TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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普段は”お前”とか”アンタ”みたいな言葉は使わないけど、メガトロン相手にはその威圧感に呑み込まれないように強がって使う先生概念


All Hail Megatron!!

ゲヘナ学園

 

「委員長がいなくなった!?」

 

「は、はい…先ほどまでこちらに横になっていたのですが…」

 

「今すぐに探してください!あの怪我でいったいどちらへ…!」

 

「は、はいっ!」

 

風紀委員会の尽力によって救出されたヒナは先ほどまでベッドに横たわっていたのに、忽然と何処かへ消えてしまう。誰も居なくなったベッドを見たアコは急いで彼女を探すよう指示を出した。

 

「委員長…」

 

 

 

 

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…

 

「やはり…メガトロン様の言う通り、現れたか」

 

「正直この男と会うと毎度ロクな目に遭わんから会いたくないのだが…」

 

「そう言うなサウンドウェーブ、これもメガトロン様のご命令だ」

 

ゲヘナ学園の敷地内を走る黄色い車を見て、苦々しい顔をしているのはサウンドウェーブとショックウェーブである。サウンドウェーブはアビドスとミレニアムで2度先生と相まみえ負けているため、正直先生とは関わりたくないというのが心情である。

 

ギゴガゴゴ!!

 

「『F〇ck You!!』」

 

ガシィ…!!

 

「ぶん殴ればわかんのかぁ!?」

 

「ぶっ殺されてぇのかテメェ!?」

 

「『・・・』」

 

バシィン!!

 

「痛った…!!コイツ目玉をっ!!」

 

そして先生を乗せたビーはトランスフォームすると、まず挨拶とばかりに放送禁止用語を2人にブチかます。親切にもハンドサインを一緒である。それを聞いた2人はチンピラのような態度でビーに詰めようと、ビーの方は黙ってショックウェーブの目玉をぶん殴った。

 

「『ハッハッハッハァ!!!!』」

 

“こらッ!!ダメでしょビー”

 

「『ごめんなさい』」

 

「まったく、飼い犬の躾くらいちゃんとしておけ」

 

「クソッ…だからイヤだったんだ」

 

ビーは目玉を殴られて痛がっているショックウェーブを笑っていると、先生に叱られてシュンとする。ビーの被害を被った2人は、先生に対して悪態をつくのであった。

 

「シャーレの先生、メガトロン様がお呼びだ」

 

「一緒に来てもらおうか」

 

“うん、わかってるよ”

 

「『気を付けろ』『何をするか分かったもんじゃないぜ』」

 

“ビー、ありがとう。でも、生徒たちのためにも、そして君たちのためにもメガトロンとは話さなきゃいけないから”

 

気を取り直したサウンドウェーブは先生にメガトロンの元に行くよう先生を誘導する。そのことを心配したビーは先生に声をかけるが、彼は生徒たちやオートボットたちのためにメガトロンの元へ赴くのであった。

 

 

 

 

 

ギギギ…ガシャァン!!

 

「よく来たな、小僧」

 

“久しぶりだね、メガトロン”

 

「貴様の活躍は聞いているぞ、小僧。アビドスでもミレニアムでもトリニティでも大活躍だったそうじゃないか、えぇ?」

 

“・・・”

 

「チッ…つまらん顔をしおってからに」

 

大きなドアを入った先にいたのは、デカい椅子に深々と座っていたメガトロンであった。彼は先生のことを小僧呼ばわりすると、彼のこれまでの活躍を皮肉るように話す。自分の不甲斐なさのために彼女たちを危険に晒し苦しい思いをさせてしまっている現状の中、メガトロンの“大活躍”という言葉は先生の言葉に深々と突き刺さるのである。

 

“貴方に頼みがある”

 

「だろうな。でなければ俺の前に貴様がわざわざ現れるものか」

 

“そっちから呼びつけたくせに…”

 

「貴様が俺に頼みに来るだろうと考えて配慮してやったのだ、馬鹿者め」

 

“無駄に気が回る…”

 

そして先生はメガトロンとの用を手短に済ませるべく、単刀直入に彼に頼み事を始めた。それを聞いたメガトロンはやはりと言う様子で先生を見ると、彼は自分から呼びつけたくせにと、嫌そうな顔をした。

先生とメガトロンの関係は不思議なものである。味方というわけではないが明確な敵でもない、だからと言って互いに信用はしていないのである。

 

「それで?頼みというのは何だ?」

 

“これから私の指示でトリニティとゲヘナの両校の軍勢が再び通功の古聖堂に集まる。だからディセプティコンを出撃させて、生徒たちを助けて欲しい”

 

「あの不届き者どもはお前が心配などせずとも、我々ディセプティコンだけで始末してやる。貴様ら小僧小娘共の戦力など不要だ」

 

“・・・”

 

「何だその顔は?」

 

先生がメガトロンに頼んだのはこれからアズサを、そしてキヴォトスを救うために再び通功の古聖堂に向かう生徒たちの手助けをして欲しいということである。それを聞いたメガトロンは生徒たちの手助けなど不要と先生のお願いを突っぱねる。しかし、先生はメガトロンの態度を見て、不満そうな顔をする。

 

“いいや、自分たちと一緒に出撃してもらう。そこは絶対に譲れない”

 

「ふざけるなよ、小僧。俺にあのオートボット共を助けろと言いたいのか!?」

 

“そうだよ。その通りだ”

 

「この俺に頼み事をする側の分際で、自分の立場が分かっていないようだな」

 

ギリギリィィィ…!!

 

しかし先生は、自分が指揮する生徒たちと共に出撃するという条件を譲ろうとしない。その意図に気付いたメガトロンは、オートボットを助けることになると言ってさらに先生の要求を拒絶する。

 

“いいや…分かっていないのはお前だ、メガトロン”

 

「何だと…?」

 

“このままオートボットが滅びた後に、ディセプティコンだけでエリートガードと戦ったとしても、センチネル・プライムには勝てない”

 

「我らディセプティコンがあの居残り組と老いぼれに負けると言いたいのか貴様は?」

 

バキバキバキィ…!!

 

それに先生はメガトロンに分かっていないと言って、センチネル・プライムの強さを訴える。だがそれを聞いたメガトロンは自分の軍団を侮辱されていると思いますます怒りがこみ上げてきていた。

 

“センチネル・プライムが守るあのテレポーテーション装置をどうにかしなければ意味が無い。きっと彼はサイバトロン星にまだ軍団を温存しているはずだ”

 

「・・・」

 

“そしてあのテレポーテーション装置作戦の要だということは彼らが一番良く知っているはずだ。センチネル・プライムがあの装置を守っている限り、サイバトロン星からどんどん増援がやって来る。ディセプティコンだけではそれに対抗できない”

 

「チッ…やはり日ごろから指揮を執っているだけはある…」

 

先生がディセプティコンだけではセンチネル率いるエリートガードに負けると思っているのは、スペースブリッジがあるからである。恐らくセンチネルは対ディセプティコンのためにサイバトロン星に増援を待機させているはずであり、メガトロンもそのことに対する懸念を持っているのである。

 

“センチネルを倒すためにまず必要なのは、あのテレポーテーション装置の破壊。そしてそのためにはセンチネル・プライムを戦いの場に引っ張り出して警備を手薄にする必要がある…”

 

「ディセプティコンにその役をやれというのか?」

 

“その通りだよ”

 

「・・・」

 

“・・・”

 

先生は自分が率いる生徒たちにアリウス分校の打倒とスペースブリッジの破壊を任せ、センチネル他エリートガードをディセプティコンとオートボットに任せるという想定でいるようである。先生の作戦を聞いたメガトロンは黙り込んでしまい、先生も彼が決断を下すまで黙って待っている。

 

「お前の提案に乗ってやる」

 

“ありがとう。礼を言うよ、メガトロン”

 

「だがこちらからも条件を提示させてもらうぞ」

 

“そう…どんな条件?”

 

しばらく考え込んだメガトロンは先生の提案に乗ることにしたようである。そのことに先生は礼を言うが、メガトロンは先生に条件を提示してきた。

 

「引きこもっているヒナを使えるようにしろ」

 

“それはアンタが心配しなくても、ヒナは私の大事な生徒だから必ず救ってみせるよ”

 

「あと、俺は出撃せん。オートボット共と仲良く共闘など死んでもするものか」

 

“そう…”

 

メガトロンが出した条件とは引退すると言って自室で引きこもっているヒナを立ち直らさせることであった。その提案に彼は先生として必ずヒナを救うと宣言する。そしてもう一つはメガトロン自身は出撃しないという話であった。それを聞いた先生は少し寂しそうな顔をして、渋々了承した。

 

「用が終わったらさっさとここから出ていけ」

 

“言われなくてもそうするさ”

 

 

 

 

 

ゲヘナ学園・救急医学部

 

「…ご無事で何よりです、先生」

 

“セナのおかげだよ”

 

「いえ。大人の治療は初めてでしたが、どうにかなって何よりです」

 

「あんだけ苦労したんだ、死んでもらっちゃ困るぜ」

 

メガトロンの部屋から出て行った先生は、まずは命を救ってくれたセナの元へと訪れる。セナは相変わらずの無表情ながらも、先生の無事を喜んでいた。そしてフラットラインのほうも、自分の苦労が台無しになっては困るので、先生の無事を心の中では喜んでいた。

 

「先生…」

 

「チナツ、まだ動いてはダメです。横になってなさい、先輩命令です」

 

「私は、今は風紀委員会所属ですが…」

 

「今から救急医学部に戻ってきても良いのですよ?質の良い死た…いえ、負傷者たちに好きなだけ触れますし」

 

「いえ、私は別に…丁重にお断りしておきますね」

 

先生が来たのに気づいたのは、負傷してベットで寝ているチナツであった。セナは上体を起こそうとする彼女に横になるよう先輩命令を出す。しかし、チナツは現在は風紀委員会所属のためセナの言葉に少し戸惑っていた。

 

「先生…」

 

「アコちゃんまだ動いちゃ、ぐっ…!」

 

“アコもイオリも、怪我はともかく無事で良かった…”

 

そしてチナツと共にイオリとアコも救急医学部に搬送されており、先生は彼女たちの無事を喜ぶ。

 

「委員長が引退するといっていなくなってしまい…」

 

“メガトロンから聞いたよ”

 

「先生、委員長を…」

 

“うん、任せて”

 

「…はい。よろしくお願いいたします」

 

そしてアコはなによりも大事であるヒナのことを心配しており、彼女はヒナのことを先生に託す。アコからヒナを託された先生は、任せてと大人らしくいうのであった。

 

 

 

 

 

ヒナの部屋

 

コンコン…ガチャ

 

「っ、先生…無事だった、のね…良かった…」

 

“うん…”

 

「どうやってここを…?まあ先生には、今更か…」

 

“ヒナ…”

 

先生はヒナに会うべく彼女の自室へと赴く。ヒナはいつもの凛々しい制服姿ではなく、寝間着で表情も曇っていた。

 

「私は…もう…ごめん、先生…私には、もう無理。私はもうダメ…だから…ガッカリさせて、悪いのだけど…今は、帰ってほしい…私はもう、引退したと思ってもらって…」

 

“…ヒナ。違うよ。私はここに、お礼を言いに来たんだ”

 

「お、お礼…?どうして…」

 

ヒナはメガトロンやアコの言っていた通り、あの一件によって塞ぎ込んでおり先生ですらも拒否しようとしていた。しかしそんなヒナに対し、先生はお礼を言いに来たと言って、彼女を驚かせる。

 

「先生を助けたことについてなら、気にしなくて良い…。それは当然私がやるべきことで、それにあの時私は…」

 

“ううん。いつも頑張ってくれてありがとうって。もう頑張り過ぎなくても良いって、早く言ってあげたかった”

 

「…っ!」

 

“ヒナは、ずっと頑張ってたから”

 

しかしヒナはすぐに冷静になると、あの時先生を助けたのは当然だと言う。さらには先生を危険に晒してしまったことを深く後悔しているようである。しかし先生がお礼を言いたかったのはその事ではなく、いつも先生のためにゲヘナのために日々頑張っていることであった。

 

“それを言いたかった。だから休んでて、あとは私が何とかする”

 

「ま、待って、何とかって…でも、私は…私…。私は…小鳥遊ホシノみたいには、なれない…」

 

“…ホシノ?”

 

「私はあの、アビドスの副会長みたいな…強い人じゃない…」

 

そして先生は後は自分が何とかすると言って、ヒナに休んでいるよう促した。それを聞いたヒナは動揺して、口をまごつかせた後、何故かホシノのことを口にした。どうやらヒナにとってホシノは“強い人”らしい。

 

「アビドスの生徒会長…その遺体を発見したのは、小鳥遊ホシノだった。すごく、ものすごく大切な人だったはずなのに…」

 

“そう…なんだね”

 

「あれだけの苦しみを味わっておきながら、彼女はまだアビドスで戦ってる…私には、そんなことできない…」

 

“・・・”

 

「私は、そこまで強くなれない…あの瞬間私は、もう…」

 

ヒナ曰くホシノはアビドスの生徒会長の遺体の第一発見者だったようである。しかし、そんな苦しい思いをしたにも関わらず、ホシノは今もアビドスのために戦っているのである。それを知っているヒナは、自分は彼女のように苦しい思いをしても立ち上がって戦うことはできないと思っているのである。

 

“ヒナ…”

 

「私だって頑張った!!」

 

“うん…”

 

「いつも頑張って、どうにかしようとして…分かってもらえなくても、それでも…」

 

ここでようやくヒナは自らの感情を先生相手に爆発させる。それを先生はただ静かにうなずきながら聞いていた。

 

「けど私は、大事なところで…」

 

“私も…私だって同じだよ”

 

「先生…?」

 

“私が不甲斐ないせいで、ヒナにも他の生徒たちにも辛い思いをさせてしまった。私なりに頑張ったつもりだったんだけどな…”

 

そして先生は自分もヒナと同じだと言って、自分の不甲斐なさを噛み締める。彼も常に生徒のために頑張っているが、自分が倒れてしまったことで大勢の人たちを悲しませていることが許せないのである。

 

“オプティマス・プライムは…彼は自分の故郷が危機にさらされているという事実を聞かされても、このキヴォトスのためにかつての師匠と敵対することを選んだ”

 

「うん…アビドスでもこのキヴォトスを守るために、誰よりも勇敢に戦っていた…」

 

“私もあんな風にみんなを守れればいいんだけどね…”

 

「・・・」

 

“でも私はヒナたちより弱いし…こんな風に撃たれたらひとたまりもないんだ…。ごめんね、辛い思いをさせて。私はオプティマス・プライムのようにみんなを守れるように強くはなれないんだ…”

 

オプティマスはサイバトロン星が危機に陥っているという事実を知っても、キヴォトスを守るためにセンチネルと戦う道を選んだ。さらにはアビドスでのザ・フォールンとの戦いでも勇敢に戦い、この惑星の危機から救った。先生は自分もそんな風にみんなを守りたいと思っているのだが、そもそも生徒たちよりもひ弱な彼が先頭に立って彼女たちを守るというのは無理な話である。

 

「先生は、ずるい…私はあの瞬間もう、ダメで…なのに、そんなことを言って…」

 

“ず、ずるいかな…”

 

「私だって、小鳥遊ホシノや補習授業部みたいに…先生に構ってほしかった、褒められたかった!!」

 

“・・・”

 

「…あっ」

 

ヒナは先生が自分相手に弱さを見せたことによって、彼女は先生をずるいと感じたようだ。そしてヒナは感情を爆発させて、先生に構って欲しかったと本音を打ち明けるのであった。

 

「ご、ごめん…今のは、その…」

 

“ヒナ、本当にごめん!”

 

「!?」

 

“ヒナも今度、補習授業しよう!それで成績が良かったらもちろん、たくさん褒めるから!”

 

自信の本音をぶちまけたヒナは少し落ち着くと、先ほど言ったことを取り消そうとする。しかし、先生はヒナを構ってやれなかったことに責任を感じたのか、彼女のために補習授業をして、その上でたくさん褒めると言い出した。

 

「え、いや私、成績は元々良いし…だいたい満点だけど…」

 

“それとも水着パーティする!?すぐにでも準備するよ!”

 

「えっと、それも別に…」

 

“じゃ、じゃあ…”

 

「…はぁ。ふふっ…」

 

しかしヒナは成績が良いため、補習授業は必要無いと言う。すると今度は水着パーティーをしようと言い出すが、それもあまり乗り気ではないようである。だが先生が自分のために必死に“良い考え”を出そうとしているのを見て、ヒナは少し安心して笑顔になった。

 

「…ところで先生、実は私に頼みたいことがあるんじゃない?」

 

“でも、ヒナは引退したって考えると…”

 

「…それは言ってみただけ。少し、みんなに甘えてみたかっただけ」

 

そしてヒナは先生に頼み事があるのではと尋ねるが、先生は引退すると言った彼女に頼み事をするのに気が引けるようである。そのことにヒナはただ、みんなに甘えるために言っただけだと答えるのであった。

 

「行こう、先生」

 

 

 

 

 

“ディセプティコン!!我が惑星に攻め入って来た不届き者に鉄槌を下せ!!”

 

「「「「「おぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!!!」」」」」

 

“出撃だっ!!”

 

「All hail Megatron!!」 「All hail Megatron!!」 「All hail Megatron!!」

 

ザッザッザッ…

 

ディセプティコン、出撃開始!!

 

 

 

 

セイアの夢の中

 

「みんなを集めて、話して…そして繋がって、理解する。トリニティとゲヘナの生徒たちが、徐々に…」

 

「アリウスの憎しみがこもったユスティナ聖徒会が、自らの種を存続させようとこの惑星を征服しにきたエリートガードたちが、トリニティとゲヘナに進撃してきている今」

 

「誰かに助けを求めて、求めあって…そうして少しづつ、寄り添おうとしている」

 

「そんな中、単身アリウススクワッドを防ごうとするアズサは…古聖堂。楽園の名前が掲揚されながら、今は廃墟となったあの場所へ」

 

「アズサ、アリウススクワッド、エリートガード、オートボット、ディセプティコン。そして先生もまた、そこへと向かう…」

 

 

 

 

 

さあ、戦いだ!!




心配しなくてもメガトロン様はツンデレなので大丈夫ですよ。
次回はこの物語のテーマをタイトルにします。
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