されると、ヤバいと思ったのかそそくさと立ち去ってしまった。

 

 

 

 

 

「せ、先生…先生…」

 

“コハル、カッコ良かったよ。流石は正義実現委員会のエリート”

 

「『よっ!!大統領』」

 

「先生…!」

 

「・・・」

 

先生がパテル分派を退散させた後、コハルは安心したのか先生に抱き着いて泣き始める。そんな勇気ある行動をした彼女を、先生とビーは賞賛するのであった。そんな彼らの様子をミカは羨ましそうに見ていた。

 

「先生…」

 

“ミカ、大丈夫?”

 

「えっと…うん。何て言うか、久しぶり…だね?」

 

“そうだね。ミカ…ミカは、どうしてさっき…”

 

「え、あー、それは…」

 

そして先生は今度はミカのほうを向いて、彼女のことを心配する。いきなり現れて心配されたので、ミカのほうもタジタジである。

 

「…何でだろ。絶好のチャンスだし、今立ち上がればって分かってはいるんだけど…私にも、よく分かんないな…あれ、ちょ、ちょっと待って…私…」

 

「『先生』『泣かした』」

 

“えっ…ちょっ…!?”

 

そしてミカも先生がパテル分派に割って入ってきたことで安心したのか、涙が溢れ始める。それを見たビーは先生がミカを泣かしたと揶揄うのであった。

 

セイアの夢の中

 

“ミカ…”

 

“その憎しみは…君が先陣に立っていた、その憎悪は…”

 

“君はどうして…”

 

唐突に泣き始めたミカにセイアも戸惑うのであった。

 

 

 

 

 

少し前の話

 

「ミカさん、そろそろ聞かせていただけませんか?“アリウスと和解する”…そこにある意図を」

 

「え?意図?」

 

「どういった政治的な利益があるのか…と、ナギサは聞いているんだよ」

 

これはまだセイアがアズサに襲われる前の話。まだティーパーティーが聖園ミカ、桐藤ナギサ、百合園セイアの3人だった頃の話である。ナギサはミカが突然アリウスと和解すると言い出した意図を聞こうとする。そしてセイアも彼女の意図が気になったようである。

 

「別に政治的な利益っていうか…だって元々は、同じトリニティでしょ。直接自治区に行ってさ、“仲良くしよ?”って言ってみようよ!ほら、みんなでお茶会でも開いてさ!」

 

「「・・・」」

 

「…え、何この空気。私何か変なこと言った?」

 

2人に意図を聞かれたミカは、ただ同じトリニティだから仲良くしたいと言い出す。それを聞いた2人はやれやれと言った顔である。

 

「良いと思わない?あーあ、私がホストだったらすぐにでも動いたのに」

 

「ミカさん、あなたは本当に…まあそれは一先ず良いとして。あちらが応じるかは分からないでしょう。自治区の場所も判明していないことですし」

 

「それにミカ、君はもしそれが達成できたとしてどうするつもりだい?アリウスを吸収してより強大になったトリニティ…何か大きな戦いを起こそうとでも?」

 

「んー、まあどうするも何も無かったけど…それも良いかもね?そういう声もたくさんあるし。それにそうなったら、ゲヘナをどうにかできちゃうかもしれないし?」

 

ミカは自分がホストだったらすぐに動くと言って、自分がホストではないことを嘆く。その話を聞いた2人は彼女の突拍子もない発言に呆れながら、彼女の言っていることを否定した。

 

「・・・」

 

「…なぁに、セイアちゃん。そのお顔は」

 

「やめてください!!ここは私が…!!」

 

「「「うるさい」」」

 

割って入ったコグマンは3人にうるさいと言われるのであった。

 

 

 

 

 

セイアの夢の中

 

“君は自分勝手だ。あんまり何も考えていない上に衝動的で、欲張りで、時に自傷的な…そんな君のことが、私は好きではかったかもしれない”

 

 

 

 

 

その後

 

「…セイアちゃんはここにいる。静かに、病院にでも送ってくれれば…。そういうことだから、よろしくね」

 

「これについては、“スクワッド”に任せます」

 

「スクワッド?」

 

「はい、ご存じでしょう?」

 

場面はセイア襲撃時へと移る。彼女はアリウス兵と密かに会話をしていた。ミカは病院送り程度にして欲しかったようだが、その後の結末は知っての通りである。

 

 

 

 

 

その後

 

(セイアちゃんが、死んだ…?)

 

(…何で?どうして?)

 

(何がどうなって、え、何でそんなことに…?)

 

(どうして?バカなの?だって、私は…)

 

(あれ、私…私、どうしてセイアちゃんを襲撃してって指示したんだっけ…?)

 

(セイアちゃんがいなくなったら、私…)

 

(…ああ、そうだ。私は、ホストになろうとして…)

 

(そう、ゲヘナの事が嫌いだったから。嫌いなものは嫌いだったから。ナギちゃんも条約とか、何か変なことをしようとしてるし)

 

(何でそんなことするんだろ。相変わらずおバカさんなんだから。ゲヘナとの平和条約だなんて、絶対。絶対に許せない)

 

(ホットロッドもセイアちゃんを守れないダメダメポンコツロボットだから、補習授業部に送られちゃって…頼りないんだから)

 

(…セイアちゃん。未来が見えるとかなんとか言ってたのに、どうして自分のことも守れなかったの?それくらい見えてたんでしょ?)

 

(そもそもあんなに身体も弱いのにティーパーティーに入って、いつもいつも私に「しっかり考えたまえ」って小言ばっかりで…この間だって、あんな目で私のことを…)

 

(だから、だから…)

 

(こうしているために、そしてゲヘナを一掃するために、これくらいの犠牲は仕方のないことだった)

 

(そうだった、はずなのに…)

 

 

 

 

 

そして現在・トリニティの監獄

 

「わ、私は…」

 

「「「・・・」」」

 

「ごめん、セイアちゃん…。どうして、こうなったのかな…ごめん…ごめんね…こんなにバカで、ごめん…」

 

“ミカ…”

 

「先生…私、セイアちゃんに会いたい…ナギちゃんにも、もう一度会いたい…こんな私じゃ、もうダメかもしれないけど…」

 

彼女は今まで自分がやってしまったことを思い出し、大粒の涙が溢れ出す。そしてミカは再びセイアとナギサに会いたいと先生に懇願するのであった。

 

“・・・”

 

“ミカ、君は…そうか、理由を求めていたのか…”

 

“嫌いであることに何かしっかりしたものが必要なのではと、どこかで合理化しようと…”

 

“そうして間違いが合わさって…相変わらず、馬鹿なことを…”

 

その様子を夢の中で見ていたセイアはようやくミカの心情に気付く。そして彼女の行動を愚かだと、嘆いた。

 

“・・・”

 

“私は君のことを、分かったつもりでいた。きっとまだこれだけじゃない…君の抱えていたものを、幼気な感情を、考えていたことを、その状況を…それらを知ろうとする努力を、私は怠っていた”

 

“…そうか。私はまだ、君のことをあまりにも知らない…”

 

“そして、気が付いた時には君も私と同じように。間違った物語の真ん中に置いてかれていたのか”

 

だが同時に、セイアは自分もミカのことを知ろうとしていなかったことを反省した。間違っていたのはミカだけではなく自分たちであったと彼女もようやく気付いたのである。

 

“殺人、死、裏切り、抗争…”

 

“君のような少女が身を置くには、あまりにも残酷な話だった。それこそトランスフォーマーたちが身を置く話だっただろう…。本来であれば許されるべき我儘が、君を…”

 

“ミカ…君も、ずっと…”

 

“とにかく私は、君を許そう。そして私もまた、君に許しを乞わなくてはならないのかもしれない”

 

“私たちはもう一度お互いに伝えあって、それで…もしかしたらその先は…”

 

そしてセイアはミカを許すことを誓い、自分もミカに許しを乞うべきかもと考える。これで彼女はようやく夢の中から醒める決心がついたようである。

 

 

 

 

 

“…任せて、ミカ”

 

「『任せろ…』」

 

「ぐすん…別に黄色いのはいい…先生だけで」

 

「『・・・』」

 

“ま、まぁまぁ…”

 

ミカの泣いている姿を見た先生とビーは、自分に任せて欲しいと胸を叩く。しかし、ミカは先生だけでいいと、言ってその場の空気を微妙にさせた。

 

 

 

 

 

ティーパーティー・教室

 

「せ、先生だ…」

 

「先生…」

 

「先生…!?」

 

“みんな、待たせてごめん”

 

ミカの居た監獄を後にした先生は、今度は拘束されたハナコを助けるべくティーパーティーの教室へむかう。そして先生の姿を見たティーパーティーやシスターフッドや正義実現委員会の一同は、その復活の早さに驚いていた。

 

「先生…」

 

「先生…!」

 

「…っ」

 

“ここにいてくれて、待っててくれてありがとう。ここから先は私に任せて”

 

そしてその場で待っていた、ハナコとマリーとコハルも先生の復活を喜んでいた。自分を待っていてくれた彼女たちのことを嬉しく思いながら、自分に任せてとみんなに宣言するのであった。

 

 

 

 

 

トリニティ・校門前

 

「ごめんよ、ヒフミ。怖い思いをさせちまったな」

 

「い、いえ…ホットロッドさんがいなければ私は死んでいたかも知れませんので…」

 

「あいつ…俺に情けをかけてくれたのか…俺を殺すって言ってたくせに…」

 

「やっぱり、親友を殺すだなんて、ウルトラマグナスさんもしたくは無かったんだと思います。ホットロッドさんにトドメを刺そうとしたとき、彼は苦しそうな顔をしていました」

 

ウルトラマグナスに敗れ、ヒフミを乗せて帰ってきたホットロッドは校門の前で項垂れていた。そんなホットロッドに対し、ヒフミは頑張って励まそうとしていた。

 

“2人とも…大丈夫?”

 

「先生…」

 

「先生か…」

 

“ヒフミ…ホットロッド”

 

そんな中、2人の元にも先生がやって来る。先生は2人の様子を見て心配そうに声をかけた。

 

「先生、アズサちゃんが…」

 

「「・・・」」

 

「アズサちゃんがひとりで戦っています…まだ、ひとりでずっと…」

 

“…うん”

 

そして先生以外にも、補習授業部の仲間であるハナコとコハルも2人の前に現れる。ヒフミはみんなの前でアズサの現状を訴えると、先生は静かにそれに頷く。

 

「居場所が違うんだ、って…それで私、何も分からなく…こんな大変なことになってしまって…もう、私みたいな普通の学生にできることなんて…どうすれば、アズサちゃんを…だって、私は…」

 

「それでも、放っておくわけにはいかないでしょ!?」

 

「コハルちゃん…」

 

「立ち位置なんて関係ない!わ、私は知ってる…!ひとりでいることとか、置いていかれることとか、それがすごく悲しいって!だから、アズサを独りにはさせられない…!」

 

「はい。そういうのは、寂しいですからね」

 

ヒフミはアズサに置いてかれたことを苦しそうにみんなに伝える。するとコハルはそんなことは関係ないと言って、アズサを連れ戻すようヒフミを励ます。

 

“ここまでずっと、ヒフミが引っ張ってきてくれた。たとえ平凡でも、自分たちの目指すものを諦めなかったから”

 

「私は頑張った。でもその陰で、あんたがたくさんの面倒なこととか、部長として色んな事をしてくれたのも…そのおかげで頑張れたのも、ちゃんと知ってる」

 

「そうですよ。ヒフミちゃんが諦めずにいてくれたから、私も今こうしてここにいられるんです」

 

「コハルちゃん、ハナコちゃん…」

 

落ち込んでいるヒフミに対し、先生は彼女の頑張りを振り返り彼女のことを褒める。そしてコハルとハナコも先生が褒めたのを皮切りに、自分たちが頑張れたのはヒフミのお蔭だと伝えた。

 

“だから大丈夫。どうしても分からないときは、私もいるから”

 

「…はい、ありがとうございます。私もちゃんと学びました。諦めません、いつまでも悩みません…私は、私にできることを…!」

 

“うん、その意気だよ”

 

「…アズサちゃんを助けに行きます」

 

“私も同じように、ヒフミを手伝うよ”

 

そして先生はどうしても分からなければ自分が助けると言うと、ヒフミは立ち直る。そしてアズサを助けにいくと宣言し、彼女は前を向き始めた。

 

 

 

 

 

「なぁ…ビー。俺はやっぱり親友を殺せそうにないよ」

 

「『めんどくせぇな』『お前』」

 

「あぁ…そうだな」

 

「『なに』『くよくよしてんだ』」

 

一方のホットロッドは未だ落ち込んでおり、ビーはめんどくさそうに彼を見守る。いつもの態度と違ってうじうじしている彼を見て、ビーはイライラが募っていた。

 

“ホットロッド…”

 

「先生…」

 

“ウルトラマグナスの事は聞いたよ。君が親友を殺す必要は無い。彼は多分彼の中の正義と自分のやっていることで苦しんでいるはずだ。だから彼を救いに行こう”

 

「せ、先生…あんたってヤツは…」

 

“さぁ、オートボットたちを、そして君の親友を助けるんだ”

 

蹲っているホットロッドを見て、先生は彼に声をかける。そして彼はウルトラマグナスのことをホットロッドに話してオートボットと一緒に救いに行こうと促した。

 

「あぁ…アイツが、マグナスがこんなことを望んでいるはずがない…!!」

 

「『やっと』『立ち上がったな』」

 

「すまないビー。世話をかけた」

 

“うんうん。立ち直ったね”

 

先生の言葉を聞いてホットロッドもようやく立ち直り、いつもの調子に戻る。散々めんどくさそうな態度を見せていたビーだが、ホットロッドが立ち直ったのを見て嬉しそうにしていた。

 

 

 

 

 

「では、みんなで行きましょうか」

 

「う、うん!友達を、助けないと…!」

 

「アズサちゃんに会って、今度こそ…」

 

「言いたいことは、伝えないとですね?」

 

「…はい。しっかり、伝えないといけません。同じ世界にいられないだなんて、私は…」

 

立ち直ったヒフミはみんなの前に立って、アズサに会うべくトリニティを出ようとする。ヒフミはアズサを救うため、そして言えなかった言葉を伝えるために彼女の元へと向かうのである。

 

“友達でも、言わないと伝わらないからね”

 

「…はい!今度こそ、はっきり言ってみせます…!」

 

「あぁ、アイツが罪を背負うことが無いように…!!俺がアイツを止めるんだ!!」

 

補習授業部、出動!!




次回、先生ゲヘナへ行く
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